目を覚ますと、俺はベッドの上に寝かされていた。さっきのは夢だったのか……?俺が困惑していると、部屋の入口の扉が開き中に人が入って来た。それは先輩のガードフレームだった。
「やあベースくん」
「先輩!」
どうやら此処は兵舎の中にある救護室らしい。
「大丈夫か?急に倒れたって連絡があったから心配したぞ」
そう言ってガードフレームは俺の額に手を当てる。
「熱は無いみたいだな……。念の為、医者に診てもらった方がいいか?」
とガードフレームは俺に言うが俺は大丈夫だと答えた。
「そうか……ならいいんだが……」
とガードフレームは言うが、やはり心配な様だ。まあ、無理もないだろう。何せいきなり倒れてそのまま意識を失ったのだから……。するとガードフレームは、
「ベースくん、起き抜けの所悪いんだが、準備が出来たらこの国の王様、ペガサス王に謁見してもらいたいのだが」
と申し訳なさそうに言う。謁見?まさか、星の剣を抜いた件の事で何かあるのか?
「ど、どうして王様が……」
「それは私にもわからない。だが、王様はお前との謁見を望んでおられる」
「わ、わかりました……」
俺がそう答えるとガードフレームは部屋を出て行った。俺はベッドから起き上がり身支度を整えて兵舎を出たのだった……。そして十分後、俺は城の中に入り、玉座の間へと案内された。
「よくぞ参ったなベースガンダムよ!」
玉座に座っているペガサス王が言う。その隣には王妃と思われる女性が立っていた。
「はっ!この度は私の様な新兵に謁見の機会を与えて下さり、誠に感謝しております!」
と俺は敬礼をしながら言う。
「うむ、では早速本題に入るが……星の剣を抜いたのはお前で間違いないな?」
そうペガサス王は俺に問う。
「はっ!間違いありません!」
と俺が返すとペガサス王は頷きながら
「そうか……。ならばお前に頼みがある」
と言った。そして続けて王妃も口を開く。
「実は……、ペガサス王国の王家は英雄ザ・ガンダムのある予言を代々受け継いでいたのです」
「予言……ですか?」
「うむ。伝説に語られる通り、ザ・ガンダムはこの国に星の剣を残すと同時に予言も残していたのだ。『勇者を継ぐ者がいずれ星の剣を引き抜く』と言う内容のな」
そうペガサス王は語る。予言が正しいなら、俺が勇者を継ぐ者……?
「あの、その予言が何か……?」
と俺は尋ねる。するとペガサス王は驚くべき事を口にしたのだった……!
「実はな……、まだこの国の民に公式に伝えてはおらぬのだが、魔界と呼ばれる世界から魔王『グレイト・ジオン』を名乗る勢力が現れてこのスダ・ドアカを侵略しようとしているのだ」
「何ですって!?」
「この事は、他の国々も知っておるが無用の混乱を避けるべく緘口令が敷かれておる。幸いにもまだグレイト・ジオンは大規模な動きを見せておらぬでな」
平和だと思っていたこの国を含むスダ・ドアカにそんな危機が訪れていたとは……。
「しかし、我々がこのまま手を拱いておる訳にも行かぬのでな。そこで国中から勇者に相応しい者を探していたのだ」
そしてペガサス王は俺に向き直る。
「そういう訳だベースガンダムよ!どうかこの国を、スダ・ドアカを救ってはくれぬか!?」
俺は少し考えた後、力強く答えるのだった。
「勿論です!」
するとペガサス王と王妃は喜びの表情を見せる。そしてペガサス王は
「では早速だが、お前には暫し戦闘訓練をしてもらう。星の剣に選ばれたからにはお前には新たな力が宿っている筈だ」
「は、はあ……。それで訓練というのは……?」
「うむ、まずはこの城の地下室に降りてもらう。そこに訓練場がある」
そう言ってペガサス王は王妃と共に玉座から立ち上がり、俺を連れて地下へと降りたのだった。そして俺は訓練場にてガードフレームの1人から星の剣を含めた装備を渡される。
「お前は魔法は使えるか?」
王様は俺にそう質問する。
「あまり無いですね……。魔力はあるのですが」
そう答える俺に、
「ベースガンダムよ、先ずは射撃魔法と斬撃魔法から訓練するのだ。既にアシストをガードフレーム達に頼んでおるからな。何かあったら大臣に連絡をしてくれ。魔法も使いこなしてこその勇者だ、頼んだぞ」
王様はそう言って王妃と共に退出していった。射撃魔法と斬撃魔法は攻撃魔法の初歩だ。確かにそれから訓練した方がいいだろう。
「じゃあ早速始めるか。まずは射撃魔法からだ!」
とガードフレームの1人が言う。俺は頷いて訓練を開始した。そして数時間後……、
「……よし!これで全ての基礎は終了だ!後は実戦で鍛えるしかないな」
「はい!ありがとうございました!」
そう言って俺は頭を下げる。
「しかし驚いたぜ、まさかお前があの伝説の勇者だったとは……」
と別のガードフレームが言うが、それは俺も同じ気持ちだ。この俺が勇者を継ぐ者だなんてな……。しかし、訓練してみて分かった。俺の魔法の才能は微妙で、使えて精々初歩クラスの魔法だった筈だが、星の剣の力なのか今はかなりの強力な魔法が使える。
「他には訓練はありますか?」
「ああ、他にも回復などの補助魔法や剣術の訓練もある。王様はあと数日の内に戦闘訓練を修めさせてくれとおっしゃられたが、このペースなら余裕で間に合うだろう」
そうガードフレームは言う。
「分かりました、宜しくお願いします!」
と俺は言うのだった……。それから更に数日後……。訓練を一通り終えた俺は、再びペガサス王に謁見していた。
「戦闘訓練を修めたと聞いたが?」
「はい!確かに訓練は修了しました!自分でも確かに強くなっているのを感じます!」
「よろしい。勇者ベースガンダムよ、次は仲間を探すのだ」
「仲間ですか?」
「うむ。かの英雄騎士ガンダムも多くの仲間に助けられたという……。1人で出来る事は限られておる。グレイト・ジオンとの戦いは長く、辛いものになる筈。乗り越える為にも、志を同じくする仲間達を探すのが賢明だ」
「分かりました!では早速仲間を探しに行きます!」
と俺が言うと、ペガサス王は頷く。
「先ずはこのペガサス王国内で仲間を探せ。そうだな……、最低でも2~3人は集めるのだ。本格的に国外へ向かうのはその後が良いだろう」
「はっ!」
「そうだ、既に国内の優秀な者を1人目星を付けておる。その者の名は『修道女G-ポータント』。ガイアの街に住むシスターだ」
「シスター?戦えるのですか?」
「うむ。補助魔法を初めとした魔法の使い手で、シスターになる前は国でもトップクラスの天才児と呼ばれた程の腕だ」
「そうなのですか」
ほお、そんな逸材が……。しかし、シスターってことは、
「そのG-ポータントがシスターになったのには何か理由が?」
「ああ、実は彼女の兄のトランジェントガンダムは病死していてな、それで彼女は兄の弔いの為に出家しガイアの街の教会にとどまっておるのだ」
「……それは、彼女は協力してくれるのですか?」
「……今、わしの娘である第二王女のレーアが説得に当たっておる。今のところ他に当てがないのなら先ずガイアの街へ行ってG-ポータントを訪ねてみよ。駄目で元々という言葉もある」
「分かりました。一先ずガイアの街へ行ってみます」
「うむ。では達者でな」
「はっ!」
そう言って俺は玉座の間を後にして城を後にしたのだった……。旅の準備をしていざ城下町を出ようとした時だ、
「ベースガンダムさ~ん!」
「ん?行商人ジムか。どうしたんだ?」
「私も話を聞きました!ペガサス王国国内の間で良ければ旅に同行させてください!」
「え!?いいのか!?」
「ええ、私はあの星の剣を見てしまった以上はペガサス王国の勇者様に付いていきたいと思ったんです!」
と行商人ジムが言う。どうやら本気みたいだ。それにこの旅で仲間を集めようと思っているんだ。同行してくれるのならこちらとしてもありがたいのだが……。
しかし、行商人を連れていっても大丈夫なのだろうか?俺はペガサス王に聞いてみる事にするのだった。『全く問題はない』ペガサス王はそう答えたので、俺も了承した。こうして俺と行商人ジムは共に旅をすることになったのだった……。
「よし!それじゃあ行こうか!」
と俺は行商人ジムに言う。
「ええ、行きましょうベースガンダムさん!勇者としての初仕事です!」
こうして俺達はペガサス城下町を後にするのだった。まずはガイアの街へ行かなければ……!半日かけて城下町から少し離れた所にある村へと辿り着いた俺と行商人ジムはそこで宿を取る事にしたのだった。そして翌日、
「じゃあ行くか!」
「はい!行きましょう」
と、俺と行商人ジムは村を出て街道を進む。そして、日が暮れた頃7~8体ほどのモンスターの群れに遭遇する。そのモンスター達は火の玉に包まれた、ガラクタの様な外見をしていた。行商人ジムが、
「こいつらはオッゴ・オ・ウィスプですね。ゴミに火の精霊が宿ったモンスターで、火の玉を発射してきます」
と、説明する。こちらに気づいたオッゴ・オ・ウィスプ達はゆらゆらと炎を揺らしながら近づいてくる。
「よし、魔法の実戦テストに丁度良さそうだな。行商人ジム、下がっててくれ」
「はい。どの道私は戦闘出来ませんしね」
そう言って行商人ジムは後ろに下がる。俺は剣を抜き、オッゴ・オ・ウィスプ達に向かって行く。そして奴らの内の1体を袈裟切りに切り裂く。
「よし!この位なら!」
と俺が言ったその時だ、
「あ、ベースガンダムさん危ないです!」
「え?」
行商人ジムが叫ぶ。見るともう1体のオッゴ・オ・ウィスプが俺に火の玉を発射しようとしていたのだ!
「うおっ!?」
慌てて避ける。しかし、星の剣による強化と訓練の成果か割と余裕で躱せた。
「お返しだ!」
俺は宙に浮くオッゴ・オ・ウィスプ達を射撃魔法で撃ち抜いていく。魔力の弾丸がオッゴ・オ・ウィスプの本体を捉え、次々と撃破していった。
「やった!成功ですね!」
と行商人ジムが嬉しそうに言う。俺も思わず笑顔になる。すると、オッゴ・オ・ウィスプ達は魔法を放ったり突撃を仕掛けてきたりと様々な攻撃を仕掛けてきたが、俺はそれらを全て捌ききると最後の一体を斬り捨てたのだった……。
「よし、これで全部だな」
「はい!お見事ですベースガンダムさん!」
と行商人ジムは褒めてくれる。
「いや、俺なんてまだまだだよ……」
と俺が言うと、
「いやいや!謙遜する事はありませんよ!」
と行商人ジムは言う。そして俺達は再び旅を続けるのだった……。その翌日、俺と行商人ジムはガイアの街へと辿り着いた。街の入り口で門番に用件を伝えると、
「ああ、話は聞いているよ」
と言って通してくれたので、そのまま街の中に入った。すると行商人ジムが、
「あ、ベースガンダムさん!あれを見てください!」
と指差す方向を見るとそこには大きな教会があった。その教会の前には馬車が停まっていた。その馬車から金髪碧眼の若い女性が降りて来た。もしかして彼女がレーア王女だろうか?
「あの顔間違いないです!あの人はレーア様です!」
と行商人ジムが言う。俺は彼女に近づき声をかける事にしたのだった。
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