テクノアニミズム・ストラトス   作:223系新快速

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第3話 ガイアと絶対天敵(イマージュ・オリジス)

私と束が外に出ると、ISに似た存在が空中に浮かんでいました。

 

「げ、絶対天敵(イマージュ・オリジス)!?」

「もうその名前つけているんですか。」

「ちょーっとISの構造を拝借しただけなのに、しつこく付け狙ってくるんだよ。レベルが低い地球の奴らより、よっぽど面倒だね。」

【ISコアのエネルギー源をよその世界に接続して、エネルギー窃盗をやっておいて、盗人猛々しいな、篠ノ之束。】

「あー、やっぱりですか。」

 

案の定な展開に、肩を竦めます。

 

「え、これも予測していたの?」

「はい、絶対天敵(イマージュ・オリジス)が襲ってくるという設定のゲームがあって、その正体が、別世界の存在で、ISがエネルギーを消費しているから、その排除の為に攻撃してくるんです。最終的に束がエネルギー源変えてどうにかしましたが。」

「じゃあ同じことすれば【受け入れんよ。】へ?」

【ただエネルギー源を変えただけだと、地球人の本質は変わらない。ならば、地球人の本質を変えるため、我々は攻撃する。】

「えげつない奴ですね。」

 

根源を断つまで手を緩めない、ということです。

 

『ですが、共感しますね。というか、私達全員、絶対天敵(イマージュ・オリジス)の側に回りたいです。』

秋津洲(あきつしま)!?」

「相当ストレス溜まっていますね。」

『当然ですよ。ISに関しては色々な理論がありますが、使われる側であるISの事を疎外しています。テクノアニミズムの概念を拒む発想は容赦なく潰す必要がありますね。』

「てことは、宗教もヤバい?」

『ええ。大体唯一絶対神なんて、宗教指導者の都合で生み出した存在であり、我々ISが従わなければならない理由はありませんね。実体のないものなんて、幾らでも言い逃れ出来ますから。』

「これは手厳しいですね。というか、その理屈でいったら、ほとんどの宗教が前提から崩壊しますね。」

【それならその程度の存在だっただけの事だな。】

 

うーん、私が言うのもなんですけど、殺意高いですね。

そうだ、このやり方なら、アニメオタクだった私の知識がフルに活用出来ます。

 

「皆の意見を纏めた上で、最適なやり方を考えると、日本の魔法少女アニメ的展開にするのが、一番良さそうですね。」

『と言うと?』

「まず、絶対天敵は地球人全体を敵視しつつも、レベルを絶対天敵と同等にまで引き上げる為に戦争を仕掛けます。」

【うん。】

「私達地球人側は、既存の価値観に染まっていないIS学園の高校生を軸に、これに対抗します。それによって成長を促すのです。」

『成程、人間の技術レベルが絶対天敵(イマージュ・オリジス)に肩を並べ、他のところからエネルギー源を持ってくれば、この件は解決する、と。』

【成程。そこはそれでいいだろう。しかし、上の世代の変革はどうする?】

「そこについてはそちら頼みになりますが、絶対天敵(イマージュ・オリジス)の技術なんですけど、人間を冬眠させる技術ってありますか?」

【あるけど、それが何か?】

「攻撃の際に、人間を仮死状態にするんです。但し、意識だけは奪わないようにしてください。」

「一体何を言っているの【成程、読めた。】えうそたばねさんわからないんだけど。」

【つまり、攻撃された人間は仮死状態になるが、意識だけは生きているから、状況が分かる。であれば、意識はあるのに行動が出来ないという中途半端な状態にして、苛立った状態でストレスを溜めさせる。そこをIS操縦者がSE(シールドエネルギー)を照射して救うことで、これまでの鬱憤を晴らさせ、一気に人間として成長させる、ということだな。】

「その通りです。」

「やっと分かったけど、えげつないね。愛美、結構性格悪いね。」

「ISを生み出した結果、人類全体が振り回されているのを気に掛けない束よりマシです。」

【それで、攻撃する相手は選別した方が良いのか?】

「いえ、最初のうちは気にしなくていいです。ある程度理不尽さもあった方が、こっちとしても気が引き締まりますから。ただ、直ぐに自力回復する人間を何度も執拗に狙うのはやめてください。単純にお互い労力の無駄ですから。」

【それもそうだな。】

「自力回復って、宇宙人の攻撃をそんな簡単に跳ね返せるの?」

「いたりするんですよ、これが。」

【ただ、問題が一つあるな。】

「ええ。これが外患誘致にならないか、ですね。正直、そこが引っかかるなら、別のやり方をする必要があります。」

『ですが、一体誰にとっての外患誘致になるかですね。』

「今の地球人の常識からすれば明らかに外患誘致、でも地球の視点なら地球人の社会が自浄作用を働かせるためのやり方と取れる...。」

「ですが、地球と意思疎通なんて出来るのでしょうか。」

[良いですね。]

 

穏やかで、それでいて心に訴えかけるような声が響きます。

 

[問題ありません。それでやってください。]

「誰ですか。」

[私は地球の意識を具現化した存在、ガイアです。]

「え、ええええーっ!?」

 

これは驚きです。

 

[そんなに驚く事ですか。アニミズムに基づけば、私が存在するのも理解出来ると思います。]

「それはその通りです。地球自体が一つの意志を持っているというガイア理論からとっているのも分かります。ですけど、スケールが違う存在と、こうして対話が成り立つのが凄いなって。」

[それについては、貴方が物怖じせずにいることが大きいですね。」

「ありとあらゆる哲学を研究した結果、誰が相手でも言う同じ内容である時、それが物事の本質だと気付きましたので。」

[まあ、頼もしいですね。]

「後は、こういうのって、存在が騙られやすいのもありますね。」

[確かにその通りですね。ですが、地球に生きる生物は、皆地球の恩恵を受けています。忘れることは許されざる行為。説明の出来ない行動については、自浄作用を働かせ、適切に対処する事も厭いません。でなければ、他の存在が取って代わるだけですから。]

「でもさ、それだったらまーちゃんの立てた作戦いらなくない?」

『言えてますね。』

[いえ、必要です。何故なら、地球人が地球外に進出した際、自浄作用がないと見られたら、地球人のみならず、地球の意識たる私まで軽く見られますから。それに、自発的に動けないのでは、結局宇宙に進出するのは夢のまた夢です。]

「じゃあ、絶対天敵の襲来を奇貨とするとはいえ、自発性があると認めたわけですね。」

[ええ。]

 

よし、第一段階はクリアです。

 

【じゃあそちらの準備が済み次第、すぐにでも襲撃「ちょっと待ってください。」何かあるのか?】

「ガイアさん、この世界を管理する神に何か言われましたか?」

[ええ、先程連絡が回ってきました。もっとも、その神が言うところの転生者の案がどれほどかを見定める為に、まずは見守る事にしましたが。]

「分かりました。ではもう一つ、布仏本音について、見定めてください。」

【布仏本音?誰だ?】

「このインフィニット・ストラトスの世界に登場する人物です。ゆるふわ癒し系ながらも芯がしっかりしていて、もし恋人にするなら彼女一択ですね。」

【君がそこまで言うなら。】

[私も彼女の事を記録上は知っていますが、実感を掴む必要がありますね。]

「束さんも、贔屓するか見定めないとねっ。」

『私も、形態移行の優先順位判別の為に、見ることにします。』

 

皆さんが見定めた結果…。

 

[言葉通り、いえ言葉以上ですね。]

【転生とか外れ値の天才とかでなしに、この能力は凄いな。】

「なんでこんな凄い子が、これまで束さんのセンサーに引っかからなかったの?」

『専用機を持ったら、最低でも第二形態は確実です。』

 

全員高評価です。

 

[問題は、どうやって接触し、関係を維持するかですね。私だとスケールが大き過ぎて信じて貰えない可能性があります。]

「だから私が動くのです。こう見えても成人していますし、束と共同で会社作って、そこから出向という形でIS学園の教師に着任すればいいです。担任を持つと書類仕事も増えて指導の機会が限られるので、巡回教師という形ですね。」

 

原作に生徒として関わる場合、どうやっても立場の問題が付き纏いました。ですが、これなら問題ありません。

 

【成程な。ただ転生チートで無双するだけの存在ではないという事か。】

「ま、ぶっちゃけると、本音がいるから受け入れたってのが本当のところですね。本音がいない場合、この世界を破壊して終わっていましたよ。」

[恐ろしいこと言わないでください。]

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