「壊理ちゃん事件簿アカデミア」   作:あならなあ

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第二話「彼女は狙われている」

 

 

 

「標的が、巣から出たか」

「と言っても、出た先も厄介な事には変わりありませんがね」

「巣の中よりは、やりようがあるだけマシよ」

「余所者が動いているという情報も入っている。余り手を子招いている時間はない」

「あっちの方はどうなの?」

「失敗失敗。後何回か実行したら、廃品かなぁ」

「まぁ、当たれば儲け物でしかありませんでしたから、どうでも良いですね」

「元奥さんに対して酷いねぇ」

「君が提案してきた事じゃないか」

「おや、そうでしたか?」

「やはり、目標は変更無しだ。恐らく、この三年が最後となるだろう」

「取り敢えず、直近のチャンスは職場体験だろうね」

「体育祭で、当該戦力の見極めをしつつ、各自慎重に準備を進めよ」

「「「はっ!!」」」

 

 

 

   ▼▼▼

 

 

 

「シッ!!」

「クゥッ!!」

 

 壊理の鋭い蹴りを、腕でガードし受け止める女子、島乃真幌。別に喧嘩をしてる訳じゃなく、ヒーロー基礎学の戦闘訓練で二人が戦ってるだけだ。互いをヴィランと置いて、相手を戦闘不能にするか、捕獲テープを巻けば勝ちというルールで。

 

「凄いね、あの子」

「ああ、そうだね」

 

 洸汰の素直な感想に、俺も頷く。

 自惚れじゃないが、同年代と比べて俺達は頭一つ抜けてるとは思ってる。実際、訓練では俺達でトップを独占している。まぁこれは、もし何かあった時に壊理を守れる様にと、廻さんを中心に、マグ姐達が扱きに扱きまくってくれたお陰なんだがな。

 そんな中、島乃真幌だけが、一歩及ばずとも食らいついてきている。特に、被身子さんには及ばないまでも、気配隠しの技術は目を見張る物がある。幻影を出しての撹乱も上手い。

 大抵は、島乃真幌を見失ってやられてしまうだろう。俺達だって、被身子さんとの訓練経験が無ければ、大分危うかった筈だ。

 

「そこっ!!」

「っ!!」

「そこまで」

 

 幻影に隠れて、壊理に背後から飛び掛かった島乃真幌を、壊理は冷静にいなして取り押さえ、確保テープを巻いた所で、心操先生から終了の合図が出た。

 島乃真幌の上から退いて、荒い息を吐きながら衣服を整える壊理。額に浮く汗や火照った頬に、「ウッ!!」となってる男子数名。内一人は、確か洸汰の相手だな。

 

「イデッ!!」

「洸汰、その顔は壊理に告白してOK貰ってからにしろ馬鹿」

 

 その男子を、アレな目で睨んでる親友の脇腹を、闇を伸ばして軽くつねってやる。

 

「それよりも、アイツ、どう思う?」

「どう思うって?」

「引き込む女子の候補に、だよ」

「···悪くはないんじゃない?まぁ、もう少し様子見が必要だとは思うけど」

「それは当然だろ」

「···何か、楽しそうだね、光輝」

「そうか?」

「うん、獲物見つけたミルコみたい」

「···んな事ないだろ」

「ただいま···どうしたの?二人とも凄い顔してるよ?」

「あ、お疲れ様、壊理ちゃん」

 

 戻ってきた壊理に、タオルを渡す洸汰。壊理も普通に受け取って、肩と肩が触れ合う位の近さで、洸汰の隣に腰を下ろした。

 

「それで、何のお話してたの?」

「ん、別に。島乃って奴、お前といい勝負してたから、見所あるなって話してただけだ」

「···本当?」

「う、うん、本当だよ、壊理ちゃん」

「直接やりあってみて、お前はどう思った?」

「我流の癖があって動きにまだ無駄が多いかな。咄嗟の判断とか、作戦が防がれた時の対応に遅れが見られるし、負けん気が強そうなのもあって、余裕がなくなると攻め方がワンパターンになるって欠点もあるね」

「総評は?」

「伸び代しかない超有望株。うかうかしてると、あっという間に追い抜かれちゃうと思う。私も鍛え直さないと、協力してね、洸汰君」

「うん、任せてよ」

「俺は仲間外れか?」

「え?だって光輝君、島乃さんの所行くんでしょ?個性で相手の目を遮って、気配隠して奇襲なんて、光輝君の十八番だから、鍛えてあげるんだとばっか思ってたけど。性格も、光輝君の好きなタイプだし」

「···あっちが拒否んなかったら、だけどな」

 

 やろうと思ってた事を言い当てられて、何となくバツが悪く、頭掻きながら顔を反らす。

 

「次、照元と玉城」

「あ、はい」

「頑張ってね、光輝君」

「やり過ぎないように、光輝」

「分かってるよ」

 

 

 

   ▼▼▼

 

 

 

「ただいま」

「おかえり!姉ちゃん!!」

「きゃっ。もう巡、危ないからしないでって言ってるよね」

「そうだっけ?それより、今日学校でどんな事やったの?!」

「はいはい、後でね。お姉ちゃん、先にシャワー浴びてくるから」

 

 帰宅した私を出迎えてくれたのは、満面の笑みで、弾丸の如く飛び付いてきた弟、筒美巡だった。昔から、お姉ちゃんと慕ってくれる可愛い弟なのだけど、流石に、小学生の弾丸タックルはしんどくなってきた。

 

「そういえば、じいじは?」

「まだ帰ってきてないよ。寄る所があるから、母さんと一緒に帰ってくるってさ」

「そっか、今日の晩御飯何がいい?」

「肉!!」

「何肉がある?」

「牛豚ミンチ!!」

「じゃあ、ハンバーグ一択ね」

 

 付け合わせはポテサラかなぁと考えながら、軽くシャワーを浴びて汗を流す。

 

「あ、下忘れちゃってる。まぁいっか」

 

 下着を着けて、上着を着た所でズボンを持ってき忘れている事に気付いたけど、家には弟しか居ないし来客の予定も無いから、別に着てなくても問題ないよね。

 

「巡、付け合わせはポテサラでいいかな?」

 

 お風呂場から出て、リビングでソファに座ってテレビを見ている巡に、後ろから抱きつく様にもたれ掛かり問い掛ける。

 

「うん、ポテサラで良いよ」

「···えっ?」

 

 巡の声は、意図しない方向から聞こえた。その方向に顔を向けると、ちゃんと弟の姿があった。顔を戻し、自身がもたれ掛かっている人物を確認する。

 

「お、お邪魔してます」

「こっ!!!なっ!!!!きゃあっ!!!!」ズテンッ

「ブッ!!!!」

 

 普通に洸汰君だった。余りの驚愕からか、スリッパがズルッと滑って前に倒れる。そのまま、ソファとテーブルの間に頭から落ちた。

 

「いたた···」

「······」

 

 顔を真っ赤にして、手で鼻を抑えている洸汰君と目があった。洸汰君の目がツーッと動く。目で追う。肌色と桃色が目に入る。···ママと一緒に、最近美容脱毛行ってて良かった。

 

「そんなじっくり見られると、恥ずかしい」

「っ!!!!!すみませんでしたーーー!!!!!」

 

 あ、出ていっちゃった。どんな用で家に来てたんだろう。

 

 

 

 




自分、どうやって小説書いてたか忘れてるわ。


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