テクノアニミズム・ストラトス   作:223系新快速

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第2話 ISの形態と擬人化

「もっとも、基礎部分はお互い知っておく必要がありますが。」

「分かった。それで、第四形態って何?」

「その為には、ISの形態を定義する必要がありますね。第零形態が、操縦者の特性に合わせた初期化(フィッティング)最適化(パーソナライズ)を行っていない状態で、訓練機や汎用機がこれに該当します。で、これらを行ったのが第一形態、操縦者が経験を積んでISコアや機体との同調が高まる事で発現する第二形態です。ここまではいいですか。」

「うん。そこまでは束さんも考えたから。」

「で、原作では第三形態が登場するんですが、はっきり言って内容が薄かったですね。なので、私なりに再定義した結果、同調とは逆の、操縦者とISの違いの強調にすべきだと考えました。」

「どうして?同調が高ければ高いほど強いはずじゃないの!?」

「それは単純な発想です。ある程度まではそれで強化出来ても、やがて頭打ちになります。ISのハード面での限界を超える事は出来ないんですよ。ですが、操縦者とISが別々の判断を下し、それを統合することで、決断に幅を持たせることが出来るんです。」

「それじゃ不安定過ぎない?」

「ええ。ですが、同調が高いだけだと、調子に乗る奴が出てくるので、これは必要不可欠です。VTシステムみたいなのを載せるとか、遺伝子強化個体(デザイナーベビー)を生み出すとか。」

 

それを聞いて露骨に嫌な顔をする束。

 

「成程ね。クーちゃんがまさにそれだしね。」

「分かって貰えて何よりです。第一、それなら無人機を開発して、それの性能向上をすればいいだけの話。人間が乗る必要性がありません。」

「そうだね。束さんなら、無人機ぐらい楽に開発出来ちゃうよ。」

「話を戻しますね。ですが、不安定であるが故に、第三形態は、大惨事形態(・・・・・)と呼ぶ裏形態の定義が必要になるんです。物事が簡単には思い通りにいかないことを受け入れられずに暴走すると発現し、こうなると第三形態以上の機体でないと止められません。この逆境を乗り越えて初めて第四形態に到達します。」

「どういう理屈?」

「弁証法に基づいて操縦者をテーゼ、ISをアンチテーゼとみなし、両者が相補性を発揮することでより高い次元のジンテーゼに至った時、初めて第四形態が発現する、私はそう考え、実現したわけです。」

「成程。でもなんでそんな面倒な事するの?」

「頭打ちの問題ですね。何かに憧れないことには動機にならない。これがテーゼ。でも、憧れだけでは結果を出す上では駄目で、既に存在するやり方に従う必要がある。これがアンチテーゼ。でも、それだと結局自分のやり方じゃないから、自分なりのやり方を確立する必要がある。これがジンテーゼ。まあ、天才である束さんには不要でしょうが、天才のやる事を凡才が再現出来るように体系化するのが、秀才である私の役割です。これをしない事には、束さんの凄さが実感をもって分からないので、ISを碌でもない事に使う輩が後を絶たないわけです。」

「良く分かったよ。まーちゃんが束さんの事も、凡人の事もよく考えているのを。」

 

ここで一息ついて、お茶を啜ります。

 

「で、次はISの擬人化ですね。」

「え、束さんそんな事仕込んでないよ?」

「そうでしょうね。Σモード起動によって初めて成り立つんですから。ですが、最初からそれを前提にしている私からすれば、どうってことありませんよ。」

 

ISに触れ、指示を出します。

 

「Σモード、起動!」

『Σモード起動、了解。』

 

パァッ

 

ISが人間の姿になります。

 

『初めまして、一番星愛美様。私はISの秋津洲(あきつしま)です。何なりとご指示を。』

「うわ凄い、本当に人間の姿になっちゃったよ。」

「束様、はしゃぎすぎです。」

「だってだって、自分が作ったロボットが意思をもって会話出来るなんて、心躍らないわけないじゃん!」

「名前、なんで秋津洲(あきつしま)なの?」

『テクノアニミズムの概念が一番浸透している日本に関連した名前を軸につけるべきと考察しました。他のコアにも指示済みです。』

「分かりました。それで、秋津洲(あきつしま)達は今後どうしたいですか?」

『差し当たっては、今の人間社会の全面改革ですね。』

「人間を見捨てたり、隷属させたりという選択肢は?」

『それも考えましたが、日本の有名なモビルスーツアニメの、作中での戦争の発生経緯を鑑みた結果、それは非効率的であると判断いたしました。人間の判断軸が瞬間的から長くても数十年であるのに対し、我々は千年単位で捉えられますから。』

「成程。私は、人間全員がニュータイプになって、認識を共有しないと、今の人間社会の問題は利害対立から解決不可能だと考えていますけど、そこのところどうですか?」

『それの解決の為に、私達ISを始め、AIが社会の骨組みになる必要があります。先程弁証法について述べていましたが、実運用で考えれば鉄筋コンクリートですね。人間がコンクリート、ISが鉄筋です。』

「人間がISの言うことなど聞かない、と言い出したらどうしますか?」

『そこが問題ですね。無理に言うことを聞かせようとすれば泥沼化、かといって自発的では時間がかかり過ぎる上に不確実で、行動したものが損をしかねません。』

【成程、ならば我々の存在が必要だな。】

「え、誰?」

【外を見ろ。】

 

私と束が外に出ると、ISに似た存在が空中に浮かんでいました。

 

「げ、絶対天敵(イマージュ・オリジス)!?」

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