夜空を燃えながら堕ちる星   作:XA-26483

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風邪をひきました。
急な気温の変化には気を付けよう!



第14話:悩乱

 

 

 私は激怒した。

 

 必ず、かの邪智暴虐のグラサンを除かなければならぬと決意した。

 

 私には芸能界がわからぬ。私は、ごく普通の転生者である。歌を歌い、猫と遊んで暮らして来た。けれども邪悪に対しては、人一倍に敏感であった。

 

 今日の朝、私は家を出発し、学校をサボって、この苺プロの事務所にやって来た。

 

 始業したばかりで慌ただしい雰囲気の事務所内。私は社員の方々に挨拶をしながら、彼等の訝し気な視線を華麗にかわし、悪辣なるグラサンが座るデスクまでやって来た。

 

 そして言った。

「話がある」と。

 

 奴は大層驚いていたものの、私の真剣な眼差しに怯んだのか、「場所を移そう」と言って審判の間……すなわち、応接室まで移動することになったのであった。

 

 

 

 

 

 さて、その前に。

 なぜ私が怒っているのか、その理由を話しておこうと思う。とはいっても、理由は非常に単純明快なものだが。

 

 私は現在、相も変わらずアイドルとして活動している。

 

 下北のライブハウス(デビューライブの時とは別の場所)を拠点として活動しつつ、時に他のアイドルグループと合同ライブを開いたり、地方へ行ってライブしたり、イベントに呼ばれてライブしたり。

 

 レッスン、レッスン、ライブ、レッスン、ライブ、レッスン、ライブ、って感じで中々充実した日々を送っている。

 

 先月のバレンタインライブも盛り上がった。

 

 事前告知はあったとはいえ、平日のワンマンライブで300人キャパの会場(はこ)がほぼ埋まったのだ。何もイベントがない普通の平日でも100前後は埋まるし。もう対バンよりもワンマンライブの方が比率が大きくなっている。

 

 これだけ人気になれば、地下アイドルとしては中堅レベルと言えるだろう。デビュー半年の駆け出しジュニアアイドルグループとしては、かなりいい感じじゃないだろうか。

 

 まさに順調。現在進行形でファンもガンガン増えつつある。このまま活動を続けて行けば、いずれは武道館へ、そしてドームへと、辿り着く日もそう遠くはないんじゃないかと、事務所の皆さんやファンも期待している。

 

 ならば、その期待に応えよう!

 

 私達B小町は伝説のアイドルグループとして、芸能界(このせかい)の頂点へ上り詰めようではないか!

 

 

 

 

 

 ……いや、上り詰めてどうすんねん。

 

 売れちゃったじゃん。人気出ちゃったじゃん。

 当初の計画が滅茶苦茶だよ。どうすんのこれ。

 

 私はあくまでもモデルとして、芸能界の浅い場所でほどほどに活躍し、周囲からちやほやされて承認欲求を満たしつつ、それなりに華やかな人生を送るのが目標だった。

 

 アイドル活動はあくまでも女子としての経験値稼ぎがメインであって、そのついでにお金が多少稼げればいいな、っていう程度。アイドルとしての活躍は望んでいないのだ。

 

 底辺以上中堅未満の微妙なラインをうろうろしつつ、高校入学前にアイドルは卒業してモデル業に戻るのが私の本来の計画だったんだ。

 

 それなのに、デビュー半年でこんなに人気が出るなんて……せめて私が中学生になってからならともかく、ちょっと早すぎる。私のポジションもセンターに固定されて、不動のセンター兼エースとしてB小町の顔みたいな扱いを受けているし、もう当初の計画はどこへやら。

 

 ……そりゃあね?私の魅力は原作アイの足元にも及ばないけど、仮にも同じ顔と体を持った存在だ。顔も良くて歌もダンスも上手いとなれば、プロデュース次第で売れないこともないだろうさ。

 

 けれど、それにしたってこんなに早く売れるのはおかしい。そう思った私は何が原因か考えた結果、ある一つの答えに辿り着いた。

 

 

 そう、全ては社長の頑張り過ぎのせいなんだよ!

 

 

 ……原作と違って私が早期に苺プロに入ったため、社長は最初からB小町を私メインで売り出す準備をしていた。弱小事務所ながら事前準備はかなり万全で、特に広報に関してかなり力を入れていたのだ。

 

 それは知っていたけれど、私の想定以上に社長が頑張り過ぎたのだ。これが原因なのだ。きっとそうに違いない。

 

 故に私は怒った。

 

 私の計画を粉砕した不届きものに正当なる怒りをぶつける必要があると、そう思ったからこそ、今日わざわざ学校をサボってまで事務所にやって来たのだ。

 

 私は、ぺしん!とテーブルを叩きながら言った。

 

 

「(私の想定と)全然違うじゃん!」

「…………」

「言ったよね!?(言ってない)私、アイドルとして売れるつもりはないって……なのに、この結果は何!?」

「(売れたのは)当然の結果だろ」

「当然?……ひどいよ、なんで……私がセンターだったから?もういいよ、私、アイドル辞める!」

「な、なにぃ!?」

 

 

 私が涙ながらに訴えると、社長は慌てた様子で立ち上がった。

 

 

「おいおいおいおい!ちょっと待て!辞めるって、急に何言い出すんだ!ていうか、アイドルとして売れるつもりはなかったって……そんなの初耳だぞ!」

「今言ったからね☆」

「そうだろうよ!」

 

 

 私のあっけらかんとした物言いに対し、社長のツッコミが響き渡った。

 

 

「……ったく、話があるとか言うから何かと思えば……ほら、ティッシュいるか?」

「ううん、いらない。ハンカチあるから」

「そうか。しかし、まさかお前が泣くほど───」

「これ目薬だよ」

「しょうもないことに小道具使ってんじゃねえよ!」

 

 

 私がポケットから取り出した目薬を見せると、社長は溜息を吐きながらソファに座り込んだ。

 

 本気で泣いちゃうと目とか鼻が赤くなっちゃうから、今回は目薬を使わせてもらったよ。女の子の本気の涙は、ここぞという時にとっておくものだからね。

 

 

「……で、アイドル辞めるってのは本気なのか?」

「もちろん本気だよ!私、嘘吐かないもん!」

嘘吐き(アイドル)がそれを言うか。本当の所はどうなんだ?」

「あはは……実の所さ。結構楽しんじゃってるんだよね、アイドル」

 

 

 だからまぁ、お悩み中なのだ。

 

 このままアイドルを続けるべきか、辞めるべきか。今日はその辺の相談をしたかったから、平日の午前中に来たのだ。他のメンバーには聞かせられない話だから。

 

 

「だろうなぁ。モデル時代とはやる気が違う」

「あ、やっぱりわかっちゃう?」

「まあな……衣装や小物のデザイン、カメラの角度、照明の強さにまで口出しして来て、おまけにダンスの振り付けも必ずアレンジ入れるし。それがまた良いセンスだしよ」

「それは少しでも良い結果にしたいからだよ。結果が報酬に繋がる仕事なんだから、努力するのは当然じゃない?お金欲しいし」

「確かにそうだが、そこを含めても、お前の努力は並大抵じゃないってことだ。楽しいから、やる気があるから努力してる。努力が出来ている。違うか?」

「ぐうの音も出なーい!」

 

 

 そう、アイドル活動は楽しい。

 

 ライブをするとね、頭がふわーってなるの。

 

 体が軽くなって、眠気も疲労も吹っ飛んで、どこまでも飛んでいけるような万能感……まるでヤバいお薬でもやっているみたいだ。やったことないから知らんけど。

 

 ドルオタの熱量は本当に凄いよ。ライブやる度に影響受けちゃって、自分の心を抑えることが出来なくなっちゃうし……それが今までにないほど気持ちいいと感じる。

 最早、常日頃溜め込んでいるストレスや鬱憤を、ライブで発散しているような感じ?もう定期的にライブやらないと満足出来ない体になっちゃったよ……。

 

 えっちな言い方をすると、私がドルオタ好みの体に調教されつつある、ということだ。えっちじゃない言い方をすると、私がライブ中毒になりつつある、ということでもある。まるでヤバいお薬でもやっているみたいだ(二回目)。

 

 

「ところで、売れるつもりはなかったって言ったよな?あれはどういう意味だ?」

「あー……あれは気にしないでいいよ。言葉の綾みたいなものだから」

 

 

 原作通りに事を進めたくないからアイドルとしては売れたくなかったんです!……なーんて言っても、社長には意味不明だしね。

 

 

「それはともかく、だ。今お前に辞められたらどうなるか、わかってるだろ?」

「わかんない」

「即答かよ……あのな、お前に今辞められたらB小町も、俺も、事務所も、全部が終わっちまうんだよ。いいか、全部だぞ?」

「えー、そんなことないっしょ。私がいなくても何とかなるよ」

「何ともならないから、こうして引き留めてるんだ」

 

 

 社長の言いたいことはわかってるつもりだ。

 

 事務所総出でB小町、ひいては私をガンガン売り出している状況なのに、私がいなくなったら仕事はなくなって、稼ぎもなくなって、B小町に投資した分の借金も返せなくなる。皆が路頭に迷うことになるだろう。

 

 私抜きのB小町なんて、中身が入ってない今川焼きみたいなものだし……いや、これはこれで美味しいか。

 

 まぁともかく、私抜きのB小町では、頑張っても中堅まで行けるかどうかってレベルだろう。これは私が自意識過剰になわけではなく、界隈の大多数がそう言ってるって話だ。

 

 客観的な評価として、私こと『アイ』そのものがB小町の特徴であり、特色であり、アピールポイントだと思われているのだ。私がいなかったら、地下アイドルとしてはそこそこレベルが高い、というポイント以外何も残らないのが今のB小町なのである。

 

 基礎ステータスは高めだけど、これといった特殊能力がないので採用する理由が特にないソシャゲキャラ……敢えて言うならそんな感じである。世知辛いね。

 

 

「なあ、アイ。お前さ、疲れてんだよ」

「えー。別に疲れてないよ?今すぐライブ出ろって言われても超余裕なくらい、体力有り余ってるよ?」

「そいつは重畳。だが、俺が言ってるのは体のことじゃない。精神的な問題だ。最近売れ始めて来て、仕事も増えただろ。イベントに呼ばれることも多くなったし」

「そだね。仕事で学校を休む日もあるし。地下アイドルにしてはそこそこ売れて来たかな」

「そう、それなんだよ。原因は」

 

 

 社長は一旦言葉を切ると、おもむろに新聞を取り出してテーブルの上に放った。

 

 チラリと見ると、見出しに有名な若手女優が急遽休養に入った、という旨の内容が書かれていることがわかった。詳しくは覚えていないが、少し前に朝ドラで主演を演じたことから売れ始めた、まさに今が売れっ子って感じの女優だったと記憶している。

 

 

「この女優、ドラマに出演する前は一般では全然知られてなかったんだよ。見た目も良くて演技も上手いが、いまいち派手さがなくて売れてなかった。が、ドラマを切っ掛けにしてかなりの知名度を得た」

「凄いよねー。たった一つのお仕事で大ブレイクって感じでさ。これだから芸能界は夢があるっていうか……でも休養に入っちゃったんだ。理由は……病気の療養?病名は書いてないけど」

「ああ。これは知り合いの関係者から聞いた話なんだがな。急に売れ出して、体はともかくメンタルがやられちまったらしい。環境の変化に付いていけなかったんだと。ようはストレスだな」

「なるほど」

 

 

 季節、仕事、家族や人間関係などなど。人間はこれらの身近な環境が変化した場合、何かしら影響を受ける。

 

 特に、その変化が急激、かつ大きいものであればあるほど、受ける影響も大きくなる。寒暖差アレルギーなんかそうだし、家族や友人知人を突然の事故で亡くす、とかもそう。そういったものは大抵、悪い意味で精神や肉体に不調を齎す。

 

 じゃあ、良い変化ならば好調になるのかというと、これがそうでもない。良い変化であろうとも、それが急激であるならば、人によっては強いストレスを受けることもあるのだ。

 

 この女優は売れ出した後、仕事も大層増えただろう。

 

 次のドラマへの出演、映画のオファー、テレビ番組にも引っ張りだこ。メディアへの露出も増え、雑誌で特集を組まれることもあっただろう。

 

 そして、今が売れ時だからと。事務所は仕事を一杯持って来て、その期待に応えようとこの女優も頑張って仕事を受け続け……その結果、本人のメンタルが崩れてしまったわけだ。原作のルビーも似たような状態になったっけ。

 

 どの業界でもそうだけど、無理は禁物ってことだね。

 

 

「さすがにこの女優と同じレベルとは言わんが、お前も知らず知らず、ストレスを感じてるんじゃないか?おセンチになってんのさ」

「私がそんなか弱い女の子に見える?」

「見えん。だが、後ろ向きになってるのは事実だろ?」

「私は後ろにも目が付いてるんだよ。つまり、過去を振り返らない、いい女ってことだね」

 

 

 後ろを見ながら、真っ直ぐ前を見て進む……物理的には無理だけど、過去に想いを馳せながら、前向きに生きることは出来ると信じたい。

 

 

「振り返らないのはいいが、過去を省みるのは大切だぞ」

「退かぬ!媚びぬ!省みぬ!って、有名な人も言ってたじゃん。だから私は省みないの!」

「それを言った奴は負けたんだよなぁ……」

 

 

 

 

 

 ★・ー・★・ー・★・ー・★

 

 

 

 

 

 結局、脱退の話は一旦保留。

 

 仕方ないね。私自身、理性では辞めた方がいいのはわかってるけど、アイドルを続けたいっていう欲求はあるし。もう少し考えた方がいいかもしれない。

 

 アイドルを続けるか。

 アイドルを辞めてモデルに戻るのか。

 それとも、芸能界そのものから去ってしまうか。

 

 何が一番、私の人生にとってベストな選択なのか。一度立ち止まってよく考えないと。辞めるなら辞めるで、世界の修正力に逆らうことになるわけだし、何が起こるかわからないから相応の覚悟も必要だ。

 

 しかし、皮肉な話だ。やりたいことが、その人の人生にとって必ずしも正しいこととは限らない。往々にしてよくある話とはいえ、いざ自分がその立場になってみるとこうまで手古摺るとは。やりたいことすら見つからず、合理的な思考で仕事を選んだ前世よりはマシと言うべきか。

 

 あるいは、今の私が感情に左右されやすい人間になってしまった、ということなのか。

 

 

「───東京、東京、千葉、東京、埼玉、千葉、神奈川、東京……やっぱ関東がほとんどかー」

「そうねぇ。地方のライブは回数も少ないし、まだファンレターを送ってくれるほどじゃないのかもしれないわね」

 

 

「ですよねー」と社員さんに返事をしながら、手紙を仕分ける作業に戻る。

 

 今やっているのはファンレターの仕分け作業だ。今日は元々仕事もレッスンもお休みだし、帰っても家でダラダラするだけ。今から学校に行く気分でもない。だったら少しだけ仕事を手伝っていけ、と社長に言われたので、暇つぶしに手伝っている。

 

 ファンレターなんて、前世でも貰ったことは一度もないから結構新鮮だ……って、ファンレター貰った事のある一般人の方が少ないと思うけどね。

 

 私達の活動範囲がほぼ東京都内なので、ファンレターを送ってくれる人の大半が地元の人だ。今はまだ、青い鳥さんが有名なSNSが日本では普及していないので、大多数のファンはこうして手紙に想いを綴って送ってくれるわけだ。

 

 

「お疲れ様。今ある分はこれで終わりよ」

「お疲れ様でーす。じゃあ私、こっちで読んでますね」

 

 

 仕分けが終わった後、空いているデスクを借りて自分のファンレターが入った段ボール箱を置く。そこから封筒を一通一通取り出し、開封しては中身に目を通していく。

 

 

『仕事が大変だけど、ライブで元気貰ってます』

『B小町の曲は毎日聞いてます。新曲待ってます』

『アイちゃんの笑顔に癒されています。次のライブも楽しみ』

『いつも応援してます。お体に気を付けて頑張ってください』

 

 

 要約すると短いが、概ねそんな内容が書かれていることが多い。

 

 我ながら単純なものだが、こうやってファンレターを読んでいると『アイドル頑張ろうかな』という気持ちになってくる。たとえ匂いや音がわからなくても、手書きの字を見れば書き手の感情がわかったりするものだ。それを強く実感する。

 

 こうして読んでいると、ふとした疑問が思い浮かぶ。

 

 今、私が人気を獲得出来ているのは、本当に社長の仕事のおかげなのだろうか、と。宣伝や広告と言った広報に力を入れたから。ただそれだけで、これ程多くの人々から人気を得ることが出来るのだろうか、と。

 

 ……もちろん、私自身の力で人気になれた、なんてのは思い上がりだ。そんなことを思う程私は自惚れていない。自分に自信がない方だし、他人より何歩も遅れている自覚がある。だからこそ必死こいて努力しているわけだし。

 

 それでも、私自身の努力がこの人気に多少なりとも貢献しているというのであれば……それは、素直に嬉しいと思う。どんな形であれ、努力が結果となって目に見える形に表れた、という事実は、私に達成感を与えてくれる。

 

 

「(……もうちょっとだけ、頑張ってみてもいいかな)」

 

 

 なんて思ったりして。

 本当に、単純な人間である。

 

 

 

 

 

 読み進めていく内に時間はどんどん過ぎていき、時刻はもうすぐ夕方。

 

 そろそろ帰らないといけない時間だけど、残りのファンレターはちょうど一通。何とも素晴らしいタイミングだ。これを読んだらさっさと帰ろう。

 

 最後のファンレターは可愛らしい見た目だった。

 

 封筒は普通の白いものだが、真っ赤なハート型のシールが貼ってあったのだ。このさり気ないワンポイントが、そこはかとない女の子っぽさを感じさせた。

 

 住所を見ようと、ひっくり返して裏面を見る。えっと……宮崎県?うっわ、珍しい。多分、私じゃなくて社員さんが仕分けた分だね。さっき言ってくれればよかったのに。

 

 それにしても、まさか九州から届くなんて……てか、九州でライブなんてやったことないけど。東京でライブを見る機会があって、今は宮崎県に帰ってる、とかかな。

 

 

「えっと、たか……高千穂か。宮崎県高千穂町…………?」

 

 

 ……一瞬、ん?と思ったけど、まぁ気のせいだろう。

 

 気を取り直して、封筒の中から便箋を取り出す。ウサギちゃんのキャラクターが描かれた、可愛らしい便箋だ。小中学生の女子が好みそうな感じ。やっぱり女の子が書いたのかな。

 

 さてと、それじゃあ早速内容を……っと、その前に名前を確認しておこう。

 

 丸っこい字で書かれた内容を一旦スルーし、一番最後の名前を見る。本名が書かれているかはファンによりけりだけど……あ、あった。ひらがな三文字。

 

 読めはしたものの、いまいち実感がわかないので口に出してみる。

 

 

「……さ、り、な。さりなちゃん、か。女の子の名前だよね?いやぁ、女の子のファンなんてレアだなー。ライブでは全然見た事ないけど、いる所にはいるもんだねー。都市伝説かと思ってたよ」

 

 

 アッハッハッハー、という乾いた笑いが、夕焼けで赤く染まる事務所に空しく鳴り響く。

 

 社員さん達から集まる訝し気な視線を避けるように俯くと、覚悟を決めた私は手紙の内容を読み始めたのだった。

 

 

 

 

 





というわけで、久々に原作キャラが登場しました。名前だけだけど。

アイちゃんはデビューした年の12月に11歳の誕生日を迎え、今話時点で3月です。なので現在のさりなちゃんも11歳です。多分、2月か3月が誕生日なのでしょう。
なお、吾郎先生とはまだ出会っていません。出会うのは1年後の夏で、そして翌年の1月に亡くなる予定です。

一番星のスピカの内容もちょこっと拾っていきますが、時系列を考えるのが面倒くさいです。矛盾があったらふわっとツッコミ入れてください。ふわっと。

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