妹の代わりに女装して学園に行ったらハーレムが出来た件   作:瓜生史郎

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20話

 学園の近くにあったファミレスへ入ってメニュー表を見ていると唯は驚いた表情をしていた。

 

「こ、こんな値段で料理が食べられるんですか……?」

「唯ちゃんはファミレスに来たことがないの?」

「はい、普段は高級レストランに行ったり、家にいるシェフが作ったりするので……」

 

 どうやら、普段食べているものが安価で食べられることが信じられなかったらしい。

 

「とりあえず、注文しようか。私はねぇ……」

 

 机の上にあったタブレットをいじって、亮は注文を完了させ、麻奈美に手渡す。

 

「何食べようかなぁ……。」

 

 ぽちぽちと、亮よりも長く操作しているように見えた。

 

「麻奈美ちゃん……? どんだけ食べるの……?」

「だ、だって……。お腹空いたから!!」

 

 亮に指摘され、顔を真っ赤にしながら弁明する。

 

 本当にたくさんの料理を注文していたようだ。

 

「はい、恵梨香ちゃん」

「ありがとうございます。麻奈美様」

 

 タブレットを渡された恵梨香は手際よい操作で何かを1つ注文して、すぐに唯に手渡す。

 

「はい、唯様」

「あ、ありがとうございます……」

 

 渡された唯は、最初は目を丸くしながら操作していたが、だんだんと訳が分からなくなってきたのか注文をするのに、手こずるようになっているようだった。

 

「唯ちゃん? 注文の仕方わかる?」

「杏奈様、教えてください~」

 

 堪り兼ねた亮は、唯に助け舟を出すと、すぐさま泣きついてきたので亮は丁寧に注文の仕方をレクチャーする。

 

「なるほど~。ファミレスはこうやって注文するんですね~」

「高級レストランは、スタッフさんがオーダーを取ってくれるもんね。私も最初は戸惑ったよ」

 

 2人がお嬢様トークを始めたところで亮と恵梨香は話についていけなくなってしまう。

 

「杏奈様、ドリンクバーに飲み物を取りに行きましょう」

「あ、そうだね」

「わ、私も行きますー」

 

 2人が席から立ちあがると、唯も同調する。

 

「じゃあ、メロンソーダよろしくー」

「わ、わかりました!」

 

(大丈夫かなぁ……)

 

 不安を募らせつつ、3人でドリンクバーのある所へと向かう。

 

 いつもの要領でグラスを取って、氷を入れつつ、唯を見ていると、予想通りてこずっていた。

 

「唯ちゃん、ここにコップを置いて飲みたいジュースのボタンを押すんだよ」

「なるほど!」

 

 教えたとおりに唯は実行する。

 

「こうやって飲み物が出てくるんですねー。すごいです!あ!そうだ麻奈美さんの分も持って行かないと……」

 

 そう言いながら、麻奈美の分のメロンソーダをグラスに注いで、自分らの席へと戻っていった。

 

(なんかかわいいなぁ)

 

 唯の初々しい姿にほっこりしつつ、亮もコーラを注いで自分の席へと戻る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 席へと戻ってしばらく待っていると、ロボットが音楽を流しながら料理を運んでくる。

 

「可愛い~」

「今ってこうやって運んでくるんだね~」

 

 自分らの席の前に止まったロボットから料理を取り出して、返そうとするも返し方がわからない。

 

「これどうやって、返すんだっけ……?」

「タッチパネルを操作して返すのですよ」

 

 恵梨香の言う通り、タッチパネルを見るとそれらしき項目を見つけたので、それをタッチすると「ごゆっくりどうぞ~」と音声を発しながら帰って行った。

 

「ふぅ……」

「博識のある杏奈様でもわからないことがあるのですね……」

「ま、まぁね……最近ファミレスに来てなかったから」

 

 もう何年も家に引きこもっていたというのが、正直なところではあるが、そんな事は言えるはずもない。

 

「では、初ファミレス料理いただきます」

 

 注文したハンバーグを丁寧に切り分けて口に運ぶ。

 

「すごくおいしいです!」

「唯ちゃんの口に合って良かったよ」

 

 庶民の味に合うか不安だったが、庶民の舌鼓を打ってくれたようで、亮は安堵のため息をつく。

 

「んー!! やっぱ、このファミレスのオムライスとスパゲティは最高ー」

「そんなにもよく食べられるね……」

 

 麻奈美の前に並べられている大量の料理を見て、開いた口が塞がらなかった。

 

 それに対して、恵梨香は海藻サラダだけだ。

 

「恵梨香はそれだけでよくもつね……」

「私は小食なので……。それよりも、人の食べてる姿を見てる暇があるなら早く食べてください」

「あ、そうだね。ごめん」

 

 そう言われて、亮も目の前にあるステーキプレートを食べ始める。

 

(やっぱ肉はおいしいなぁ……)

 

 暫くの間黙々と食べていると、麻奈美が何かを思い出したのか「そうだ」と言って話し始めた。

 

「そういえば、このファミレススイーツコーナーもあるみたいだよ」

「本当ですか!?」

 

 スイーツと言われて、唯が真っ先に反応する。

 

「ど、どこですか?」

「ほら、向こうに……」

 

 麻奈美が場所を指さすと、先に食べ終えていた唯が、我先にとばかりにスイーツコーナーへと向かっていった。

 

(マジで大丈夫かな……)

 

 心配になった亮は早急に食べ終えて、スイーツコーナーへ向かう。

 

(唯ちゃんどこにいるんだろう?)

 

 スイーツコーナーを探していると、端の方で店員と話している唯の姿を見つけたので近づく。

 

「あ、あの……すいません」

「はい! 何でしょうか?」

「こ、ここにあるスイーツ全部ください!!」

 

 そう懇願しながら取り出したのは、なんとブラックカードだった。

 

 店員も驚いて、悲鳴を上げながら慌てふためているので、亮は急いで、止めに入る。

 

「待った! 待った!」

「ふぇ……?」

 

 慌てふためている店員さんに頭を下げて、唯をいったんスイーツコーナーから退却させた。

 

「唯ちゃん、流石に全部くださいは他の客の迷惑になるから駄目だよ……」

「ごめんなさい……。どれもおいしそうだったから、つい……」

 

 あまり怒ったつもりはなかったのだが、しょんぼりと、落ち込んでしまったので、亮は申し訳なくなってきてしまう。

 

「じゃあ、私が払うから好きなだけ食べていいよ」

「ほ、本当ですか!?」

「うん!」

「やったぁ!」

 

 唯は心底嬉しそうにまたスイーツコーナーへと向かう。

 

「恵梨香ちゃん。杏奈が払ってくれるから、スイーツ食べ放題だってー」

「へ……?」

 

 亮の先ほどの言ったことを聞きつけたのか、杏奈や恵梨香もやってくる。

 

「いいですね、ついでに私達が食べた食事代も払ってもらいましょうか」

「さんせーい!」

「ちょ、話がちがっ……」

「何か文句でも?」

「うっ……」

 

 久しぶりに炸裂した、恵梨香の圧に亮は屈してしまう。

 

 こうして、亮は唯のデザート代だけではなく、全員の食事代を払うことになってしまったのだった。

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