楽しみで仕方がない明日へ!   作:欠けたチーズ

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笑った顔も好き

 

彼の初魔法を見届けて部屋で本を読んでいた時だった

 

返事を待たず、扉を開け入ってくる人物を見つめる

 

「助けてほしい」

 

「いいよ」

 

「まだ何も言ってないけど…」

 

「助けてって言ったら僕は誰だろうが助けるよ」

 

本を閉じ机に置く

騎士としても助けてと言われれば助けるのは当たり前だ、それがスバルならなおさら

 

「レイア…お前、ストーカーじゃなかったら本当に真っ当でいい奴なんだな」

 

「わぁ!ユメ君傷ついた!」

 

泣き真似をするが、軽く流され状況説明をされる

 

「村人の中に呪術師がいるってわけか…っても僕呪いは専門外だしな…」

 

「レイアに頼みたいのは、怪しい奴が居るかどうかを見て回ってほしい」

 

「なるほどね…分かった」

 

全部知ってはいるがこれを言ったら面白くない

 

「君が子供達に遊ばれているのを横目に探すよ」

 

「何でそれを」

 

驚き疑いの眼差しで見つめてくる

僕が知り得ない情報だからだ

スバルの中で微かにしかなかったレイアの疑いが深まる

 

「君、お年寄りと子供には好かれる体質だろ?」

 

「お前本当にややこしいな!」

 

疑いは消えた

玄関ホールに集合だから早くこいよ!と言い残し去っていった

 

「くふふふははは!」

 

「楽しいなぁ!」

 

取り敢えず着替えることにした

 

ーーーーーーー

 

意外そうに見つめてくる双子と軽く会話をして、不思議そうに見つめてくる彼の方に行く

騎士服じゃないことに疑問でも持っているのだろう!

 

「騎士服で行って警戒されておかしなことになったら嫌だろ?」

 

今はワイシャツに黒いズボン、かなりラフな格好だ

剣は持っていない、誰がどう見ようとただの青年だ

 

「…確かに」

 

納得したような顔の彼を見て笑う

 

かわいいなこいつ!

 

ーー

 

仕事が終わり今は自由時間らしい

 

「心が満たされるね」

 

子供に遊ばれ遊んでいる彼を見つめる

子供は無意識に人が良い人間を見分けられることができるのか、スバルの方にばかり言って遊んでいる

 

「お前も道連れだ!レイア!」

 

腕を引っ張られ子供達のおもちゃへの一歩を踏み出した

 

ーーー

 

「そろそろ自由時間も終わりだからって見にきてみれば…」

 

呆れたような顔のラムを見つめ、頬をかきながら答える

 

「多分もう少しで終わるよ」

 

「別に変なことはしてねーべ? っと、わり、レイアの言う通りもうちょいだから、おっし、腕を振って足を曲げ伸ばす運動!」

 

両手を空に伸ばし

 

「ヴィクトリー!」

 

僕はやらないよ、真剣に彼を見ているからね

 

ーーー

 

重い、重いと言いながら頑張る姿を見ようかと考えたが、流石に可哀想だったから半分持つことにした

 

「半分でも結構重いのに平気そうだな」

 

何回目かの休憩が終わり歩き出した時そんなことを言われる

 

「…おも、い…?」

 

この世界の人間の肉体ということもあってか全然余裕だ、前世ならば同じ反応をしていたであろう

 

「嘘、俺がひ弱なだけ?」

 

「今更気づいたのですか?」

「あら、今更気づいたの?」

 

助けを求めた双子にバッサリ言われてしまい肩を落としながら、運ぶ後ろ姿を見て笑う

 

ーーー

 

本編よりも早めについた、空が少し赤く染まりつつある

 

荷物は全てレムが持っていき、今は本来帰ってきている時間帯

窓の外から、ロズワールが飛んでいくのが見える

 

「いいよなあれ」

 

楽そう

 

ーー

 

「ふぁ」

 

暗い時間帯、月がよく見える

私服のまま玄関ホールに向かう

 

どうやら一足遅かったらしい

 

ラムとエミリアしかいない玄関ホール

 

出遅れたらしい

 

ーーー

 

僕が1番優先してやらなければならないことは、エミリア様の安全を守ること

スバル君を追いかけたいが、それは仮騎士として出来ない、追いかける気もないけど

彼が死ぬことはない、死んだとしても戻るだけ、行く理由がない、だから僕はあの人の安全を守る

 

そう決めたのは僕だ

後悔するはずない、そう思ってたのに

 

治療を終え、眠るスバルを見つめる

 

「…」

 

酷く後悔してしまった

 

「…ありえないさ」

 

中にいるベアトリスに一言言って、ところどころ血のついた服に気に求めず外に出る

 

「レイア様」

 

「レム、どうかした?魔獣はあらかた倒しておいたけど」

 

危険を取り除くためということで、魔獣除けの結界近くにいた魔獣は取り敢えず殺した

 

目を伏せる彼女に困ったように首を傾げる

 

「レムは、スバル君を助けたいです」

 

「止めはしないよ、僕もスバルが起きたら向かう、だから無理はしちゃダメだよ、負けるそう思ったら逃げてね、逃げても誰君を責めないから」

 

レムは追い詰めた顔のままスバルのいる家に入っていった

 

「…」

 

何で僕は後悔してるの?

 




無意識に絆されて、罪悪感と後悔に押しつぶされかけて欲しい。
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