妹の代わりに女装して学園に行ったらハーレムが出来た件   作:瓜生史郎

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41話

「先ほどは申し訳ありませんでした……」

「いえ、お気になさらず」

 

 その後、戻ってきた看護師に謝罪を受け、その後はお姉さんと呼ばれるようになった。

 

「ではまず、血圧から測りますねー」

 

 検査を受けた杏奈には異常がなく、看護師は静かに出て行く。

 

「危なかった……」

「危なかったね……」

 

 こっそりと亮と麻奈美は小声でそう言いあうと、安堵のため息をついた。

 

「それにしてもお腹が空きませんか?」

「うん、すごくお腹空いたー!皆は?」

 

 杏奈が周りにいた亮達へ聞くと、亮達も同じように「うん」と頷く。

 

「それでは、お昼にしましょう。私、お弁当を作ってきましたのでー!」

「本当!? ありがとうー!」

「で、でもここで、皆で食べるのは狭くない?」

 

 不安げに亮がそう聞くと、恵梨香が自信満々に立ち上がる。

 

「問題ありません、中庭に大きな東屋がありますよ」

「じゃあ中庭へ行きましょうー!」

 

 車椅子へ杏奈を乗せて、全員で中庭へ移動するのだった。

 

 

 

 

 

 

 全員で病院の中庭にある東屋へ到着すると、智代は机の上にたくさんの料理が入った、重箱を広げる。

 

「これ全部、智代ちゃんが作ったの?」

「はい、そうですよー」

「智代さんは、お料理がすごく上手なんです」

 

 そう言いながら唯は、使い捨ての紙皿と、割り箸を全員に配っていくと、それぞれ重箱の中から料理を取って良く。

 

「智代様。このロールキャベツすごくおいしいです」

「メイドの恵梨香様にお褒めいただき光栄ですー」

「後で、レシピを教えてもらっても?」

「別に構いませんよー」

 

(あの恵梨香が他の人の料理を絶賛するなんて……)

 

 彼女は小さな頃から、様々なプロの料理人に料理のいろはをすべて叩き込まれてきたので、あまり他の人の料理を褒めることはない。

 

 だが、あれほど智代の料理を絶賛するという事は、智代の料理の腕の良いという事だろう。

 

 そんな事を考えていると、隣にいた杏奈から肩を叩かれる。

 

「お姉ちゃん! これすごくおいしいよ!」

「こら、杏子行儀悪くしない!」

 

 立ちながら食べる杏奈に亮が注意をしていると、それをニッコリと智代が見つめていた。

 

「ど、どうしたの?そんなに見つめて……」

「本当に2人共、仲が良いんですね……」

「うん、私達姉妹はすごく仲がいいんだよ? ね? お姉ちゃん?」

「そうだね!」

 

 2人のやりとりを見つめながら、智代はニンマリする。

 

 その後も全員で智代の料理を堪能していると、そこに先ほど検査に来た看護師とは別の看護師が近づいて来た。

 

「あら、村上さん。今日もおに……」

 

 と言いかけたところで、恵梨香が素早い動きで看護師さんを遠くへ連れて行く。

 

「え、な、何ですか? 今の??」

「き、気にしないで……」

 

 不思議そうな顔で、唯はぽかーんとする。

 

 その後も杏奈がたくさんの看護師さんと仲良くしているのか、通るたびに話しかけてきて、その度にお兄さんと言いかけてた。

 

 その都度恵梨香が、素早い動きで看護師をどこかへ連れて行くという事を繰り返す。

 

「はぁはぁ……」

 

 肩で息をしながら戻ってきた恵梨香は、かなり疲れているようだ。

 

「大丈夫……? 水飲む?」

「あ、ありがとうございます……」

 

 麻奈美から差し出された水を恵梨香はぐいぐいと飲み干す。

 

「だ、大丈夫? 変わろうか……?」

「い、いえ大丈夫です……」

 

 変わろうかと麻奈美が恵梨香に提案するが、断って恵梨香はスタンバイする。

 

「やっぱり怪しいです!! 本当にお姉さんなら、こんなに間違う訳はありません!!」

 

 不信感を募らせながら智代は、亮や恵梨香に追求し始めた。

 

(まずい……これで終わりか……)

 

 流石の亮もここで万事休すかと、自白しようと覚悟する。

 

「えっとね……智代ちゃん?」

「はい、杏子さん。なんでしょう?」

 

 言いにくそうに杏奈が、亮と智代の間に入ってきた。

 

 ギロっと疑いの目を向けるので、杏奈も一瞬、体を強張らせる。

 

「実はね……深い事情があって……」

「は、はぁ……」

 

 そう前置きをして、杏奈は智代に耳打ちをし始めた。

 

 耳打ちが終わった後、杏奈の話に感銘を受けたのか、智代は涙を流し始める。

 

「そうだったのですね……。そんな深い事情があったなんて……」

「分かってくれて、良かったよ」

 

 何を耳打ちしたのかわからないが、何とか事なきを得たようだ。

 

「な、なぁ何を話したの?」

「ふふん、内緒だよー」

「まさか、お前……」

 

 杏奈はうやむやにして、何も教えてくれないのだった。

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