妹の代わりに女装して学園に行ったらハーレムが出来た件   作:瓜生史郎

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60話

 社交パーティー当日まで、ついに明日と迫っていた。

 

「皆、ほぼ完璧になって来たねー」

「本当ですか!?」

 

 亮と麻奈美や唯や智代は最初の頃より、見違えるくらいに上達している。

 

 この約3週間、ずっと瑞希に、勝つために練習を続けた甲斐があった。

 

「これなら、神宮寺さん達に十分勝てるよ!!」

 

 そう言って佳苗は、サムズアップをする。

 

「それじゃあ、明日のために今日はもう体を休めよう。じゃあまた明日ー」

 

 サロンルームから佳苗は退出していき、亮達も解散しようとすると、智代が何かを思いつく。

 

「よく一致団結する時、円陣というものを組むらしいのですが……。それやってみませんか?」

「いいねー。やってみよう!」

「でもどうやってやるんですか? 杏奈様……?」

「そこからかー……」

 

 円陣を知らない2人に亮はやり方を教授し、5人は丸く円を描くように、円陣を組んだ。

 

「じゃあ、絶対明日は勝とう!!」

「「「「おー!!」」」」

 

 今一度、5人は一致団結し、解散するのだった。

 

 

 

 

 

 その後、麻奈美の家でも、確認のために軽くダンスを踊り、いつものように麻奈美の料理を食べる。

 

 気が付けば麻奈美の料理の腕前もかなり上達していて、恵梨香に及ばないが、見た目もよくとてもおいしくなっていた。

 

「ねぇ……亮君……」

「どうしたの? 麻奈美ちゃん?」

 

 おもむろに箸を置いて、暗い表情を浮かべる。

 

「もうすぐ亮君と学園に行けなくなるんだよね……? すごく寂しくなるなって……」

「そう? 自分がいて、いろいろと迷惑だっただろうし、何よりすごくリスクの高い学園生活を送らせて悪かったと、俺は思ってるけど……」

 

 申し訳なさそうに亮がそう話すと、麻奈美は机を叩きながら立ち上がった。

 

「そんな事ない! それ以上に亮君との学園生活は楽しかったよ! こっちからお礼を言いたいくらいだよ!?」

「そっか、そう言ってくれるとすごく嬉しいよ。ありがとう」

 

 最悪、麻奈美も隠蔽に加担していたと思われて、退学になるくらい危ない橋を渡らせていたのに、こう言ってくれるとは亮も予想外である。

 

 でもそれ以上に亮も麻奈美にそう言われて、とても嬉しかった。

 

「たまにはさ、杏奈と入れ替わって学園に来てほしいし、また一緒に授業を受けたり、サロンで皆と過ごしたりしたいなーって……」

「それはちょっと……考えておく……」

 

 麻奈美の懇願に、遠慮気味に亮はそう答える。

 

 話が終わった後、何故か麻奈美は黙り込んでしまう。

 

(麻奈美ちゃん……。急に黙り込んじゃったけど、どうしたんだろう……?)

 

 何も話がないまま、食事が終わると、突如として麻奈美は立ち上がる。

 

「ねぇ……亮君……?」

 

 顔を真っ赤にしながら、麻奈美はこちらへと近づいてきた。

 

「な、なに……?」

「この間、昔、亮君の事を好きな娘がいるって話の覚えてる?」

「覚えてるけど……」

 

 そう言うと、麻奈美は更に亮の元へと近づいてくる。

 

「じゃあ、今でも好きだって言ったらどうする?」

「え、それは……」

 

 と言いかけたところで、亮は突然、麻奈美に優しく抱きしめられてしまう。

 

「大好きだよ」

「へ?」

 

 突然の麻奈美からの告白で、亮は時が止まったように固まってしまっていた。

 

 

 

 

 

 

 家に帰った後、亮は放心状態で、まさか本当に麻奈美が自分の事を好きだったとは思わず、とても驚いていた。

 

 とりあえず返事はまだしなくても良いとは言ってくれてはいたが、そうは言われてもどうしようか悩んでしまう。

 

「はぁ……とりあえず明日の事もあるし、忘れよう……」

 

 着替えてベッドに入ろうとすると、部屋のドアがノックされる。

 

「亮様? まだ起きていらっしゃいますか?」

「まだ起きてるよ。」

 

 声の主は恵梨香でドアを開けると、パジャマに着替えた恵梨香がいた。

 

「珍しいね、こんな時間に」

「いえ、明日の事が、不安で眠ることができないのです……。少し付き合ってもらえますか?」

「いいけど……」

 

 2人はミルクを温め、ベランダへと出て、夜の街を2人で眺める。

 

「杏奈様のためにお疲れさまでした。亮様」

「うん。すごく大変だった」

 

 杏奈の代わりをすることは簡単だと思っていたが、大衆の前でするのは初だったので、とても苦労した。

 

 だがここまで、挫けず、バレずにこれたのは恵梨香のおかげと言っていいのかもしれない。

 

 たまに罵声を浴びせられて大変だったが、内心では恵梨香にとても感謝している。

 

 

「これでもう杏奈様の代わりをする亮様の世話をせずに済むと思うと、清々しますね」

「なんだよそれ……」

 

 ほっとした様子で、いつものように罵声を交えながら言と、急に亮の腕をがっしりと掴む。

 

「え、どうしたの?」

「それでも貴方と過ごした日々はとても楽しかったですよ」

「あ、ありがとう……?」

 

 少し困惑しながらそう言うと、恵梨香はにっこりと笑う。

 

「お慕いしておりますよ? 亮様……。明日は絶対勝ちましょうね」

 

 今までに見せたことのない笑顔で、そう言い、ベランダから去って行った。

 

「え……? 今のって告白……?」

 

 1日で2人から告白されて、亮は呆然とする。

 

(俺っていつからこんなにモテモテだったけ……?)

 

 かなり困惑する亮だったが、ここで1つの結論にたどり着く。

 

(あぁ、そうか友達と言う意味での好きか! そうだそうだ! それだ!)

 

 そう解釈することで、亮の中で結論付いてしまう。

 

 明日の事もあるので、頭を切り替えて、就寝したのだった。

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