モンスターハンターストーリーズ~The Re-bloomed Lily~   作:暇を持て余す火の玉

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〜前回までのあらすじ〜
“護りレウスの巣”に倒れていたところを発見された一人の少女。
マハナ村のライダーである“レマ”と“ケイナ”、アイルーの“ナビルー”が自己紹介をするが、少女は記憶を失っていた。
記憶が戻るまでマハナ村で生活する事になった少女は、マハナ村の長老であるガラに挨拶し、レマ達にマハナ村を案内された。


第2話:絆と記憶を結ぶ石

レマ

「ここが“厩舎(きゅうしゃ)”。

オトモン達はここで生活してるわ。」

数分後、村を回っていたレマ達は、厩舎の前に来ていた。

 

少女

「おともんって、なに?」

レマ

「オトモンって言うのは、私達ライダーに力を貸してくれるモンスターの事よ。」

ナビルー

「オトモのモンスターだから、“オトモン”ってわけだな!」

少女

「らいだー…レマとケイナも、らいだー?」

ケイナ

「そうよ。

村を回ってる途中で、あたしやレマと同じ格好の人を見かけたと思うけど、あの人達もライダーなのよ。」

そう言いながら、ケイナは左手の甲を見せる様に拳を握る。

その時、左手首に付いていたリストバンドの様な物に埋め込まれた青白い石が、陽の光を反射してキラッと光った。

気になった少女は、ソレを指差しながら尋ねた。

 

少女

「それ、なーに?」

ケイナ

「え?

ああ、これは“絆石(きずないし)”よ。

ライダーとオトモンとの絆の力を高める物なの。」

少女

「らいだーと、おともんの…絆?」

レマ

「そうよ。

オトモンは、ライダーの足となって色んな場所に連れて行ってくれる。

でも、決して道具として利用してる訳ではないの。

オトモンとライダーは、お互いの足りない所を補い合い、共存しているの。

そして、ライダーとモンスターが力を合わせるのに欠かせないのが…。」

少女

「絆の…力?」

レマ

「その通り。

絆石はライダーの証であると同時に、オトモンとの絆の証でもあるってわけ。」

少女

「ふーん…私も、ライダーになれる?」

厩舎の側に立っている青色のモンスター、ドスランポスを撫でながら、少女は問い掛けた。

 

ケイナ

「あら、もしかして興味が湧いてきたのかしら?」

少女

「うん。

私も、ライダーになってみたい!」

レマ

「頑張れば、あなたもライダーになれると思うわよ。

まあ、その為にはまず自分の絆石を持たないといけないけど…。」

少女

「自分の絆石…そう言えば、レマとケイナの絆石は形が違うよね。

なんで?」

レマ・ケイナ

『!』

その瞬間、レマ達の動きが一瞬止まり、表情が少しだけ暗くなった。

 

レマ

「…私が今使ってるこの絆石は…おじいちゃんが使っていた絆石なの。」

少女

「レマのおじいちゃん?」

ケイナ

「レマのお爺さん…レドは、このマハナ村のライダー達のリーダーだった人なの。

この島の守護をしてくれていた、“護りレウス”をオトモンにしていた、立派なリーダーだったわ…。」

少女

「レドは、今はいないの?」

ケイナ

「…。」

レマ

「…おじいちゃんは、護りレウスと一緒にいるわ。

この空の、遥か向こうに…ね…。」

少女に背を向けて、青空を見上げるレマ。

その声は、僅かに震えていた。

 

ナビルー

「…相棒…。」

少女

「レマ…?」

レマ

「…大丈夫…大丈夫だから…。」

少女に背を向けたままで答えるレマ。

辺りが暗い沈黙に包まれかけた時だった。

 

レウス

『…グルゥ…。』

少女

「…わっ!?」

小さな唸り声を上げながら、レウスがレマに寄り添って来た。

レウスに驚き、少女は小さく声を上げる。

 

レマ

「おっと…驚かせてごめんなさい。

この子は“レウス”。

私のオトモンで相棒よ。」

少女

「レマの、オトモン…。」

小さく呟きながら少女はゆっくりとレウスに歩み寄ると、優しく撫でながら微かに鼻を動かした。

 

少女

「…くんくん。」

ナビルー

「どうかしたのか?」

少女

「レウスから、悲しい匂いと優しい匂いがする。

レマの事を、心配してるんだね。」

レウス

『グル…!』

レマ

「匂いでわかるの?」

少女

「うん。」

ケイナ

「へぇ、不思議な特技ね。」

少女

「…うん、決めた!

レマ、私もライダーになる!

ライダーになって、皆の力になりたい!

ライダーになるには、絆石がいるんだよね?

どうすれば絆石をもらえるの?」

レマ

「ちょ、ちょっと落ち着いて!

確か、絆石は“絆原石(きずなげんせき)”を加工して作るって聞いてるけど…。

いろんな加工を施す必要があるみたいだから、少なくとも一週間くらいは待つ必要があるわよ?」

少女

「えー…。」

ナビルー

「ん?

そういえば相棒、修行の時に使ってた絆石がなかったか?」

レマ

「あの絆石?

まあ、絆石を捨てるわけにはいかないから、一応取って置いてはあるけど…。」

少女

「本当!?」

レマ

「でも、他人が使ってた絆石を別の人が使う事は出来ないのよ。

だから、あなたが私の絆石を使おうとしても、多分力は発揮出来ないだろうし、オトモンと絆を結ぶ事も出来ないと思うわ。」

少女

「そうなの?

でも、レマは絆石を付け替えてるんだよね?」

レマ

「私は例外。

私の場合は、おじいちゃんと血の繋がりがあったから使えたのよ。」

少女

「そうなんだ。」

レマ

「まあでも、絆石をつけるというのはどんな感じなのかを体験するくらいなら大丈夫か。

持って来るから、ちょっと待っててちょうだい。」

そう言って先程まで少女が眠っていた家に向かったレマは、数分後に絆石を手に戻って来た。

ケイナと同じ形をした絆石だ。

 

レマ

「これが、私が駆け出しの頃に使っていた絆石よ。」

少女

「ケイナの絆石と同じ形をしてる。」

ケイナ

「マハナ村の絆石はこんな形をしてるのよ。」

少女

「早速つけてみるね!

えっと…こうかな…?」

ケイナの絆石を見ながら、少女は同じ様に絆石をつけてみる。

 

少女

「…よし、できた!」

レマ

「なんとかつけられたみたいね。

…あら、付ける手が逆になってるわよ?」

彼女が言った通り、ケイナやレマは絆石を左手首に取り付けているが、少女はその反対側…右手首に絆石を取り付けていた。

 

少女

「あっ、本当だ…。」

自分の付けた絆石とレマ達の絆石を見比べながら言った…その時だった。

 

ナビルー

「…ん?

なあ、指輪が光ってるぞ!」

少女

「えっ?」

ナビルーに言われ、少女は自分の右手を確認すると、中指についていた指輪が光り始めていた。

更に、指輪の光に反応する様に絆石も光り始めていた。

 

ケイナ

「絆石も光ってる!?」

レマ

「これは…貴方の指輪と私の絆石が共鳴している…!?」

少女

「共鳴…?」

首を傾げながら、少女が絆石に目を向けた時。

絆石が一際強い光を放ち、色が青から橙色へと変化すると同時に、文字の様な模様が浮かび上がった。

 

少女

「っ!!?」

その瞬間、少女の脳裏に電流が流れる様な衝撃が迸り、何かの映像が流れ込んで来る。

最初は砂嵐の様なノイズにまみれて、何が何だかわからなかったが、青白い光と共に少しずつノイズが消えて行き、映像が鮮明になる。

それは、“白い部屋の映像”。

自分は、先程と同じ様にベッドで体を起こしている状態だ。

そんな自分に、誰かが話しかけて来る。

顔は焼き焦げた様に塗りつぶされてわからないが、自分と同い年くらいの女の子だという事はわかった。

そんな女の子は、まるでお母さんの様な感じで自分の事をこう呼んだ。

 

譴ィ迺

「“ユリ”ちゃん。」

少女

(!

聞こえた…私の名前…!

…そうだ…私は、“ユリ”。

この人が付けてくれた、大切な名前…!)

少女…ユリは思い出した。

忘れてしまっていた自分の名前を。

自分が何者かを示す大切な言葉を。

 

ケイナ

「…ぇ…ねぇ!

ちょっと、大丈夫!?」

ユリ

「っ!?」

ケイナに肩を揺らされ、ユリはやっと我に帰った。

パチパチとまばたきをしながら視線を動かすと、ケイナの後ろで、レマとナビルーが心配そうに自分を見つめている。

 

レマ

「絆石が光った途端、心ここに在らずといった感じになったのよ?」

ケイナ

「おまけに絆石があれだけ強く光ったものだから、村の人達も集まってきちゃったわよ。」

ケイナに言われて少女が周りを見てみると、異変に気付いたガラや、騒ぎに気付いた他のライダーや村人達も集まって来ていた。

ユリは、軽く深呼吸して息を整えてから、口を開いた。

 

ユリ

「私は大丈夫。

それより、思い出したよ。

私の名前。」

ガラ

「おお、本当か…!」

ケイナ

「あら、それは良かったわね!」

レマ

「それじゃあ、あなたの名前を私達に教えてくれるかしら?」

ユリ

「うん!」

コクリと頷き、ユリは一呼吸おいてから口を開いた。

 

ユリ

「私、“ユリ”!

皆、よろしくね!」

ケイナ

「ユリ…いい名前ね!」

レマ

「よろしくね、ユリ。

ようこそ、マハナ村へ!」

笑顔でレマは答えた。

こうして、ユリはマハナ村の人達に迎え入れられたのだった。

晴れ渡る青空の下、右手首に付けられた絆石が、太陽の光を反射してキラリと光った。




ナビルー
「次回はレマのオトモンをユリに紹介だ!」
レマ
「私の特技も明らかになるわよ。」
ユリ
「みんな、よろしくね!」

~キャラクター紹介~
:ユリ(一柳結梨):
・この物語の主人公。
 百合ヶ丘女学院に侵攻して来たヒュージ、“ハレボレボッツ”と戦い、爆発に巻き込まれる直前に発生したワープホールに吸い込まれ、アサルトリリィの世界からモンスターハンターストーリーズの世界に流されて来た。
 幼子の様に純粋無垢で好奇心旺盛。
 相手が誰だろうと構わず名前を呼び捨てで呼ぶ癖がある。
・特技は、匂いで人やモンスターの感情を読み取る事。
 世界を渡る際に紫電が頭に直撃したショックで、元の世界に関する記憶を殆ど失っている。
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