暁美ほむらの自宅。
通称ほむホーム。それは白い床にモニターやホワイトボードなど、とにかく生活感のない空間だ。
その場にて、キュゥべえは魔法少女まわりのルールが一新されたことをほむらに告げた。もっとも、そのキュゥべえを操作しているのはマジアベーゼこと柊うてなだが。
「……。」
キュゥべえの説明を受けた後、ほむらは黙り込む。
「取り敢えず、君が魔法少女であるという事実は変わらない、人々のためにこの街に蔓延る悪と戦うんだ。」
ほむらはしばらく考えた後ジロリとキュゥべえを睨んだ。
「貴方達は決して嘘はつかない、その一点に置いてある意味で私はあなた達を信頼している。だからこそ解せない。魔法少女と魔女の解放なんて、あなた達に何のメリットがあるというの?」
「………。イイ……」
「え…?」
「いや、なんでもないよ。こっちの話さ。それよりなんだっけ、メリット?決まっているじゃないか。より効率的な感情エネルギーの回収の為さ!」
「……。」
「ど、どうしたのかな?暁美ほむら。そんな顔して…うわぁ!」
「貴方…キュゥべえじゃないわねッ!」
ほむらが立ち上がると、彼女の座っていたソファーが開き、ものものしいチェーンガンが彼女の腰もとに収まる。
ジャキッ!ガガガガガガガガ!
キュゥべえの小さな体躯一つに対し、どう考えても過剰な火力が降り注いだ。
だがキュウべえはわざわざ弾道の回りをなぞるように螺旋を描いてほむらに接近する。
「来ないでッ!」
ほむらが時を止めようとしたその瞬間であった。
きゅうべぇがほむらの顔の前で歯を剥き出して笑った。
「にぃ~っちゃあァアア」
これまでのキュゥべえとは全く違う、血の通った悪意と愉悦を称えたその笑みは、度重なるループで厚みを増した彼女のポーカーフェイスパックをいとも簡単に引き剥がした。
「ひっ…ごめんなさ…」
思わずチェーンガンを手放し、顔を庇い腰を抜かす彼女を、キュゥべえ?は息を荒くして見下ろしていた。
「それが…それが貴方の素ですか!ンマジェスティック!本当は気弱で臆病な女の子が!背伸びして頑張ってるんですねぇ……」
「っ…!私は!」
ほむらは目に涙をためながらも歯を喰い縛り、右手の盾から閃光弾を取り出し、投げつけた!
キュゥべえ「へぇ?」
ほむらはそのまま視界を奪われたきゅうべえの身体を拳銃で何度も撃った。
本来ならば穴だらけになるはずのきゅうべえの肉体は、のけ反りこそするものの傷ひとつつかなかった。
「チッ!」
キュゥべえの視界が元に戻る頃にはほむらはすでに拠点を後にしていた。