(仮題)託された想い、透き通る空の下   作:Laplaaaaaaaaaaaace

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そろそろ説明回を設けるべきだとおもいました。
というかまるまるFF16用語の説明する説明用の投稿しようかな。専門用語多すぎるよね、16


キヴォトスでのやり方

生徒達に並び、前線をひた走る。向かうべきは、シャーレの部室がある目の前の建物。

敵の数は約10人前後と言ったところだ。この人数ならば、ユウカたちも特に苦戦することなく戦線を維持できるだろう。

 

「各々、恐らく得手不得手があるだろう。それを意識して戦ってみるんだ。ハスミは距離を取って後方から攻撃。ユウカ、スズミの二人は中、近距離を主軸に攻勢に出る。チナツ、君は癒し手として最後方での支援を任せたい」

 

戦闘開始前に彼女たちの得意なものを聞いておいた甲斐があった。そのお陰で戦略の組み立てが容易になっている。ヴァリスゼアでの戦闘の基本、攻撃を最前線で受ける盾を持つ兵士。敵の攻撃を集中させ、背後や左右から攻撃を加える主力兵士。そして、後方で回復支援を行う癒し手。《ケアル》等の回復魔法を使い、傷を癒す…戦闘において重要な役割を持つ兵士だ。砲手や弓兵、魔法兵…軍用の獣なども居たが、恐らくこの世界には存在しないだろう。

 

(しかし…、彼女達の動きはとても洗練されている。自分たちで考え、理解し…行動する。そこに俺の指示も加わっているのが事由か、初めて戦場に出る兵士より動きが良い。この分なら、然程の戦闘指揮は不要か)

 

「ユウカと俺で、前線は維持しよう。被弾は最小限に抑える。…心配するな、俺も君達と同じで頑丈さには自信があるつもりだ」

 

「先生がそこまで言うのなら…」

 

各々が心配そうな面持ちで此方を見つめてくる。エーテルが存在するかどうかは分からないが、いざという時は魔法を使うしかないが…そこまで強力な力は持たない筈だ、死人は出ないだろう。

 

「さぁ、行くぞ!」

 

右手に炎を携え、戦闘の構えを取る。戦闘開始だ!

 

 

 

 


 

 

 

 

「ユウカ、前方遮蔽物に一人!ハスミは遠距離から圧力を掛けて前線の支援だ。スズミは…スタングレネードとやらを使って撹乱をしてくれ」

 

「閃光弾は敵味方問わず視界を潰してしまいます。投擲時には声を掛けますので、ご安心を」

 

戦闘が開始した直後、ユウカが先陣を切って前進していく。何も言わず突っ込んでいく訳ではないが、彼女の身の熟しは目を見張るものがある。敵の弾丸を回避しつつ攻撃、全てを回避できているわけではないが やはり頑丈さは言葉通りの様だ。出血することなく、ずんずんと前へ進んでいく。

ユウカは同じ武器を二つ装備している。その影響もあってか火力は申し分ない。さらに盾役も兼ねて動けるのだから、とても優秀な生徒だ。

ハスミも、遠距離からの攻撃に長けており 支援攻撃と同時にとどめの一撃を叩き込めるほどの威力を持つ銃、狙撃銃を装備している。さらに、遮蔽物に弾丸を撃ち込むことで敵に威圧を掛ける事も出来る。その間に、スズミの持つスタングレネードで敵をさらに足止め、ユウカとスズミで攻撃を叩き込む。

癒し手であるチナツの回復も重宝している。回復魔法ではなく薬品の投与ではあるが、効果は絶大だ。的確に回復行為を行える点でいえば、相当優秀な生徒であるだろう。

 

(剣があれば苦労するものでもないが…。この勢いなら、問題なく目的地に到達できそうだな)

 

数十人規模の不良を圧倒していく。不良たちは指揮者がいないのか、統率の取れた動きをしていない。野盗と同じだ、戦闘経験があれば少々手こずったかもしれないが、この程度なら。

 

 

 

「もうシャーレの部室は目の前よ!」

 

道中の不良たちを制圧しながら、部室目掛けて歩を進めていたクライヴたち。部室が目前に迫ると、ユウカが声を上げる。ここまで来るのにそこそこ苦労したのだ。声をあげたくなる気持ちもわかる。

 

『今、この騒ぎを起こした生徒の正体が判明しました。狐坂ワカモ――、百鬼夜行連合学院で停学になった後、矯正局を脱獄した使徒です。似たような前科がいくつもある危険人物なので、気を付けてください』

 

狐坂ワカモ…。今回の事件の首謀者か。取り抑えることが可能なら不穏分子は排除しておくことこの上ないが、その時の現場判断に任せるとしよう。相手一個人の戦力は未知数、警戒して進むとしよう。

 

 

 

――一方そのころ、連邦捜査部シャーレ前…

 

 

 

「……あらら。連邦生徒会は来ていないみたいですね。フフッ、まあ構いません。あの建物に何があるかは存じませんが、連邦生徒会が大事にしてるものと聞いてしまうと……壊さないと気が済みませんね……」

 

「ああ……、久しぶりのお楽しみになりそうです。ウフフフ……♡」

 

狐の面を被った少女が、シャーレの建物を見上げている。仮面の下で不敵な笑みを浮かべたまま、どうしてやろうかと画策しているようだ。

 

 

 


 

 

 

 

順調にシャーレ部室の前まで駒を進めたクライヴたちは、部室前に佇む一人の少女を発見する。後ろ姿だけで、個人の特定には至らないが――、漂う雰囲気で凡その理解はできる。

 

「騒動の中心人物を発見!対処します!」

 

ハスミが味方全員に伝わるように、声を上げる。あれが、狐坂ワカモか。並大抵の相手ではなさそうだ。

 

「フフ、連邦生徒会の子犬たちが現れましたか。お可愛らしいこと」

 

「…気を抜くな。今までの相手とは気迫が違う。行くぞ!」

 

恐らく彼女の持つ武器も、ハスミと同じ狙撃銃。一撃の威力が高い分被弾には倍注意しなければならない。

ユウカに前線を維持して貰いながら、その後ろにクライヴ、スズミ。そして後方にハスミと、ある程度の陣形を組んでゆっくりと前進していく。

ワカモ以外の不良を制圧し、対ワカモとの戦闘に移る。スズミのスタングレネードで足止め、ユウカの火力で大幅に体力を削りつつ、ハスミの攻撃で痛手を与える。これが一番効率的な戦闘方法だ。このままとどめを――

 

 

 

「私はここまで。後は任せます」

 

 

 

「逃げられてるじゃない!?追うわよ!」

 

「いいえ、生半可な行動をしてはなりません。私たちの目標はあくまでも、シャーレの奪還です」

 

「……うん、まあいいわ。あいつを追うのは私たちの役目じゃないってことね」

 

ユウカも多少冷静な判断ができるようになってきた。本来の目的を忘れてしまえば、作戦は失敗したようなものだ。

おそらく仲間たちの助言もあってこそだろうが…、この短い間で成長するか。子供というのは時に参考になる成長を見せてくれるな。

 

「罠かもしれませんし」

 

「…はい。建物の奪還を優先で。このまま引き続き、進むとしましょう」

 

ワカモが後方へ退却しながら、仲間と思われる不良を前線へ送り出してくる。それらを難なく制圧すると、ついにシャーレの目前へと到達した。目の前に聳える大きな建造物…、これがシャーレの…。

まるで《賢者の塔》を彷彿とさせる佇まいに感嘆していると、ゴゴゴゴ…と地鳴りのような音が響く。

 

「……うん?この音は……」

 

「気を付けてください……!巡航戦車です!」

 

「クルセイダーI型……!私の学園の制式戦車と同じ型です」

 

「不法に流通された物に違いないわ!PMCに流れたのを不良たちが買い入れたのかも!」

 

「つまりガラクタってことだから、壊しても構わないわ!!行くわよ!」

 

目の前に現れたのは、大砲を搭載した移動式の乗り物。なるほど、これが戦車か。しかもそれなりの速度が出る様だ。それに、分厚い鉄板で覆われた車体は、耐久力も目を見張るものがあるだろう。搭載されている大砲も、ある程度の速度で射撃が可能で、火力を出すには申し分ない。

 

(しかし…そうか。今までの戦い方でコイツとやり合うのは……些か火力不足…。それに、ユウカに前線を張ってもらうとしても、癒し手がいたところでコイツの火力に一人で耐えるのは難しいか…。なら――)

 

彼女たちの動きは変わらずとも、火力に一抹の不安が残る。ハスミの攻撃であの装甲を貫通できたとて、効率的なダメージを与えるには程遠い。あの戦車というものの駆動原理は不明だが、スン…と鼻腔に残る『油』の様な臭い。あの戦車が来てから漂ってきたその臭いに、一つの光明を見出した。

 

「ユウカたちは、増援の対処を。あの戦車は…俺がやる」

 

「っ、先生が!?ある程度頑丈という話は聞きましたが、生身では――!」

 

「さっきも話しただろう。心配はするな…怪我には気を付けるさ」

 

「~~~っ!!本っ当に気を付けてくださいね!!!もしもの時は呼んでください!」

 

「あぁ。増援の対処は任せた」

 

遮蔽物から身を出し、戦車と相対する。中型の軍用ウィルムより一回り大きいくらいだろうか。攻撃のタイミングさえ見極めれば、対処は容易だ。

 

 

 

「俺が相手だ。さぁ…かかってこい!」

 

 

 

大砲が、クライヴを捉える。

炎と共に砲塔から弾が放たれた。所詮動きの速い大砲だ、弾を避けることなど造作もない。自身に当たる直前で弾を回避する。着弾地点の爆炎から大きく距離を取り、次の攻撃に備えた。砲塔が旋回し、ゆっくりと此方を向く。タイミングを見極めろ、近づく隙は必ず現れるはず。

 

ドォン!という轟音と共に二射目が発射される。見えた!

 

「遅い!」

 

着弾と同時に、前へ大きく回避する。クライヴの接近に驚いたのか、戦車は後退していく。再度距離が開いてしまうが、この程度なら問題ない。

砲塔が再度クライヴを捉えた。三射目だ。だが、今度は回避しない。後で彼女達から追及されることにはなるだろうが、まあ良いだろう。いずれ説明しないといけないことだ。

 

(フェニックス――、力を貸してくれ)

 

 

 

胸の前で拳を握る。炎が身体を包み、砲弾が着弾する。爆煙と共に炎が舞い、砂塵や硝煙の臭いが広がる。

 

 

 

「先生――っ!!」

 

 

 

彼女たちの悲鳴にも似た声が響いた。先ほどまで自分たちを指揮してくれた人が目の前で――。

なんて思っていたのも束の間、黒煙の中から何かが上空に向かって飛び出す。

 

 

 

"ソレ"は突如そこに出現したかのような…、炎を纏った何か。

炎は人の形を作り、その姿を現す。黒い髪と、逞しい肉体。そう、クライヴだ。

砲弾の直撃を受けておきながら無傷、衣服には汚れすら付着していないという奇跡の生還っぷり。

 

(エーテルは存在しないが…それに代わる何かが存在しているのか。まさか使えるとは思っていなかったが…)

 

フェニックスの祝福による能力《フェニックスシフト》

炎を纏いながら瞬間移動をし、敵との距離を詰める技。剣や魔法が使えればそこからさらに攻撃に繋げることができるという、フェニックスの能力の中でも優れものだ。使いようによっては、敵との距離を取る…回避や上空の敵への対処など、使い方は様々。

 

「確証が得れた。ならば詰めはコレだ…!」

 

砲塔が上を向く。辛うじてクライヴを捉えられていない。

再度クライヴは炎を纏いその姿を掻き消した。戦車の操縦手や砲手には、何が起きたのか分かっていないだろう。数秒の後、炎が砲塔の目の前に出現し、クライヴを出現させた。

 

「他所見をしていると危ないぞ」

 

ガッ、と右手で砲塔を掴むと 勢い良く炎を巡らせる。右手から迸る炎が、戦車の砲塔を灼く。鉄の灼ける臭いと赤熱化していく砲塔。そこに力を加えれば、捻じ曲げることなどいとも容易い。

ギギギ…と鈍い音を立てながら砲塔が上へ曲がっていく。

 

「ふんっ…!」

 

バギン、と砲塔を圧し折る。これでコイツの攻撃能力の大部分は削いだ。

だが、破壊には至らない。完全な破壊を敢行するには、魔法の行使もやむを得ない。どこまで使えるのか分からないが、やってみるだけだ。

左手に神経を集中させる。ボボ…と赤い炎が左の掌に集約されていく。右手の砲塔を放り投げ、左手を砲塔だった場所の穴へ向ける。

 

「《ファイア!》」

 

小さな火球が、穴の中へ撃ち込まれ、内部に装填された砲弾に着弾する。

その攻撃がきっかけで、戦車内の火薬庫で爆発を招く。爆発にどれほどこの世界の生徒が耐えられるか分からないが、最悪のことは起こり得ないだろう。

魔法を撃ち込めば、トン…と戦車から飛び降り、距離を取る。ドカァァン…という音と共に戦車が爆発を起こし、部品を撒き散らし爆散する。

内部からゲホゲホと咳をしながら不良たちが這い出てくる姿を確認すれば、クライヴは内心安堵する。それと共に改めてこの世界の住人の頑丈さに驚かされた。

 

 

 

「…何とかなったか」

 

 

 

何とかなった。とは言うが、背後から注がれる彼女たちの視線は、どうにもなっていない様だ。

後程の質問攻めを想像すると、ため息が出るが自分で決めたことだ。仕方ない。

そう思案しながらクライヴは彼女たちの居る方へと足を進めた。




セイア引けた!!!!!!!!!!!!!
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