楽しみで仕方がない明日へ!   作:欠けたチーズ

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君の晴れ舞台!

 

エミリアに不満を持つ老人が怒鳴り何かを喚き、僕が仮騎士なことに不満しかないらしい

 

「俺の名前はナツキ・スバル! ロズワール邸の下男にして、こちらにおわす王候補、エミリア様の騎士!」

 

 叫び、それから掲げていた右手を下ろして指を鳴らし、歯を光らせてウィンクを決めながら

 

「どうぞ、お見知りおきをば、よしなに」

 

場は凍っていくなのに!僕の体は熱くなっていく!心音がうるさい!口角が上がる!

 

夢じゃない!ゆめじゃない!ユメじゃないんだ!

 

口元を隠す、歪みきった笑顔を誰かに見せるわけにはいかないから

 

「大変お騒がせして、申し訳ありません」

 

その声で現実に引き戻される

 

「いだだだっ! 痛い! 耳取れる! 取る、取るとき、取れば、取れるとき、取れよう、取れれれれッ!!」

 

エミリアが頭を下げそれに釣られスバルも頭を下げる

 

「危ないって、耳は鍛えられない急所のひとつなんだからもっと丁寧に扱ってくんなきゃ、取れてからじゃ遅いんだぜ!?」

 

「この状況になるってことは今までのお話が聞こえてなかったってことでしょ? 役に立ってないぐらいなら、取れちゃった方がずっといいくらいじゃない」

 

「てんぱってるからって辛辣だな! 言っとくけど、目と耳と鼻と喉と、各種感覚機能に関してはダブルA判定もらえる自信あるよ!」

 

「とにかく、さっきの発言は忘れてください。この子……彼は私の知己で、ロズワール辺境伯の従者ではありますけど、さっき言ったような……」

 

「待った待った待った!レイアには悪いが!なかったことにされるのは困るって話だってば!」

 

悪いと思っているんだ

ふと視線を感じ、その先を見るラインハルトと目があった、困ったような申し訳なさそうな顔をしていた

 

仮騎士について話したのは彼か、まぁいいけど

仮騎士、スバルが正式な騎士になれる可能性を残していた

 

「お願いだから静かにしてて。バツが悪くて引っ込みがつかないのはわかってるから、それならせめて今は大人しく……」

 

「思ってもねぇこと口走って自棄になってるわけじゃねぇし、そもそもこんな場面で心にもない戯言ほざけるほど度胸座ってねぇよ!」

 

さてさて、どうしたものか、今僕はものすごく空気になってる、話しかけたって止まらないだろう、困った困ってないけど

 

そう考えている間もどんどん話は進んでいく

 

ーー

 

時間って嫌いだ、彼の後ろ姿を眺める

 

僕が考えたりしている間にここまで来てしまった、悪い癖だ1つ考えたら一段落するまで

周りが見えなくなる

 

連れて行かれるスバルの後ろ姿を眺める

 

「よかったの?」

 

「何が?」

 

「レイア的には、スバルきゅんの発言って結構思うところあるんじゃにゃいの?」

 

「…そうだね、特にないね」

 

考えてみたが特にないのでそのままの考えをフェリスに伝えれば、猫のように目を細めている

 

「レイアってばたまに馬鹿になるよね」

 

「…元々僕賢く無いもん」

 

「さらに馬鹿になってるて事にゃんだけど」

 

「酷い」

 

フェリスの言葉に流石に傷ついた

 

ーー

 

話し合いが終わり騎士たちが退場していく、スバルを探し早足で探し回る

 

「スバル」

 

見知った後ろ姿腕をつかむ

 

「レイア?」

 

「…僕結構頑張って早く探したつもりなんだけども、ユリウスどんだけ足速いの?」

 

隣にいる人物に笑いかける、

ユリウスよりも早く出て探していたはずなのだが

多分今は連行中と考えるべきか

 

「君が探していた所とは別方向にいたそれだけだよ」

 

「…ぇえ」

 

探すのが下手すぎことにショックしつつも、掴んでいた腕を離す

 

「何するつもり」

 

「決闘、と言ったら君は止めるかい」

 

「レイア止めるなよ」

 

2人の視線に目を閉じ、ため息をつく

 

「決闘…ね」

 

止める気がないと分かったのか、ユリウスは歩き出した

 

(ユメ)が止める理由はないよ」

 

2人の後ろ姿を見つめそんな事を言うが誰にも聞かれる事なく届く事なく消えていく

 

ーーー

 

「スバル」

 

練兵場、そこでユリウスとやり合おうとしている彼に話しかける、ユリウスの方はラインハルトと話しているらしい

 

「レイアには悪い事をしたと思っている」

 

「…それは僕にだけ?」

 

無言のまま目を逸らすスバル君を見る、少し顔は強張っていた

 

悪いことをした自覚はあると言うことは、騎士発言はやらかしたと心の何処かで思っていると言うことだろう

 

(ユメ)は君の選択に文句は言わない」

 

傍観者であるレイアが何か口出しする事も派手に改変する事もしない

そう決めているから

 

「これより、騎士の誇りを汚した不逞の輩に誅を下す! 否やあるか!」

 

「…頑張ってね」

 

これを止めれば、後々良くないことが起きるのは確実だ、暗殺、闇討ちなどなど、それを絶対に止められるほどの自信はないだから背中を押した

 

それと少しの事情もある

 

ーーーー

 

「レイア!」

 

一方的にスバルがやられていくその姿に見ていられなくなったのだろう、止めに入ろうとするラインハルトの手を掴む

 

「君が入ったところでどうにもならない、それどころか悪化する」

 

「しかし!」

 

「…ラインハルトは僕の事言葉を信用できないの?」

 

空のように綺麗な青い瞳を見る、目は揺れていて動揺していることがよくわかる

 

不気味に、戦う時と同じ笑みを浮かべスバル達を見つめていた、その姿に自覚はないのだろう、隠す事なくラインハルトを見ていた

 

「…」

 

入ることをやめたのか悔しそうに2人を見つめていた

 

彼と目があった、目つきの悪い黒い瞳

口元を抑える、震える肩を抱きしめる

 

「?体調がよくな…レイアなのか?」

 

「酷いなぁラインハルト、僕は君のよく知っているレイアだよ」

 

頬に熱を帯び、いびつに歪む口を抑えることなんてできないままラインハルトを見た

 

見たことないほどに動揺して、心底信じられないと言いたげな顔をしていた

 

「ふふ…ぁあ…くそ」

 

前に進んだ、理由は簡単黒い霧が見えたから、黒い霧に進んでいく、ラインハルトが伸ばした手なんか気づかずに

 

止める理由は特にないでも、レイアとして同じ陣営の立場の人として止めなきゃいけない

 

霧が晴れ、スバル君が強烈な一致撃をくらい倒れる、それでも立とうとする彼の横を通り最後の一撃と言わんばかりに振り下ろした木製の剣を片手で受け止めた

 

「フェリス、スバル君連れて行ってくれる?」

 

「はいはーい」

 

「待て俺はまだ」

 

意識が朦朧としている彼を見つめる

 

「僕は君の行動を否定しない」

 

「なら」

 

(ユメ)はだ、それを忘れないでくれない?」

 

当たり前だが分かっていなさそうなフェリスにあとを託す

ミシミシと音が鳴る木製の剣

そのことに気づき手を離す、ゆっくりと剣を下げた

 

「君がそんなに感情的になるのは初めて見る、…レイア謝罪を言う、私がやった行動は君が真っ先にやってもいい行動だった」

 

「謝罪はいらないよユリウス、僕はね彼のことをすごく気に入っていたんだ」

 

いつも通り明るく喋る

 

「だからこんなことをしても僕は笑って許せた」

 

「レイア?本当に君なのかい?」

 

「元気がありやまりすぎで喧嘩売ってるの?」

 

「そんなつもりはない、そう思えたのなら謝罪を」

「ユリウス、君も」

 

黄色の瞳を見つめ.ため息をつく

 

「喋り過ぎた、さて話を戻そうかどうせ君は弱い子をボコスカ殴ってさぞ退屈だろう」

 

スバルが使っていた木製の剣を足で手元まで投げる

 

「悪いんだけども僕はね今すごく機嫌が悪いんだ」

 

剣を思いっきり振り下ろす、揺めきながらも受け止めるユリウスを見てただ狂剣らしく笑う

 

ーーー

 

ラインハルトの声を無視する

 

「…」

 

ペナルティ?そんなもの知ったものか

僕は僕のやりたいようにやる、それは変わらない、だから

 

振り下ろした剣を受け止めるユリウスをただ見る

木が強く擦れる

 

「レイア!」

 

エミリアの声に反則するその隙を見てか、一歩下がり横から剣を振られる

 

「…」

 

「っ」

 

一つしか剣を持っていない、だから空いている手でその剣を掴み剣を叩き込もうとした

 

「見てらんねぇよ」

 

「とわ!?」

 

突然首根っこを掴まれ爪先立ちになる、突然の事で何とも言えない情けない声を出す、振り上げようとしていた剣は想像もしていなかったことに驚き離してしまった

 

「なんで」

 

「2人揃って主人悲しませんのか?」

 

その言葉に何も言えず、片手で掴んでいた首根っこを離してもらう

 

「…何で」

 

君が僕を気にかけるの?そう言おうとしたが何故か言葉が詰まった

 

「守りたい相手なんだろなら、ちゃんと守れよな」

 

その言葉に首を傾げる

何でそんなに悲しそうに言うの?

 

 

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