太陽に照らされる
笑いを必死に堪える
手で口を押さえても肩が震える
これを愉悦というのかな
死ぬ直前の彼の顔を思い出す、必死に見つめ争おうとしていた顔を!
僕が死ぬそうなった時の必死な叫びを!
「クフフ」
漏れ出た声は誰の興味にも惹かれず消えていく
鼻歌まじりに歩く、前回と同じ道を違う行動をすれば怪しまれてしまうから、僕は理解者になりたいわけじゃないからね
理解者になりたい訳ではない、いつだってナツキスバルの心残り、傷、呪い、になりたいその気持ちは変わらない、変えようがない
ゆっくり路地裏に向かえば、騒がしい足音と呻き声が聞こえる
「君!」
丁度いいタイミングだったらしい
驚き駆け寄る
「ぁ」
腰と腹にナイフが突き刺さっているスバルがいた、今にも死にそうで死にたくなさげに必死に息をしていた
「ッ…僕に治癒魔法が使えれば、すまない痛いかもしれない」
「れ…ぃ…、ア?」
血を凍らせ止血する
まぁ何しても死ぬ血の量だけどさ
地面に流れる血を見る
ーーー
今日はいい日だ僕のやりたい事リストが2個も消化できた
彼の前で死ぬこと、彼の死を近くで見ること
まだまだ沢山やりたいことあるから、悪いけど付き合ってねスバル君
やりたい事リストは時間が経つたびに増えるので正確な数は分からない
自分の意思と反して上がる口角を無視して歩く
とある路地裏に向かいゆっくりと歩く
「衛隊さーーーん!!」
その声に思わず声を出して笑いそうになる、面白いからでは無い嬉しいから嬉しくって、どうしようもなかった、手を口で押さえ隠し軽い足取りで向かう
勢いよく裏路地から飛び出してくる3人組を横目に裏路地の入り口近くでタイミグを測る
「…ラインハルトが助けた感じ?」
路地裏に入りわざとらしく首を傾げる、にやけた口がバレないように手は口元に置く
「レイア?どうしてここに?」
エミリアと待ち合わせをしていることを知っている、ラインハルトが驚いた顔で聞いて来た
「いやぁね待ち合わせしてたんだけど来ないから探しにね、君は?飛び出してきた3人にカツアゲでもされてたの?」
「ぁあそんな感じだ」
ほっと安堵の表情をしている彼ににやけ顔を見せまいと必死になる
スバルからしてみれば2度も助けようとしてくれた人との再会だ
「ってこんなことしてる場合じゃ無いんだった、そうだ聞きたいことがあるんだけどもいいか?」
思い出したかのように口を開いた
「僕が分かる範囲でいいなら」
少し会話が違う気もするな、
「人を探していて、銀髪の女の子見てない?」
「銀髪」
スバルはレイアを真っ直ぐ見ていた
そうだよね君は僕が知ってること分かってるもんね
そう呟きながら、ラインハルトはレイアの方をスバルにバレないように見ている
困っちゃた2人からガン見されてる
銀髪という言葉を聞きエミリアを連想したラインハルトはエミリアの仮騎士であるレイアを見る
銀髪の子を探していると前々回に行っていたそれゆえに、見つめ聞いてくるスバル
「ふむ」
「付け加えると超絶美少女、で猫…は別に見せびらかしてるわけじゃないか、情報的にはそんなもんなんだけど、心当たりとかってない?」
さらに情報を出しレイアが口を開くのを待っているのか、不安げに見つめていた
「その子を見つけてどうするんだい?」
「落し物この場合は探し物か? それを届けてあげたいだけだよ」
視線をこちらに向けてくるラインハルトに取り敢えず愛想笑いをし、スバルを見つめる
真剣な顔をしていた
すごいすごい!
「すまない、ちょっと心当たりないな、もしよければ探すのを手伝うけれども」
「そこまで面倒はかけられねぇよ大丈夫、あとはどうとでも探すよ」
「その子の名前は知らないんだよね?」
「嗚呼ちょっと事情があってな」
「どうして名前も知らない子を助けるの?」
スバルは真っ直ぐ見て答えた
「見捨てたくないから」
最高だよ君は
自己犠牲の塊、なんて言われてもおかしくないその子のせいで死んだというのにめげずに助けようとするその姿勢が同情もなく
そうだよねだって僕は君のその姿が好きなんだから
優しい笑みを浮かべる
「そっかスバルは優しいもんね」
「あ」
「え?」
つい油断してしまい、お互いが知るはずのない名前を呼んだ
やらかした
この世界ではまだお互い名乗っていない
不思議そうな青い目と、驚いて見開いている黒い目が自分を映していた
言い訳のしようがない、逃げ道もない
「…まぁいいや、スバル、君の探し人多分僕の知ってる人だいや絶対に、だから探すの手伝うよ、さぁ行こうもう行こう」
「え、ちょま、力強!?」
「じゃあねラインハルトまた」
「ああ」
もうこうなったら開き直るしかないそう思い、スバルの手を掴み半端引っ張りながら路地裏を出る
「レイアは巻き戻る前の記憶があるのか?」
「さぁどうだろう」
「何だよその答え…」
曖昧な答えに不満そうな声が聞こえる
もう仕方がないよね、やってしまったことは仕方がない
「改めて名乗るね、僕はレイア・イスキオス」
「知ってるよ」
「そして、
「は、え?お前転生者かよ!?」
「そうだよ」
突然のことに困惑しているのかそんな声が聞こえ、足を止めて彼を見る
当然の同郷に困惑している、と言ってもレイアとスバルの世界は違い、同郷では無いが
「実はね君のことは一方的に知っていたんだよ」
「知ってるって…住んでいる県すら違うけど…」
「家族構成は父親と母親そして君、兄弟はいない、父親は菜月賢一、母親は菜月菜穂子、名前の由来は、プレステラの和名スバル」
「は」
唖然とするスバルを見ながら続ける
まぁ当然だろう突然自分の個人情報を言い当てられるんだ
「顔の傷に憧れ、自分でつけるものその怪我に菌が入り卒業写真が1人ミイラ男になる、父親に強い憧れがある、マヨネーズはコーヒーに入れる程に好んでいるがマヨネーズ好きは実際は親2人に影響されただけ、タルタルソースは苦手、グリンピースも苦手、誕生日は4月1日血液型はB型中学の時の部活は剣道部握力は70キロを超えている、押しの強い性格であり小学校まではその性格のおかげでクラスを引っ張っていく存在であったが」
「ちっと待て!」
突然個人情報やペラペラと喋り出す姿に怯え、止めに入る
止めなければきっと数時間も喋りそうな勢いだったから
「ストップ!分かったからもうやめて!?」
「気に触るようなことを言っていたら謝罪するよ」
頭を抱え困った様子の彼を眺め微笑む
自分がさせたというのに何かな奴だ
「何でそんなことまで知ってるのかわからねぇけど、置いといて…いいのかマジで悩むけど!」
「盗品蔵の道は覚えているよ」
次に言おうとしたことを言い当てられたからか、引き攣った顔をしていた
可愛い〜!
頼れる騎士が、同郷のやばいストーカー騎士変わった
此処でレイアがスバルの名前をうっかりで呼ばなかったら、レイアがラスボス、裏ボスのどちらかになるルートに入ってました。