全く覚えてないんだけど、俺多分原作主人公の兄貴殺してるわ…   作:生牡蠣

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私にしては珍しく続けて書けてるわ…


決戦!アクアブルー!!

『おおぉーー!これはすごい!ゼロ選手の暴投にてあっけなく試合終了になるかと思われていた今回のボンバーバトル。しかしボンバーバトルを汚されたことに怒りを覚えたのか、相手チームのリーダーであるアクア選手が鬼の形相でゼロ選手に詰め寄り一瞬即発の空気に!そのままフィールドではゼロ選手とアクア選手の一騎打ちが始まりましたー!!一時はどうなるかと思いましたがこれは面白い!!2人の戦いに冷え冷えだった会場も大盛り上がりの様子です!!いいぞー!どっちもやっちゃえー!!』

 

 

 

「良くねえぇぇぇぇぇぇぇ!!!」

 

 

大盛り上がりする実況者に悪態をつきながらも俺はバトルフィールドを走り抜ける。

クッソ!マジで観客も開始時には想像もできない位盛り上がってんじゃねーか!

こらっ!見せ物じゃねぇーぞ!楽しんでるお前らと違ってこちとら命の危機だわ!!

 

俺は走りながら後ろを振り返る。そこには、アホみたいな表情の丸っこい羽の生えた大量の生物が俺に向かって押し寄せて来る光景が広がっていた。

おいあの生物見た事あんぞ!?最初期のボンバーマンのゲームで登場してた敵キャラにソックリじゃねーか!?

名前は…ミンボーだったか?ゲームではただのザコ敵だったけどリアルで見ると意外とデカいし速度も早ぇぇぇぇ!おまけにそいつが何十匹も俺を追いかけて来るとかキメェし怖えぇぇぇぇ!!

 

で、でも幸いな事に俺の方が移動速度は速い。このままの距離を保ちつつ、何とかこの場から脱出を―――

 

「ッ!?うおぉおぉぉおぉ!?」

 

ミンボー達から目を離し、正面に向き直った俺。そんな俺の前に先程確認した時はなかったはずの黄緑色の高い壁が現れた。

や、やべっ、今から速度を落としても間に合わない!?

 

「う…ぬおぉぉぉぉおおおぉぉぉ!!!」

 

壁を回避不可能と判断した俺はそのまま壁に足をかけ、そのまま壁を駆け上がる様に走り抜ける。

ど、どうだ俺の三角跳び!ロックマンもびっくりだ!!……咄嗟にやったけど上手く言って良かったあぁぁ…

 

「っ、タァッ!」

 

何とか壁を登り切り、反対側に着地する俺。

壁の向こうからは、ミンボーたちの鳴き声だろうか?困ったような声色が聞こえて来た。ミンボー達は羽を持っている様子であったが、どうやら壁を乗り越えるほどの飛行能力は持っていないらしい。

 

「……ふ゛ううぅぅ…助かったぁ…」

 

俺は逃げきれたことに安堵し深く息をつく。……アンドロイドが息をするのかって?細けぇ事はいいんだよ!

そんな俺の状況とは裏腹に、観客たちは俺の三角跳びを目の当たりにしより一層盛り上がっているようだ。本当に他人事と思ってからに…!

 

「……まぁ、そんな事を気にしている場合でもないな」

 

俺は観客にイラつきながらも自分にそう言い聞かせ、思考を切り替える。

ミンボー達からは逃げきれたが、これで終わりではない。俺はまだ本当の意味で逃げ切れたわけではないのだ。

そう、大量のミンボー達を召喚した元凶がまだ―――

 

 

 

 

「あらっ、不意打ちのプリンセルウォールからも逃れるなんて……これは予想外ですわね」

 

 

不意に、俺の頭上からそんな声が聞こえた。

俺は声の方向に“バッ!”と顔を向けると、そこには空中に浮かんでいる青髪ツインテドリルの幼女―――アクアブルーが佇んでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何故このような状況になったのか、それは数分前まで遡る…

 

「…フーッ……失礼、私としたことが、淑女としては少しはしたなかったですわね。初めまして、私は本日あなた方と対戦しているチームのリーダー、アクアブルーと申します。以後、お見知りおきを」

 

鬼の形相で俺を睨みつけていた幼女…アクアは静かに深呼吸をした後、先程とは比較的落ち着いた様子で俺に頭を下げてそう言った。

そう、()()()()。数秒前までの今にも飛びかかってきそうな雰囲気は鳴りを潜めているのだが、頭を下げた時に一瞬だけ見えた瞳は、獲物を前にした肉食動物を彷彿とさせる鋭いものであった。

…怖ッ!?何あの、視線だけで人殺せそうな目つき!?初めて見たよあんなの!?

あれ絶対幼女がしちゃいけない目だって!目だけならゴルゴ13の世界観だって!!

 

「……女性の挨拶を無視するのはマナー違反ですわよ。次は貴方の事を教えて下さらないかしら?」

 

俺がアクアの目つきに戸惑っていると、彼女はイラつきを隠しきれない声色で再び話しかけて来た。

や、やばい…!まだ色々分からない事だらけだけど、とにかく答えないと何されるか分からんぞこれぇ!?

 

「………、ゼロだ」

 

内心ビビり散らかしている俺は、平然を装ってそう答えるのがやっとだった。

『こいつ幼女にビビってやんの!』とか馬鹿にすんなよ!!目つきもそうだけどオーラがヤバいんだぞ!!多分目の前でDIOにジョセフをやられた時の承太郎レベルだぞ!!

 

「……まぁ、いいですわ。それより本題に戻りましょう。先ほども申し上げましたが、貴方の使ったボム…あのボムを使える人物は私の知る限り一人しか存在しませんわ」

 

アクアは「ですが」と続けながら、力強く俺に指をさす。

 

「そのボムを貴方が使った。それが意味するのはつまり、貴方とあの方の間に何らかの繋がりがあるという事に他なりません。ですので、あの方について知っている事を私に全部教えてくださいまし。……あの方の居場所とか、ね」

 

アクアが獰猛な笑みを浮かべながらそう締めた。

えっ、お、俺がさっき使ってたボム?あの方?……

 

 

 

どうしよう、全く身に覚えがない

 

 

……だってしゃーないやん!?俺この間生まれたばかりの一般アンドロイド君だよ?知り合いなんてメカードと他のプロトマックス達だけで該当しそうな人たちに心当たりなんてあるわけないって!

というか適当にボム打っただけだよ俺?それが誰かを彷彿とさせたって事でしょ?…それだけの情報で人物特定は無理ゲーすぎる!!えっ、この世界の人達ってボムで誰かわかるの!?スゲーなおい!

い、いかん!目の前の幼女が『早く答えろ』という圧をめっちゃ放ってくる!?これ、このままダンマリ決め込んでたら何されるか分からんぞ!?

ふ、雰囲気的にここで誤魔化したら逆上されそうだし、この場は誤解だという事をアピールして引き下がってもらうしかない!!

 

「………そんな奴、知らん」

 

「………そう、あくまで白を切るというのね。…なら、仕方ありませんわね」

 

アクアはそう言うと両手を掲げる。すると手の先から魔法陣が現れ、その中から次々に青いミンボーたちがあふれ出て来た。

その顔には、血管が浮き出ているのがわかるくらいに怒りの色がはっきりと見えた。

 

「それならば貴方を打ちのめした後、じっくりとお話を聞かせていただきますわ…!」

 

…ぎゃ、逆効果だったああぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁ!!!

 

そこからは、ボンバーバトルのフィールドを使った逃走劇が始まり、冒頭に至るというわけだ…

 

 

 

 

 

 

 

 

「貴方、中々やりますわねぇ…もっと違う出会い方をしていれば、私のお気に入りにして差し上げても良かったと思える程ですわ」

 

アクアは少し口角を上げながら俺にそんな言葉を投げかけた。

その表情から、その言葉はお世辞などではなく本心から言っている事なのだということが分かる。

こ、これはワンチャン見逃してもらえるか!?

 

「……なら、それに免じて見逃して貰おう」

 

「あら、それとこれとは話は別。貴方があの方の情報を持っている可能性がある時点で“見逃す”なんて選択はありえない話ですわ」

 

ですよね~!表情や言葉は好意的だったけど怒りのオーラは放ちっぱなしだったもんね~!!

こ、これからどうする!?いつまでも逃げ続けられるかもわからない、正直このままではジリ貧だ。

さっきからメカードとの通信も繋がらないし、プロトマックス達もさっきの俺の誤爆で満身創痍だ。他者からのサポートは望めないだろう。

つまり、この場を脱するには俺自身が何とかするしかない。彼女を撒き、メカードと合流し、この星から脱出する。さっきのやらかしでメカードから廃棄処分される説あるけどこの場でアクアに捕まるよりまだ生存確率は高いだろう。

言葉にするのは容易いが、中々ハードなミッションだ。だが、これを乗り越えなければ俺に明日はない!うおぉぉ!力を貸してくれ、俺のイマジナリーマイティ兄ちゃん!!

 

『大丈夫だよゼロ、君ならきっと出来るさ』

 

よし、なんかイケる気がする!

心の中のマイティなら何言っても違和感ないから汎用性高いな…そらシロボンも何かにつけてマイティの回想入るわ……

だが、一応俺の元ネタはマイティのコピーアンドロイド。マイティだったらこんな状況、スマートに解決できるはずだ。ならばマイティに出来て俺に出来ない道理はない!!

 

「色々とこの状況を打開する方法を模索しているようですけれど、もう鬼ごっこはお終いですわ」

 

アクアがそう言った瞬間、俺の後ろのブロックが音を立てて砕け散った。

ちょ、そんなことしたら―――

 

 

 

「「「ミ゛ーーー!!」」」

 

 

俺が何かを言おうとした瞬間、壊れたブロックの先からミンボー達がなだれ込んできた。

うわあぁぁ!せっかく逃げ切れたと思ったのにぃぃぃ!!

 

「くっ……ッ!?」

 

俺はミンボー達から逃げるべく走り出そうとするが、俺の周りの逃げ道がいつの間にかブロックで防がれている光景を目の当たりにして思わず固まってしまう。

そんな…いつの間にッ!?

固まっていたのは一瞬。だが、その一瞬が命取りだった。

 

「うおぉぉぉ!?」

 

一瞬でも隙を見せてしまった俺はあっという間にミンボー達に取り囲まれ、身動きが取れない状況に陥ってしまった。

ちょ、キツいって!お前らこんな狭い空間に一気に入って来るなよ!潰されてまうわ!!

そんな苦しむ俺を見て、アクアは愉快そうに笑う。

 

「フフフッ…これで貴方は逃げられない。そして、これで仕上げですわぁ!!」

 

アクアはそう叫ぶと、突然地面が青く輝きだす。

地面を見ると、俺とミンボー達を中心に地面に巨大な魔法陣が現れ、まばゆく輝いている光景が見えた。

な、なにこれ!?いきなり現れる謎魔法陣とか絶対碌な事起こらない奴じゃん!?

 

「これぞアクアブルー家に伝わる奥義『アクアブルームーン』ですわ。ボンバーバトルでは相手を自軍のベースへ送り返す技ですけれど、今回は特別仕様。どこへ飛ばされるかは送られてからのお楽しみ…!」

 

アクアが魔法陣についての解説をしてくる。

な、なんだその凶悪魔法!?敵全体バシルーラって事かよ!?絶対強いじゃんそんなの!

しかもどこへ飛ばされるか分からないって…やべぇだろそれ!?飛ばされる場所によってはそのまま死ねるぞ!?

溶岩の中、深い海の底、大気圏…パッと思いつくだけでも結構最悪なパターン多いぞ!?

それにドラ〇エよろしく石の中にいたりポケ〇ンの謎の場所の様な世の理を越えてしまった場所に行き着く可能性だってあるぞこれ!?場合によってはそっちの方がヤバいって!!

 

「さぁ、もうフィナーレですわ。次に会う時はあの方の事を洗いざらい話していただきます。文字通りどんな手を使ってでも!!」

 

アクアがそう叫ぶと、魔法陣の発光がさらに激しくなった。これは…もしかしなくても、もうすぐ魔法陣が発動するという事だろう。

転移場所によってはそのまま即死する魔法……そう―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

()()()()()()()()()()()()

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

絶 対 に 嫌 だ 

 

 

 

 

 

そう考えた瞬間、俺は自分でも驚くほど慣れた手つきでボムを生成した。

そんなに力を込めていないから先程のボムより火力は抑えられているものだろう。

敵は複数。大物のアクアブルーと無数のミンボー達。

時間も限られている。このボムが最初で最後のチャンスだろう。

 

こんなちっぽけなボムで何を狙う?

一矢報いる為にアクアに攻撃する?

この憎々しいミンボーを巻き添えに自爆でもする?

活路を見出す為にブロックを破壊して一か八か走り抜ける?

 

 

 

 

どれも違う、もっと簡単な事。

 

 

()()()()()()

 

 

 

 

「―――ボンバーシュート!!」

 

そう叫びながら、俺はボムを投げた―――

 

 

 

 

 

 

 

―――地面に向かって

 

 

「なぁッ!?」

 

アクアの驚いた声が聞こえたが、もう遅い。

地面に叩きつけられたボムは爆発し、周りに火花が飛んだ。

そう、火花が飛ぶレベルの火力しかないボム。アクアどころかミンボー達すら倒せるか怪しいだろう。

それもその筈。これは圧倒的火力で敵を倒すボムではない。

 

 

 

 

“ブワアァァァァ!!!!”

 

爆風を起こすことに特化したボムなのだ。

 

下から発生した突風はそのままミンボーごと俺を持ち上げた。

突然の強風により四方八方に飛ばされるミンボー達。対して俺はボムの投げる角度や強弱を計算していた為、特定の場所へと一直線に飛んだ。

 

そう―――飛んでるアクアの元へと!!

 

「ッ!?プリンセスウォ―――」

 

アクアが急いで防御しようとするが、間に合わない。

彼女が防壁を作る前に俺と彼女の距離が近づき―――

 

 

 

“ゴツンッ!!”

 

「み゛っ!!」

 

―――そのまま空中で激突した(頭と頭がごっつんこ)

 

激突した後、俺は重力に任せて落下した。

受け身を取る余裕もなかった為うつ伏せの様な状態での着地…というか不時着に激痛を感じる。

痛って~…アンドロイドに痛覚いる……?

痛みに耐えながらも、俺は地面から魔法陣が跡形もなく消え去っているのに気が付く。

その光景にもしやと思い、視線を上に向ける。

 

「うっ…くっ……」

 

空中では、アクアが頭を抑えて悶えている光景があった。

どうやら渾身の頭突きによる技キャンセルは成功したらしい。……うん、咄嗟とはいえ、なんかごめんね…

 

しばらく悶えていたアクアであったが、限界が来たのかそのまま俺と同じように落下し始めた。

うおっ!?危なッ!!

 

「っと」

 

俺はアクアの元へと走り、何とかキャッチに成功する。流石に頭突きした上に地面に激突させるなんて鬼畜の所業だもんね…

 

「きゅ~…」

 

俺の腕の中で、アクアは目を回して気を失っていた。

ふぅ~…これはありがたい。また逆上されたら溜まった物じゃないからね~。

 

『おおぉぉぉぉっと!予想外な展開になりましたが、たった今一騎打ちに決着が着きました!!勝利を手にしたのは防戦一方であったゼロ選手の逆転勝利だあぁぁぁぁぁ!!』

 

俺が安心していると、興奮気味の実況の声と“ワアアァァァ!!”という大歓声が響き渡った。

あっ、そう言えば今ボンバーバトル中じゃん!

えっと…これは俺の勝利でいいのか…?

 

 

………な、なんか知らんけど勝ったぞおおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!

 

 

俺はアクアをお姫様だっこしながら右腕を高く掲げた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『あっ、それはそうとゼロ選手率いるチーム・メカードコーポレーションは先ほどの自爆でタワーが崩壊したので失格です。よってボンバーバトルの勝者はアクアブルー選手率いるチーム・アクアブルーwith使用人たちです!!』

 

 

 

 

 

………な、なんか知らんけど負けたあああぁぁぁぁぁ!?!?!?

 




〇ゼロ
今回謎に覚醒したポンコツアンドロイド君。
終盤での動きはまさに歴戦の戦士だったとの事……生まれたばかりなのになんでだろうね?

〇アクア様
ポンコツ君に頭突き食らわされた不憫な吸血鬼。
必殺技のアクアブルームーンは範囲内の敵を全員スタート位置に強制的に帰せるから割と強力。
ちなみにゼロ君がまともに食らっていた場合スタート位置ではなくアクアブルー城の地下牢に送られ、そのまま尋問を受けていた模様。そして中身がマイティだとバレた場合……オラワクワクすっぞぉ!

ボンバーガールについて調べるうちにチェイスチェイスジョーカーズや麻雀ファイトガールの存在知って戦慄してる。なんだこのエッ!で可愛いゲームは…両方パイにゃん出演してるからクロスさせる気になれば割といけるぞ……
その場合結構話が混沌としちゃうけど曇らせられる可愛い女の子は増えるよなぁ…ちょっと考えてみるかぁ。


ここまでご拝読ありがとうございました
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