妹の代わりに女装して学園に行ったらハーレムが出来た件 作:瓜生史郎
「ど、どうですか? 佳苗先生!」
放課後、自主練の成果を佳苗に見せていると、佳苗は小さく拍手する。
「うんうん。いいねー。形になって来てるよー」
「本当ですか!?」
初めて褒められて、2人は一喜一憂していたが、佳苗はすぐに表情を険しくする。
「ただ、リードやフォローができていないかなぁ?」
「リードやフォロー?」
簡潔に言えば、リーダーである亮がどううまく麻奈美を導くかや、それに麻奈美がどう答えるかが重要だと佳苗は言う。
「まぁ頑張って、練習を繰り返して、質を高めるしかないねー」
「わかりました!」
解散してからも、麻奈美の家で練習をするが、なかなかうまくいかないので、一通り踊って録画してスマホで確認しようとする。
「うーん……。やっぱり俺がリードできてないのかなぁ?」
「私もちょっと、亮君のダンスについていけてないかも……」
お互いの悪いところを2人で言い合っていたが、亮は気が気でなかった。
(なんか、麻奈美ちゃんいつもより近くね……?)
今までよりもかなり近い至近距離で、亮にくっついているのだ。
「おーい、亮君聞こえてる……?」
(え、マジでなんでこんなに近づいてるの? 俺なんかしたのかな?)
麻奈美の指摘も聞こえないくらいに心臓がバクバクになっていた。
「亮君、聞こえてる?」
「ひゃあ!!」
突然の耳への囁き声で、亮は我に返る。
「ご、ごめん……。聞こえてなかった……」
「もう……。もう1回言うよ?」
もう一度麻奈美の指摘を聞き、亮もそれを元に麻奈美へ指摘をして、それを元に練習をしていく。
「今日はこの辺にしようか。ちょっと、よくなってきたかな……?」
「うん!だいぶ亮君に、ついていけるようになったかも……」
だいぶ形になってきたところで、練習を終わらせて、いつものように亮はシャワーを浴びて麻奈美の晩御飯をご馳走になる。
本日のメニューは、肉じゃがと海藻サラダだった。
「今日も頑張って、作った力作なの! たんと召し上がれ!」
「うんありがとう。じゃあいただきます……」
箸を持って、いただこうとすると、亮は恵梨香に言われたことを思い出す。
「あ、そうだ」
スマホを取り出して、亮は麻奈美から出された料理を撮って、恵梨香に送信する。
「何してるの?」
「うん、恵梨香が麻奈美ちゃんの手料理が見たいって言ったから、写真に収めてる」
「ふーん……」
麻奈美は興味なさそうに返事をし、自分の作った料理を食べていた。
その後家に帰ると、恵梨香が麻奈美の作ったものと同じものリビングに用意していた。
しかも、麻奈美とは違い、仕上がりは形も崩れず焦げずに完璧だ。
「ねぇ、恵梨香? 麻奈美ちゃんの作った料理と同じじゃない?」
「たまたまです」
亮のツッコミに恵梨香は冷静に返す。
(本当に、たまたまなのかなぁ?)
「では、明日もよろしくお願いしますね」
「は、はぁ……」
同じように次の日も自主練の後、麻奈美の写真を撮って、帰ってくるとまた同じものを出されて、その次の日も同じものを出されいた。
「ねぇ、絶対たまたまじゃないよね……?」
「たまたまです!!」
そう問い詰めると、恵梨香は語気を強くする。
「そ、そっか……」
「では、失礼します……」
恵梨香は顔を真っ赤にしながら、部屋を出て行ってしまう。
「な、なんだったんだろう……」
1人となった部屋で、亮は唖然としていた。