モンスターハンターストーリーズ~The Re-bloomed Lily~   作:暇を持て余す火の玉

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〜前回までのあらすじ〜
自分のオトモンを手に入れる為、レマ達と共にタマゴ探索に出発したユリ。
戦闘訓練として草食種モンスターのアプトノスと戦って見事に勝利、初陣を華々しい初白星で飾った。
その後タマゴを探す為、ユリはランマルにライドしてモンスターの巣へと向かった。


第6話:初めてのオトモン

アプトノスとの戦闘の後、ユリ達はモンスターの巣を目指していた。

 

ユリ

「ねえ、レマ?

こっちの方にモンスターの巣があるの?」

レマ

「ええ。

クルックが、ライドアクションの“巣穴探知(すあなたんち)”で見つけたから、間違いない筈よ。」

ユリ

「らいどあくしょん…なにそれ?」

レマ

「“ライドアクション”というのは、オトモンが使う事が出来る特技の事で、様々な種類が存在するわ。

クルックのライドアクションの“巣穴探知”は、その名の通りモンスターの巣や、タマゴのありかが何処にあるかを把握する事が出来るライドアクションよ。

因みに、レウスのライドアクションは空を飛んで移動する事が出来る“飛行”。

ランマルは足場を飛び移って移動できる“ジャンプ”ね。」

ユリ

「沢山あるんだね…覚えられるかな…?」

レマ

「まあ、少しずつ覚えていけば大丈夫よ。」

そこまで言った時、突然クルックが足を止めた。

 

クルック

『よーし、到着したっスよ!』

目の前を見ながら言うクルック。

その目線の先には、岩が積み上がって出来た洞穴が口を開けていた。

 

ユリ

「ここが、モンスターの巣?」

レマ

「そうよ。

ここの一番奥にあるタマゴのありかで、モンスターのタマゴを回収するのよ。」

クルック

『本当は上位モンスターの巣にしようかなと思ってたんすけど、今回はユリちゃんがいるんで、普通のモンスターの巣を選ばせてもらったっスよ。』

レマ

「そうね。

上位モンスターの巣だと道中でとんでもなく強いモンスターと鉢合わせする事が割と頻繁にあるから、それが良いわね。」

ユリ

「とんでもなく強いモンスターって…例えば?」

レマ

「この辺りだと、セルレギオスとかベリオロス亜種ね。

あとは…イビルジョーとかバゼルギウスとか…。

小型モンスターと戦ってる最中にいきなりバゼルギウスが乱入して来た時は、マジで寿命が縮む思いだったわね…。」

その時の事を思い出したのか、遠い目をしながら溜め息を吐くレマ。

 

ユリ

「レマ、大丈夫?」

レマ

「ああ、大丈夫よ…。

さぁ気を取り直して、タマゴを回収しにいくわよ!」

そうして、レマは洞穴の中に入っていき、ユリもその後に続いた。

 

〜〜〜

 

~モンスターの巣~

 

レマ

「ところで、ユリ。

あなた、さっきガンランスを使ってたわよね?

使い心地はどんな感じだったかしら?」

ユリ

「うーん…結構重いけど、そんなに使うのが難しく感じなかったかな?」

レマ

「ふむ…渡した時に言ったけど、ガンランスは少しクセがある武器で、使いこなすのは少し手こずる武器なのよ。

それをあまり難しく感じなかったという事は、ユリのセンスが良いのか、或いは体が覚えていた…という事かしらね。」

ユリ

「体が覚えていた?」

レマ

「記憶を失って使い方を忘れていても、長い間同じ物を使っていると、体にそれを使う時の動きが染み付くと聞いた事があるわ。」

ユリ

「じゃあ、記憶を失う前の私は、ガンランスをずっと使ってたって事?」

レマ

「それはわからないけどね?

…さて、目的地に着いたわよ。」

目的地…巣の最深部に着いたレマ達の目の前に、小さな丘のような物が現れた。

そのてっぺんに登ってみると、藁草や枝を掻き集めた様な作りの巣があり、中には幾つかのタマゴが置かれてあった。

 

ユリ

「これが、タマゴ?」

レマ

「そうよ。

因みに、タマゴの色や模様でそのタマゴが何のタマゴなのかをある程度判別する事が出来るのよ。

例えば、この横長斑点模様は、草食種モンスターのタマゴね。」

ユリ

「そうなんだ。」

レマ

「そして、ここからが大事な事よ。

タマゴを選ぶ時は、周りの警戒を怠らない事。

タマゴを選んでる最中に、親のモンスターが帰って来たり、目を覚まして襲ってくる事があるからね。」

ユリ

「わかった、気をつける。」

レマ

「それからもう一つ。

モンスターの巣では幾つかのタマゴを拾う事が出来るけど、持ち帰る事が出来るのは一個までなの。」

ユリ

「なんで?」

レマ

「モンスターのタマゴは、言ってみればそのモンスターの子供でもあるの。

無闇にタマゴを取り過ぎると、そのモンスターが子孫を残せなくなってしまうし、自然のバランスが乱れてしまう。

そうならないように、モンスターからタマゴを一つだけ分けてもらうの。

私達ライダーは、そうやってモンスターと共存して来たのよ。」

ユリ

「そっか…うん、わかった。」

レマ

「…それじゃあ、モンスターからいただくタマゴを選びましょう。」

ユリ

「うん!」

ナビルー

「さて、やっとオレの出番だな!

タマゴを選ぶ時は、オレに任せてくれよ!」

ユリ

「ナビルー?」

レマ

「ナビルーは、匂いと重さでそのタマゴの性質を調べる事が出来るの。」

ナビルー

「ああ!

重たくて、良い匂いがするタマゴは珍しいオトモンのタマゴかも知れないぞ。」

レマ

「まあ、タマゴ選びの時はナビルーを頼ると良いわ。

彼の鼻の鋭さは確かだからね。」

ユリ

「わかった。

それじゃあ、このタマゴは?」

早速、ユリは足下にあったタマゴを抱え上げた。

早速、ナビルーが匂いを確認する。

 

ナビルー

「ふんふん…普通の匂いだな。」

ユリ

「じゃあ、これは?」

ナビルー

「これも同じだな。」

ユリ

「これは?」

ナビルー

「んー、これもだな…。」

ユリ

「そっかー。」

 

…コツン…

 

ユリ

「…ん?」

その時、草の中に沈んでいたユリの足に、何かが当たった。

 

レマ

「?

どうかした?」

ユリ

「んー…今、足に何か当たった気がして…。」

確認の為もう一度動かしてみると、やっぱり何かが当たったので、足元の草を掻き分けてみる。

すると…

 

ユリ

「…あっ、もう一個タマゴがあった!」

草の下に隠れる様に埋まっているモンスターのタマゴを発見した。

更に草を掻き分けてタマゴを掘り出すと、早速持ち上げようとする。

 

ユリ

「…うわぁっ!?」

レマ

「ユリ!?」

次の瞬間、ユリは驚きの声を上げながら尻餅をついてしまった。

草の下に埋まっていたタマゴは、先ほど見つけたタマゴとは比べ物にならない程とてつもなく重かったのだ。

 

レマ

「大丈夫!?」

ユリ

「うん、大丈夫だよ。

よい…しょ…ぐぬぬぬぬ…っ!

…よしっ…!」

なんとかタマゴを抱え上げるユリ。

草の下から掘り出したのは、紫色の円形の模様が付いた黒色のタマゴだった。

 

レマ

「ん…黒いタマゴ…?」

(なんでかしら…なんだか、禍々しい感じがするわね…。)

ユリ

「ナビルー、このタマゴはどう?」

ナビルー

「え!?

ちょっと失礼するぞー…フンフン…おおっ!

このタマゴ、とても良い匂いがするぞ!」

ユリ

「本当?

じゃあ、このタマゴにする!」

レマ

「そうね。

これ以上タマゴを漁ってたら、親のモンスターが戻って来そうだし。

じゃあ、そのタマゴを持ち帰りましょうか。」

ユリ

「うん!」

こうして、ユリ達はモンスターの巣を後にした。

因みに、ユリの力だと村まで運びきれないと考えたレマの提案で、モンスターの巣から出た後はクルックにタマゴを運んでもらった。

 

〜〜〜

 

~マハナ村:厩舎裏手の高台~

 

マハナ村に戻ったユリ達は、厩舎の裏手にある高台で、絆合わせの儀式を行なっていた。

 

ケイナ

「さあ、いよいよユリちゃんの初オトモンとのご対面の時ね!

どんなオトモンが生まれてくるのか、ウキウキワクワクだわ!」

レマ

「ケイナ、少し落ち着きなさいって。」

ユリ

「…くんくん…レマも落ち着かない匂いがするよ。」

レマ

「えっ?」

ケイナ

「あははっ、ユリちゃんにはお見通しみたいね!」

レマ

「…ええ、そうよ!

私もドキドキしてるわよ!

これで良い!?」

顔を赤くしながら、レマはヤケクソ気味に言った。

 

ケイナ

「全く、恥ずかしがる事ないのにね?」

レマ

「…まあ、今回ドキドキしてる理由は他にもあるんだけどね。

なにしろ、あのタマゴから何が生まれて来るのか、本当にわからないんだもの。」

祭壇に置かれた黒いタマゴを見ながら言う。

 

ケイナ

「そうね…なんというか、禍々しい色をしてるわよね、あのタマゴ。

模様も見た事ない物だし…。」

ユリ

「そうなの?」

レマ

「ええ。

古龍のタマゴの模様に近いけど、古龍のタマゴは六芒星の模様だし…。」

ユリ

「ふーん…ところでケイナ。

ガラとナビルーは何をしているの?」

そういうユリの視線の先では、ガラとナビルーが踊っていた。

 

ケイナ

「あれは、島に伝わる祈りの舞よ。

船の安全や、オトモンが無事に生まれて来るのを祈る時に踊るの。」

レマ

「ナビルーは、単純に真似してるだけなんだけどね。」

ユリ

「ふーん…?」

小首を傾げながら頷くユリ。

そしてー

 

ガラ

「…ぉおおおお…っ!」

気合いを入れる様な掛け声と共に、ガラは左の握り拳を天に掲げる。

それと同時に、台座に置かれたタマゴがコトコトと揺れ始めた。

 

ユリ

「!

タマゴが揺れてる…。」

レマ

「ユリ、絆石を掲げて!

タマゴの中にいるオトモンを、絆石の力で目覚めさせるのよ。」

ユリ

「わかった!」

コクリと頷きながらユリはタマゴの前に立ち、絆石を構えた。

それと同時に、絆石が僅かに光り始める。

 

ユリ

(…出て来て!)

そう念じながら、ユリは絆石を天に掲げると、カチャッという音と共に絆石が展開した。

その時、ユリの中指に嵌められた指輪が再び光りだすと同時に、絆石の中にあの文字の様な模様が浮かび上がり、強い光を放つ。

その光に呼応してタマゴの揺れが大きくなり、ゴロンと横に転がった時。

 

ー…ピキ…ピキ…ー

 

小さな音を立ててタマゴに小さなヒビが入り、パキパキという音と共に少しずつ広がっていく。

 

ーパキパキ…バキンッ!ー

 

一際大きな音と共に、タマゴの殻を突き破って中から小さな腕が飛び出して来る。

…それと同時に、タマゴの中から()()()()()()()()()()()()()()

 

ユリ

「…おー?」

ガラ

「…む…?」

レマ

「…?

タマゴから、黒い霧が…?」

ケイナ

「な、何だか様子がおかしくない!?」

タマゴから流れ出る黒い霧に首を傾げるユリ。

その様子を見守っていたレマ達も異変に気付いた瞬間ー

 

ーバキバキ…バキィンッ!ー

 

レマ、ケイナ、ガラ、ナビルー

『ー!?』

ユリ

「うわぁっ!?」

レマ

「ユリ!?くっ…!」

タマゴが完全に割れると同時に、中から大量の霧が吹き出した。

霧に飲み込まれたユリは、驚きで少し大きな声を上げる。

それを聞いたレマは慌てて駆け付けようとするが、広がって来た霧に行手を阻まれる。

 

レマ

「…ん?

これ…良く見たら霧じゃない…。

何かの粉かしら…?」

ケイナ

「ユリちゃーん!

大丈夫!?」

ユリ

「うん!

私はだいじょうぶー!」

ケイナ

「ふぅ…良かったわ…!」

そこで、霧の正体が細かい粉の様な物である事に気付くレマ。

ケイナが霧に飲み込まれたユリに声を掛けると、ユリの元気な返事が返って来たので、ケイナを始めとした一同は胸を撫で下ろした。

 

ユリ

「ケホッケホッ…ふぅ、ビックリしたぁ…。

…あっ、タマゴ!」

少しずつ晴れて来た霧の中、軽く咳き込みながらタマゴが置いてある祭壇の上を確認するとー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???

『ジャーッ!』

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()が、ヨタヨタとした足取りで祭壇の上を歩いていた。




レマ
「まさか、このモンスターは…!?」
ガラ
「お前は、このモンスターを育てる覚悟はあるのか?」
ユリ
「わたしは…。」
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