モンスターハンターストーリーズ~The Re-bloomed Lily~ 作:暇を持て余す火の玉
基本的には前作との差異はありませんが、登場キャラクターの設定やストーリーなどが変更されていますので、ご注意ください。
結梨
「梨璃…私…出来たよ…。」
膨れ上がる光の中で、“一柳 結梨”は嬉しさと寂しさが混ざった微笑みを浮かべながら呟いた。
一柳隊の皆と過ごした短い時間の思い出が、走馬灯として結梨の脳裏を駆け巡る。
後悔はない。
やっと自分がなりたいと思っていた“リリィ”になれたから。
居場所を与えてくれた大切な仲間達を守る事が出来たから。
思い残す事は、もう何もない。
…そう思った時だった。
何処からか何かの咆哮が響いてくる。
それと同時に、突然視界がグニャリと歪み、目の前に
結梨
「!?」
いきなり出現した渦巻く穴を前に、結梨は驚きで目を見開くのと同時に、自分の体が引き寄せられている事に気付いた。
結梨
「梨ーッ!」
思わずその名を叫ぼうとした時には、口を開けた渦巻く穴の入り口が目の前まで迫って来ていた。
一切の抵抗も許されず、結梨は全てを飲み込む様な暗闇が満ちる穴の中へと吸い込まれる。
結梨を呑み込むと同時に、渦巻く穴は消滅しー
膨れ上がっていた光は、大爆発した。
この時を境に、一柳結梨は
結梨は自分の身に起こっている事が分からず、混乱していた。
渦巻く穴の中は、紫電が迸り、狂った様に重力が荒れ狂うトンネルが、複雑に絡まり合う空間となっていた。
暴走する重力に翻弄されながら、結梨は暗闇の中を猛スピードで流されていく。
結梨
「梨璃…夢結…!」
どうすればいいかわからず、その名を小さく呟いた…まさにその瞬間だった。
周囲で迸っていた一筋の紫電が、結梨に直撃した。
結梨
「ッ!!…ぁ…。」
電撃を喰らった結梨は、一瞬で意識を失う。
その時、手に握っていた
結梨の手から離れたグングニルは、まるで激流に落ちた小枝の様に、暗闇の遙か彼方へ流されていく。
そして、気を失った結梨も、グングニルとは別の方向へと流されて行った。
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『…。』
翼を羽ばたかせながらその様子を見ていた黒い影は、結梨が流れて来た方へと頭を向ける。
繝溘Λ繝懊Ξ繧「繧ケ
『グルルルルル…。』
ソレは、暫くの間その方角を見つめていたが、低く唸り声を上げて口元から火の粉を漏らしながらベロリと舌舐めずりをすると、暗闇の奥へと飛び去って行った…。
とある海洋に浮かぶ小島、“ハコロ島”。
その北方に位置する“護りレウスの森”の中を、一人の少女が一体のモンスターの背に跨りながら共に進んでいた。
日の光で煌めく、鮮やかなエメラルドグリーンの瞳。
一部分を花の髪飾りで三つ編みにした、腰まで届く山吹色のロングヘアー。
少女の名は“レマ”。
モンスターと絆を結びし者…“モンスターライダー”である。
レマをその背に乗せているのは、“天空の王者”と言う異名を持つモンスター“リオレウス”。
レマの相棒オトモン、“レウス”だ。
レウスとレマは現在、かつてハコロ島を守護していた存在であると同時に、レウスの親でもあった“護りレウスの巣”を目指していた。
レマ
「そろそろ到着するわね。
“ナビルー”、ちゃんと花束持ってるわよね?」
??
「もちろんだぜ、相棒!
護りレウスには、オレ達もお世話になったからな。
ちゃんと挨拶しておかないとな。」
鮮やかな花束を大事に抱えた猫の様な生き物、“ナビルー”は、元気よく返事をした。
レマ
「そうね…。
護りレウスがいなかったら、私とレウスは今頃ここにはいなかったかも知れない。
護りレウスとおじいちゃんには、感謝してもしきれないわ…。」
ナビルー
「相棒…。」
微かに声を震わせるレマを見て、心配そうな表情になるナビルー。
護りレウスの死を間近で見た者として、思う事があるのだろう。
そして…それはレウスも同じだった様だ。
レウス
『…グルルゥ…。』
進めていた足を止めて、レマへと視線を向ける。
その目には優しい光が灯っており、レマに何かを伝えようとしている様だった。
それに気付いたレマは、ハッとしながら涙を拭い取る。
レマ
「…っ。
心配かけてごめんね、レウス。」
レウス
『クォー。』
レマ
「…うん、もう大丈夫。
励ましてくれてありがとう。」
レウス
『グワァ!』
レマ
「ナビルーも、ありがとうね。」
ナビルー
「これくらい、どうって事ないさ。
また泣きそうになったら言ってくれよ。
ハンカチは無いけど…オレのモフモフの毛で良かったら、いくらでも貸してやるからさ。」
レマ
「フフッ!
そうね、その時になったらお願いするわ。
行くわよ、レウス!」
レマがそう言うと、レウスは答えるように一声鳴き、護りレウスの巣へ向けて再び走り始めるのであった。
それから数分後、護りレウスの巣の近くまでやって来たレマ達は、古びた石段を登っていた。
レマ
「私が最初にここに来たのは、まだライダーになったばかりの時だったわね。」
ナビルー
「凶光化したアンジャナフと戦った時だな。
あの時はケイナも一緒に戦ったんだったよな。」
レマ
「でもまさか、そこからあんな大冒険をする事になるとは思っていなかったけどね。」
そんな感じで、懐かしむ様に笑顔で思い出話をするレマとナビルー。
…そんな時、突然レウスが足を止めた。
レマ
「…レウス?」
レウス
『…グルルルル…!』
低い唸り声を上げるレウス。
その視線は、石段の先…目的地である護りレウスの巣の方に向けられている。
レマ
「…この先に、何かあるのね?」
ナビルー
「何か?
でも、オレのヒゲはちっともピリついてないぞ?」
自分のヒゲを触りながら首を傾げるナビルー。
…その時だった。
…ドン…ッ…!!
レマ達
『ーッ!?』
森の奥の方から何かが爆発した様な音が響き、地面が微かに振動した。
ナビルー
「なっなんだ、今の音!?」
レマ
「“護りレウスの巣”の方からだわ!
確かめに行くわよ!」
そう言うと同時に、レマ達は石段を駆け上がって行った。
護りレウスの森:護りレウスの巣
森の奥、神聖な雰囲気が未だに残る石の祭壇がある場所…“護りレウスの巣”。
ここは言わば、護りレウスとレドの墓標であり、レマ達は毎年ここを訪れて、護りレウスとそのライダーであったレマの祖父、レドに花を添えていた。
しかし、今年はいつもと少し違っていた。
レマ
「着いた…って、コレは!?」
レマは目の前の光景に目を丸くする。
かつて、護りレウスが横たわっていた場所が、小さなクレーター状に抉られていたからだ。
ナビルー
「やっと追い付いた…って、なんだコレ!?」
レマ
「さっきの音はコレが出来た音だったってわけね。
一体、何があったのよ…?」
クレーターの中を覗き込みながら呟くレマ。
その中心に視線を向けた時、再びその瞳を驚きで見開く事になった。
なぜならー
レマ
「なっ…人が倒れてる!?
ちょっと、大丈夫!?」
クレーターの中心で、力なく倒れている人の姿を見つけたからだ。
すぐにクレーターの中へ滑り降り、安否を確認する。
倒れていたのは、浅紫色のロングヘアーが特徴的な15歳くらいの少女だった。
レウスとナビルーも、一緒に滑り降りてくる。
ナビルー
「だ、誰だその子?」
レマ
「分からないわ。
幸い、気を失ってるだけみたい。
だけど…この子、どうしてこんな所にいるのかしら…?」
レウス
『グルルルルル…。』
ナビルー
「相棒、どうするんだ?」
レマ
「放って置く訳にもいかないでしょ。
一度、この子をマハナ村に連れて帰るわ。
レウス、頼める?」
レウス
『グワァーッ!』
レマの問いに対し、大きく翼を広げる事でレウスは答えた。
それは即ち、“勿論”という事。
すぐに、レマは少女が落ちない様に気を付けながら、レウスの背に跨った。
レマ
「ナビルー、この子が落ちない様に手を貸してちょうだい!」
ナビルー
「まかせとけ!
しっかり支えてるからな!」
レマ
「頼りにしてるわよ。
それじゃあレウス、行くわよ!」
レウス
『グワァオーッ!』
雄叫びを上げながら翼を大きく広げ、レウスは大空へと舞い上がり、レマ達の家があるマハナ村の方へと飛ぶのであった。
運命の悪戯か、少女…一柳結梨は異界へ渡った。
そしてここから、新たなる絆の物語が幕を開ける事を、彼女達はまだ知らない。
ナビルー
「次回は不思議なあの子に自己紹介!」
少女
「私の名前はなんだっけ…?」
ナビルー
「え?」
レマ
「これってもしかして…?」
~キャラクター紹介~
:レマ:
・ゲーム本編の主人公。
一部分を花の髪飾りで三つ編みにした、腰まで届く山吹色のロングヘアーに、エメラルドグリーンの瞳が特徴。
マハナ村のライダーにして、現リーダー。
相棒オトモンの“レウス”と、ハンターの“カイル”と共にアルトゥーラを討伐し、世界を破滅の危機から救った英雄的存在でもある。
・祖父であるレドの血を受け継いでおり、現在使っている絆石もかつてレドが使っていた物。
レドが持っていた“モンスターの声を聞き取る力”を受け継いでおり、レウスが飛べる様になった頃から、オトモン達と会話をする事が出来る様になった。
ただし、野生のモンスターの声をハッキリと聞き取る事はまだ出来ない。
:レウス:
・レマの相棒オトモン。
通常のリオレウスとは翼の模様やその身に秘める力が異なる。
かつて、世界を崩壊へと導く“破滅の翼”を持つレウスとして人々から恐れられていた。
:ナビルー:
・レマと行動を共にしているアイルー。
元々は色々な場所を旅するさすらいのアイルーだったが、ハコロ島に立ち寄った時にレマと行動を共にする事になった。
かつて世界を襲った災禍、“黒の凶気”をとあるライダーと共に打ち払い、世界を救った伝説のアイルーでもある。
その旅の際に様々な場所を訪れた為、意外と交友関係が広い。
・タマゴの匂いと重さで、そのタマゴが秘める性質を見破る事ができる。
また、あまり頻繁には使わないが、雷エネルギーをその身に纏う事も出来る。
“ポモレ花園”にいる“オルゴ”とは兄弟の様に仲が良く、アニキと呼び慕っている。
はじめましての方ははじめまして、お久しぶりの方はお久しぶりです。
暇を持て余す火の玉です。
冒頭にもある通り、このお話は以前投稿していた小説を書き直して再投稿した小説になります。
これから自分のペースで書き進めていきたい所存ですので、温かい目で見守っていただきたいです。