(仮題)託された想い、透き通る空の下 作:Laplaaaaaaaaaaaace
今回も前回に引き続き、説明回です。中々進まなくてごめんね……。
FF16好きでブルアカも好きって人、中々居ないからさ…。知ってもらうために試行錯誤してたらこんなことになっちゃった……。
ゲームと照らし合わせながら執筆はしていますが、知識ミスがあるかもですので、そんな時は感想で「ミュトス……」と呼びかけてください。直します。
話の続きをしよう。俺という、人間についての話だ。
名前については皆も知っていることだろうから、省いておく。
ヴァリスゼアの暦は『大陸歴』という年代で進行する。ヴァリスゼアの歴史は長く、全てを説明すれば、何日かかるか……。この世界にはその書物すら無いから、説明のしようがないが。
兎に角、俺は大陸歴845年、ロザリア公国のロズフィールド大公家に嫡男として産まれた。その5年後、弟にあたるジョシュア・ロズフィールドが産まれたんだ。ジョシュアは生後間もなく『フェニックス』のドミナントとして覚醒し、母上と貴族たちの関心は、全てジョシュアに注がれるようになった。そうして俺は、ロズフィールド家で冷遇されるようになっていった。
何せ、国の伝説とも言える召喚獣のドミナントが産まれたんだ。何の力も持たない俺のことなど、母上たちにとっては目の上のたん瘤……邪魔だったんだろう。
しかし、父上だけは違った。一人……子供だった俺に優しくしてくれたんだ。ロズフィールド家の公子としての道ではなく、ジョシュアを守る『騎士』としての道を歩むよう、教育の方針を変えてくれた。
そこからは、騎士としての力をつけながら……、文化や政治、一般常識に含め、その他幅広い教養。そして戦闘における戦術学……兵法や、戦地における測量を行うための測量術など。そういった実学を修めて行きながらも、剣の教練に明け暮れるようになった。
そして、そこから数年後……12歳になった俺は、史上最年少でロザリア公国騎士として、叙任を受けた。正式に騎士なれたんだ。
その間にも、トルガルという心からの相棒と出会ったり……。たくさんの出来事があったが、少しの間は平穏に過ごせていたんだ。
――先生、その相棒……トルガルって名前の子は……?
そうだな……ちょうど、シロコの髪色に似た毛色を持つ狼さ。とても大きく勇敢で、怖いもの知らず。戦闘になれば、とても頼りになる相棒だった。人懐っこい性格で、拠点の皆に大人気だったんだぞ。小さい頃は、子犬の様に可愛かったが、成長すれば、子供達にはカッコいいと人気でもあったな。
……すまない、話が逸れたな。
俺が15歳になった頃、運命は大きく動き出した。
公国の騎士として臨んだ御前試合で、優勝した。この実績があってこそ、次期大公であるジョシュアの守護者……ナイトに選ばれ、フェニックスの祝福を与えられたんだ。
このフェニックスの祝福こそ、俺に与えられた唯一の力。フェニックスのナイトであるという証明と共に、フェニックスの能力を使えるという、奇跡の力だ。
そしてある日、鉄王国との戦いを控えた夜。俺たちは戦勝祈願を込めて、ジョシュアは軍事の天啓を受けるために『フェニックスゲート』と呼ばれる砦を訪れていたんだ。思ってみれば、あれが……運命を分かつ夜だった。
あの夜、フェニックスゲートはザンブレク皇国の夜襲を受け、その対応に遅れたロザリア公国軍は壊滅……。圧倒的な軍事力を前に、為す術が無かった。
父上は死に、ジョシュアが召喚獣の力を暴走させ、強制顕現……。フェニックスとして暴れ始めた。砦を破壊しながら空を飛び回るフェニックスに手も足も出せず……、ザンブレクもロザリアも壊滅状態にまで追い込まれた。その時、だったな。突然もう一体の召喚獣が現れた。
それまで、召喚獣は各属性に1体……。火、水、風、氷、雷、光、そして闇。7つの属性に1体の召喚獣が通説だった。しかし、そこで現れたのはフェニックスと同じ火の属性を持つ召喚獣だったんだ。奴の名は、『イフリート』
奴はフェニックスを執拗に追い回し、最後には……殺したんだ。フェニックスゲート周辺は炎に包まれ、多数の死傷者を出した。
そして惨劇を生き延びた俺は、母上の裏切りによってザンブレク皇国に捕らえられ……『ベアラーの刻印』を刻まれ、ザンブレク皇国のベアラー兵として、まるで道具の様に扱われるようになった。
少数精鋭の暗殺部隊の一人『ワイバーン』として、各地の戦場に赴き、沢山の人を……殺した。俺の人生は、血に塗れているんだ。
「これが……俺の生きた15年だ」
誰かに過去のことを話したのは、ジル以来か。
皆、言葉を失っている。どう声を掛ければいいか、何を言えば良いのか……誰も口を開くことは無い。
「そしてこれから……俺の、旅の話。そして、ここに来るまでの話だ」
大陸歴は……確か、873年だったか。俺が28歳になった頃。
《シヴァ》という召喚獣のドミナントを暗殺する作戦に参加し、ダルメキア共和国近くに位置する『ニサ渓谷』という場所で、幼馴染とも言える存在の女性と再会したんだ。衝撃だったさ、暗殺対象が……若かりし頃、生活を共にした幼馴染だった訳だ。殺せる訳が、無かった。
俺はその時に、ザンブレク皇国を離反し、暗殺部隊のリーダーを殺し……幼馴染、ジルと逃げ出した。
その後、『シド』と呼ばれる男にジルと共に拾われ、以降は彼と行動を共にすることになった。弟を殺したもう一人の、火のドミナントを殺すために。
そこから、シドの隠れ家に身を寄せながら……、火のドミナントを追う為、彼の情報を頼りに各所を巡ったんだ。しかし、火のドミナントの目撃証言はあれど、実際に目の前にすることは少なかった。相見えたと思えば、目の前から掻き消え、奴へ手が届くことは無かった。
そして、火のドミナントを捜索中に、何故か風の大陸にいる筈のないウォールードの兵士を、とある集落の近くで見つけたんだ。そいつらを倒して、集落に足を運べば、火のドミナントの目撃情報を得られた。囚われの身になっている、という話だったからか、その時の俺は奴を殺すことに躍起になり、前が見えていなかった。何が何でも、奴の居る場所へ向かって、殺すと。そう心に誓っていたからだ。
しかし、奴の囚われている砦に、風のドミナントがいることも分かった。奴を殺す前に、砦を占拠した風のドミナントから情報を得るべきだと判断した。しかし、ドミナントというだけで、戦闘能力は他の兵士より卓越している。弟の仇を取るため、情報を得て確実を期す為にと……、奴に挑んだ。
結果で言えば、風のドミナントを退けることに成功はしたが……火のドミナントの情報を得て、殺すことは叶わなかった。風のドミナントを退けたと思えば、奴の力を吸収し、風の召喚獣……ガルーダの力を扱えるようになった。
俺は、他の召喚獣の力を取り込み、行使することができる……。あの世界では、俺だけが持ち得た力だった。この力を持つ事由は、後に話すとしよう。
ガルーダの力を取り込んだ後、風のドミナントは召喚獣の力を暴走させ……ガルーダとして強制顕現した。フェニックスゲートの時と、同じだ。ドミナントは理性を失えば、召喚獣として暴走を始める。自我を失った末路だ。
破壊と暴力に思考を支配され、全てを呑み込みかねない猛威を振るう。
俺は、ガルーダを倒すべく単身、奴の領域に踏み込んだ。暴風が吹き荒れる竜巻の中、突如現れた炎を纏う男を追いかけながら、ガルーダと戦っていた。途端に奴が消えたと思えば、ガルーダが目の前に現れた。正真正銘、決戦とも言える舞台だったさ。
戦いの最中、俺は死の淵に立たされた。奴に握り潰されそうになった瞬間、俺の中で何かが目覚めた。
そこから先は、記憶が曖昧で殆ど覚えていないが……、俺はガルーダを殺していたらしい。どのようにして殺したかも、何もかも分からずに、次に目を覚ました時は、隠れ家の牢屋だった。
牢屋でシドから聞かされた話は、俺がフェニックスを殺したイフリートとして顕現し、ガルーダを殴り殺した。という話だった。それはもう驚いたさ。なんせ、仇として追っていたもう一人の火のドミナントが、俺だったんだから。それこそ、絶望もした。生きる希望も見失った。殺すべき相手が、そもそも存在しない。自分だったんだ。
どうすれば良いかも分からず、火のドミナントを追わせていたシドの仲間を追えというシドの命令に従って、救出に向かったんだ。
その後は、意識を取り戻したジルと共に、真実を求める為……シドの協力者を頼りつつ、しばしの間、放浪の旅を続けた。そして、惨劇の地フェニックスゲート跡地で、俺は過去の俺自身を受け入れたんだ。
ジョシュアを殺したのは、俺で……そして、もう一人の火のドミナントも俺だった。過去にフェニックスゲートを焼き尽くしたのも、俺だったんだ。その炎の幻影……炎影を、俺は受け入れた。受け入れ難い真実を、乗り越えたんだ。
新たな力も得て、そこから、俺たちの本格的な旅が始まったんだ。ヴァリスゼアの大地を
――そこからクライヴは、数多の旅の話を彼女達に話してみせた。
マザークリスタルを破壊していった話、召喚獣との戦いの記憶、神との邂逅、そして敵対。壮大な冒険譚とも呼べる話をしていれば、気づくと外は暗く、夜の帳が辺りを埋め尽くしていた。
「……最後の記憶は、奇麗な月だった。月のすぐ下に、赤く光るメティアを見据え俺は目を閉じた」
「例え、この先にどれだけ辛く苦しい未来が待っていようと、人は自ら場所を作り、生きて行くことができると信じて……俺たちのクリスタルを巡る探求の旅は、終わったんだ」
「……長々と話してすまなかった。君達には重く、苦しい話だったと思う」
「本来は魔法について話すだけだったが……」
「……ううん。先生の事が知れて、良かった」
「先生の過去がどうであれ、あなたは私たちの先生に変わりない」
「話してくれてありがとう、先生」
シロコは、早々に返答を返してくれた。
血に塗れたクライヴの人生を話した後でも、彼女は先生としてクライヴの事を信頼している。
他の生徒たちは、現実味の無い話に面食らっている様だが……信頼が地に落ちようとも、あの少女に託された願いを無下にするわけにはいかない。たとえ一人でも、やってみせよう。
「先生の話、まだ信じられない所が多いけど……。話してるときの顔は、真剣そのものだったわ」
「私も、気持ちはシロコ先輩と同じ。……先生を、信じようと思う!」
「ですね!シロコちゃんの言う通り、先生は私達の先生です!」
「……私も、先生の事は信用します。なんといっても、先生は、もう対策委員会の顧問ですから!」
「うへ、みんな適応力高いねぇ~。ま、おじさんは少なくとも先生のこと、信頼してるよ」
皆が皆、クライヴの事を認めてくれている。
ホシノの視線からは、ずっと前から懐疑的なモノを感じる。完全に信頼されてはいない様だが、場に合わせてくれているのだろう。彼女からの信頼を勝ち取らなければ、真にこの委員会の顧問になったとは言えない。
「すまない……。ありがとう、皆」
「俺という人間を拒絶しないでいてくれること、とても感謝している」
「そ、それでは、皆さんの意見もまとまったことですし……」
「今日の所は解散にしましょうか!ホシノ先輩も船を漕ぎ始めていますし……」
あはは……と、苦笑いをするアヤネを尻目にホシノを見やる。
うとうと、と頭が前後に揺れている。時間も時間だ、子供には酷な話も幾つか話した。
疲労が溜まるのは当然のことだ。かくいうクライヴも、自身の過去を話す覚悟を決めてから、数時間話しっぱなしだった。ホシノと同じく疲労が蓄積している。
「あぁ。皆、遅い時間まで付き合わせてしまったな」
「各自は自由に解散して、英気を養ってくれ」
各々が、別れの挨拶をして対策委員会の部室を去っていく。
クライヴも、この学校に来た際、シロコから先生の部屋として貸し与えられた部屋に戻る。煤けたコートの内側からシッテムの箱を取り出して、アロナにコンタクトをとる。
瞬間、意識はアロナの居る教室へと移り変わった。
「アロナ、さっきの話は聞いていたな?」
「……はい。まさか、先生の過去があれほどまでに壮絶なものだったとは……」
「正直な所、彼女達が受け入れてくれたことが、一番の驚きさ」
「ヴァリスゼアと俺の話は……あまりにも突拍子もない話だ」
「世界の創造主……、神様に戦いを挑んだ。なんて話を信じて、といっても……そう簡単には信じられませんよ!」
「……だろうな」
これで、アロナにも対策委員会の面々にも、自分の事は話した。
もう後腐れも無く、彼女達の前で自身の力を振るえる。回復こそ出来はしないだろうが、戦闘の支援と、戦局の打開くらいは力になれるだろう。
今の自分の内に、召喚獣の力は感じる。しかし、何故だか力を発現させることができない。何やら……鎖で止められているような。枷をされていて、上手く扱う事が出来ないのだ。彼女達を守りたいという気持ちに呼応して、フェニックスが目覚めたことが、奇跡とも言えるくらいだ。
「その、召喚獣の力というのも……まだ先生の中に?」
「あぁ。全ての召喚獣を内に感じるが、目を覚ましてくれたのは……フェニックスだけらしい」
「ガルーダに、タイタン、ラムウ、バハムートにシヴァ。オーディン……そして、リヴァイアサン。俺の内に居るのは確かだ。だが……上手く力を扱えない」
「ふむ……。先生の力について、謎は残るばかりですが、今現状言えることはひとつです!」
「その力で、生徒さんの手助けをしてあげてください!無理に、とは言いません。先生が言っていた石化の件もあります」
「それに、この世界にはエーテルというものがオーパーツとして存在こそしていますが、先生の行使する魔法の元として使用できているかは不明です。何故先生がこの世界で、魔法を使えるのか……、召喚獣の力を行使できるのか。まだまだ不可解な点は残りますが……」
「今の所は、アビドス対策委員会の皆さんの問題解決に当たってください!出来る限りの支援はします!」
「助かる、アロナ。君の知識と情報が無ければ、この先進技術に溢れたキヴォトスで非常識人として生きているところだった」
「君のサポートには助かっている。ありがとう」
「ふへへ……!褒めても何も出ませんよう!」
「今度時間があれば、甘味でも買ってこよう。なにか希望はあるか?」
目の前でだらしなく微笑む少女に食べたいものを聞いてみる。
大方返ってくる答えは予想出来ているが……、一応だ。
「カステラといちごミルクを!」
「……あぁ。アビドスの問題を解決したら、労いのついでに買っていこう」
「ふふ、ありがとうございます!約束ですよ、先生!」
アロナと約束を交わし、意識を現実に引き戻す。
目を見開けば、目の前に広がるのは薄暗い物置の様な部屋。
部屋に不満がある訳ではない。むしろ、書類仕事に集中できるほど良い狭さと、机の上にわずかな明かりを置くだけで集中できる、良い環境だ。
くるり、と椅子を回転させれば、窓の外に広がる夜空を見上げる。ここは砂漠地帯に囲まれて、光が殆どない。
その甲斐あってか、星が良く見える。そして、空に浮かぶ円環と大きな月も。月の近くに赤く光り輝くメティアが無いことが、違和感ではあるが。しかし、奇麗な月は、どの世界も変わらないらしい。
淡い光が、アビドスの大地を照らしてくれている。
「……ジル。君も同じように月を見上げているだろうか」
「出来たら、君にも俺と同じ月を見上げていてほしかった。……少し、我儘かもな」
独り言を零しながら、相変わらず淡い光を放つ月を見上げる。久方ぶりに、月に願ってみようか。
彼女達、対策委員会の問題解決と、これから先待ち受ける困難を乗り越える力を与えてくれるように。
灰の大陸からこんばんは、私です。
気付いたら黒の一帯に大地が蝕まれていました。助けて下さい。
合ってるかな、合ってるかなぁ!?!?めっちゃ不安になってきた!!!!
あと、全部書こ!って最初考えてたんですけど、メインストーリーを簡潔に、短く纏めるの無理じゃないですか!?!?!?私には無理です!!!ルサージュ卿、お助けを!!!!
次回からストーリーが進行していく。はず、です!!!!!