「壊理ちゃん事件簿アカデミア」   作:あならなあ

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おまけ「ラブコメの網から逃げられると思うなよ、活真」

 

 

 

 

「えっと、ここかな。失礼します」ボカーン

 

 僕の名前は島乃活真。雄英高校ヒーロー科に通う一年生。

 今僕は、憧れのヒーローであるデクさんの事務所への職場体験を終えて、そこで得た気付きから、ヒーローコスチュームの改良をお願いしに、サポート科へ来た所。

 先ずは、パワーローダー先生に話を通してからって言われたので、先生のラボを訪ね、扉を開けると、

 

「キャーー、どいてーーー!!」

「えっ?ブヘッ!!!!」

 

 爆発音と爆風と、吹き飛んでくるつなぎにタンクトップ姿の女子生徒が出迎えて(?)くれた。咄嗟の事で反応が間に合わず、姉さんよりも発育の良い胸部を顔面で受け止めながら、何とか倒れないように、個性も発動させて耐える。

 柔らかくも弾力のあるソレに挟まれ、微かに通る空気を求めて吸った鼻に、油とか金属の臭いの奥に香る、クラクラする様な甘く芳しい匂いを感知し、全身が噴火するんじゃないかと思う位熱くなる。

 

「あ、ありがとう、助かった···て、うわぁ!!!」

 

 意識が遠退き、彼女に押し倒される様な形で崩れ落ちる僕。女の子の柔らかさと良い匂いと温かさに、デクさんがウラビティさんを、幸せそうにギュウって抱き締める理由が分かった気がする。

 

 

 

   ▼▼▼

 

 

 

「んん···はっ!!」

「あ、起きた?」

 

 気が付くと、先ず目に飛び込んできたのは丘だった。そして、覗き込む様に見下ろす、安堵の表情を浮かべる女の子の顔。

 

「先生、彼目が覚めましたよー」

「キヒヒ、そうか。ほら飯田、謝罪の言葉」

「すみません!!いやぁ、上手くいくと思ったんですけど」

「いつも言っていただろ、思い付きで回路を変えるなと。ほれ、さっさと校長その他関係者に報告に行くぞ。ソウル、後は任せた」

「はい、先生」

「せ、せめて、天哉さんにだけは内密に···」

「出来るか、馬鹿が」

 

 女の子の視線に釣られて、顔をそちらに向けると、此方も安堵の表情を浮かべるパワーローダー先生と、申し訳なさそうに頭をかく大人の女性がいた。その女性が、パワーローダー先生に首根っこ掴まれて、引き摺られながら部屋を出ていくのを見送る。

 再び、女の子に視線を戻す。

 

「え、えと···」

「飯田先生の開発物のアクシデントで、吹っ飛ばされた私を受け止めてくれたのは覚えてる?君のお陰で、私は怪我なく無事だったんだけど、君は気絶しちゃったから」

「···あ、うん、無事で良かっ······っ!!!!」

 

 寝惚けなのか、ボーッとする頭で彼女の話を聞き、何となくさっき起こった事を思い出すと、視界をデンッと埋め尽くす彼女の胸に顔を埋めた事と、それによって意識を失ってしまった事実に、羞恥心やら何やらで思わずうつ伏せになって、"枕"にしがみついて顔を埋めて悶えてしまった。

 そして、更に気付く。いや、そもそも何で気付いて無かったのか不思議なんだけど、しがみついてのが、枕は枕でも彼女の"膝枕"で、顔を埋めているのが、彼女のお腹だという事に。

 

「うわああああ!!!ごめんなさいごめんなさいごめんなさい!!!!!セクハラ痴漢婦女暴行で訴えてもいいです!!今すぐ学校に退学届けを!!!!」

 

 もう己が出来る最高速度で床にひれ伏し、頭を叩き付けながら土下座をする。

 

「あ、アハハ、大丈夫大丈夫、私は気にしてないから」

「で、でも!!」

「それより、これ君の?」

 

 そう言って、僕の前に差し出して来たのは、厳重に保護されている一枚のトレカ。それは、応募者抽選100名限定のレジェンドレア『愛を叫び平和を継ぐ者:デク』のカード。お姉ちゃんにも協力して貰って、腱鞘炎になる位頑張って応募して入手した奇跡の一枚。僕のお守り。

 

「あ、うん、助けた拍子に落としたのかな」

「良かった、これだけ頑丈に保護してるって事は、大事な物なんだよね?」

「···うん、僕の一番大好きなヒーロー。憧れで目標で、僕を助けてくれた、とっても格好いいヒーロー」

「奇遇だね、私もデクのファンなんだ」

 

 見せてくれたのは、一枚の写真。そこには、多分まだ雄英高校に通っていたであろう時期の、デクさん·ウラビティさんと一緒に、三人の人間が写っていた。

 

「この人···ロディ·ソウルさん?ヒューマライズ事件で、デクさん達に協力した民間人の。もしかして、ここに写ってる小さい女の子って」

「うん、私。あ、自己紹介がまだだったよね。私、ララ·ソウル、サポート科一年、よろしくね」

「ヒ、ヒーロー科一年の島乃活真です、よろしく」

 

 これが、僕とララとの初めての出会い。いずれ、彼女と恋人関係となり、夫婦となり、子供を授かる事になるとは、この時は全く思っていなかった。

 

 

 

   ▼▼▼

 

 

 

「···よぉ、デク」

「······えっ?!ロディ!!?どうしたの??何で日本に??!お店は???」

「んな事はどうでもいいんだよ。それよりも、俺はお前に頼んでたよなぁ、妹をよろしくってよぉ」

「へっ?!あ、う、うん。そ、その、元気に楽しく学校生活送れてるって。何かあったの?」

「妹に変な虫が付かねぇ様にしろって言ってあったよなぁあ」

「へ、へんな虫って」

「コイツだよコイツ。うちの妹と仲良さげにツーショットしてるこのクソガキだよ。年末は彼の島にお邪魔するから帰れないって言われたんだが、どういう事か説明してくれるよなぁああ!!」

「か、活真君?えと、か、彼はそんな悪い子じゃないし、何なら将来有望なヒーローの卵だし、ラ、ララちゃんもそういうお年頃だろうし、ぼ、僕がアレコレ口を出す事じゃないし。そ、それに、こ、この所、ララちゃんはお茶子さんに相談してるみたいで、お茶子さんから、僕は黙って見ててって言われてて。だから、その、あの、」

「ララーー!!!お兄ちゃんはまだ許さねぇぞーーー!!!!!」

「ロディィイ!!!カームバーーーック!!!!」

 

 

 

 




はい、正真正銘原作キャラCP最後の刺客である、活ララでございました。お互い劇場版で登場したキャラだし、デクとの繋がりもあるし、年齢も同じ位っぽいしという事で。
父親は言わずもがな、ロディも地頭は悪くなさそうなので、弟妹もちゃんとした教育を受ければ、雄英サポート科に留学出来る学力は得られるだろうと、ララちゃんに留学して来てもらいました。
では、このシリーズも此方で〆となります。ありがとうございました。


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