楽しみで仕方がない明日へ!   作:欠けたチーズ

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らららいらいらららい

 

オットーは他の商人に挨拶をしに行くと言って別行動する事になった、本当は叡智の書の復元のために行くのだが

 

「ふぁ」

 

あくびをしつつ、オットーを見送り

 

宿の前でヨシュアと言い争っていた、ラチンスを嗜め

ラインハルトに殴りかかったガーフィールを止め、宿の中に入る

 

「さっきのことが相当効いたみたいだな」

 

「たまにはいい薬なのよ」

 

「仕方ないよ、気にするだけ無駄だよ」

 

拗ねた子供のように黙り込むガーフィールにフォローを入れる

 

ーーーー

 

陣営どうしの話し合いも終わった後、何もすることがなく

 

スバル君がくつろいでいるところを覗きに行こうかな

などと考えていた時

 

「なぁレイア姉」

 

「ん?」

 

振り返れば、暗い顔をして目は下を向いて、あからさまに自信を無くしている姿のガーフィールがいた

 

「アイツと俺がやり合ったらどうなる」

 

アイツと言うのは流れ的にラインハルトの事だろう

 

「ガーフィールが無惨なほどに負ける」

 

顔を強張らせ曇るガーフィールの頭を乱暴に撫でる

 

「な」

 

スバル君のとは違い、野良猫のような撫で心地などと思いながら、驚き見つめてくる緑色の目を見つめる

 

「ガーフィールはさ〜1人で勝とうとするからそんなんになっちゃうんだよ」

 

何故頭を撫でられているのか分からないのか不思議そうに見つめる目を見て微笑む

 

「ラインハルトにだって出来ないことがあるんだよ、それをガーフィールは出来るんだ」

 

「例えば何だよ」

 

「僕と毎朝稽古する事」

 

撫でるのをやめ自信満々に言えば、唖然とした顔を浮かべていた

 

「くだらない事でもいいんだよ?」

 

不満げな顔を見つめる

 

「それにガーフィールはまだ強くなれるよ」

 

「今じゃねぇと意味ねぇんだよ」

 

「そっか」

 

これも僕じゃダメか

曇った顔のまま去っていくガーフィールの背を見つめる

 

「レイア?こんな所にいたのね」

 

声をかけられ振り返る前に、手を引かれる

振り返り顔を見ればわくわくした顔のエミリアがいた

 

何だろ〜!

 

「ついてきてくれない?」

 

「はい!」

 

可愛らしい顔にテンションを上げ、手を引かれるままついていく

 

 

湯気が立ち温泉特有の匂いが鼻をくすぐる

 

「本当に凄いわね」

 

「はい」  

 

できるだけエミリア達を見ないように視線を上げる

 

「レイアは何で上を向いているのよ」

 

「ダメよベアトリス、レイアは恥ずかしがり屋さんなんだから前にお屋敷で一緒にお風呂に入った時もこんな感じだったのよ」

 

そういい楽しげに近づき、エミリアの肌と自分の肌が触れ合った

 

「きゅ」

 

手で顔を覆い隠し情けない声を上げる

ただ自分が女だと言う自覚がまだ薄く、エミリア達の裸を見るのは罪悪感があるから見ないようにしているだけなのだが

限界はある、柔らかそうな白い肌、濡れて肌に張り付く髪、温泉に浸かる体、それが見えてしまう、出来ることなら温泉に入ってる間だけでもいいから目が見えなくなりたい、罪悪感が酷い、泣きそう

 

「苦労してんだな」

 

何を思ったのかフェルトにそんなことを言われる

 

「レイア様、大丈夫ですか?顔が赤いですが」

 

「だいじょうぶです、クルシュ様…そうだエミリア様のぼせたので先に上がります!」

 

「ええ分かったわ」

 

耐えられなかった、美形に囲まれて風呂に入ることがここまで辛いとは思わなかった

騎士の役目なんてほっぽり出してこの場から逃げ出した

ーーーー

 

騎士服ではなく、宿から渡された浴衣を着る

 

「…間違えた」

 

右を前にするところを間違えて左を前にしてしまった、これでは死装束になってしまう

 

分かっているのに何故間違えたのかと疑問に思いつつ直し、エミリア達が上がってもいいように、髪を乾かす準備や浴衣の準備をする

 

ーー

 

「手慣れてんな」

 

エミリア、ベアトリス、クルシュ、フェルトの浴衣の着付けの手伝いをしていた際そんなことをフェルトから言われる

 

「カララギに行ったことあるので」

 

これは本当だ、エミリアの騎士になる前に一週間だけカララギに滞在していたことがある

 

「そうだったの?」

 

「と言っても少しの期間だけですけれどもね」

 

フェルトの着付けが終わり、珍しい服装の皆を見て自慢げに笑う

 

可愛い

いいよね浴衣、普段洋風の服装の人が珍しく和風の服着ているとギャップとかで満たされる

 

綺麗な銀髪の髪を乾かすのを手伝う事にした

 

「レイアは髪伸ばさないの?」

 

「手入れとか面倒なので」

 

勿体無いと言いたげな顔が鏡越しに見える

 

「可愛い」

 

「漏れ出ているのよ」

 

そんな事を言われる

 

ーー

 

ベアトリスはスバルに見せに行くといい1番最初に脱衣所から出て行った

それを追いかけるようにエミリア達も出る

 

「クルシュさま!お似合いです!」

 

出て早々、フェリスの歓喜の声が聞こえた

どうやらフェリス、ラインハルトは自分の主人を待っていたらしい

 

「相変わらずだね」

 

「クルシュ様ー!」

 

「フェリスもよく似合ってますよ」

 

聞こえていないらしいクルシュの近くで浴衣姿を堪能している

 

「フェルト様、よくお似合いです」

 

「うぜー」

 

主人同士での褒め合いが始まった

 

「仲良いね」

 

「すごーく仲良しね」

 

「どこがだよ!」

 

ラインハルトしつこいほどの褒め言葉に耐えられなくなったのか

レイアを盾にするように隠れたフェルト

 

「でも、新鮮だねラインハルトって白い服ばっか着ているって僕の中で定着してたら、似合ってるよ」

 

「そう言ってもらって嬉しいよ、レイアも似合っているよ」

 

嬉しそうに笑う、ラインハルトを見てスバルのところに行くべく歩き出す

 

「フェリちゃんは?」

 

「フェリスも似合ってるよ」

 

褒め合いが始まったな、などと思い始める

 

「姉ちゃんはなんか扱いに慣れてんな」

 

「よく分かんないや」

 

ラインハルトやフェリスの扱いに慣れた態様をしている、その姿に疑問を持ったフェルトが聞いたが

レイアはフェルトの言葉の意味がわからず首を傾げる

 

顔色を伺い相手の言って欲しい言葉をかけると言う特技は、無自覚に覚えた故にレイアが自覚することはない

 

ーーー

 

夕食で久しぶりに刺身も食べられて満足だ

 

などと思いながら月明かりが照らす廊下を歩く

 

「…はっ!」

 

視線の先にいる人物に驚き声を上げる、その声に気づいたのか不思議そうな目つきの悪い目と目が合う

 

風呂上がりなのか若干髪は湿っていて、普段は黒系の服ばかりだったから若干幼い印象を与える青い浴衣、浴衣の隙間から見える鎖骨、胸、普段ジャージで隠れている頸は浴衣のおかげで露出している

 

「マジ神」

 

突然現れたレイアにそんな事を言われたスバルはただ困惑するがすぐにいつもの奇行だと気づき、慣れたように無視する

 

「ここの風呂すげえよな」

 

「はぁぁ、まじ良い産まれてよかったぁ」

 

スバルの周りを回り浴衣姿を堪能している

 

「そうだよな、ちなみに風呂でのエミリアたんってどんなんだった?別に下心がある訳じゃねぇよ」

 

下心がありそうな質問だが、今のレイアの耳には届いていなかった

 

「ひゃわわ」

 

謎の声を上げスバルを見つめる、レイアにスバルはただため息をつく

 

「コイツこんなんだったけ?」

 

いつも以上に興奮している様子に何故か心配し始める

 

 

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