妹の代わりに女装して学園に行ったらハーレムが出来た件   作:瓜生史郎

57 / 63
57話

「ど、どうですか? 佳苗先生!」

 

 放課後、自主練の成果を佳苗に見せていると、佳苗は小さく拍手する。

 

「うんうん。いいねー。形になって来てるよー」

「本当ですか!?」

 

 初めて褒められて、2人は一喜一憂していたが、佳苗はすぐに表情を険しくする。

 

「ただ、リードやフォローができていないかなぁ?」

「リードやフォロー?」

 

 簡潔に言えば、リーダーである亮がどううまく麻奈美を導くかや、それに麻奈美がどう答えるかが重要だと佳苗は言う。

 

「まぁ頑張って、練習を繰り返して、質を高めるしかないねー」

「わかりました!」

 

 解散してからも、麻奈美の家で練習をするが、なかなかうまくいかないので、一通り踊って録画してスマホで確認しようとする。

 

「うーん……。やっぱり俺がリードできてないのかなぁ?」

「私もちょっと、亮君のダンスについていけてないかも……」

 

 お互いの悪いところを2人で言い合っていたが、亮は気が気でなかった。

 

(なんか、麻奈美ちゃんいつもより近くね……?)

 

 今までよりもかなり近い至近距離で、亮にくっついているのだ。

 

「おーい、亮君聞こえてる……?」

 

(え、マジでなんでこんなに近づいてるの? 俺なんかしたのかな?)

 

 麻奈美の指摘も聞こえないくらいに心臓がバクバクになっていた。

 

「亮君、聞こえてる?」

「ひゃあ!!」

 

 突然の耳への囁き声で、亮は我に返る。

 

「ご、ごめん……。聞こえてなかった……」

「もう……。もう1回言うよ?」

 

 もう一度麻奈美の指摘を聞き、亮もそれを元に麻奈美へ指摘をして、それを元に練習をしていく。

 

「今日はこの辺にしようか。ちょっと、よくなってきたかな……?」

「うん!だいぶ亮君に、ついていけるようになったかも……」

 

 だいぶ形になってきたところで、練習を終わらせて、いつものように亮はシャワーを浴びて麻奈美の晩御飯をご馳走になる。

 

 本日のメニューは、肉じゃがと海藻サラダだった。

 

「今日も頑張って、作った力作なの! たんと召し上がれ!」

「うんありがとう。じゃあいただきます……」

 

 箸を持って、いただこうとすると、亮は恵梨香に言われたことを思い出す。

 

「あ、そうだ」

 

 スマホを取り出して、亮は麻奈美から出された料理を撮って、恵梨香に送信する。

 

「何してるの?」

「うん、恵梨香が麻奈美ちゃんの手料理が見たいって言ったから、写真に収めてる」

「ふーん……」

 

 麻奈美は興味なさそうに返事をし、自分の作った料理を食べていた。

 

 その後家に帰ると、恵梨香が麻奈美の作ったものと同じものリビングに用意していた。

 

 しかも、麻奈美とは違い、仕上がりは形も崩れず焦げずに完璧だ。

 

「ねぇ、恵梨香? 麻奈美ちゃんの作った料理と同じじゃない?」

「たまたまです」

 

 亮のツッコミに恵梨香は冷静に返す。

 

(本当に、たまたまなのかなぁ?)

 

「では、明日もよろしくお願いしますね」

「は、はぁ……」

 

 同じように次の日も自主練の後、麻奈美の写真を撮って、帰ってくるとまた同じものを出されて、その次の日も同じものを出されいた。

 

「ねぇ、絶対たまたまじゃないよね……?」

「たまたまです!!」

 

 そう問い詰めると、恵梨香は語気を強くする。

 

「そ、そっか……」

「では、失礼します……」

 

 恵梨香は顔を真っ赤にしながら、部屋を出て行ってしまう。

 

「な、なんだったんだろう……」

 

 1人となった部屋で、亮は唖然としていた。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。