転生して霊媒師になった俺、やたらと退魔師や妖にビビられる   作:暁刀魚

22 / 60
ちょっと短いです。


第22話 今回のあとしまつ

 かくして、零号霊魂タツメやら、その他諸々にまつわる事件はここに幕を閉じた。

 零号霊魂が成仏したのは、世界でも初めての事例だったため、まぁ色々と俺は注目を集めた。

 とはいえ、退魔寮に所属していない謎の立場の人間であることと。

 宗屋さんがいい感じに対応してくれたので、注目も少しずつ薄れていく。

 零号霊魂が成仏したのは世界中の退魔業界に広がっただろうが、それを成し遂げたのが誰かまでは、そこまで伝わらないだろう。

 まぁ、退魔寮からの見合いの依頼は倍増したが。

 

「倍増したうえで、ほぼ全てミクモちゃんなんですが」

「ふふーん、私の魅力に退魔寮が気付いてしまいました」

『どう考えても厄介事を御鏡家に押し付けたいだけだろう』

 

 今回のタツメ騒動で最も存在感を発揮した退魔師が御鏡家である。

 それ故か、完全に退魔寮は御鏡家を俺との窓口に定めたようだ。

 ミクモちゃんしか紹介しないなら、見合いも何も無いだろうとは思うものの。

 それ以上なにかしてくるわけではないので、今は放置している。

 

「と、いうよりもですよ」

『うむ』

 

 そんなことよりも、大問題が一つ。

 

『いつまでそこの神は、霊媒師の膝の上にいるのだ』

「あらぁー?」

 

 リツが俺から離れなくなったことである。

 それはもう、1日中べったりだ。

 風呂の中と布団の中とトイレの中は本人の羞恥心が勝るのか、入ってこないものの。

 それ以外はずっと隣にいる。

 

「別にいいでしょー? それともロウクは私のれーばいしさんになにか言いたいことでもあるの?」

『……』

 

 ロウクは黙った、賢い。

 

「それに、私。別に全部を納得したつもりはないのよ?」

「と、いいますと?」

「確かに、私は幸せになっていいのかってことと、私がサトルのお返しを受け取れてないことは納得したわ」

 

 そういいながら、ぎゅうとリツは俺に抱きついてくる。

 結構痛い。

 

「でも、サトルが無茶することに関しては、納得するつもりないから」

「それは……まぁ」

 

 流石にそこは、俺だって言い訳できないところはある。

 それでも、どうして無茶するのかはお互いにきちんと理解できただけでも、結果としては上々だろう。

 

「だからぁ、れーばいしさんが無茶したら、私がこうやってぎゅっとするの」

「うぐぐ」

「わあ、霊媒師さん苦しそう……」

 

 結構苦しい……

 

「そ、そうだ。退魔寮の方からタツメ討伐の報酬の話が」

 

 そこで、ミクモちゃんが話題を逸らす。

 タツメ討伐の報酬、そりゃあ出るだろうとは思っていたが。

 ……黒字になるのか? あんだけバカスカ撃ちまくって。

 

「すごいな、余裕で黒字になるわ」

「それから、今回霊媒師さんが作った弾丸、自分たちで作らせてほしいって言ってました」

「ということは、遂に退魔寮にも現代銃火器の時代が」

「西洋ではとっくに使われてたのに、やっとですよやっと」

 

 タツメの報酬はそれはもう結構な額になっていた。

 どんだけ零号霊魂の存在が、退魔寮にとって目障りだったのかが解る。

 ついでに、俺がタツメ討伐に有用性を示したことで、銃火器が退魔寮でも採用されることになったらしい。

 新世代派が頑張ったそうな。

 

「ふぅん、別にお金なんて興味ないけど、サトルが評価されてるのは悪い気しないわね」

『そのせいで、世界中から注目を集めても、か?』

「じゃあ要らなーい。れーばいしさんは私だけのものよ♪」

 

 さらに締め付けが強くなった。

 ぐぐぐ、おのれロウク。

 

「それで、雨降って地固まったお二人ですが、これからどうするんですか?」

「これから?」

 

 ふむ?

 

「タツメのこともそうですが、お二人も色々とお互いの思いをぶつけ合って、心境に変化があったと思うんですけど」

「心境、心境ねえ。確かに変化はあったけど……」

 

 リツは、そこで少し腕を緩めて俺の方を見上げてきた。

 俺はほっと息を一つ吐いて、ミクモちゃんの方を見る。

 あ、また腕に力が……ぐあああ

 

「ぐ、お、俺達は……アレだ。契約関係なんだよ、この街を……守るっていう」

「ええ、ええそうね? 私達の関係は、どれだけ経っても変わらないわ」

 

 だからまぁ、お互いにこれからも色々と思うところはあるだろうけど。

 根本的なことは変わらないだろう。

 

「何より、俺は霊媒師なんだ」

 

 結局のところ、霊を導き除霊することは、俺達にしかできないことだ。

 俺一人でも、危険な霊魂は除霊できない。

 リツがいないと、始まらない。

 

「それでいて――サトルがいなかったら、この関係も始まらない」

 

 だから、ちょっと霊と話ができて、神に愛されてるだけの俺は――これからも、リツと霊媒師を続けていくんだ。




第一章はここまでになります。
お読み頂きありがとうございました。

次回からは第二章となります。
第二章「因習村破壊RTA」、どうぞお楽しみに。

ここまで読んで、本作を面白いと思っていただけた方はよろしければ。
感想、評価、お気に入りいただけますと幸いです。

また、書籍化します。
よろしくお願いします。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。