「ぜぇはぁ...ぜぇはぁ...疲れた」
この男、名を三日月オルガ
気分が高まって走り出したものの持っている2つの武器の重さでバテた軟弱者だ
現在森の中で休憩中だ
彼の名誉のためにフォローをするとすれば別にすぐ疲れたわけではない
かれこれ一時間近く走ってようやっと疲れたらしい
「ふぅ...やっぱこいつら2つ持ちできるだけあって肉体スペックは高いな」
両手の自身の170以上の身長と同じくらいの大きさの武器を見て思う
「これなら、よっぽどでもない限り阿頼耶識を使う必要はないな...」
「ま、使うつもりはないけどね」
自ら死にに行くようなことをするバカはいない...とは言えないが
俺としては命大事にで生きたい
神様に生きてくれって言われたからね
「...でもな〜」
「彼らのように守りたい物ができて、そのために使うことがあるのかな〜...」
俺が小さい頃からずっと見ていた作品の主人公たち
それでもと言い続け戦う者
対話のために戦い続けた者
守りたい世界があるから戦った者
これ以外にもたくさんの信念があった
彼らには戦う理由があった、守りたい物があった、未来を信じていた
「俺は、どうしようかねぇ?」
「...」
周りを見る
前世では滅多に見れない豊かな自然
青い空聞こえる動物の声
「この世界を守る...いいかもな」
全く知らない世界でもいつか本気で守りたいと思えるのか分からない
でも、この景色、この自然、ここに生きる動物
「一瞬でもそれ等を守りたいと思った...なら十分か」
まだこの世界に来て少ししか経っていない
右も左も分からない
ルールも暮らし方も種族も
何も分からない
「けど、このザ・ファンタジーな世界を堪能するために守る...最高だな」
「あと、この世界でガンダムなる、機体的なやつじゃなくて概念的な...もっと言うと刹那がガンダムって言ってくれるような人間」
さて、休憩もしたし疲れも取れたしやることも決まった!
「再出発だな」
再びこの森を進む、今度は歩きで
「にしても、魔物というかモンスターというか...みたいなのが全然いないな」
「案外、ファンタジー主軸のほのぼのスローライフ系のソシャゲか?」
「だったらこの力全くの無意味で草生えるけど...」
その時空に違和感を覚えた
「ん、なんだ?」
空を見上げる
龍だ間違いなく龍が飛んでいた
「わお、初めてのファンタジー要素、感動するねぇ...」
「よし、狩るか」
ドラゴン殺しとかカッコよくない?
まぁ人に危害を加えないなら殺るつもりはないけどさ
「とりま、追いかけよ」
────────
──────
────
少し歩くとちょっと広いところに出た
そうすると一人の少女と一人の妖精のような存在、そして龍がいた
少し様子を見ているとその瞬間龍は吠えた、耳が痛くなりそうだった
「って言ってる場合じゃねぇ!とりま助けるか」
気が立ってそうだし襲われる一歩手前だろあんなの
「テイルブレードを龍より後ろの木に刺して、メイスで殴る!よし決行!」
背中の腰辺りからブレードを飛ばし龍の奥の木に刺す
立体起動装置のように引っ張られるのでその加速を利用して殴る
...が
「あ、避けられた...背中イタァァァァ!!」
急に飛び立った龍に対応できず背中から飛ばしたせいで背中から木にぶつかる
しかもブレードが抜けない...
「な、何なんだ!いきなりぃ!」
「あぁいきなりごめんね?襲われてると思ってさ...助けようとしたらこのザマ...ちょっと待ってて」
勢いよく飛び出す動きで木からブレードが抜ける
動けるようになったので少女達のところに近づく
「びっくりしただろ、悪いな。俺は三日月オルガ!そっちは?」
「私は蛍」
「オイラはパイモンだ!」
「なるほど、よろしくな」
「それで?オルガは何をしているんだ?」
「ん〜...ちょっとした旅さ、そっちは?」
「私は...」
────────
──────
────
「なるほどなぁ...あんたもそう言う感じか」
「あんたもって?」
「俺も、別の世界から来たのさ」
「えぇ〜!そうだったのか?」
どうやら蛍は俺と同じこの世界の存在ではないらしい
ということで俺の事情も話すことにした
「神様に会ったって、凄いなオルガは!」
「寂しくはないの?」
「別にだな...もう割り切ったよ」
死んじゃったしね...このことまでは言わないけど
ある日突然この場所に飛ばされた
そう蛍たちには説明した
「そっちも...辛いだろ、兄弟と離れ離れなんて」
「うん、だから探してるの、お兄ちゃんと私を襲った神のことを」
「そっか...なら俺も手伝うよ」
「お、いいのか!?」
「旅は道連れ世は情けって言うしな!それに仲間が多いほうがちょっとは寂しくなくなるだろ?」
「ありがとう」
「いいって...じゃ早速行くか!」
「にしてもさっきは何があったんだ?食われると思ったぞ...」
「絶対あのドラゴンと話してたやつが関係してるよな...」
「何だそれ?普通じゃないだろ」
「私もそう思う」
「そうだよな、普通じゃないよな...」
ふとパイモンが龍...ドラゴンがいたところに視線を移す
「ん?なんだあれ?」
そこには赤く光る石があった
「あの石、赤く光ってる...?」
「宝石か?」
「近くで見てみようぜ」
「分かった」
「オッケー」
石に近づく、特に何も起きないが嫌な予感がした
「嫌な感じが...する」
どうやらパイモンもそうらしい
やがて至近距離で石を見ることができた
「こんな石見たことない...なんなんだこれ?」
「パイモンも知らないの?」
「危ないってことだけはわかるな。とりあえず回収しておくか」
パイモンが石をしまう
「よし回収完了!急いでここから出よう!」
「いいのか?」
「さぁ...」
先に進むパイモンを見ながら蛍とそう呟いた
「ま、ついてくか」
「そうだね」
「ねぇ、あんた達待ちなさい!」
進み始めるとこちらを呼び止める声が聞こえた
声の方を3人で見ると
赤い服の少女が飛び降りてきた
着地の際少し転けそうになるが持ちこたえこちらを見る
「風神のご加護があらんことを」
青き清浄なる世界のために
ついその言葉が思いつくが口に出すのはやめといた、俺はブルコスじゃないし
「わたしは西風騎士団の偵察騎士、アンバーよ!」
「あんた達モンドの人じゃないよね?身分の証明はできる?」
やっべ、そういうのちゃんとしてる世界だった
これもしかして不正入国?初っ端牢獄スタート?
焦っていると
「落ち着いて、怪しい者じゃないんだ......」
パイモンがもっと怪しまれることを言った
逆効果やそれ
「怪しい人は皆そう言うわ」
ほらやっぱり、ここは自己紹介から行こう
「俺は三日月オルガだ」
「私は蛍」
「ここら辺じゃ、珍しい名前ね」
「それからその...マスコットは何なの?」
「あって二ヶ月の友達...?」
「妖精のようなもの?」
「疑問系にするなぁ!」
「とにかく旅人よね」
「まぁはい」
「そうだね」
「近頃モンド城の周辺で大きな龍が出没しているの。だから、早く城にはいったほうがいいわ」
「へぇ〜」
さっき見たやつか?
「そうだ!ここからモンドまでそう遠くないし、ここは騎士の務めとして城まで送ってあげる」
「え、任務があって城を出たんじゃないのか?」
「もちろん任務もあるわ。でも安心して、任務を行いながらでも、あんたたちの身を守ることくらいはできるから」
「それに...怪しいものを放っておくわけにもいかないからね!」
「おいおい、こっちは客人だぞ〜?」
「そう言う言い方は失礼だよ」
「あ、うっ...ごめん。優秀な騎士にあるまじき言動だったね」
「あぁ、いや別に冗談だから気にするな」
「...」
「え、冗談だよな?蛍?」
ちょっと凹んでいるアンバーをフォローするが蛍の方が表情を変えていないのが怖い
「だとしても謝るよ、えっと...見知らぬ、その...尊敬できる旅人さん」
「ぎこちない!」
「騎士団ガイドで決められた言葉に不満でもあるの!?」
「お前が言い慣れてないだけだろ...」
そんなこんなでもう一人仲間が増えてまた始まった旅
道中やっと見ることができた魔物に興奮しつつ容赦なく叩き潰す
会話やアンバーの任務のことも話しながら歩いているとパイモンが俺の方を見て言った
「でかいな〜...それ、重たくないのか?」
「余裕だな。これを持って一時間ぐらいの全力疾走ができるくらいだ」
「そんなに?すごいね」
「持ってみるか?ほれ」
大型メイスを渡す
「わっ、ちょ...うわ!すごく重い!大人二人くらいはあるんじゃ...!」
「こっちもそれなりに重いぞ」
アンバーがメイスを地面に置くと同時に今度はソードメイスを渡す
「ってうわぁ!こっちも1人分くらいはある!」
「ってことは大人3人分か!?オイラじゃ持つ前に潰れちゃうぞ...」
「そうだなって...お、あれは何だ?」
地面に置かれた武器を取ると何かが見えたので視線を移す
少し遠くに小さい人型の何かが見えた
「ヒルチャールだ!」
「逃さないで!」
「了解!」
遠くからテイルブレードを突き刺す
当然倒すことができた
「最近、荒野の化け物が城に近づいてきてるの」
「今回の任務はその巣の掃除よ」
「なるほど...あの小さい集落のようなのがそうか?」
「そうだね!よし、さっそく掃除しよっか」
「やってやるぜ!」
ヒルチャールの群れに突っ込み殲滅する
アンバーの武器は弓
よって俺が前線に出たほうがいいと思ったからである
「ほっ、はぁ!おら!」
どんどん叩き潰したり吹き飛ばしたり真っ二つにしたりする
テイルブレードも忘れずに動かし敵にワイヤーを巻き付けたり斬りつけたりする
「これで終わりィ!」
最後の一体もホームランで星にする
「いや〜楽勝楽勝〜」
「でも、オルガはともかくあんたも戦えるとは思わなかった」
「支援ありがとう。ねぇ戦ってどう思った?」
「まだまだ、余裕も余裕だな」
「このくらいなら全然平気むしろ楽勝」
「それにしてもなんでこんなところにヒルチャールが現れるんだ?」
「こういう奴らは普通、都市から離れたところに巣を作るよな?」
「そうね、本来だったら荒野にいるはずね」
「でも最近、風魔龍が頻繁に出現するようになって、キャラバンのルートに影響があったの」
「暴風が発生するたびに怪我人が多数出るし...騎士団はその被害から守らなくちゃいけなくてね」
「だから、こいつらの活動範囲もだんだん城の方に?」
「そう、でも今日また一つ巣を片付けられたから進展はあったわ」
「さぁわたしについてきて!真面目で優秀な騎士が、あんたたちを城まで守ってあげる」
次回「モンドと風魔龍と西風騎士団」