楽しみで仕方がない明日へ!   作:欠けたチーズ

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レイアがスバル君の名前をうっかりで呼ばなかった世界
バッドエンド
救われない
曇らせるだけ曇らせる 
救いようの無い話です。

カットしている所は本編と流れが同じだからです


番外編 ゆめのまにまに1

「その子の名前は知らないんだよね?」

 

「嗚呼ちょっと事情があってな」

 

「どうして名前も知らない子を助けるの?」

 

スバルは真っ直ぐ見て答えた

 

「見捨てたくないから」

 

最高だよ君は

 

「そっか君は優しいんだね」

 

「レイア、もしその子を見つけたら貧民街の方来ないよう言っておいてほしい、もし夕方になるまでに見つけられなかったら悪いんだが貧民街まで来てほしい」

 

「いいよ」

 

そう言えば自己紹介してなかった

小さくなっていく背中を見ながらそんなことを考える

 

「レイア、よかったのかい?スバルが探しているのはエミリア様だと思うが」

 

「そうだね、彼は悪い子じゃないと思うから彼の言う通りにしてみようかな」

 

「…スバルと知り合いだったの?」

 

きっと彼が僕の名前を言っていたからだろう

 

「いいや今日初めて会ったよ、ほら僕有名だから、頭がおかしいって、それでじゃない?いい噂よりも悪い噂の方が広がりやすいし」

 

「そうなのかな?」

 

不思議がるラインハルトを無理やり説得させる

 

「んまぁそれじゃまたね」

 

「ああまた」

 

ラインハルトと別れ、路地裏を出る

 

「…彼女はあんなふうに笑っていたっけ」

 

誰もいない路地裏で青年はそんなことを呟いていた

 

ーーーー

 

空は橙色に染まり、数分もしたら日が落ちるだろう、早足で盗品蔵に向かう、今の時間帯はもうパックも活動できないだろう

 

近づけば近づくほど寒くなっていく

 

「君の言っていた時間には間に合わなかったみたいだね」

 

「レイア!」

 

「レイア!?どうしてここに!ま!待ち合わせ忘れてたわけじゃないのよ!」

 

ボロい扉を開けて入れば驚きの声と言い訳が聞こえてくる

 

「貴方が約束をすっぽかすのは、約束以上に大変なことが起きたからだと心得ています」

 

紫色の瞳と目が合う

奥の方で血を流し倒れているロム爺が見えた

 

「来てくれてありがとうすげぇ助かる!レイア!」

 

「ダンスの邪魔ばかり入るわね」

 

「そう残念だったね」

 

エルザに飛び掛かるが簡単に防がれる

 

「ヒューマ」

 

周囲に氷柱を発生させる、ナイフはレイアの一本の剣を防ぐ、エルザの体にもう一本の剣を突き刺そうとした

 

「ッ」

 

ガラ空きになっていた腹を蹴り飛ばされ、後ろの方にいたスバル達に飛ばされる

 

「さて、強いな…どうしよう」

 

氷柱を避けたり弾いたりしているエルザ。見ながらそんなことを考える

 

「大丈夫だ!レイアお前は強い!」

 

「ぇえー何?急に」

 

困ったように首を傾げていればそんなことを言われてしまう

照れちゃう

 

「レイアはこの子と知り合いなの?」

 

「いえ名前も知らない人です」

 

「対応の差が結構あるなこれ」

 

「援護をよろしくお願いします」 

 

斬りかかろうとしたエルザを受け止める

 

炎の剣やるとな、熱いからエミリアに被害が出かねない

 

まぁいいや

 

笑みが溢れる

 

ナイフを受け止め、切り付け、何度か繰り返していた、

エミリアのおかげでレイアが怪我をすることはほとんどなかった

 

「今だ!いけ!フェルト!」

 

「行かせると思う?」

 

早い動きでレイアを避けフェルトの方に向かう

 

「行かせてほしいってのが願いだ!レイアよろしく頼む!」

 

「そうだよ、僕が君を逃がすとでも思ってる?、ヒューマ」

 

フェルトを追いかけるエルザの足を氷柱が貫通するが、エルザはナイフを逃げるフェルトの背に向かって投げる

 

すごいなここまでくると逆に感心するよ

 

スバルは近くにあっただろう机を蹴り上げナイフを防いだ

 

あわあわあわあわ

どうしようすごいすごい!頑張ってる!スバル君が頑張ってるよ!つま先痛いって言うんだろうな!

 

「すげぇ!でも思いのほかつま先が痛…ぶふがる!」

 

何その声〜

 

心の声とは裏腹にレイアは不気味に『狂剣』らしく笑っていた

 

エミリア様の方を見る

 

「少し時間を稼いでください」

 

「分かったわ!」

 

エミリアも何をしようとしているのか分かったのかレイアのお願いをすんなり受け入れた

マナを練る

 

ーーー

 

そろそろいいかな

 

「ノーカウントだ」

 

「え?」

 

「さっきの俺の言葉はなし! 全部なし! マジ燃えてきた、バーニング!! やってやるぜ、クソだらぁ! 切り札なんざ、絶対に切らせねぇ!!」

 

氷を2本の剣に纏わせる

触ったら指が持っていかれるほどに冷やす

 

「じゃあ僕使うね!」

 

なかなかに悪いタイミングだが気にせずエルザ目がけ走る

 

「炎の次は氷か!」

 

そんな声に内心テンションを上げながら、目の前にいるエルザを凍らせつつ切り刻む

 

切った傷口がすぐに凍っていく、血を流す暇もなく

 

「こんなに楽しいダンスが出来るなんて」

 

「あははは!そうだね!そうかもね!」

 

冷やしすぎたのか剣から聞こえる悲鳴を無視して斬り続ける、腕を割り、頬を切り、エルザの体は見るからに凍りつつある

どう見てもレイアが優勢だった

 

「だから本当に残念だわ」

 

エルザが自分のナイフを剣に叩きつけた

瓶を落としたかのような音が聞こえた

剣が割れたのだ

 

剣って割れるんだね  

 

何度目かの考えに笑みがこぼれ落ちる

ナイフを振りかざされる

後ろに身を投げ出す、それと同時に氷柱がエルザに撃ち込まれた

 

「剣が壊れたので役立たずで〜す」

 

「ノリ軽くない!?」

 

「レイアは十分やってくれたわ、ありがとう」

 

「ありがとうございます、僕も魔法でなんとかします」

 

まぁ時間稼ぎはできたからいいでしょ

 

その後ラインハルトが来てくれた、知っていたからこそ僕は余裕があった

 

その後お腹が切られたスバル君を抱え竜車に送り届け、先に屋敷に帰ってもらった

 

ーーー

 

2章

 

やっと屋敷に来れたそう思い体を伸ばす

時間的にはスバル君が使用人になる宣言した次の日の昼かな?

 

送ってくれた使用人に感謝を述べ、屋敷に向かって歩き出す

 

やっとこれた

何気にこの屋敷に来るのは初めだった

 

屋敷の窓から少しだけ見えた執事服の青年にニヤケが止まらない

 

「…到着が予定より遅れてしまい申し訳ございません、ロズワール様」

 

屋敷の出入り口にいる、ピエロメイクの男に頭を下げる

 

「仕方なぁいさ、それに君達の頑張りはエミリア様から聞いたぁよ」

 

何を考えているのかよく分からない男の笑みを見る

 

ーー

 

屋敷の住人の特徴、名前を聞き、水色の髪のメイド、レムに部屋の案内をされる

 

「ここが、レイア様のお部屋です」

 

「ありがとう、そうだエミリア様かスバル何処にいるか知らない?」

 

「エミリア様は自室にいると思います、スバル君は、姉様と仕事中です」

 

「ありがとう、屋敷の探索がてら探してみるよ」

 

軽くお辞儀をし仕事に戻るレムを見送ってから、ちょっとした荷物を置き、探しに行くことにした

 

しばらく歩いた先にスバルと桃色のメイド、ラムが掃除をしているのが見えた

箒を花瓶が置いてある机にぶつけていた

 

「とっ、大丈夫?」

 

花瓶を無事キャッチすることに成功した

 

「レイアか!助かった、また割ったらラムに何されるかわかんなかったんだ」

 

「あはは…本当に良かったよ、所でスバル怪我はもういいの?」

 

「ああこの通り、元気だよ」

 

「よかったよ」

 

花瓶を戻しながら、軽くお辞儀をするラムを見る

 

「君がラムだよね?知ってるかもだけど僕はレイア・イスキオス、これからお世話になるよ」

 

「はい存じています、剣を壊しまくり頭のおかしいで有名な、狂剣レイア様ですね」

 

「くっ、、事実だから何も言えない…」

 

「ラムは誰にでもそれなのかよ」

 

もう剣を壊さなくってもいい方法見つけたし!頭がおかしいと思うのは人の価値観の違いだし!

 

頭の中で言い訳を並べる

 

あれ以上仕事の邪魔はできない

仕事している姿を見たいから!話を切り上げ、エミリア様を探しに歩き回ることにした

 

執事服いいな!ジャージ姿もいいけどこれはこれで!てかあんまり時間するぎると、スバル君騎士になっちゃうから今のうちに執事服を堪能したほうがいいのでは!?

 

バレぬように遠くから見つめる

 

エミリア様とは簡単な話をすませ別れた、

 

月が綺麗に見える夜

今は誰にもバレぬように、窓の外を覗いでいる、あの真っ白な上着を脱ぎ

 

2人の会話が聞こえるところにいた

 

エミリアの日課、それに割り込むスバル

微笑ましく眺める

 

「そんなに警戒しなくってもいいと思うよ?」

 

「…」

 

冷たい視線で見てくる水色の髪のメイドを見る

 

どうせ終わる世界だ何言おうが別にいいかな

 

「彼から何を感じるのか分からないけど、悪い子では無いよ」

 

「何故言い切れるのですか」

 

「悪い子、ましてや魔女教なら今頃僕が凍らせてるか燃やしてるよ」

 

睨んでくるレムを見る

戦ったところで勝ち目はないと思ってるのかな

 

「それに僕は案外彼の事気に入ってるんだよ、どうしょうもないほど」

 

レイアは気づいていないのだろう、今のレイアは不気味に笑っていることに

 

「…貴方が狂剣と呼ばれている理由が少し分かった気がします」

 

「どこで?」

 

答えず暗い廊下の中に入ってしまったレムを見つめる

 

「笑いながら切ってるからじゃないの?」

 

そんなことを思いながら唸り考える

 

「レイア何してるんだ?」

 

「ぷあ!なぁんだ君か驚いなぁ…少し迷っただけだよ」

 

「迷ったって…」

 

君達を眺めて微笑んでましたなんて言えずに、嘘を言う

 

「でも大丈夫、さっきレムと会って聞いたから自分の部屋に帰れる、じゃ」

 

「ならよかったよ」

 

その言葉を聞いて背を向け歩き出そうとした時

 

「レイアおやすみ」

 

そう言われ、驚き振り返る

 

「ああ、おやすみスバル」

 

あまり言われてこなかった言葉に驚いてしまった

 

ーー

 

「ふぁ」

 

竜車であくびをする

 

戻ってきちゃった!

 

あの後小一時間ぐらい廊下で呆然としていたところをエミリアに心配され部屋に戻ったそれは覚えている

びっくりしすぎて彼の死に寝顔見れなかったなぁ

 

後悔を並べながら到着を待つ

 

 

前回と同じように行動する

話を聞いて、花瓶を受け止めて、話して、エミリア様の邪魔にならないところで素振りして、…特に何もしてないな

 

机に向きながら考える

これからどう介入するかを

 

別に僕はスバル君を性的に見ているわけではいい、これは事実だ、ただ人より愛情表現が歪なだけ…だよ?

 

ーー

 

どうやら村に行くようだ、でも僕は断っておいた、スバル君と子供達の絡みは見たいが、今は友人に貸してもらった本の続きが気になるから今無理

 

気づいた時には夕方になってた、本すごい

 

窓を見ればレムとスバルが歩いているのが見えた

 

「…ふぁ…僕欠伸ばっかしてるな…」

 

 

白い上着を脱ぎ、剣を一本持ち部屋を出る

 

助けを求め廊下を這いずるスバルが見たいから、その一心で歩きだす

 

 

部屋からあまり遠くない距離にいた、視線の先には助けを求め廊下を這いずるスバルがいた

…?あっれ?エミリア様の方じゃない、僕の方きた何で?まぁいいや

 

「れ、イア」

 

そんな必死な顔で呼ばれたら

 

「スバル?」

 

必死にニヤケを隠しながら近づく

 

鎖の音がした

 

バランスでも崩したのか倒れそうになっていた、地面につく前にモーニングスターがスバルに打ち付けられた、ボールのように転がりバウンドしていた

 

口角が上がる

 

必死に足掻いているスバルを目の前にして感情が昂る

 

「なに、が」

 

「待て!君は何をしているんだ!」

 

スバルに駆け寄る、視線はモーニングスターの持ち主の方に向ける

スバルは起きあがろうとするが、それはできない左半身が肩からちぎれているのだから

 

「あ」

 

声を出すのを必死で抑える、口を必死で抑える

 

「ああああああ!!!」

 

「っ!ごめん僕のせいだ、痛いかもしれないけど我慢してほしい」

 

傷口を凍らせる、先ほどの痛みがあるのか、氷で止血したせいか呻き声は強くなる

スバルを庇うように立つ

 

「君にスバルが何をしたんだ?」

 

剣を抜く、スバルには見えない彼女に向かって

楽しくって楽しくって仕方がない

 

鎖の音が聞こえる

 

モーニングスターが容赦なく投げつけられる

 

モーニングスターはレイアの横を通った

 

「ぁ」

 

体に巻かれる鎖、強く引っ張られる

 

「っ!スバル!」

 

彼女を通り過ぎて遠くに投げ飛ばされる、地面に転がりる

 

「鎖の、音が」

 

頭蓋骨が潰された音がした

 

まぁ元々負けるつもりだったけどさ

負け惜しみとも取れる言い訳

 

ーーー

 

竜車の中必死に笑うのを堪える

 

ナツキスバルが嫌いなわけではない、ただ頑張ってる姿が好きだから、必死になってる姿が好きだがら、成長していく姿が好きだから、絶望している顔が好きだから、苦しんでいる顔が好きだから、諦めないところが好きだから、どんな地獄が待っていようと進む姿が好きだから!憧れてしまったから!愛してしまったから!

 

顔を手で覆い隠す

 

「フフフ」

 

悍ましい笑みを浮かべていた

 

ーー

 

前回同様、話して、案内されて、話して

 

あ、忘れてた今回彼、使用人じゃなくって客人だった

 

前回スバルが割りそうになった花瓶を見てそんなことを思い出す

スバルが使用人になっていなければ、その面倒を見ているラムはいない

 

ため息をつき、エミリアのいる部屋に向かう

 

ーー

 

夕日によって廊下が赤く染まる

 

一つの扉の前で止まり、ノックを数回する

返事が聞こえ中に入る

 

「やあ、スバル怪我は平気?」

 

今日初めてスバルに会う

 

「レイア…か」

 

「何でがっかりするのかな、そういう反応されるとさ僕も傷つくよ?」

 

エミリアであることを期待でもしていたのかあからさまに肩を落とすスバルにわざとらしく反応する

 

「いや、安心したよ」

 

「がっかりしといて?」

 

前回の事もあるのだろう、本当に安心したような顔をしていた

 

「悪かったよ!」

 

「まぁいいや、スバルのとこに来たのは、ちゃんと自己紹介が済んでなかったからさ」

 

「…そう言えばそうだったな」

 

「改めて僕は、レイア・イスキオス、よろしくねスバル」

 

軽くお辞儀をしそうなのる

 

「ああ」

 

「…?なんか元気ないね?、お腹痛いの?ごめんね僕治癒魔法使えなんだ」

 

「いや、どこか痛むてわけじゃない」

 

「え、?じゃ」

「レイア頼みがある」

 

言葉を被せる話す、スバルは真剣そのものだった

 

はわわわぁぁあ!!!

 

「どうかしたの?僕に出来ることなら何でも言ってよ」

 

「明日の夜、屋敷に誰が来る、そいつをエミリア達に近づけさせないでほしい」

 

「分かった」

 

迷わず答えれば、スバルは不思議そうに驚いていた

 

「…君が言ったのに何だよその反応…そんなに真剣に話すなら疑わないよ、それに初めて会った時から僕はね君は悪い子ではないとそう思っているんだよ、だから、ありがとう僕を信じてくれて」

 

「俺が女の子だったら惚れてたよ」

 

困るそれはちょっとというか、かなり解釈違いだから

 

「何で?」

 

その後ちょっとした雑談を部屋を出た

 

ーーー

 

「えーと、それでは短い間ですがお世話になりました」

 

ベアトリスを除く屋敷の人間に見守られながら頭を下げた、短い黒い髪が重力によって下がっている

 

「本当に大丈夫?馬車ならロズワールに頼んでここまで呼びつけてもらったりすればいいのに」

 

「いやいや、大丈夫だって、ゆっくり、のんびりやってくからさ、これ以上の迷惑はかけらんねぇよ、実際」

 

何この会話可愛い、可愛いの化身達がお話しし見てるみたい

 

2人の会話を微笑ましく見守る

 

「…たぶんスバルはしっかりしてるから、心配はしなくていいんだろうけど」

 

「ぉう、そうやって高評価されてると思うとちょいプレッシャーあんな、でもでも大丈夫、いずれもっと強くて賢くて金持ちな男になったとき、白馬に乗って君をさらいにくるよ」

 

「ハンカチは持った? 飲み水と…そう、暗くなったときのためのラグマイトもないと、それからそれから」

 

「完全にオカン目線!?

 

「エミリア様、心配しすぎですよ、スバルは何やんや出来る子です、平気でしょう」

 

やっとの助け舟、とでも思ったのか嬉しそうにレイアを見つめている

 

「スバルなにかあったらいつでもイスキオス家に来ていいから」

 

「お前もそっち側か!」

 

「何でよ」

 

拗ねたふりをしながら見つめる

 

「そぉれじゃスバルくん、息災で、短い間だぁったけど、楽しかったよ?」

 

「おう、こっちこそお世話になりました、土産も持たせてもらったし、至れり尽くせりだったよ」

 

ロズワールが手を差し出し、その握手に応じている

 

「それはなにより、そうそ、お土産だけどなくさないようにね、君との三日間、その思い出の分だけちょこーっと上乗せしておいたから」

 

「ういうい、口止め料だろ。わーってるよ、余計なことは喋らねぇ、なんならドラゴンに誓ってもいいぜ」

 

「君と接していると悪だくみの本質を見失いそうだよ、それにこの国で、ドラゴンに誓うというのは最上級の誓いだ。疑っちゃぁいないけど、努々、それを忘れないようにね」

 

双子のメイドの方を見ている

 

「2人にも、超世話になった、特にレムりんはいつもうまい飯をありがとよ、ラムは、うん、なんだ、トイレ掃除とか上手だよな?」

 

「姉様、姉様。お客様ってばお世辞が絶望的に下手糞ですわ」

 

「レム、レム、お客様ってばお世辞が致命的にセンスないわ」

 

「やかましいな、マジで思いつかなかったんだよ、でも、ありがとな」

 

黒い瞳と目が合った

 

「次は僕?」

 

「レイアにはマジで助けられまくった、ありがとうな!それと頼むからな」

 

「うん、期待に添えるように頑張るよ」

 

「2人とも何の話?」

 

可愛らしく首を傾げるエミリアを2人してみる

 

「男同士の約束的な?」

 

決めポーズでそう言うスバルを微笑みながら見る

 

「?何言ってるのスバル、レイアは」

 

「まぁいいんじゃないですか?」

 

「レイアが言うならいいんだけど」

 

「?じゃ世話になったまたいつか、会えたら」

 

エミリアの言葉に不思議そうにしているスバルを見送る

 

まだ早いと思うんだよね僕もうちょっと先に、え?僕?女の子だよ?え?、みたいな感じですバラしたい、もしくは気づくまで黙っていたい!

 

「うん気をつけて、怪我なんてしないでね」

 

小さくなっていく背中を見送る

 

「どうしてレイアはスバルに本当のこと話さなかったの?」

 

「次あったらのお楽しみって奴ですよ」

 

首を傾げる双子に、面白そうにしているロズワール

 

「また会えますよ、だからその時でもいいと思いませんか?僕が女だって話は」

 

驚く双子が視界の端で見えた

 

「レイア様、気づきませんでした」

「ええ気づかなかったわ、ぺったんすぎて」

 

「気にしてないので、僕は無敵でーす」

 

ちょっと待て、何笑い堪えて震えてるんだよロズワール!そんなに僕の胸がおかしいか!おいこらこっち見ろや!

 

頭の中で怒りを爆発させる

 

ーーー

 

日が落ち始める数時間前から、屋敷の庭に出て周囲を警戒し、歩き回る

 

見てるもんねきっと

 

しばらく歩き回ったりして見回っていた時、風に乗って悲鳴が聞こえた気がした

 

ーー

 

何度目かの竜車の中

 

流石に竜車の中飽きてきたな

 

呑気にそんなことを考え始める

 

ーー

 

相変わらず同じ行動をとる

 

「そうだ、スバルの事なんだけども、何だか気が立ってたみたいで、その、」

 

言葉に詰まるエミリアをフォローするかのように話す

 

「後で様子を見に行って見ますね、多分彼は僕のこと男だと思ってるので、同性で話せる事もあるでしょうし」

 

「それって騙してるってことにならない?」

 

「…必要なことです」

 

「そうなの?」

 

パックに助けを求めるように聞いている

 

「そう言う事もあるよ、リア」

 

ーーーー

 

ノックをし返事を待たず入る

 

「お腹が痛すぎて、気が立ってるって聞いてきたよ」

 

「何だ、レイアか」

 

「レイアかって何?不服?僕顔はいいよ?」

 

警戒していたのかレイアを見た瞬間警戒を緩めているスバルを見て笑う

 

「悪い、今」

 

「そうだね、元気無さそうだね」

 

椅子を引っ張り座る

 

「怖かったよね、仕方ないさ」

 

背をさする

 

「そう言うわけじゃ」

 

エルザのことではないそういいたいのだろうが、まぁ知ってるだがそう言ってしまえば僕の努力はなくなる

 

「男の子って皆そう言うよね、強がらなくっていい時てのがあるのに、まぁ別に言いたくないなら言わなくっても平気だよ」

 

「俺は…」

 

震える声だった

 

にやけるのを必死に我慢して微笑む

 

「うん」

 

「…ごめんやっぱり話せない」

 

「ん、ならいいよ、いつか話せる時が来たら話してくれてもいいよ、何年でも待つから」

 

背中をさすり続ける

震える声が、震える目が、歪む顔が

 

ああ、今は夢じゃないってそう思わせてくれる

 

ーーー

 

朝日が昇る少し前の時間

 

「ふぁ」

 

大きなあくびをしながら、着るのがめんどくさい騎士服に着替える、

 

何でわざわざ上着を2枚も着ないといけないんだよ!暑いじゃん!

 

いそいそと着替え、廊下に出る

 

悲鳴、あるいは絶叫が聞こえた

 

急いだふりをして、走り向かう

 

「何が…」

 

目に入ったのはラムが動かないレムを見て深い深い悲しみに絶叫し泣いていた

 

まだスバル君は来ていないらしい

 

「…ロズワール様…」

 

同じく、廊下で立ち尽くしていた、目を伏せる、次々と集まってくる屋敷の住人たち

 

「ロズワールとレイア…」

 

「…エミリア様とスバル…」

 

「中を」

 

今の状況を説明するためにか、ロズワールがスバルに言い放った

 

「どうして、レムが」

 

動いていないレムに手を伸ばす姿を黙って見つめる

 

「触らない!レムにラムの妹に触らないで!」

 

「おそらくは魔法によるものだぁね。魔法より、呪術寄りに思えるけどねぇ」

 

「申し訳ありません、僕の至らなさが原因です」

 

深く頭を下げる、申し訳なさそうに

 

「死因は衰弱によるものだ、眠っている間に生気を奪われ、ゆぅっくりと鼓動を遠ざけられて、そのまぁま眠るように命の火を吹き消されている、だぁからレイアの責任ではなぁいよ」

 

「…」

 

僕は頭のおかしな狂人なんかではないだからこそ、昨日まで話してた人が死ぬのは悲ししい辛い、だからごめんねスバル君、君の信用を勝ち取りつつ君を殺す

 

疑いの目がスバルに向き始めていた

 

さて僕が動くまで黙って見てよ

 

ーー

 

空気が重い

 

助けを求めるような黒い瞳

 

「ごめんね、ラム。私はそれでも、スバルを信じてみる、スバル、お願い。……あなたがラムを、レムを救ってあげられるなら、全部話して?」

 

「ごめん」

 

後ずさる、その足が廊下へと向かう

 

「スバル!」

 

「ごめんね」

 

スバルに向かって放たれた風の攻撃を剣で弾き、スバルを突き飛ばし氷の壁を作る

 

軽くやったから平気でしょ?

 

「レイア」

 

「申し訳ありませんが僕は僕を信じたいんです」

 

冷たい声と視線に耐えながらもナイフを取り出す

 

「残念だぁよ」

 

「絶対に!殺してやる!」

 

ーーー

 

流石!ロズワール強いね!

 

右肩から先が無く、左横腹が抉れている状態で立つ

水をこぼしたかのように、血が流れる音が聞こえる

 

「君らが彼にそこまでする理由が分からない」

 

どうせ終わるんだ答えでも言ってやろ

 

「彼が僕の理由だからですよ」

 

意味がわからなそうな顔のロズワールに続ける

 

「彼の笑みが!泣き顔が!苦しそうな顔が!辛そうな顔が!全部乗り越えた笑顔が!泣きそうな顔が!頑張っている顔が!全てが!これはゆめではないとそう!実感させてくれる!僕が夢ではないと!そう思わせてくれる」

 

「意味が分からない」

 

「だろうね!」

 

放たれた風の刃が左目と脳を切り刻む

 

「ぁ」

 

焦げた芝生に頭から倒れる

 

「本当に残念だよ」

 

その声を最後に意識は消えた

 

ーーー

 

竜車の中

 

「痛い」

 

怪我なんて無いはずなのになくなったはずなのに

彼はこれを何度も耐えているやっぱりすごいなぁ!!

 

ーーー

 

同じことを繰り返す

 

話をし、部屋を案内され、エミリアのもとに行く

 

「…スバル」

 

辛そうな顔を必死に隠している彼がいた

 

「怪我はもう平気?無理してない?」

 

「おうよ!エミリアたんのおかげで!」

 

「たん?」

 

あとはほとんど同じ会話を繰り返して、エミリアの部屋に行く

 

そういえば、スバル君花瓶落として無いな

 

そんなことを思いながら、あの顔を思い出し口元を手で隠す

 

ーーー

 

1人でいる彼を廊下で見つけ、駆け寄る

 

「スバル」

 

「うぉ!レイアか!びっくりさせるなよ!」

 

「えぁごめん、ところでスバル、少しでいいんだけど時間ある?」

 

「何だ?」

 

辛そうな顔をしているスバルを困った顔で見る

 

「本当に大丈夫?」

 

「おう!怪我ならばっちし!」

 

大丈夫アピールなのか親指を立てている

 

「怪我じゃなくって、心の方というか…無理してるだろ?」 

 

「レイアは何だかんだで心配性だよな!俺は元気だし無理なんてしてないから、それと俺に構ってないで!レイアは屋敷の中で迷子にならないようにしとけよ!」

 

「ま…言っても待たないよな…」

 

逃げるかのように行ってしまった、伸ばした手はただ空を切る事しかできなかった

 

あとはあの人に任せよ

 

ーー

 

膝枕をされ寝ているスバルを眺めることにも成功した

鼻歌を歌いながら湯船に浸かる

 

ガチャと、浴室の扉が開く音がした

 

扉は背の方になるため振り返る

 

「スバル!?」

 

そういえば男だと思ってるんだったなどなど思いながら平常心を保つ、

 

「いたのか、悪い気づかなかった」

 

「あーまぁ僕は気にしないけど君は平気?僕もう上がろうか?」

 

「いや俺が途中で入ってきたのに悪いし、好きにしてくれ」

 

「うーん」

 

此処で閃いてしまった!これラッキースケベ的なやつじゃね!?とそれに丁度いいタイミングじゃね!?

 

「まぁ僕気にしないからいいや」

 

湯気のせいでまだ気づいていない

 

「ならよかったよ話したい事もあったし」

 

「膝枕?」

 

「何故それを!?」

 

体を洗っているスバルとは違う方を向く

鼻血が出かねないから

 

「みちゃったもんね〜」

 

「うぐぐ…」

 

「そうだ」

 

思い出したかのように切り出した

 

「あの時心配してくれてありがとうな」

 

「さてさて僕は騎士として人として当たり前のことをしただけだからよく分からないや、でもお礼は言われて嬉しいし、気持ちいから受け取るよ何ならもっと言っていいよ」

 

「最後の方で残念になってるぞ」

 

体を洗うのが終わったのか湯船に入ってくる

 

「ふあぁぁ!癒される」

 

「あははは」

 

「にしても騎士なだけあって、案外傷、が…あ、ああ!おま!お!?!」

 

いきよいよく立ち上がるスバルを目で追う

 

「お!女!?」

 

「あれ?気づいてなかったの?」

 

「嘘!?気づかなかった!!」

 

そう言いながら手で目を隠している

手の隙間から見える顔は、湯船のせいかそれともレイアの裸体を見たせいか赤くなっていた

 

いいもんが見れたぜ

 

僕より女の子しているスバルを眺めながら

立ち上がり扉の方へ向かう

 

「あははは、なんか可哀想になってきた、さっきも言ったけど僕気にして無いからね」

 

「気にして!?レイアが気にしなくっても俺が気にするし!」

 

「じゃ、おやすみスバル」

 

「ああ!おやすみ!!」

 

投げやりにそう言った彼に、体を拭きながら笑みが溢れる

 

もう本当に好き

 

浴室の方から聞こえる声に聞き耳を立てながら服を着る

 

ーーーー

 

あの空間に入っていいものだろうか

魔法の話をしているであろう2人と1匹

あそこ空間に入るのは百合の間に男が入る、と言ったような嫌悪感がある、でも間近で見たい、きっと百合の間に入る男もそう言った気持ちなのだろう、そうでなければ許せない

 

突然黒い霧が2人と1匹を隠してしまった

 

「シャマクか、いいな僕まともに使えないし…逃げる時に使えそうだよね」

 

全てがバレた時のためにも覚えてはおきたい

 

「行ったほうがいいのかな?騎士として」

 

悩ましい、実に悩ましい

 

まぁ見ていたし、害はなさそうということで

 

ーー

 

何度目かの本を読んでいた

 

ノックが聞こえた、扉の外から声が聞こえた彼の声だ

 

「はい?」

 

「レイア、今いいか?」

 

「いいけど…あ、そっか昨日のこと引きずってるのか!」

 

なかなか扉を開けないスバルにそんなことを言いながら笑う

 

「当たり前だ!」

 

そういい扉を開けて入ってくる彼に笑みをこぼす

 

「って、そうだレイア、村に行かないか?」

 

「村?そうだね…まだい…いや行こうかな、何分後出発?」

 

本を机に置く

不思議そうな顔のスバルを見ながら、騎士服では無い服を取り出す

 

「あのだね、僕はこう見えても洞察力はまぁあるほうなんだよ、だからね君が、何かに悩んで困っている事も何と無くわかる、誘ったのはその助けが欲しいからじゃ無いの?」

 

「すげぇな、レイアは」

 

「そうだよ、僕はすごいんだよ」

 

騎士服の上着を脱ぐ

 

「5分後玄関ホールに集合になってる」

 

「分かった」

 

「あと!レイアはもうちょっと恥じらいを持て!!」

 

そういい強く扉を閉めていってしまった

 

「…女の子って実感が薄いだけなのだよ」

 

誰にも届かない言い訳を言いながら、私服に着替える、騎士服のまま行けば目立ってしまうから

 

初めて村に行く

 

「以外でした」

「ええ意外だったわ」

 

「僕が来たのそんなに意外?」

 

双子にそんなことを言われてしまい、苦笑いをする

 

「にしても何で着替えたんだ?」

 

「目立つから」

 

ワイシャツに黒いズボン、かなりラフな格好に疑問を持ったらしいがレイアの答えに納得した様子を見せていた

 

ーー

 

「それにしても、ずいぶんと早く仕事が終わりましたね」

 

僕がぼーっと村を眺めていたら終わってたらしい、

 

「バルスが気味悪いくらい冴え渡ってたのよ、なにがあったやら」

 

「ふふん、俺の中の眠れる潜在能力が開花したんだろ、ラムちーも変に照れずにストレートの褒めていいぜ、ただし惚れるなよ!」

 

「ちー?」

 

首を傾げながら気になったところを復唱する

 

子供達にもみくちゃにされているスバルを眺める、

こころがみたさらる

 

ぐいっと、手を引っ張られる

 

「お前も道連れだ!レイア!」

 

「ふふふ、やってやろうじゃないか!」

 

ーーー

 

遊んでいるのか遊ばれているのか分からないまま子供達に絡まれる

 

「そして、むやみやたらにガキに絡まれる性質も変わらずと」

 

背中になった子供に頬を引っ張られているスバルを見て笑う

 

「なんでか昔っからガキとお年寄りにはわりと受けいいんだよなぁ、正味、俺はこの世でたったひとりに受けが良ければそれでいいのに」

 

体を回し、背中にいる子供をあやしている

 

「人がいい証拠だよ」

 

子供を持ち上げ投げるをくり返す

 

評判いいなこれ

次は俺〜というような声を聞きながら続ける

 

「姉様、姉様、手分けして軽いものだけ集めてしまいましょう」

「レム、レム、重くて持ちづらいやつはバルスに任せましょう、最悪レイア様がいるわ」

 

「超緊張しながら容疑者挨拶回りしなくて済んだってのに」

 

自身を囮にし呪術師自身を誘き寄せようとしている姿に

口角が上がる

 

「スバルー悪い顔」

「恐い顔ー」「変な顔ー」

 

「人の面指差してなにを言うんだ、お子様方、プラスしてさっきっからちょいちょい聞いてんぞ、三番目」

 

「実際怖くって変顔してたよ」

 

「レイアさん!?」

 

はい2回目のレイアさんもらいましたー!!

ょよししゃぁ!!!

 

ーー

 

「そろそろ自由時間も終わりだからって見にきてみれば…」

 

呆れたような顔のラムを見つめ、頬をかきながら答える

 

「多分もう少しで終わるよ」

 

「別に変なことはしてねーべ? っと、わり、レイアの言う通りもうちょいだから、おっし、腕を振って足を曲げ伸ばす運動!」

 

両手を空に伸ばし

 

「ヴィクトリー!」

 

そういう彼をにやけるのを我慢して見つめる

僕はやらないよ、真剣に彼を見ているからね

 

ーーー

 

重い、重いと言いながら頑張る姿を見ようかと考えたが、流石に可哀想だったから半分持つことにした

 

「半分でも結構重いのに平気そうだな」

 

「…おも、い…?」

 

「嘘、俺がひ弱なだけ?」

 

「今更気づいたのですか?」

「あら、今更気づいたの?」

 

助けを求めた双子にバッサリ言われてしまい肩を落としながら、運ぶ後ろ姿を見て笑う

 

ーーー

 

本編よりも早めについた、空が少し赤く染まりつつある

 

荷物は全てレムが持っていきしばらく、本来帰ってきている時間帯

窓の外から、ロズワールが飛んでいくのが見える

 

「いいよなあれ」

 

楽そう

 

ーー

 

「ふぁ」

 

暗い時間帯、月がよく見える

私服のまま玄関ホールに向かう

 

どうやら一足遅かったらしい

 

ラムとエミリアしかいない玄関ホール

 

ーーー

 

僕が1番優先してやらなければならないことは、エミリア様の安全を守ること

スバル君を追いかけたいが、それは仮騎士として出来ない、追いかける気もないけど

彼が死ぬことはない、死んだとしても戻るだけ、行く理由がない、だから僕はあの人の安全を守る

 

そう決めたのは僕だ

後悔するはずない、そう思ってたのに

 

治療を終え、眠るスバルを見つめる

 

「…」

 

酷く後悔してしまった

 

「…ありえないさ」

 

中にいるベアトリスに一言言って、ところどころ血のついた服に気に求めず、外に出る

 

「レイア様」

 

「レム、どうかした?魔獣はあらかた倒しておいたけど」

 

目を伏せる彼女に困ったように首を傾げる

 

「レムは、スバル君を助けたいです」

 

「止めはしないよ、僕もスバルが起きたら向かう、だから無理はしちゃダメだよ、負けるそう思ったら逃げてね、逃げても誰君を責めないから」

 

追い詰めた顔のままスバルのいる家に入っていった

 

「…」

 

何で僕は後悔してるの?

 

ーー

 

蒸し芋を大量に持ち、歩く、地味に蒸気が顔に当たって熱い

 

「バルス、起きたのね」

 

「おはよう」

 

スバルの背中を見る、声に気づいたのか振り返る、レイアを見て驚いような顔をしていた

 

着替えるの忘れてた

 

「あれだけ重傷で心配かけておいて、目が覚めたらすぐに食料を求めるなんて浅ましい、犬に噛まれて犬が伝染ったんじゃないの?」

 

「犬が伝染るってどんな状態だよ、という突っ込みもほどほどに、ふーんへーえ、そーぉ、心配してくれたんだぁ?」

 

「あんまり揶揄うと」

 

「食らうがいいわ」

 

スバルの口にふかし芋が突っ込まれた

 

「そふほず!」

 

「ほら」

 

ハフハフと悶絶しながら食べる姿を見て、口角が上がる

 

「死ぬかと思ったわ!うまかったけど!」

 

「よかったね」

 

火をつけたことしかやってないけど

 

「おいしかったでしょう、できたて…いえ、蒸かしたてよ」

 

「なんだそのキメ顔、腹立つわ! うまかったけど!」

 

「はいはい、もう一個あげるから黙って貪っていなさい」

 

芋を渡され、子供のようにはしゃぐスバルを眺めて微笑ましい気持ちになる

 

「まあ、昨夜の件に関しては素直にお礼を言っておくわ、ご苦労さま」

 

「ご苦労ってどこまでも上からだな、お前、いや、別にいいんだけど…お前がお礼を言うようなことか?」

 

「領民になにか不利益があれば、領主の責が問われる、あのままウルガルムの群れに子どもが脅かされていたら…と思うと、バルスの行動は正解だったわ」

 

「ウルガルム、ね…」

 

この2人の会話いいよね、黙って聞いちゃう

 

「昨晩、ほつれていたらしい結界は結び直したわ、そのあとも、一晩かけて結界に問題はないか見て回ったのと、レイア様が村周辺の魔獣を殺して回ったからこちらへ抜けてくる魔獣はいないはず」

 

「こっちから抜けていかない限り、か? ガキ共が結界越えて向こう側いって、赤ん坊連れて戻ってきたら意味ないぞ、てかレイアが血まみれなのそういうことかよ、着替えろよ…」 

 

「忘れてた」

 

「耳が痛いわね、結界が張り巡らされて以来、魔獣とは小競り合いすら起こらないものだから気を抜いていたのよ、言い聞かせておくわ」

 

考えすぎたのか、立ちくらみをしたのか、ふらつく体を片手で支える

 

「大丈夫?」

 

「無理はしないことよ、実際、大精霊様やベアトリス様がいなければ、死んでいるのが当然の傷だったんだから」

 

「ベア子の名前が出てくるってことは、あいつにも借り作ったのか…痛恨!」

 

「大精霊様のお願いとはいえ、ベアトリス様が禁書庫はおろか屋敷の外へ出てくれるなんて珍しいことよ、屋敷の外では十全には振舞えないお方だけど」

 

体を立て直したのか、手から離れていく温もりに、ちょっとした寂しさを覚えるものの隠し通す

 

血が足りていないのか、若干青白い顔を見る、目つきの悪い黒い目は桃色のメイドをみていた

 

ーー

 

話が終わったのか、去っていくラム

向き直り、彼の目を見つめ頭を下げる

 

「また助けられてしまったね、本当にありがとう」

 

「いやいいって」

 

「しかし」

 

「俺はレイアに結構助けられてるんだ、だから」

 

目を逸らし照れくさそうにそういう彼に、口角が上がるのを隠す

 

「そっか、分かったいつか一気に返すね!」

 

返事を聞かず、持っていた蒸し芋を配ることにする

 

ーー 

 

イレギュラーが起きないないようにメィリィーを追いかけまわし追い出す事に成功した、

そしてスバル達を探し、ロズワールの役目を奪い助けた

そうしていているうち2章は終わっていた

 

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