モンスターハンターストーリーズ~The Re-bloomed Lily~   作:暇を持て余す火の玉

6 / 12
〜前回までのあらすじ〜
厩舎でレマのオトモン達との顔合わせを済ませたユリは、ライダー修行を始める準備と、レマからの贈り物として、片手剣、狩猟笛、ガンランスの三つの武器と、ライダーノートを受け取る。
その後、初めてのオトモンを仲間にする為、レマのオトモンの一体であるランマルと共に、ユリはタマゴ探索に出発した。


第5話:初陣

ユリ

「わぁ…!」

マハナ村の外に出たユリは、目の前に広がる光景に目を輝かせた。

雲一つない青空の下に広がる海は、太陽の光と波によって水面がキラキラと輝き、南国の風が優しく吹き渡る草原では、ランマルの様なモンスターの他に、長い首を持つモンスターや猪の様な姿をしたモンスター等、ユリが見た事のないモンスターの姿も見えた。

 

レマ

「どうかしら?

私達の暮らす“ハコロ島”の風景は。」

ユリ

「凄い…綺麗!

私、こんな綺麗なの初めて見た!」

目をキラキラと輝かせながら、ユリは早口で感想を口にする。

その様子を見て、レウスに跨っていたレマは満足そうに頷く。

 

レマ

「気に入ってもらえて何よりだわ。

でも、今回の目的を忘れていないわよね?」

ユリ

「…あっ、そうだ。

タマゴを探すんだった!」

レマ

「その通り。

でも、その前に少しだけ戦いの練習をしましょうか。

ついて来て。」

そう言ってレマは何処かへ移動を始める。

 

ユリ

「あっ、待ってよレマ!」

ユリも置いて行かれないように、()()()()()()()()()()()()()()

 

〜〜〜

 

ユリ

「はあっ…はあっ…。」

レマに追い付いたユリは、膝に手をついて息を切らしていた。

それに気付いたレマは目を丸くした。

 

レマ

「来たわね…って…あれ?

もしかして、走って追って来たの!?」

ユリ

「う…うん…。」

レマ

「…あー…ごめんなさい。

“ライドオン”の事を教えるのを忘れてたわ…。」

やっちまったと言った感じで顔に手を当て、レウスから降りながら謝罪するレマに対し、ユリは聞いた事のない言葉に首を傾げていた。

 

ユリ

「らいどおんって?」

レマ

「後でちゃんと話すわ。

さて…ユリ、あそこにいるモンスターが見えるかしら?」

そう言ってレマが指差した先には、湾曲した角を生やした一匹のモンスターが、道に生えている植物を食べていた。

 

ユリ

「見えるよ。

あのモンスターは?」

レマ

「“アプトノス”。

草食種(そうしょくしゅ)のモンスターよ。

まずは腕試しに、あのモンスターと戦ってみましょう。」

ユリ

「えっ?」

ユリは目を丸くした。

まさかいきなり実戦とは思っていなかったので流石に不安になり、ユリは表情を曇らせる。

 

レマ

「心配しなくても大丈夫よ。

アプトノスは臆病な性格のモンスターなの。

大怪我をするような相手では無いわ。

それに、何かあった時は私もサポートしてあげるから、安心しなさい。」

ランマル

『そうそう!

まずはチャレンジしてみよう!』

ユリの内心を察して、レマは優しく勇気付ける。

 

ユリ

(レマもサポートしてくれる…それなら…!)

「わかった…私、やるよ!」

レマ

「その意気よ、ユリ。

さあ、武器を構えて!」

ユリ

「うん!」

頷きながら、ユリはガンランスを構えた。

その際に生じた、ガシャンというかなり大きな音に反応し、アプトノスがユリ達の方を振り向いた。

 

アプトノス

『ウモーッ!』

相手が自分より小さいので勝てると思ったのか、一声鳴いて小走りで近寄って来る。

 

レマ

「来るわよ、ユリ!

全力で戦いなさい!」

レマがそう叫ぶと同時に、ユリ達の初めての戦いが始まった。

 

〜〜〜

 

ユリ

「よし、頑張るぞ!」

レマ

「ユリ!

まずは、あなたが思うままに武器を振るってみなさい!」

ユリ

「わかった!」

頷きながら答えると、ユリは槍を構えてアプトノスに突っこんでいく。

 

アプトノス

『ウモーッ!』

それを見たアプトノスは、後ろ足で立ち上がってのしかかり攻撃をして来た。

 

ユリ

「わっ!?」

ユリは驚きで目を丸くしたが、咄嗟に右腕に付けた盾を構えたので、アプトノスの攻撃を防ぐ事に成功した。

 

ランマル

『ギュアーッ!!』

ランマルが、甲高く鳴きながら突っ込んで来て、アプトノスに噛み付いた。

噛み付かれたアプトノスは、怯んで動きが止まる。

その隙に、ユリは体勢を立て直した。

 

ユリ

「ランマル、ありがとう!」

ランマル

『クオッ!』

レマ

「うん、ランマルもいい感じにフォローしてくれてるわね。

それじゃあ、戦いの基本を教えるわ!

攻撃には、“パワー”、“スピード”、“テクニック”の三つのタイプがあって、それぞれ相性が存在する。

パワーはテクニックに、スピードはパワーに、そして、テクニックはスピードに強いわよ。

アプトノスの攻撃傾向はパワーだから、スピード攻撃に弱いわ!

ガンランスを素早く突き上げてみなさい!」

ユリ

「わかった!」

そう返事をしながら、ユリは槍を再び構える。

それと同時に、アプトノスは再びのしかかり攻撃をしようとして来る。

それに対し、ユリは素早くアプトノスの懐に潜り込みー

 

ユリ

「えいっ!!」

掛け声と共に槍を素早く突き上げる。

突き上げられた槍は、ガラ空きになっていたアプトノスの腹にクリーンヒットした。

 

アプトノス

『ウモッ!?』

腹に一撃を貰ったアプトノスは、鳴き声を上げながらのけ反った。

 

ランマル

『ギュアーンッ!!』

そこへ、雄叫びを上げながら跳躍したランマルによるキックが打ち込まれる。

後ろ足から生えた鋭い鉤爪がアプトノスの体を切り裂き、それが決着となった。

ランマルが着地すると同時にアプトノスは痙攣しながら倒れ、動かなくなった。

 

レマ

「…勝負ありね。」

ユリ

「私、勝ったの?」

レマ

「ええ。

初めての戦いは、及第点と言った所かしらね。

でも、なかなか良い筋してたわよ。」

ユリ

「本当?」

レマ

「と言っても、まだ危なっかしい所は沢山あるわ。

今後も経験を重ねて、戦いに慣れていきましょう。」

ユリ

「わかった!

私、これからも頑張るね!」

レマ

「やる気いっぱいなのは良い事ね。

次はモンスターの巣まで行くけど、その前に“ライドオン”について説明しないとね。」

ユリ

「さっき言いかけてたのだよね?」

レマ

「そうよ。

ライドオンというのは、簡単に言うと“オトモンの背に乗せてもらう事”よ。

オトモンに乗る事で、移動を楽にしてくれたり、一人だけでは行けない場所へ行けるようになったり、色々な事が出来るようになるわ。」

ユリ

「ライドオン、すごい!」

レマ

「じゃあ、実際にやってみましょう。

ランマルにライドしてみて。

結構思い切って飛び乗ると上手く出来るわよ。」

ユリ

「思い切って、飛び乗る…。

…えいっ!」

レマに言われた通りに、ユリは思い切って大きくジャンプする。

すると、ストンと言った感じでアッサリとランマルに乗る事が出来た。

 

レマ

「おー、うまいじゃない!

初めての人は結構ライドするのに苦労するのよ。」

ユリ

「レマに言われた通りにやっただけだよ。」

レマ

「それで、初めてライドしてみた感想はどう?」

ユリ

「なんだか、不思議な感じがする。

ランマルと一つになってる様な感じ。」

レマ

「私も、初めてライドした時に同じ事を思ったわ。

そして、それは今も変わらないわ。」

いつの間に交代したのか、クルックを優しく撫でながら言うレマ。

 

ユリ

「レマも、オトモンと一つになってる感じがするの?」

レマ

「ええ。

特にランマルやクルック、レウスとは一緒に過ごした時間も長いから、尚更ね。」

ユリ

「良いなー。

私も、レウスみたいなオトモンと会えるかな?」

レマ

「きっと出会えるわ。

もしかしたら、今回の探索で出会えるかもしれないわよ?」

ユリ

「そうだと良いな。」

レマ

「さて、お話はここまで。

次はモンスターの巣に行くわよ。

オトモンに指示をすれば、その通りに動いてくれるからね。

クルック、いつも通り頼むわよ。」

クルック

『了解っス!

折角のユリちゃんの初めてのオトモンっスからね!

良い感じのタマゴが取れそうな巣を見つけてみせるっスよ!』

そう言うと、クルックは少しの間周囲をキョロキョロと見回すと、ライダーの関門台の方へ頭を向ける。

 

クルック

『あっちの方から良い感じの巣の気配がするっス!』

レマ

「それじゃあ、行ってみましょうか。

ユリ、ついて来て。」

そう言うと、レマは再び移動する。

 

ユリ

「ランマル、行こう。」

ランマル

『クォッ!』

トントンと軽く叩きながら言うと、ユリを背に乗せたランマルも、レマ達の後に続いて走り出すのだった。




ナビルー
「次回はユリに初めてのオトモンが!」
ユリ
「どんなオトモンが生まれるのかな。」
レマ
「…黒いタマゴ…?
なんだか、禍々しいわね…。」
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。