妹の代わりに女装して学園に行ったらハーレムが出来た件 作:瓜生史郎
夕方になり、病院から出た一行は駅に向かって歩いていた。
「すごく楽しかったですねー。また来たいです!」
「そうですね。また来てもよろしいでしょうか?」
「う、うん大丈夫だよ……」
本当は来てほしくなかったのだが、そんな事は言えず、亮は首を縦に振る。
「本当ですか!?」
「でも恵梨香とか私を通してね」
「そんなー、2人きりで話したいのにー!」
智代は、悲しそうに嘆いていた。
よっぽど杏奈と2人きりになりたいのだろうが、流石に2人きりにしたら何をされるか分からないので、絶対にしない方が良さそうだ。
「ところで、杏子さんはブリリアント学園には入学されないのですか?」
ふと疑問に思った唯がそう問いかける。
「残念ながら、杏子様は別の学校へ通うことになりますね……」
「そうですかぁ……。退院したら、一緒にサロンで過ごしたかったなぁ……」
質問に恵梨香がそう答えると、唯はかなり残念そうにしていた。
(大丈夫だぞ。もう少ししたら、一緒にサロンで過ごせるから……)
亮は心の中でそう思いながら、唯を温かいまなざしで見つめていた。
暫くすると、一行は駅に到着する。
既に迎えのリムジンが到着しており、唯と智代は乗り込む。
「杏奈様。今日は本当にありがとうございましたー」
「また誘ってくださいねー」
「うん、また皆で集まろうね?」
「はい! それでは皆さん。また学校でー」
そう言って、2人が手を振ると、それを合図に2人を乗せたリムジンは駅を出ていく。
「またねー!」
「お気をつけて!」
リムジンが見えなくなるまで亮と恵梨香は手を振っていた。
「「……乗り切ったー」」
見えなくなった後、亮と恵梨香はその場に座り込んで安堵のため息をつく。
「もう、こんな事は二度と体験したくないね……」
「そうでございますね……」
珍しく2人は手を取りあい、もう二度とこんなことはやりたくないと心に誓った。
「2人とも、今日はお疲れー!」
何処かへ飲み物を買いに行っていたのか、ペットボトル飲料を持った麻奈美が戻ってきて、2人へ手渡す。
「ありがとう、麻奈美ちゃん……」
「ありがとうございます。麻奈美様」
2人は水をごくごくと飲んで、気持ちを落ち着かせる。
すると、亮はある事を思い出した。
「そういえば、麻奈美ちゃん」
「ん? 何? 亮君」
「智代ちゃんに抱き着かれるたびに麻奈美ちゃんは何であんなに怒ってたの?」
「え……」
亮が麻奈美にそう質問した瞬間、周りが完全に静まりかえってしまう。
「あ、あれ……?」
「帰る!」
そう亮に吐き捨て、顔を真っ赤にした麻奈美は頬を膨らませ、駅の中へと速足に入って行ってしまった。
「え、恵梨香なんで?」
「亮様は本当にデリカシーがないのですね。死んでしまえばいいのに……」
「え、え? ひどい!!」
ゴミを見るような目で、亮にそう吐き捨てて、恵梨香までもが怒って駅の中へと入って行ってしまう。
「俺、そんなひどいことを言ってしまったのか……」
デリカシーのない質問してしまったと、猛省しながら亮も駅の中へと入って行く。
無事、バレずにサロンメンバーでお見舞いへ行くイベントは無事に終了したが、この後、とんでもない事になるとは誰1人として、思いもしなかった。