ボクの『個性』? 『無個性』だよ? ……ふふふっ、本当の事だよ。   作:黒月悠生

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勢いです! 誰も続きを保証してはくれません!


001P ただ世界に在った

 ボクの生まれた現代は『超人社会』であり『ヒーロー飽和社会』である。

 『超人社会』とは、かつて中国の軽慶(けいけい)市にて『発光する赤児』が生まれたというニュースが報じられた時を基点にする、一種の時代区分......だと思う。

 

 正直言って『発光する赤児』が最初じゃねぇだろ〜? みたいな話を聞いた気がするけども、その辺はどうでもいいとして。

 大体どっかの娼婦のお話とかあるし。

 

 そのニュースが報じられた日より、『超常』の確認事例が急増して社会構造が急変した。

 よって、ニュースが発信された日から現代に至るまでを『超常社会』と称されている。

 

 そして、現代では総人口の、実に約八割がかつての『超常』──『個性』を備えて生きている。

 

 

 

 ──さて、もう既に察している事だろう。

 

 

 

 そう。

 ボクは『僕のヒーローアカデミア』と非常に酷似(・・・・・)した世界に転生した。

 

 『酷似』、と表現したのには理由がある。

 正直言って、現時点ではこの世界の『観測者(作者と読者)』が存在するのかどうか判別ができない。

 

 まずボクはボクの世代が『超常第五世代』である事を確認している。

 次に、この世界の歴史というか時事というかなんというかが原作とほとんど同じ事も確認している。

 原作登場人物も何人かは確認済みだ。

 

 しかし。

 

 だがしかし。

 

 この世界にはボクが居て、ボクの両親(・・・・・)が居る。

 

 もう一度言おう。

 

 この世界には、ボクの両親(・・・・・)が居る。

 

 ボクが原作キャラとして生まれていない事を考慮すれば、まぁ当然のことだろう。

 ボクの名前も容姿(ビジュ)も、ボクが忘れたり見落としたりしていないのであればモブとしてすら原作にも外伝にもアニオリにも劇場版にも出ていないのだから。

 ボクも両親も、原作では盤外の──外側の住人なのだろうことは想像に難くない。

 

 ならば何が問題なのかと言えば......

 

 

 ............ボクの両親......強すぎるのよねぇ......

 

 

 それこそ作中に出てこない方がオカシイ立場というか能力というか『個性』というか......ね? というかまず以ってその価値観と思想がオカシイ。

 

 え? それが何か問題あるのかって? いや全く以ってないけども。

 因果(シナリオ)が原作通りだろうが原作崩壊起こしてようが、ボクが生きてるのはこの世界な訳ですし? 正直言って気にするだけ無駄ではあるんだよねぇ。

 

 ボクが前世の記憶持ってなければの話だけど。

 

 ボクは『僕のヒーローアカデミア』という作品が好きだ。

 またボクはオタクだし、年相応にハーレム願望とか最強願望とかある。

 

 ──は? 年相応だけど? 感性は今も変わりませんが何か。

 

 ......まぁ推しの作品である以上? 原作の展開を見たいんだよ。

 だけど同時に原作とは違う展開も見たいわけだよ当然だろ? ボク別に原作至上主義じゃないし。

 なんなら二次創作とか漁ってた記憶あるし。

 

 で、だ。

 ならばボクが劇中の主要キャラとして入り込んだ上で、ボクの望む展開を見られるようにシナリオを組むのは必須事項だ。

 となれば両親のような特大のイレギュラーは大きな障害になりかねない。

 動きも何も分かったものじゃないから、ボクの範囲内(・・・・・・)でのバタフライエフェクトを把握できなくなる可能性が高いんだよねぇ。

 

 というわけで、両親の心の奥底まで入り込んで動きを誘導するしかない。

 

 な〜んて結論しか出せない残念な頭ではあるけどもっ、厄オタの推し活! 頑張って行こう! お〜!

 

 

 

 

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 という訳でシナリオを組むことにしたけども......さ〜てどうしましょう? 方向性は大事だからなぁ。

 ボクの知る限り原作は完結済みでアニメ、映画、スピンオフにノベルがまだ続いていた。

 

 堀越先生監修で原作で出てない設定も幾つかあったけど、あれどうなってるのかな?

 

 あ、そうそう。

 この世界が『すまっしゅ!!』時空の可能性であることは捨て切れてないよ! 『雄白』も映画もスピンオフも他も、本編が開始しないと確認できないのが殆どだからねっ! うっざ。

 

 いや無理矢理確認することはできるのかもしれないけどねぇ......『I・アイランド』とか顕著じゃない? え? アレっていつ造られたか明示されてたっけ? わっかんねぇ......! それでもオタクかテメェ! 死んだ方がいいんじゃねぇか!? 既に一度死んでんだわ!

 

 作品の進行的にパラレルの可能性が出てるのがホントなんとも言えない感じ。

 

 『ヴィジランテ』とかは過去話だから可能性あるけどなぁ。

 確認するにも後数年は待たなきゃいけないからうん。

 

 ん〜......無ければヨシ。

 有れば有るでそっち方面も考慮したサブを用意しておくのが無難かな? 後はボクのようなイレギュラーも想定しておかなきゃね。

 

 正直言って原作準拠のアニメ版までが一番やりやすいので、そっちでお願いします。

 アニオリとか......二期以降の第一話を初めちょくちょくあるよね! 蛙吹(あすい)梅雨(つゆ)君の回は外せないよな! 分かる!? 分かって!!

 

 別に梅雨君激推しではないよ? みんな好き! 多分目の前にいる子が一番好きだと思うなぁ。

 刹那的な一番だけどね! 浮気性? うっせぇ厄オタの嗜みだよ。

 

 ──あ。

 

 そうだそうだよそれがいい! 俺──ボクをこの世界に刻み込もう!! この世界の人達全員感情激重で頑固で思い込み激しくて共感性低いもんねっ!! きっとボクの感情とか勝手に推測して勝手に想ってくれるでしょ!? 方向性間違ってても気付かないだろうなぁ......!! 最高かよ!! え!? それなら(ヴィラン)になってもヒーローになってもいいじゃん選り取り見取りじゃねぇかふざけんな欲張りたくなっちまうだろオタクは強欲なんだぞっ!! 底抜けに強欲でぶっ壊れた独占欲に『特別』というエッセンスと『激烈な想い』を触媒に『個性』とかいうエレメントを加えたらさぁっ!! 生まれるのは!! キョウキッ!! なんだよッ!! ぁあ......ッ!! ──愛してる。

 

 おっと漏れちゃった。

 語彙力と文章構成力が虫の息だから激重長文ラブレターとか書けないけどさ。

 

 よしっ。

 

 とりあえずボクがハピエン好きである事から考えないとなぁ......バドエンはさぁ、徹底的に救いがない方が好みなんですわ。

 そんなの少年誌にはちょっと合わないじゃないですか。

 

 ただしメリーバッドエンドとかいう際限なく感情を掻き回してくるエンドルートからは目を逸らしましょう。

 

 シッ! 目を合わせちゃいけません! でもボク好きだよ。

 

 ていうか本誌ってどちらかというとメリバでは......? じゃあいいな! 死者と重症者は減らす方向で動きましょうね〜! この世界厄ネタ多いよな。

 

 ん〜? でもこうなるとサー・ナイトアイはどうしよう......本編軸ではお亡くなりになられているけど......『予知』の明かされていない条件とか効果とかあるなら助かるんだけどなぁ。

 

 女性キャラには五体満足で生きてて欲しいよね! 男性キャラはホークスさんとかエッジショットさんはともかく、スナッチさんとかクラストさんとかは正直言ってどうでもいいです。

 

 『僕のヒーローアカデミア』はね、歪んだ世界で歪みに気付かずに世界が回っているからね。おっそろしいよね。

 それに緑谷(みどりや)出久(いずく)君もねぇ......昨今の少年誌らしく『敵を救わない』主人公してるからなぁ。

 

 まあ? ボクの前世も例に漏れず現代人だったからさ。

 

 『晴れ』は勿論『曇り空』も『雨模様』も大好きだし、『昼』も『夜』も関係ない節操無しだけど、だからこそ緩急は大事だろ? 『晴れ』が続けば枯れるし『曇り』が続けば歪むし、『雨』が続けば腐っちまうし! 『白夜』ならトんじまうし『極夜』なら呑まれちまうだろーがっ! 天気ってのは移ろうからこそ命を育み想いを巡らせるんだぞ!! 分かるか!? 蛆にも劣る鬱々としたカビども! お前らに言ってんだよ!! 鏡も見れねぇ癖に高説垂れ腐ってんじゃねぇっ!!

 

 ......情緒不安定かな? やっぱり寄生虫は宿主がいないとダメだよね!

 

 ところで......鏡から目を逸らしてる時点で自覚あるよな? なら手遅れじゃないから戻っておいで......? それ以外は知らんな。

 興味ない。

 

 ──脱線したけども、つまりボクの望みは......!

 

 

 『僕のヒーローアカデミア』のハッピーエンドと! その世界に生きる人々の表情差分回収とっ! オリジナルや差分込みのイベントスチルの回収と!! ボクという存在を鮮烈に刻みつけてやるっ!!

 

 

 というわけだねっ。

 

 ただし脳内保存であるものとする、ってな状態になるのは仕方ないのかなぁ......ん? 待てよ? この世界の科学技術ってサラッと流されるけど、割とSFに片足突っ込んでるよね? もしかして実現可能範囲......?

 

 よ〜し! 俄然やる気湧いてきたァ!! ボクという存在で書き換えてやるからなぁ! 待ってろよ!? 世界!!

 

 

 

 

 

 ──っと決意を新たにしつつ。

 とりあえず今は『生きる』ことを最優先しなきゃねっ。

 

 

 供捧(くほう)典祈(てんき)恐らく(・・・)三歳。

 現在、想起の負荷により瀕死。

 

 

 記憶を思い出したら死にかけました。ワロス。

 なして意識が明瞭(めいりょう)なのでしょうか? 普通高熱とか頭痛とか眩暈(めまい)とかエトセトラあったら朦朧(もうろう)としない? ボクがオカシイだけか。

 

 これ生きられるかな? 寝たら死ぬぞー!! が冗談にならないなぁ。

 

 あ、そうだ。

 フラグになるかもしれないけど、一応言っておこう。

 やっぱり『僕のヒーローアカデミア』の始まりといえばこのセリフでしょっ!

 

 

 

 

 

 ──これはボクが最高の物語を綴る世界だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ......ところでどうでもいいけど、ボクの名前ちょっと怖くない? どうしてこうなった。

 

 

 

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