空を見上げ、自分が乗っている白い地竜に目をやり一撫する
「いっぱい剣やらナイフ乗せてるけど頑張ってね」
鼻を鳴らした、意気込んでいるのだろうか
後数分で白鯨がくる、緊張した空気の中2人を見る、顔をコア張らせている
口元がにやけるのを必死に隠す
必死に耐えていても隠していても口元は三日月を描く
音がなった、何とも懐かしい音だ
周囲が警戒して空を見上げる
月明かりがさいぎられる
影は大きな魚影を空に浮かべる魔獣であった
「全員」
「ぶちかませぇ!」
「アルヒューマ!」
2人が飛び出した、レムの撃った魔法白鯨の絶叫と共に地面に血を降り注いだ
もうにやけるのを隠すこともせずに、不気味な顔を生み出す
「全員あの馬鹿どもに続け!」
その言葉で現実に戻った、首を振り集中しなければならないと自分に言い聞かせる
ここは本当に死にかねない、まだ目的を果たせていないんだ死ぬわけにはいかない
ナイフにマナをこめつつ、魔法を白鯨目がけ撃ちまくる
夜払いの結晶が空に打ち上がるのをみて目を瞑る、瞼を貫くほどに眩しい光
しばらくして目を開ければ今が昼間だと思えてしまえるほどに、明るく白鯨の姿が隅々まで見える
囮になるスバル君達を横目に白鯨を追いかける
見えない刃が白鯨を切り刻む
ヴィルヘルムが白鯨を切り刻む
「そろそろいいかな」
氷柱を空中に作り出し足場として、進む
白鯨の頭部に行き
マナのこもったナイフや剣を大量に刺す
「あははは!」
何故か楽しくって笑みが口から溢れる
双子の子猫の獣人が攻撃をしようとしているのをみて、白鯨からおり無事着地する
「ありがとうね」
白い地龍を人撫し
双子が攻撃を仕掛けたのをみて、剣やナイフを爆発させる
ドス黒い血が地面に落ちていく
「総員!離れろ!」
クルシュの声に傭兵団が一斉に白鯨の体から飛び退く
火球が白鯨に当たる、傷口を作り、傷口を燃やす
「かなり効いた感じがするぜ! このままいけるんじゃねぇか!?」
「いいえ本当なら、今ので地に落としてしまいたかった」
「高度は……下がってねぇ」
「簡単には行かないってわけだ」
驚いた顔のスバル君に手を振る
「初っ端に切れる手札はぜぇんぶ切ったった、それでも落ちんゆうなら、こら向こうのタフさが一枚上手やっちゅう話やな」
返り血で体毛を濡らしているリカードがレイアとは反対の方、スバルの横に来た
「ひと当たりしてみた感じやと、分厚い肌の下に攻撃通すんは楽やないな、ワイの獲物みたいに力ずくか、ヴィルはんぐらいの技量とそこの兄ちゃんの変わった剣がないとじり貧や」
リカードと目が合う、案外バレないものだな
「物理攻撃はそうかもだけど、魔法攻撃は通ってる感じに見えるぜ?ユメのだって魔法だろ?」
さらっとユメ呼びになっている事にテンションが上がる
「一見、派手に攻撃が当たっているように見えますけど、肌に生えている白い毛がマナを散らして威力を減衰させています。見た目ほど、レムの攻撃も通っていません」
「僕のは剣に魔法込めてるから、刺して内側から魔法を使っているようなものだから効いてるんだと思うよ…それにほら僕の剣は簡単に言って仕舞えば爆弾みたいなものだから」
マナをこめ剣を爆発させる、何とも剣の無駄遣い
「ユメのそれって他の奴には使えないのか?」
僕の場合前世の知識とか色々相まって出来てるけど、どうなんだろう
「レムには到底できません」
「そうそうできるやつはおらんと思うで、やったとしても相手に刺す前に武器が壊れると思うで」
そう言うものなのかと、考えつつ剣やナイフにマナを込める
「さっきの火の魔法は白い毛を焼いて、通ってるように見えるな」
「魔力散らす毛ぇ焼いて、その下の炙った肌なら刃物で削れる、単純やな」
「さっきとおんなじ感じで余力削るわ! クルシュはんにも、要所であのでっかい一発ぶち込むよう頼んどいてなぁ!!」
「スバル達も怪我しないように気をつけてね」
無茶な注文をつけて白鯨の下に向かった、リカードの後ろを走る
歳に似合わず、白鯨を切っていくヴィルヘルムを目でおいながら、次の一手の準備をする、これに関しては原作知識があるおかげでできるわけだが
さっきと同様、氷柱を足場に使い白鯨に登る、その頃には白鯨の左目は落ちていた
右目があった場所にマナを込めていたナイフやら剣を刺し、降りる
「案外間に合ったな」
氷柱や火柱が、空になった右目から貫き見える
「っと」
またも地竜に無事キャッチしてもらい一撫でする
白鯨の目の色が変わった
言葉通りだ、そして白鯨の全身の口から霧が放出された
霧が充満し、どこに誰がいるのかも分からない状況
「総員!退避!」
霧の向こう側から聞こえた声に、近くにいた傭兵達は霧に飛び込むのをやめている
地面を抉るほどの霧
「知ってはいたけど…実物を見ると本当にこれ霧って言っていいの?」
疑問を口にして、首を傾げる
「せぇい!」
その声と共に霧が打ちはられる
「遠くに行き行きすぎたな」
遠くに見える彼らを見て地竜を走らせる
「ユメはどこだ!?」
心配して声をあげていたスバルにテンションが上がるのを必死に隠す
「呼んだ?遠くに行きすぎちゃったみたいで…」
全員集合しているらしい、最後は僕か
ほっとしたような顔のスバルに微笑む
僕を信頼しすぎじゃない?
「霧払いの結晶石、打ち上げぇ!」
クルシュの号令に従って打ち上げれるた結晶石
「霧が、晴れる!」
砕けた結晶石が霧を晴らしていく、全ての霧は晴らすことができなかったが
「霧全部を消すには足りない、か」
「代わりに、こちらの魔法にも影響はありません。レムも万全です」
「っしゃぁ! ビビってられねぇ。ここまでなんの役にも立ってねぇんだ。そろそろ俺らの出番といこうじゃねぇか!」
「はい! 行きます!」
走り出す2人
「君らは十分頑張ってると思うけど、あこれ聞こえないやつだ」
2人の背を見ながら、無意識に口角が上る
高い咆哮が響き渡った