どっちが勝つか四代目!   作:113(いちいちさん)

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ターゲットは555k/m/c/h

 自転車爆破事件の翌日。

 キンジとアリアは民間の依頼で迷子になったペットの猫探しをしていた。歩道を歩いていると後ろから白のプジョー406が近付いて来て運転席からガニマールが顔を覗かせる。

 

「おや?キンジ君にアリア君じゃないか。今は実習時間のはずだけど、何してるんだいこんな所で」

「あ、ガニマール警部、今は民間からの依頼で迷子の猫探し中です」

「へぇ猫探しね」

「そう言うアンタは何してるの?」

「私は街の見回りさ。また何時事件が起きるか分からないからね、一応の用心さ」

「そうですか、頑張って下さい!」

「ああ。君達も猫探し頑張ってね」

 

 その時、車内から一匹のテントウ虫が飛び出しキンジの制服の端に取り付いた。キンジ達は気付かずにそのまま歩き出した。

 

「・・・こういうやり方は性に合わないが、指を咥えて見ているつもりはないからな」

 

 

 

 

 

 

 

 朝、キンジはいつも通り寮からバスへと向かい歩いていた。腕時計を確認すると7時53分と表示されている。

 

「アリアが居ないと朝もスムーズだなぁ、何時ものバスにも余裕で・・・ん?」

 

 すると何時もの時間より五分程早くバスが出発するのが見えた。

 

「武藤?てことは、あれは58分の!?」

 

 急いでバスへと向かうが、既に発車してしまった為乗る事が出来なかった。何故かキンジの部屋の時計が五分ズレていたのである。

 

「はあ・・・ツイてねぇ」

「おや?キンジ君じゃないか」

「あっガニマール警部!」

 

 バスに乗り遅れたキンジが徒歩で登校中、後ろから以前と同じくプジョー406が近付いて来て運転席からガニマールが顔を覗かせる。

 

「徒歩で登校とは精が出るね」

「バスに乗り遅れたんですよ・・・」

「そうかい、なら私が送ってあげよう」

「えっ、良いんですか?」

「ああ、遠慮する事は無い」

「すみません、それじゃあお言葉に甘えて・・・ん?」

 

 キンジが車に乗ろうとした時、携帯に着信が走る。

 

「もしもし?」

『キンジ!今何処?』

 

 着信の相手はアリアだった。

 

「学校に向かってる所だ。何だ?どうかしたのか?」

『事件よ!バスジャックが起きたわ!』

「「!?」」

 

 アリアと言葉に二人に緊張が走る。

 その後直にガニマールはキンジを乗せアリアと合流した。

 

「ジャックされたのは通学バスG3号車、武偵高行きで男子寮の前に7時58分停留した奴よ」

「7時58分?武藤達が乗ったやつじゃないか!ホントなのか?」

「今朝8時、犯人が何時も犯行時に使う周波数の電波をキャッチしたの。狙われたのはG3号車で間違いないわ」

 

 バスのGPS信号を辿りサイレンを鳴らしながら猛スピードで走行するインターセプトモードのプジョー406。

 アリアとキンジは後部座席で話をする。

 

「キンジ、犯人は武偵殺しよ」

「武偵殺し?まさか前に話してた真犯人って奴か?」

「だろうな、私もそう思う」

「ガニマール警部?」

「ミッションは車内にいる全員の救助、二人共準備を忘れるなよ?」

「「はいッ!」」

 

 ガニマールの言葉に二人は装備の確認を始める。

 

「ッ!見えてきたぞ!」

「「!」」

 

 ガニマール達はバスに追いつくと並走していた黄色いオープンカーがスピードを緩め、座席に設置されたUZIの銃口が向く。

 

「させないわ!!」

 

 アリアは後部座席の窓を開けるとUZIに向かってコルトM1911カスタムを発砲し続けてキンジもベレッタM92FSカスタムを発砲する。二人の射撃によりUZIは破壊され、タイヤがパンクした事によりバランスを崩したオープンカーは壁に激突し大破する。

 その直後、バスはトンネルへと侵入する。

 ガニマールが車をバスの真横に並走させるとキンジが車内の武藤へと声を掛ける。

 

「武藤!無事か!」

「キンジ?気をつけろ!このバスには減速すると爆発する爆弾が仕掛けられてる!」

「「「!?」」」

 

 武藤の言葉を聞き三人に再び緊張が走る。

 

「しょうがない、二人はバスに乗り移って負傷者の救助と爆弾の解除を頼む」

「そんな無茶な!?」

「無茶でもやるわよキンジ!」

「・・・しょうがねぇやるか!」

 

 ガニマールが車をギリギリまで寄せると二人はバスへと乗り移った。

 車内を捜索する二人、暫くするとアリアが車体下に設置されたプラスチック爆弾を発見する。

 

「チッ・・・お出ましか」

 

 すると後方から新たに三台のオープンカーが現れUZIを発砲する。弾丸は車体に命中するも、タイヤからガラスまで全て防弾仕様な為9mmパラベラム弾では傷一つ付かなかった。

 銃撃が効かないと見るや今度はその中の一台が体当たりを仕掛け、ガニマールのプジョーは車とトンネルの壁に挟まれ火花を散らす。

 

「クッ!ならば!」

 

 ガニマールは急ブレーキを掛け抜け出すと車をスピンさせリアバンパーで相手の車体に体当たりを仕掛ける。ぶつけられた車はスピンした後横転して煙を上げる。

 更にガニマールは残った車に向かって銃を構え発砲する。

 

 彼の愛用する拳銃は「MAS Mle.1950 カスタム」38口径シングルアクション。専属のガンスミスにより近代化改修が施されており現代の拳銃に勝るとも劣らない性能を実現している。

 

 彼の撃った弾丸は車のタイヤを正確に撃ち抜きバランスを崩した二台はお互いを巻き込んで大破した。

 バスはトンネルを抜けると橋に差し掛かった。

 

「クッ・・・届かない」

「アリア!・・・ん?アレは?」

 

 設置された爆弾の解除に苦戦するアリア達の前に一台のヘリコプターが近づいてきた。

 

「レキ?」

「来たわね」

 

 ヘリには狙撃体勢のレキが乗っておりドラグノフ狙撃銃を構える。

 

「私は・・・一発の銃弾」

ダァンッ!!

 

 そう呟くと彼女は車体下の爆弾を狙撃した。

 発射された弾丸は55m離れた位置から50cmの幅しか無い橋の手すりの間を越え、時速55kmで走るバスのたった5cm程の幅しか無い爆弾の留め具だけを正確に撃ち抜いた。

 外れた爆弾はそのまま橋から転がり落ち川の中で爆発した。

 

「恐ろしい射撃能力ね、あの子」

「ああ、全くだ」

「正に神業だな、是非ICPOに欲しい人材だ」

 

 ガニマール達はレキの神業に驚くばかりであった。

 

 

 

 

 

 ガニマールは大破した車の残骸の前に来ていた。周りには鑑識が忙しなく作業を続けている。

 アリア達の迅速な行動のお陰で車両数台が大破する大事件でありながら、被害は数名の軽傷者のみで済んだ。

 しかし、これだけの物的証拠がありながら犯人へ繋がる証拠は何一つ見つかっていなかった。

 

「結局、犯人に繋がる手掛かりは無しか」

「あまり勝手に動かないで頂けますか?ガニマール警部」

 

 後ろから話し掛けられたガニマールが振り向くと、オレンジ色のトレンチコートに黒色のソフト帽を被った黒髪の女性が立っていた。

 彼女こそご存知銭形平次七代目である警視庁の敏腕警部銭形歳子(ぜにがたとしこ)その人である。

 

「警視庁の銭形歳子です」

「これは銭形警部、お会いするのは初めてですね。お噂はかねがね・・・」

「お世辞は結構です。事件解決には感謝しますが、インターポールがあまり勝手に動かないで頂きたい。貴方は本来リュパン四世逮捕に限り捜査権限がある身なのですから」

「だからこうして捜査しているのですよ銭形警部」

「まだリュパン四世が武偵殺しの犯人だと御思いですか?」

「そう言う貴女も武偵殺しの犯人が別人だと確信しているんじゃありませんか?」

 

 彼の言葉を聞き銭形は懐からタバコを取り出し咥える。その隣でガニマールもパイプを取り出すとマッチに火を点け、彼女のタバコに火を点けると自身のパイプにも火を点ける。

 煙を吐き出すと銭形はポツリと話し出す。

 

「・・・神崎かなえの逮捕後、上からの命令で武偵殺しの捜査が早々に打ち切られた。それ所か幾つもの未解決事件が彼女の犯行と断定された」

「それはまた・・・」

「臭いなんてものじゃない、この裏には必ず何かがある」

「気になりますか?」

「当たり前だ!たとえお上が相手だろうと警察官の血が騒ぐわ!」

「まあ私も気にはなっているんですが・・・とはいえ私の目的はリュパン四世の逮捕です」

「父はリュパン三世を追っていた。もしも奴が日本にも現れていたら私の手で逮捕していた」

「フフフ、実は彼女は居るんですよ、日本に」

「何?奴の居場所がわかったのか!?」

 

 ガニマールの言葉に驚く銭形。

 

「私としては確信してるのですが何分証拠が無い。確実に逮捕する為に私は彼女が直接動く時を待っているんですよ」

「誰なんだそいつは、教えろ!」

「教えません、リュパンは私の獲物ですから」

「クッ・・・」

 

 銭形は彼を問い詰めるのは無駄と悟り、それ以上は口を開かなかった。その後二人は喫煙を終えそれぞれの帰路についたのであった。

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