妹の代わりに女装して学園に行ったらハーレムが出来た件   作:瓜生史郎

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55話

「先にシャワー借りてもいい?」

「いいよー。その間に晩御飯の準備しておくねー」

 

 先ほどの練習で大量の汗をかいてしまったので、亮はお風呂場へと向かう。

 

 脱衣所に入ると、洗濯機の上におそらく明日着用していくであろう下着が置いてあった。

 

(……わあお。白くて、フリル付きの花柄……)

 

「亮君、着替えの服持って……いやあああああ!!」

 

 顔を真っ赤にした麻奈美は、すぐさま下着類を回収して、その場から去って行く。

 

(麻奈美ちゃんって、結構ずぼらなのかな……?)

 

 落としていった着替えを、洗濯機の上に置き、急いで脱ぎ、シャワー浴び始めた。

 

 すると、麻奈美が突然脱衣所から顔を出してくる。

 

「わぁ!」

 

 びっくりした亮は咄嗟に、股間を手で隠す。

 

「制服、洗濯しておいたよー」

「あ、ありがとう……」

「ていうか亮君、意外と可愛いパンツ履いてるんだね」

 

 ニヤニヤとしながら、麻奈美は颯爽と去って行った。

 

(最悪だ……女装のためとはいえ、パンツを見られるなんて……)

 

 墓場まで持っていく秘密にしようと思っていたのに、あっけなくバレてしまって、亮は愕然とする。

 

 だけど、ドン引きもされていないようなので、そこだけは良かったと安心していた。

 

 シャワーを浴び終わった後、リビングに向かうと、私服にエプロン姿の麻奈美がキッチンに待っていて、いつの間にか料理ができていて、机の上に置かれている。

 

「もうご飯できてるよ?」

「ありがとう」

 

 置いてあった料理は、から揚げやレタスのサラダ等だ。

 

 形が崩れている物や、焦げているのもあり、正直あまりおいしそうと言えるものではなかった。

 

(お腹壊さないかな……)

 

 少し躊躇していると、麻奈美がじーっと見てきた。

 

「食べないの?」

「た、食べます!」

 

 圧をかけられた亮は食べない訳にもいかず、亮は椅子に座ることとなった。

 

「いただきます……」

 

 一口食べると、味は濃かったがそれなりに美味しくできている事に亮は驚く。

 

「麻奈美ちゃん、おいしいよ!」

「本当? 良かったぁ……」

 

 おいしいと亮に言われて、麻奈美は安心した様子でほっとしていた。

 

「亮君のために、頑張った甲斐があって良かったよ」

「俺のために?」

「うん、そうだよ」

 

 そう言って、麻奈美は顔を赤らめる。

 

「ねぇ、ねぇ! 亮君! 私、褒めて伸びるタイプだからもっと褒めて!」

「褒める所か……。うーん……」

 

 正直、焦げていたり、形が崩れていたりするので、あまり褒められたものではない。

 

 だがそんな事を言えば、マンションから追い出されてしまうのは目に見えているので、ここは言わないようにぐっとこらえる。

 

「ごめん、他にはないや……」

「むー、じゃあどうしたらいっぱい褒めてくれる?」

「そうだなぁ……」

 

 亮は正直に、焦がさないようにしたり、できるだけ形を崩さないようにすれば褒めてあげられると言う。

 

「後は、濃い味より薄味の方が好みかな」

「わかった。次は頑張るね!」

「でも、前のコンソメの時よりは、上達してると思うよ?」

「本当!? ありがとう!」

 

 そう褒めてあげると、麻奈美は満更でもない様子でニヤついていた。

 

 その後、手料理を食べ終わった後、コーヒーを飲んでほっと一息つく。

 

「そういえば、亮君……。佳苗先生に奮起を促されてた時、あまり乗り気ではなかったよね?」

「まぁね……」

「どうして?」

 

 どうやら、麻奈美はあの時、亮の表情に気付いていたようだ。

 

 黙っていても仕方ないと感じた亮は、麻奈美にならいいだろうと思い口を開いた。

 

「もし、社交ダンスの対決で自分らが勝ったとして、いつものように逃げると思う?」

「う、うーん……逃げるんじゃない?」

「俺はノーだと思う。なぜなら、あんなに人を集めて俺達を潰す絶好の機会なのにただ尻尾を巻いて逃げる訳がないからだ」

「た、確かに……」

 

 相当なヘイトが溜まっているのに、負けて颯爽と逃げるとは考えにくい。

 

 社交ダンスの対決と聞いて、嫌な予感はしていたが、噂を広めて大勢の人を集めたと聞いた時、その不安は的中していた。

 

「絶対に大勢の前で俺が男だとバらすつもりだ」

 

 神妙な面持ちで亮はそう語る。

 

 すると、麻奈美は机を叩きながら、立ち上がる。

 

「確かにそうかもしれないけど、今は社交ダンスを踊れるようになる事だけを考えようよ」

「……まぁそれもそうか……」

「その時の対応も、後になってから、考えようよ」

 

 確かに麻奈美の言うとおりだ。

 

 今はそんな事を考えていれば、練習に支障をきたしてしまうので、勝つことだけ集中しようと決める。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ようやく制服が乾き、スマホの時計を見ると、だいぶ遅い時間になっていた。

 

 制服に着替えて、亮は帰る準備をする。

 

「恵梨香が心配するから、帰るね?」

「また明日も練習しようね」

「わかった、明日も来るよ」

 

 そう言って、麻奈美に入口まで見送ってもらい、亮は急いで家に帰宅した。

 

「遅い」

「ごめんなさい……」

 

 案の定、恵梨香が待っていて、ぶち切れ寸前のようだ。

 

「晩御飯、早く食べてください」

「ごめん、麻奈美ちゃんの家で食べてきちゃった……」

「は?」

 

 かなり機嫌を悪くして、スタンガンを当てようとしてきたので、亮は無理やり恵梨香の作った晩御飯をお腹へ収めるのだった。

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