「すみません、貴女がレーア王女ですか?」
俺はその女性にそう尋ねる。すると彼女は微笑みながら答えた。
「はい、そうです」
「あの……俺はベースガンダムと申します。ペガサス城より参りました」
と俺は自己紹介をする。
「まあ!貴方があの伝説の勇者様なのね!?お会い出来て光栄です!」
そう言ってレーア王女は俺の手を取る。そして、
「申し遅れました。私はレーア・ハイゼンベルク・ペガサス。ペガサス王国の第二王女です」
「はい、存じております」
と俺が言うと、レーア王女は嬉しそうに微笑む。
「あの……、レーア王女様は修道女G-ポータントの説得に来ていると聞きましたが、この教会にG-ポータントがいるのですか?」
と俺が聞くと、レーア王女は
「ええ、そうです。今呼んで来ますね」
と言って教会の中に入って行った……。そして数分後、レーア王女が1人のモビルスーツ族のシスターを連れて来た。彼女は何といおうか、面倒くさそうな表情で
「レーア王女、何度も言っているけど、私は旅立ちたくない……」
と言う。
「まあ!G-ポータント貴女はまだそんな事を言っているの!?」
とレーア王女は驚いている様子である。すると、彼女は俺に向かって話しかけてきた。
「初めましてベースガンダムさん……。私はG-ポータントと申します」
「はい、宜しくお願いします」
「あの……、私の事は放っておいて。私にはこの教会でシスターとして平和に暮らす方が性に合っているので」
「しかし……」
俺は少し考えてからこう提案する事にした。
「……取り敢えずこの場で話を続けるのは何ですし、取り敢えず教会内に入ってもいいですか?」
こうして俺達はガイアの街の教会の中に通された。応接間で俺達は話を続ける。
「しかし、困りましたね。G-ポータントの意思が固くては説得も難しいでしょう」
と俺は言う。するとレーア王女が言う。
「そうなんです……。G-ポータントはこの教会のシスターになる前は国一番の天才児と呼ばれていたのですが、ある日突然教会に籠る様になって……」
「それは何故ですか?」
「……聞いたことがあるでしょうが、彼女には兄が居ました。その名はトランジェントガンダム、G-ポータントと同じく非凡な才能を持つ魔法戦士でした」
「病死したという兄ですか……」
「はい、今から2年程前にあるモンスターとの戦いで負った傷から病魔が進行し……」
「……亡くなったのですね」
「はい……。G-ポータントはその事をずっと引きずっていて……。それで旅に出たくないと言うのです」
とレーア王女は言う。成る程な……、確かに兄を失った悲しみは大きいだろう……。しかしこのままという訳には行かないしどうしたものか?俺が悩んでいると、突然教会の扉が開き1人の男性が入ってきた。
「ああ、墓地に変な連中が入って来て好き勝手やっています!何とかしてください!」
男性は服装からしてここの僧侶の様だった。
「変って一体どんな?」
と俺は聞く。
「モンスターの様でもあるのですが、ここだここだと話していて知能もあるようでした。墓石を倒したり、地面を掘っているんです!」
と僧侶は説明する。するとレーア王女が言う。
「まさか……、墓荒らし?」
「その様ですね……」
俺はそう呟くとG-ポータントが立ち上がった。
「……私が見てくる」
そう言ってG-ポータントは教会の外へ出て行った。俺も後を追って外に出る事にしたのだった……。教会を出て少し歩いた所にある墓地で、トカゲ人間といった外見のモンスターの様な連中が僧侶の言った通り、墓石を押し倒したり辺りの土を掘り返していた。行商人ジムが、
「確かにこのペガサス王国では見慣れない奴らですね……」
と呟く。確かに今まで旅してきた所では見なかった奴らだ。俺は星の剣を構える。
「お前ら何者だ!」
するとモンスターらしき連中が、
「俺達はゲイレールリザード!今、墓暴きをやっている最中だ!誰かは知らんが邪魔すると容赦はしないぞ!」
と叫ぶ。
「成る程、墓荒らしか……」
俺はそう呟く。するとG-ポータントが、
「ベースガンダムさん、私はこの不届き者達を倒す。貴方は?」
そう聞いてくるので俺も、
「もちろん俺も戦うさ。G-ポータント」
「分かった、援護お願い」
そう言ってG-ポータントは魔法を唱え始める。俺は剣を構えて奴らに突進していった!墓荒らしをしていたゲイレールリザード達は次々と倒されていった。1匹は俺が星の剣で斬り裂き、もう1匹はG-ポータントの放った風魔法で切り裂かれていた。
しかし、G-ポータントの戦い方は見事だ。なんと攻撃してきた相手の武器をまるで曲芸の様に足場にして躱していた。身体強化などの補助魔法もあるようだが彼女の戦闘センスと言うべきものも優れているのだろう。
「ちっ!」
とゲイレールリザードが舌打ちをする。しかし、俺は容赦なく星の剣で奴らを切り裂いていったのだった……。そして最後の1匹を倒すとG-ポータントが言う。
「……これで終わり」
すると行商人ジムが駆け寄ってきて、
「おお、流石です!G-ポータントさん!」
と言った。俺もそれに続く様にG-ポータントに近づいて言う。
「ああ、見事な戦いぶりだったよG-ポータント」
「これくらい準備運動の内にも入らない。それより、この先には兄の墓がある。そこも荒らされていないか確認しなくちゃ……」
そう言ってG-ポータントは墓地の奥へと歩いて行く。俺と行商人ジムは彼女の後に続いたのだった……。進んで行くと、立派であったろう墓が破壊されていてその側にゲイレールリザードに似た、トカゲ男が居た。重厚な鎧を来たトカゲ男2体と大きな双頭の槍を持ったリーダー格と思わしきトカゲ男だ。そのトカゲ男がこちらを確認すると、
「なんだお前達は?」
と尋ねてくる。
「俺は勇者ベースガンダムでこっちは行商人ジムにG-ポータントだ」
そう答えるとトカゲ男は、
「ふん、俺は魔王様にこの部隊の隊長を任されたグレイズリザード!どうやらそっちに行かせた部下達はお前達が倒したようだな」
魔王!じゃあ、こいつらはグレイト・ジオンの手先って事か!G-ポータントはグレイズリザードに
「お前が持っているその槍は私の兄と共に墓に葬られていたGNパルチザン……。何故私の兄、トランジェントガンダムの墓を荒らしたの?」
と問う。するとグレイズリザードが、
「ふん!ここの墓に良い武器が備えられていると噂に聞いたのでな、暴いてみればこのような見事な槍があるとは!これで俺はグレイト・ジオンで更に出世できるぞ!」
と言い放った。
「何ですって!?」
G-ポータントの顔色が変わる。そして彼女は魔法を唱える。
「風よ!我が敵を切り裂く刃となれ!」
すると風の刃がグレイズリザードに襲いかかる!
「ふん、その程度か!」
しかし、奴は持っているGNパルチザンで魔法を弾く。
「ならば!」
G-ポータントは更に魔法を放とうとするが、
「やれ!シャルフリヒターリザード!」
グレイズリザードの指示で後方に控えていた2体のシャルフリヒターリザードが襲い掛かって来た。俺もG-ポータントを援護するべく前に出る。
「はっ!」
俺は剣を振るうが、
「甘いわ!その程度の腕で俺に勝てると思うな!」
とグレイズリザードに弾かれてしまう。そしてG-ポータントにも1体のシャルフリヒターリザードが襲い掛かる!しかし彼女はそれを躱すと魔法を放つ!G-ポータントの風魔法はシャルフリヒターリザードの鎧の隙間に命中し、その身体を切り裂く。しかし、もう1体のシャルフリヒターリザードが背後からピッケルを彼女に振り下ろしてきた。
「うおおっ!」
「させるか!」
俺はそこに割り込み、ピッケルの一撃を盾で防御する。そしてがら空きになったシャルフリヒターリザードの胴体に一撃を入れた。
「よし!」
シャルフリヒターリザードはよろめきながらも、俺に向き直りピッケルを振り下ろそうとする。しかしそこにG-ポータントの風魔法が炸裂し、その胴体を切り裂いた!
「ぐおおっ!」
とシャルフリヒターリザードは倒れ伏す……。そして俺はグレイズリザードの方にも斬りかかるが、奴は俺の攻撃を躱すとそのままGNパルチザンで突いてきた!
「うおっ!?」
何とか剣で直撃をそらすが傷を負ってしまう。
「あわわ!」
それを見ていた行商人ジムが慌てるが、
「大丈夫」
G-ポータントが回復魔法を俺に使った。
「おお!有難う」
俺はお礼を言う。そして残ったグレイズリザードと対峙するが……。
「くっ!」
G-ポータントの風魔法が効かない!?
「ふはは!このGNパルチザンは良い武器だな!貴様らの攻撃も防御も無力だ!」
グレイズリザードがGNパルチザンを振り回し、こちらの攻撃魔法を弾く。くっ、本体はそれほどでもなさそうだが、あのGNパルチザンが厄介だな……。グレイズリザードは、G-ポータントの魔法を弾きつつこちらへと突進してくる。俺は星の剣でそれを受けるが、奴はそのまま俺にGNパルチザンを振り下ろしてくる!
「ちっ!」
咄嗟に盾で防ぐが奴の方がパワーは上だ。そして俺の方へ更に斬り込んでくる!何とか剣を前に出しGNパルチザンを防ぐ事は出来ているがこのままではいずれ押し切られる!どうする!?その時だった。
「これでも喰らえ!」
行商人ジムがグレイズリザードに玉の様な物を投げつける。
「なんだこんなもの!」
グレイズリザードはGNパルチザンで玉を受け止めるが、玉が破裂し煙が吹き出す。
「何っ!?ゴホゴホ」
「煙玉です!ベースガンダムさん!G-ポータントさん!今の内に!」
グレイズリザードは煙によって視界を塞がれ、G-ポータントは咳き込むグレイズリザードに魔法を放つ。
「風よ!我が敵を吹き飛ばす刃となれ!」
そして風の刃が炸裂した!
「ぐあああっ!?」
GNパルチザンの防御も間に合わず、まともに攻撃を受けるグレイズリザード!そこに俺は追い打ちをかける様に剣を振るう!
「はああっ!ベースラッシュ1号!」
俺の必殺斬撃魔法を受けたグレイズリザードはそのまま倒れた……。俺は行商人ジムに
「ありがとう。あれが無かったら危なかったよ」
「いえいえ、この位は」
と行商人ジムは言う。そしてG-ポータントが近づいてきて、
「ベースガンダム、行商人ジムも有難う……」
と言った。
「いやいや、貴女も頑張ってました」
俺達はそう話しながら、一旦レーア王女の待つ教会に戻っていった。その後、グレイズリザード達によって荒らされた墓は兵士や町民達によって修復され、GNパルチザンもトランジェントガンダムの墓の中に戻された。
「これで一安心ですね」
と行商人ジムが言うと、G-ポータントは頷いたのだった。
◇ ◇ ◇
墓荒らしがグレイト・ジオンの手先という事を言っていた俺達の話を聞いたレーア王女は、
「そうですか……。こんな所にグレイト・ジオンの手先が……、父上にもこの事を報告しておきましょう」
と話していた。
「それで、あなた方はこれからどうするおつもりで?」
とレーア王女が聞いてくるので俺は
「そうですね……」
と少し考えてから言った……。
「ええ、俺達はこのまま旅を続けようと思います。魔王軍の侵攻を止める為にも、勇者としてやるべき事をやり遂げたいですから」
と俺が言うとG-ポータントが、
「レーア王女、私もベースガンダムの旅に同行する」
と言って来た。レーア王女が、
「こちらとしては待っていた言葉ですが……、本当に良いのですか?」
そう質問する。するとG-ポータントは、
「グレイト・ジオンを放っておいたらおちおちのんびりも出来ない。また兄の墓が荒らされるような事も防がないといけないし」
と言った。
「なるほど……、分かりました」
とレーア王女は納得したようだ。そして彼女は俺の方を向き直り、
「それでは勇者ベースガンダム、修道女……いえ法士G-ポータント。私は一度王城へ戻ります。貴方達のこれからの旅に幸運がある事を祈っていますよ」
と言った。「はい、有難うございます」
と俺は答える。そして俺達はレーア王女に見送られながらガイアの街を後にし、旅を再開したのだった。
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