精神汚染みたいな物をされている人たちを横目に地竜を走らせる
少し目を離した隙にいなくなっていたスバル君とレムが見えた
「お姉ちゃん、合わせて!」
「いっくぞぉー、ヘータロー!!」
案外近くにいた双子がそう声を掛け合っていた
「わーー!」
「はーー!」
「切り札しゅーりょー!」
「団長、お願いします!!」
「おうおう、任せぃ! チビ共が頑張ったんなら、ワイもやらなあかんわなぁ!!てなわけで兄ちゃんあんたも手伝ってくれよ!」
「分かった」
内心声をかけられたことに驚きつつマナを込めていた剣を握る、氷柱を発生させ駆け上る
霧が出ている口を狙いナイフや剣を突き刺す
勝手に上がる口角を無視して攻撃を続ける
常に動いていなければ霧に当たる、なかなかにハードモードすぎる
氷が咲き
炎が上がる
何度も繰り返すが終わりが見えない、いや終わりは見えた
「剣2本だけになっちゃった」
ストックの終わりが
「奥の手の大安売りはもうおしまいってことで!」
最近奥の手を安売りしすぎてる気もするが…
白鯨を切り刻む
切って切って
「思った以上にやるやん!剣だけでも強いんやな!」
楽しそうにそう言うリカードに笑みが溢れる
「余ってる武器ある場所とか知ってます?」
「何や!変わった剣使わんと思ったら無くなっただけかいな!」
そういい笑っていた
「楽しなってきたわ! 思ったより頑丈やけど、大したことないわ!」
「そう言えるのすごいな」
感心しつつも手は動かす
「いや……少々、手応えがなさすぎる」
合流したヴィルヘルムがリカードの言葉にそういい唇を噛む
「なんぞ、不安でもありよるんですか」
「この程度の魔獣に妻が……剣聖が遅れを取ったとは考え難い。機先を制せたことや、最初の時点の霧で分断されなかったことを考慮しても……」
「確かにおかしいですね、父親の記憶はほとんどないけど、こんなんでやられるのかな…それともまだ何かあるのかな」
考察するヴィルヘルムを見る
全て知っているからな僕
「っ」
不意に白鯨が大きく動く
剣を突き刺して、振り落とされまいと踏ん張るが、無理だった
「はぁぁああ」
無事地竜にキャッチしてもらう
彼の声が聞こえた、多分誰かの名前を読んでいる
「ユメ!逃げろ!」
「霧が落ちてきやがるぞぉ!!」
ーー
白鯨が3匹に増えた!
見つけた
「エル・ゴーア!」
白鯨向けて魔法を撃つ
「ユメ!」
双子と一緒にいる彼の顔を見る
「剣ほとんどないから君の護衛に行こうと思ったけど…先客がいたぽいね」
「いや、正直ユメもいてくれたらめちゃくちゃ安心ぜ」
その言葉に嬉しくなる
双子からリカードの伝言を聞き
分裂していることに気づいて
ヴィルヘルムが腹から出てきたり
「ユメ、ヴィルヘルムさんをフェリスのところまで頼めるか?」
「任せていいよ」
ふらつくヴィルヘルムを地竜に乗せ、前戦を退く
「ぅう」
呻き声を上げている
「頑張るなぁー」
囮になっているスバルを遠くから眺める
「申し訳ない」
その言葉に困惑して後ろに乗せているヴィルヘルムをみる
「私のせいで敵討の邪魔をしてしまいました」
「…やっぱそう思われるよね」
クルシュから聞いていなかったのかと思いながらも、僕がそこまで人間味あふれた素晴らしい人間だと思われていた事を喜ぶべきかを真剣に悩み始める前に口を開く
「僕は記憶にほとんどいない人間に興味はないんです、あるのは友人の身の安全それだけです」
「…友人ですか」
「ええ、そうですよだから今その友人のために僕は騎士ではなくあの人の、エミリア様のただの友人のレイアとしてきてるんですよ」
フェリスを見つけたので地竜を止め、ヴィルヘルムの肩を組み歩かせる
「フェリス、今いい?」
声を上げれば、驚いたような顔をして駆け寄ってくる
「貴方の前でこういうのもあれですが、僕は白鯨なんて興味がないんですよ」
「…」
「ヴィル爺!?無理しすぎだよ!」
「レイア殿」
フェリスにヴィルヘルムを渡し地竜になろうとした時名前を呼ばれた
「私はレイア殿の事を勘違いしていたようです」
「よかったね」
何を勘違いしていたのかよくわからないけどそれだけいい地竜に乗る
「何にも分かってにゃいでしょ!」
さすがフェリス、ユリウスやラインハルトよりも付き合いが長いだけある
見事に分からないことを見抜かれた
ーー
彼が1番上の白鯨目がけレムが作り出した巨大な氷柱に乗り飛んでいくのをみた
その後はあんまり活躍せずに白鯨討伐は終わっていた
ーー
レム達が乗った馬車を見送る
「レムはマナ切れ起こしたけどユメは平気なのか?」
「僕はマナ人より多い方なんだよね」
「へー」
「それに魔獣騒動の屈辱は忘れてない」
そういいボッコの実を見せる
「屈辱って…ああレムが言ってたなロズワールに運ばれてたって」
「腹立たしく屈辱的だった、魔獣がいないのに村まで運ばれてその後ボッコの実を渡されたんだ…森の中でもよかったじゃんか…ラムの視線がどれだけ辛かったことか…」
今思い出しても背筋が凍る、魔獣の次は自分かと思えるほどに睨まれていた
蛇に睨まれた蛙とはこの事かと何度思ったか
「どんまい」
肩を軽く叩きそう言われる
地味に強いレイア