戻ってきたらしい
「ユメ」
「ああ」
ちょうど、2人で話している時に戻ってきたらしい
「何があったんだよ」
「僕はね訳あって記憶とかを違うところに置いているんだよ」
「それと何が」
「体は空っぽなんだ、記憶と人格という障害物がない体には適性が無くっても簡単に入れてしまう」
一歩下がり頭を下げる
「僕のミスだった本当にすまない」
「いや!ちょ!頭を上げろよ」
顔を上げれば、気まずそうな顔をしているスバル
「いや。ユメの情報のおかげで助かってるし思い詰めることはねぇよ、それに俺もペテルギウスに乗っ取られたし…責めるつもりはねぇよ」
「うん」
目を逸らし、自分たちを呼んでいる声の方を向く
「っても…乗っ取りをどうするかだよな」
「僕には無くって君にはあるもの」
不思議そうな顔をしているスバルの心臓ら辺を指差す
「最強で最悪の手札が」
「…そういうことか」
やっと理解したのまっすぐやる気に満ちた顔をしていた
その顔についニヤけてしまう
ーーー
前回と違うところは、村の人達の説得、エミリアを避難させる事、そして僕はエミリア達の護衛として離れる事
ーーー
指先とアジトを潰し終え、屋敷にヴィルヘルム達と共に行く
「良いのですか?」
「ええ、いいですよ」
「…聞いた話では、反省文が書き終わるまで戻ってくるなと言われたと」
「言ったのフェリスかスバルだなこれ、ゴホン、いいんでよ僕は今騎士ではないし、何より友人の命より反省文を取る奴なんていません」
少し驚いたような顔をした、ヴィルヘルムは少しの間をおき口を開いた
「父親に似ていい目をするようになりましたな」
「…?」
言葉の意図に理解できずに首を傾げる
「ハッ」
隣でラムが鼻で笑っていた
「これわかる?」
「何となくわかるよ俺でも」
スバルに助けを求めたが味方にはなってくれなかった
そのエミリア様ローブ似合ってるね!可愛い
ーー
僕の役目はタイミングを見て入ってエミリア様を説得すること
「緊張してきた」
隣でそんなことを言うスバルの背中をさする
暖かい
ーー
「失礼します!」
そういい入っていくスバルの後に続いて入る
「森に潜んだ集団に奇妙な動きが見られました。動き出すかもしれません。もう、一刻の猶予も……」
「こちらの予想より早いな。……これだけの人数が村に入れば、気付かれるのも時間の問題ではあったか」
「いかがいたしましょう、ヴィルヘルム様」
「エミリア様」
本来ここはヴィルヘルムが言うセリフだ、でも、それでも僕の口は勝手に動いていた
「わかりました。ご厚意、ありがたく受けさせていただきます。村の人たちの説得は……」
「すでに滞りなくですわ、エミリア様」
「…レイア、話があります」
「分かっています」
少しばかし怒っている様子のエミリアに微笑む
ーーー
「どうして、来たの」
「エミリア様の命がかかっています、なので当然のことかと」
聞きたい答えは違う、とでも言いたげに眉を顰める
「友人が危ない時に僕は呑気に反省文なんて書く人間じゃないですよ、それに何か勘違いしているようでしたら言っておきます、僕はあなたのエミリア様の優しさに惹かれて貴方を守りたくって助けたくって幸せになって欲しくって貴方に支えています、それに今は騎士ではなく貴方の友人、ただのレイアですだから、友人を助けるなんて事は当たり前なんです」
目を見る紫紺の瞳を、驚いて嬉しそうな瞳を
「そっか、ありがとうレイア」
強く握っていた手を優しい手つきで握られる
「ずっと私だけがレイアのこと友達だと思ってた、レイア私を助けに来てくれてありがとう」
「それはスバルに言ってあげてください、彼が僕に教えてくれたからこの場にいるのですから」
「スバルが?」
微笑ましく見ているローブの男を目だけで見つめる
ーー
「本当に良かったの合わなくって」
少し遠くから、エミリアと村の子供達が会話をしているのを見る
「いいんだよ」
「分かった」
「ユメ、エミリアを頼む」
「言われなくってもやるよ、てなわけでスバルのことは任せるよユリユス」
「任せてもらいたい」
嫌そうな顔のスバルを見つめ微笑む
ーーー
地竜を走らせる、エミリアが乗っている竜車の背後を走る
楽しそうに村の子供達と会話するのを見つめる
本音を言えば僕は彼の方に居たかったんだけどさ、やれることもないから
森の中に隠れている指先を見つけた
氷柱を矢のように発射させ、狙撃する
剣にマナをこめる
森を抜けた
これから色々頑張んないといけないな
ーーー
かなりの時間がたった、そろそろスバル君来ていいころだけ…
忘れていた、何でスバル君が焦りながら来たのかを
振り返り、エミリアが乗る竜車に走る
「レイア?どうしたの?」
「騎士のお兄さんだ!」
「スバルと一緒にいた人だ!」
竜車に乗り込み、不思議そうなエミリアと子供達の声を無視して板を剥がす
「つ!」
魔石の入った袋が見えた
「きゃ」
視界が明るくなった
氷を袋の周りに展開する上に自分を被せる
肌が焼けるように熱い
痛い
しくじった
ーーーーー
スバル視点
ミミ、ヘイタロウ、リカード、ユリウスの協力のもとペテルギウスを倒した
「そんなソワソワするんだったら、あの時会っておけば良かったのに」
呆れたようにそう言い放ったのはフェリスだった
ペテルギウスを倒してから落ち着きがないのは事実だ
「そんなこと言ってもよ、ユメがカッコよくて決めた後に会えるわけないだろ」
「全く〜」
肩をすくめ笑うフェリスを見つめる
「連絡が入った、避難している竜車を襲撃している者達がいるそうだ」
「は!」
ミィーティア片手に民家から出てきたユリウスの言葉に焦る
ユメ、アイツは簡単に自分の命を誰かのために投げ出す、未来を知っているぽい発言をしているが何度も死んでいる姿を見た、だからこそエミリアのために死にかねない
思い出すのは自分を庇って、戦って死んだユメ姿
知っていても力がないんじゃ意味がないそれは自分自身がよく知っている
ーーー
後始末はリカード達に任せることになり、ユリウス、フェリスと数人の鉄の牙の団体と共に向かったいる
「あれか!」
視線の先には沢山の竜車、そしてそれに群がる黒い何か
「早く」
行かないと
そんな言葉は大きな音でかき消された
爆発音だった、竜車があった場所に突然大きな爆発が発生した
「は」
誰の声かは分からなかった
「エミリアはユメは!」
「スバル!待つんだ!」
パトラッシュの綱を引きスピードをあげる
「エミリア!ユメ!」
名前を叫ぶ
近くにくれば酷い有様だった、竜車は燃え、敵も味方も関係なく転がっている
「ユメ、エミリア」
声は小さくなっていく
「君は相変わらず誰かのために簡単に命を投げ出すね」
声の方を向く
爆発の中心部だったであろう場所
「パック?」
パトラッシュから降り近寄る、パックがいるのであれば近くにエミリアがいるそう思ったから
「君の大切な人を傷つける行為だと言うことにまだ気づけていない」
近くに行けば、黒く小さい何かが無数に転がっていた
パックの近くには眠るエミリアがいた
「僕の娘は死んだ、契約通り世界を終わらせよう」
「エミリアが…ユメは」
信じたくなかったでもそれでもユメなら何があったかどうしてこうなったかを話してくれると思った
「…そこらへんに散らばってるだろ?」
「は?」
意味がわからなかった
意味がわからない
分かりたくなかった
転がっている小さかって黒い何かの正体に
風に飛ばされている黒い何かの正体に
考えている間に雪が降ってきた
寒くなっていく
またあの時みたいに寒くなっていく
怖い
怖い
首が取れる感覚が、足が地面に置き去りになっていく感覚が
体が割れる感覚を思い出してしまった
「っ」
それでも、守りたい者がいない今回に意味などないのだ
「スバル!」
誰かが名前を呼んだ
吹雪の音で聞こえなくなっていく
「また君と友人として話をしたかったよ」
誰に向かってかは分からないが悲しげな声が聞こえた気がした