(仮題)託された想い、透き通る空の下 作:Laplaaaaaaaaaaaace
day2の方に参加したんですけど、DJステージやばいっすねあれ。終始ブチ上がりまくりでした。物販もキサキぬいが開場1時間位以内で売切れたり、大盛況だったね。
僕はブランケットとかトラックジャケット目当てだったから良かったけど、みんなは欲しいもの買えたかな?
透き通るほどの青
ガタンゴトン…ガタンゴトン……。聞き慣れない音が響く。目の前は暗く、光は無い。しかし、謎の音だけがこの漆黒の世界に響き渡っている。
(どこだ、ここは。俺は確か…、オリジンを……。あの世界の理を、燃やし尽くした筈だ。"人が人として生きられる場所" を作る事が出来る様に、全てを。それに、ジョシュアはどうしたんだ。トルガル、ガブ…オットー。ジル…!)
勢い良く目を開けた。目に映るのは満点の星空と丸い月…ではなく、天井。吊革が静かに揺れ、小さな揺れが身体を襲う。クライヴのいたヴァリスゼアには無い景色だ。この感覚は、クリスタルの採掘現場に敷設されているトロッコと似たような…それでいて違うもの。と、そこでふと気づく。自分は今腰掛けているんだ。まるで高級な素材を使ったソファの様な 柔らかな椅子だ。トロッコに腰をかける場所など無いはず。それに 窓もついている。一体 なんだと言うんだ。
「……私のミスでした」
突如声が聞こえてくる。声のする方向に目をやれば、そこには一人の少女が。胸の辺りから血を流して、座席に腰かけている。聞いたことも無い声で、いくら記憶を探っても同じ声の知人や友人を思い出せない。死後の世界だとでもいうのだろうか…。しかし、それにしては違和感がある。意識がはっきりとし過ぎているのだ。死後の世界とするならば、きっと魂だけの存在となり、直に生前の全てを清算され、大罪人には仕置きが。善良な者には次の生が。恐らくヴァリスゼアの国々によっては価値観は異なるだろうが、一般的にはこうだろう。
「私の選択、そしてそれによって招かれたこの全ての状況」
…何を言っているんだ、この少女は。立ち上がり声を掛けようとしたが体が動かない。声も出ない。考えることは出来ても動作が出来ないのだ。瞬間、キィン――と小さな頭痛に襲われる。頭の中に、自分のモノではない記憶、いや…『記録』が流れ込んでくる。
今にも泣きそうな、悲しそうな顔をして手に持つ『何か』を自分に向ける少女。視界にはノイズが走り、明確に顔の細部までは捉えられないが、ドレスのようなものを身に纏い、頭上には壊れかけの天使の輪が浮かんでいる。なぜこんな悲しそうな顔をするのか…、ちっとも理由が分からない。
場面は暗転し、次に見えたのは、三つの穴が開いた板のようなもの。これも、何なのか分からない。何故この視点の主は地面に倒れ伏しているのか。痛みこそ感じないが恐らく戦いで負傷した兵士か…、戦いに巻き込まれ命を散らした市民…なのだろうか。
(こんなものを見せて、何をさせようって言うんだ)
目の前の少女のしたいことが、何一つ分からない。さっきから分からないことばかりだ。
「結局、この結果にたどり着いて初めて、あなたの方が正しかったことを悟るだなんて……」
この『結果』だと?今見せられたモノが結果?あんな荒廃した世界で、悲しい顔をする者がいる。それが一つの結末だとでも言うのか。
「――今更図々しいですが、お願いします。」
夢なら醒めてくれ、と何度も念じた。しかし、景色は変わらない。この少女が見せている幻覚…あるいは精神世界。アルテマの時のように、クライヴの精神に干渉してきているのではないか。後から後から、よくないものばかり見せてくるものだ。
絶望に染まり切った顔で何かを見つめる少女
空に浮かぶ巨大な構造物
雨の中膝をつく小柄な影
血だまりに倒れ伏す少女と、それを見て慟哭する誰か。
浴槽の中、血の海に沈む人影。
下手を踏めば、アルテマより質が悪い。映る者全てが、死に直面したような顔をしている。恐らくまだ年端もいかぬ少女たちが、『死』という事柄に突き当たっているのだ。まったくもって、質が悪い。
「きっと私の話は忘れてしまうでしょうが、それでも構いません」
「大事なのは経験ではなく、選択」
「あなたにしかできない選択の数々」
――ここでもまた、選択か。
「責任を負う者について、話したことがありましたね。大人としての責任と義務。そして、その延長線上にあった、あなたの選択」
責任なんて、この身に余るほど負ってきた。フェニックスゲートから…ずっと。責任を負いながら、逃げたりもした。しかし、受け入れたんだ。過去の、自分を。決断し、選び取った。受け入れて 進んでいくと。
ベアラーたちを救うために、友人との約束を果たすために。《大罪人シド》として、多くの人を導いた。その中で数々の選択もあった。命を懸ける選択なんて 数えきれない程だ。
「私が信じられる大人である、あなたになら――」
「この捻じれて歪んだ先の終着点とは、また別の結果を……」
「だから――、どうか……」
(俺なら、最良の選択をし…今見た未来とは別の世界を作れる、とでも言うのか?)
この少女は簡単に言ってくれる。だが、ここまで話を聞いて、見て…彼女の覚悟は届いた。
クライヴに託すと――。自分では導く事の出来なかった別の結末を導いて欲しいと。
出来るかなんて、到底分からないが頼まれたのならばしかと受けよう。選んだ結果がどうであれ、あの残酷な記録を見せられてしまえば嫌でも理解してしまう。あの世界は、彼女による選択の結果は凡そ"人が人として生きられる世界"を作ることができなくなってしまったものなのだろうと。大義名分は関係ない。クライヴの根底にある願い、"人が人として生きていける世界"を作るために、彼女の想いの火を受け継ごう。
あの日と、同じように。
(やれるかなんて、分からない。だが、君の胸の内にある意志の火は…俺が受け継ごう。記録で見た彼女たちが 彼女達なりに生きられる世界を目指して 努力くらいはしてみるさ)
「…ありがとうございます」
ふと、逆光で見えなかった彼女の顔が少しだけ見えた気がする。彼女は、小さく微笑んでいた。その顔を視界に入れた瞬間、体が動くようになった。と思えば 背後の朝焼けは漆黒に変わり、世界は黒く染められた。恐らく、時間なのだろう。
音は何時しか鳴り止み、世界はゆっくりと暗黒へ沈んでいく。何時しか目の前には弱々しく浮かぶ小さな炎。彼はソレに手を伸ばし、ぐっと握った。暖かな熱が身体中を巡る。
「君の想いは受け取った。後は俺に任せてくれ」
その言葉を最後に彼、クライヴ・ロズフィールドの意識は暗転した。
「…い」
「……先生、起きてください」
なにやら、声が聞こえる。先ほどの声とは違う、鋭い声だ。
その声に呼応する様に意識を覚醒させる。ゆっくりと目を開けるとそこには見知らぬ景色が広がっていた。どこまでも続く青い空…、様々な高さの建造物、そして…立ち昇る光柱。空の文明の遺跡とも似つかないその様相は、どこか神秘的で、非現実的でもあった。
「少々待ってくださいと言いましたのに、お疲れだったみたいですね。なかなか起きないほど熟睡されるとは」
「…眠っていた?」
「えぇ、それはもうぐっすりと。夢を見られていたようですが、ちゃんと目を覚まして、集中してください」
眠っていただなんて。では先ほどのアレは夢だったのか?しかし、やけに現実味があった。夢というより、精神干渉の一種だろう。それに、あの世界で彼女は『私の話は忘れてしまうでしょうが』とも言っていた。夢の中で記憶を器用に操作できる存在など、魔物くらいのものだろう。だが、彼女は――。
「もう一度、あらためて今の状況をお伝えします」
もう一度?彼女から説明を受けた記憶はない。どこかで記憶の齟齬でもあるのだろうか、あるいは…。いや、今はいい。彼女の説明を聞こう
「すまない、俺としたことが寝惚けていたのかもしれない。悪いが、君の言う通り状況の説明を頼めるか?」
今現状、必要最低限の知識すら持ち合わせていないのだ。ヴァリスゼアにいたころの記憶はあれど、この未知の世界については、何も情報がない。ならば最善の策は、状況説明に乗じてこの世界のことを少し聞いてみることだろう。
「私は七神リン、学園都市『キヴォトス』の連邦生徒会所属の幹部です。そしてあなたはおそらく、私たちがここに呼び出した先生……のようですが」
正直に話せば、今の彼女の言葉から推察できることは一つもない。キヴォトス、連邦生徒会、先生。
キヴォトスという国家はヴィヴィアンから聞いたことも無いし、連邦生徒会という部隊…いや、連邦というくらいだから多数国家の集合体か…。それにしても、先生という単語がやけに引っかかる。
クライヴは人生の中で、子供相手に教鞭をとったことはない。せいぜい言えば、天秤の直し方を教えたくらいだろうか。
「…先生のよう、というのは?」
「…ああ、すみません。推測系でお話したのは、私も先生がここに来た経緯を詳しく知らないからです」
「経緯を、知らない…?」
詳細の説明を、と思っていたがそう上手く事は運ばないらしい。彼女もクライヴがここにいる理由を知らないというのだ。ならば、説明するという話は何だったのか。
「混乱されてますよね。分かります。こんな状況になってしまったこと、遺憾に思います。でも今はとりあえず、私についてきてください」
「分かった。今は君の言う通りにしよう。そうした方が其方にも面倒はかけないだろう」
「話が早くて助かります。では早速…歩きながらお話ししましょう」
「どうしても…先生にやっていただかなくてはいけない事があります」
この口ぶりから察するに、どうやら火急の要件らしい。
この世界について、聞きそびれたな。と胸中で一人後悔する。
「……学園都市の命運をかけた大事なこと、ということにしておきましょう」
「口を挟むようで悪いが、その『学園都市』というのは?」
「丁度良いタイミングです、先生。此方へ」
案内された先は、何やら小さな個室のようなもの。大きな窓が幾重にも連なり、外の景色が一望できる空間。突如機械音と共に、足場が下へ動き出した。なるほど、これは昇降機のようなものか。しかし、ここまで音の小さな昇降機は初めてだ。と感嘆していると、彼女が外へ手を向けた。
「『キヴォトス』へようこそ、先生」
「キヴォトスは数千の学園が集まって出来ている巨大な学園都市です。これから先生が働くところでもあります」
「きっと先生がいらっしゃったところとは色々なことが違っていて、最初は慣れるのに苦労するかもしれませんが…」
正直、感銘を受けた。目の前に広がる どこまでも青い空。ヴァリスゼアも奇麗な空ではあったが、ここは何というか…
「黒の一帯は…どこにも無いんだな」
「黒の…一帯…?」
「…いや、説明中だったな。すまない。独り言と聞き逃してくれ」
ヴァリスゼアに存在した、全ての生命が死滅している黒の一帯。土壌や木々は黒く、魔物すら生息しない死の土地。エーテルすら存在しないため、魔法はおろか召喚獣の力すら使えなかったが…見渡す限り、このキヴォトスには存在しないようだ。
「…こほん。ですが、先生ならそれほど心配しなくてもいいでしょう」
「あの連邦使徒会長がお選びになった方ですからね」
「それは後でゆっくり説明することにして…」
ピンポン、と軽快な音が鳴ると同時に昇降機が止まり、扉が開く。どうやら目的の階層へ着いた様だ。彼女…、リンに着いていき昇降機から出る。先ほどとは打って変わって広い空間に出た。
椅子の配置を見るに応接室の様だが、やけに騒がしい。と、喧騒の中から一際大きな声が聞こえてきた。
「ちょっと待って!代行!見つけた、待ってたわよ!連邦生徒会長を呼んできて!」
…この声の感じは、否が応でもわかる。面倒ごとが待っている気配がひしひしと伝わってきた。
これ書いてる途中にリオとセイアの実装発表されてこれどころじゃなかったよ。
この作品を書く上で、地の文を書くとき色々気を付けてるんですけど、なんか三人称と一人称の視点ごちゃ混ぜになって読みづらいですよね。癖なんで治したいんですけど、なかなか治らないんですこれが。
前廣さーん、FF16の資料まだっすか?