妹の代わりに女装して学園に行ったらハーレムが出来た件   作:瓜生史郎

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9話

次の日の昼休憩。

 

 3人で、食堂へ向かって歩いていると恵梨香がずっと後ろを気にしていた。

 

「どうしたの? 恵梨香」

「誰かに尾行されてる気がします」

「え、嘘!? 誰に!? 怖い……」

 

 亮と麻奈美は、びくびくとしながら、辺りを見渡すがどこにもいない。

 

「このまま尾行されるのは(しゃく)なので、捕まえてきます」

 

 目にも留まらない速さで、恵梨香は移動すると、移動した先から小さな悲鳴が聞こえたのもつかの間、唯を捕まえた恵梨香が戻ってくる。

 

「唯ちゃん!?」

「ぴえー……ごめんなさい……」

 

 手にロイヤルプリンを持った唯は、涙を浮かべながら震えていた。

 

「どうして、私についてきたの?」

「えっと、その……、昨日のお礼をしたくて……」

 

 そう言いながら、唯はロイヤルプリンを亮に手渡す。

 

 悪気はなさそうだったので、恵梨香に放してあげるように指示をして学食に行き、4人で昼食をとることにする。

 

 すると、しばらくして唯がもじもじとしながら話し始めた。

 

「あの……私、すごく人と接するのが苦手で、直そうとも思ってもなかなかうまくいかなくて……」

「そうだったんだ……」

 

 麻奈美がそう相槌を打つと、唯はビクビクとしながら、「は、はい!」とぎこちない返事をする。

 

 これはかなり重症のようだ。

 

「どうしようか迷っていた時に、同じクラスの杏奈様が瑞希さんの誘いを断るところや私を助けてくれたあの論破術……すごく男の人みたいに自分の意見を言えてすごくかっこよかったです!」

「ぶッ……」

 

 男の人みたいと言われて、飲んでいたジュースを吹き出してしまう。

 

 それは隣にいた麻奈美や恵梨香も同じで、食べていたものが器官に入りかけてむせていた。

 

「あの? どうかしましたか?」

「いや、なんでもないよ……」

 

 そんな亮達の事情も知らず、唯は首を傾げる。

 

(みたいだと、言われた時だけじゃないか……落ち着け……)

 

 深呼吸を何度もして、自分を落ち着かせた。

 

「そんなにかっこよかった? 私」

「はい、すごくかっこよかったです! もう杏奈様は私の理想像みたいな人です!!」

 

 目を輝かせながら言う唯に圧倒される。

 

 恵梨香や杏奈も、ぽかーんと固まっていた。

 

「それで1つお願いがあるんですけど……」

「な、何?」

「杏奈様のお役に立ちたいんですけど、何かできることはありますか?」

「えっ?」

 

 急にそう言われて、麻奈美や恵梨香に助けを求めるも無理、無理と言わんばかりに首を何度も横に振る。

 

 困った。役に立ちたいと言われてもピンと思いつかなかった。

 

 少し考えた後、亮ははっと思い付く。

 

(いやあるじゃないか……。唯ちゃんにしかできないこと……)

 

「じゃあ、私たちのサロンに入ってくれない?」

「サロンですか?」

「そう、メンバーが足りなくて設立できなくて困ってたんだ~。だから唯ちゃんが入ってくれると嬉しいなぁ~」

 

 杏奈に好意を寄せている、この娘であればサロンに入ってくれるととても都合がいい。

 

 甘い声で誘惑するように亮はお願いする。

 

「入ります! 入ります! 杏奈様のお役に立つなら!」

「ありがとう、唯ちゃん!」

 

 良かった。これでサロンが設立できると、ほっと一息つきながらプリンの蓋を開けて食べようとした時ふと何かを思いつく。

 

 ふと亮は立ち上がると、近くに置いてあったお皿にプリンを開け、置いてあったスプーンを唯に渡した。

 

「えっと……これは……?」

「一緒にプリン、半分こしよ?」

「で、でもこれは昨日のお礼で渡したものなので……」

 

 よだれを少し垂らしているところをみると、やはりプリンが好物のようだ。

 

 そんな娘の前で、1人プリンを食べるのは流石に気が引ける。

 

「私も、唯ちゃんにサロンへ入ってくれたお礼がしたいの。これでお互いプリンが食べられてwinwinじゃない?」

「ありがとうございます! 杏奈様!」

 

 良かった。喜んでくれたようだ。

 

 2人で半分こにして食べようとすると、横から2人が圧をかけてきていた。

 

「ねぇ、私達は……?」

「まさか、私達のお礼はないとは言いませんよね?」

「わ、わかったよぉ~! 4等分ね!」

 

 結局、プリンを4等分にして、4人で分け合ったのだった。

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