ペナルティの頭痛も大分よくなってきた頃
「不可視なる神の意志、インビジブル・プロヴィデンスと呼ぼう……」
「……え、今、なんて言ったの?」
スバルが起きたらしい
目覚め1番にそういいエミリアを困惑させている
「あ……また俺、エミリアたんに膝枕されてんだ、あユメ」
目が合い名前を呼ばれる、その姿に何だが口角が緩み微笑む
「そう。もう何回目? 意識がないスバルにこうやって、膝を貸してあげるの」
何と!可愛らしい会話なのだろうか!僕は息を潜め会話を聞く!
内心の興奮を隠し息を潜める
「諸々の条件考えると三回目かな。大一番を突破しないと辿り着けない楽園だから」
「す、すごーく頭しゃっきりしてるんだ……気絶する前のこと、覚えてる?」
「そりゃもうハッキリと。こうやって喋ってエミリアたんの顔見てる間にゆっくりと思い出して……」
「やべぇ。そういえばしこたま殴られた気がする。エミリアたん、大丈夫かな。俺の顔、二目と見られないぐらい酷い状態になってない?」
「大丈夫。そんなに変じゃないから」
「悪気ないときの返事だこれ!なぁユメ」
助けを求めるようにこちらを見つめ名前を呼ばれた
いたずら心がくすぐられる、今此処でちゃんと言わなきゃどうなるんだろうと、スバルが心配している事にはなっていない、だからこそそう思いついた
「うんうん平気平気」
「こっちはなんか適当だな!」
そう声を上げ心配そうな不安そうな可愛らしい顔をしてからスバル自身で体を触り怪我の様子を確認している
「スバル。あんまり膝の上で動かれるとくすぐったい」
「あ、ごめん。違うよ! 全然いやらしい気持ちでやったわけじゃないよ! やったわけじゃないんだけど、念のためにもう一回ちゃんと確かめていい?」
「ダメ。そんなこと言ってると、すぐに膝から突き落としちゃうんだから。そんな猪口才なことばっかり言ってないの」
「猪口才ってきょうび聞かねぇな……」
「僕はなんか邪魔だね」
イチャイチャしている2人を見て離れようとするがエミリアのいて当たり前、なぜ立とうとするのかと言いたげな視線のに耐えられず席を立つことができなかった
ーーー
オットーとパトラッシュとの会話を微笑ましく見つめる
「ユメがいなかったらオットー達は森の肥料になってたわけか」
「すごい怖いんですけど、その通りですよ」
見つめてくる2人を見て自慢げに胸を張って笑う
「頑張った人の特権が欲しい。褒めよ」
「最初の頼りになる騎士様はどこに行ったんだよ」
そう言いながら頭を撫でてくる
最初の騎士?何それ知らなーい
ーーー
「エミリア様がやる気満々になったところ悪いんだけど、墓所には先にガーフが入るわ」
話し合いを終えたラムがそう言った
「ガーフィールが『試練』って……本気か?」
「本気も本気よ。ねえ、ガーフ」
驚き目を見開きながらそう言い放ったのはスバルだった
「聞いてるの、ガーフ。無視だなんて、ずいぶんといい度胸しているじゃない」
「あだだ! だだァッ!? おい、ラム!? 今、俺様の耳、根元がブヂッつったぞ、オイ! 千切れる寸前……血ィ出てるッじゃねェか!」
「全員によってたかってタコ殴りにされたことの反省が活きていないようね? 言っておくけれど、こっちにはまだ体力をまったく消耗してないエミリア様とまだ戦えそうなレイア様が残っているのよ。反抗的な態度をとったらどうなるか、わかってるの?」
「わ、私……そんな乱暴なことするつもりないんだけど……」
「僕全然行けるよ!」
万全のエミリアともう元気なレイア
エミリアを巻き込まない戦いだったのにエミリアの名前を出すラム、レイアにボコられた事を知ってるのかついでにレイアの名前も出していたが
「わァってるっつんだよォ。今、この場で再戦したッとこで俺様に勝ち目はねェ。『地霊の加護』で力はだいぶん戻ってッきてやがッが……っ、ケンカできるほどじゃァねェ」
レイアの方を見て一瞬ビクついた、誰だってそうなる、笑いながら頭から血を流してもなお戦おうとする狂人を見れば思い出せば、それに当の本人は気づかず不思議そうに首を傾げている
「そう言ってもらえると、こっちとしちゃ安心だ。ぶっちゃけ、これ以上お前と殴り合いするのなんて願い下げだよ。死ぬかと思ったぜ。ここ一ヶ月で二番目か三番目に」
「ナツキさん、どれだけ修羅場ばっかくぐってるんですか? 恐いんですけど」
「洒落にならねぇ〜」
知ってるレイアだからこそそう言えた
「……俺様ァ、二番目か三番目かよ」
「ああ。二番目か三番目か……そんなもんだ。表に出れば、もっと色々あるぜ、だが死ぬほど焦ったのはユメが怒った時以来だな」
「え?」
「ハッ! その口車にゃァ乗らねェよ。儲け話の陰にデリデリデありってなァ」
スバルの言葉に反応して見つめるが何も言わない
ーー
ガーフィールが試練を受けに墓所に入っていくのを見届けた
「さっきの」
「あー聞こえないー」
耳を塞ぎわざとらしくそう言い放った
スバル自身もレイアの前で行ったのは失敗だと思ったのか、それともぶり返したくないのか話そうとしない
「ねぇー」
「ああああー」
服の裾を掴み揺さぶるが変わらない
別にあの時怒ってはいない事を言いたいのになかなか聞く耳を持とうとしない、あの時は感情的になり周りが見えていない状態だった、それを言いたいのにと、嘆く
「2人ともすごーく仲良しね」
そういい微笑むエミリアを横目にラムとオットーは子供の戯れ合いを見るかのように見ていた