焼き入れてやるから来い   作:記憶破損

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ベイラム 川いそう


ドキっ根性焼きマン登場!ルビコンに現れた渋おじの初め

 

「どこですかこ↑こ↓?」

 

 なんだ今のアクセント…自分で発音したのに違和感を感じた。そもそもベットから起きたら、なんか無機質な部屋にいた。部屋の壁は茶色に変色しており、築50年物件レベルの品質の壁に囲まれた6畳ぐらいの間取りである。アパート暮らしだったが、こんなボロではなかったはずだ。

 

「じゃけんここから行きますよ~イクイク…淫夢之一太刀…ウワァァァんおオン!?」

 

 なんだこれェぇぇ!?俺が声を発すると、ネット上にある汚い言語に変換されてしまう!

 

「なんですかこれ~、どうですこの筋肉、なかなかいい身体してるでしょ?お客さん」

 

 意味わからない現状に混乱していて遅れたが…なんか自分の体に違和感を感じた。どう見てもがたいが良い、普段から運動とかしてない俺のややポッチャリ腹がない。さっきから内容の方を気にしていたが、声もおかしい。どこぞの大〇明〇みたいなビックボスのような渋声だった。

 

 俺はそこで混乱しながら近くにあった洗面台の鏡に駆け寄る…すると、見たことない渋メンのお兄さんが出てきた。

 

「私じゃない!…困りましたねぇ~!体の隅々まで洗わないと」

 

 自分の顔を触り、夢じゃないと放心する。それだけじゃない、首元付近にまるで接続端子用の穴のような何かが体に埋まっているのだ。だが不思議と恐怖感は感じない、どちらかと言うと前からこうだった気がする違和感。

 

「ラーメン屋に行きませんか」

 

 …少し外を見よう。ただ小言を呟いただけでこれだ、どうなってんだこの体…

 

 この部屋に一つだけのドアを開け、外に出ると・・・ACがあった。

 

「フぁ!?デカすぎ!?・・・ちょっと待ってください…じっくり焼いて、うん!おいしい」

 

 なんでゲームのACがあるのか、そもそもここどこ、など混乱の極みであったが…ACの武装を見て、思い当たる記憶があった。AC6で遊んでいたが、対人で使用するWバズや10連ミサ重ショなどガチアセンに飽きが来て、両腕火炎放射にしてストーリーモードを遊んでいたのを…

 

「とぼけちゃってぇ」

 

 知らねえよ!畜生、意味が分からん状況なのに高ぶり的な感覚が薄い、すぐに正気に戻される。ACだけじゃない、周りを眺めるとまるでゲームのドッグコンテナそのままだった。ところどころケーブルが垂れ、ACの整備以外最低限的な無骨感を感じる。そもそも、コンテナの外どうなってたんだ?ヘリで出撃していた場面もあったが、常に飛んでいたわけじゃないはず…まあ、出ればわかるか。それよりも…もうここは夢ではない現実を受け入れなくてはならないだろう。

 

 たぶん自分のACに向かって歩いていくと、操作パネルのような物があった。操作方法がわからなかったが、何となく触れると勝手にアクセスを開始してくれた。

 

 

『登録番号 Rb19 識別名 ノーネーム ランク --/-  所属::独立』

 

 認証中に表示された内容を確認した。やはりここはAC6、そしてこの肉体の人物は独立傭兵だったようだ。でも ノーネーム 名無しですか…ランク圏外のくせに両腕火炎放射って変態かよ…いや、この機体は俺のアセンそのものだから違うのか?まあいい、情報が手に入って何よりだ。一応これで三週目ストーリ全クリしたから戦えるはず…パルスアーマー持ちはマジ苦戦したけど。だって火炎放射でパルスシールド減らないんだもん!アサルトアーマーと蹴りしかないじゃない!バルテウス戦とか地獄だったぞ!まあ、シールド持ち全員辛かったけどね!

 

『識別名 ノーネーム の認証を確認 傭兵支援システム オールマインドへようこそ』

「いいゾ~これ…」

『独立傭兵 ノーネーム 本日はどのようなご用件でしょうか オールマインドは全ての傭兵の為にあります』

 

 オールマインド…作中でのラスボス。コーラル・リリースとかいう意味不明の理論で人間を管理しようとしたAI。だがしかし、ガバやヤラカシ、謎の円グラフ、AIなのにシステムを乗っ取られるなど残念な部分を621視点で見られるため、確かに怖い部分もあるが、それ以上に笑いを提供してくれるAIである。本当にAIなのか?実は緑のコーラルだった説などあるが、まあいいでしょう。

 

 さて、情報を知りたい。傭兵だったこの人物の事を聞きたいが…聞けるか?謎の強制力で言語がクソ変換されるせいで通じる気がしない。かといって紙とかも持ってない。

 

「オールマインド…」

 

 よし!名前は大丈夫だ、でもこれからだ。俺のことを教えてくれと伝えればいいだけだ、ライセンスを作るにあたって必ず身分等は確認するはず…いけるか?

 

「俺もやったんだからさ、見とけよ見とけよ~オナシャス!・・・これもうわかんねぇな」

『申し訳ありません 独立傭兵 ノーネーム 言語を理解できません』

 

 ですよね!俺も意味わかんないもん…え、やばくない?普通に考えてこれから傭兵稼業していく可能性が高いのにコミュニケーションが実質不可とか終わってない?

 

「助けて!集団ストーカーに襲われてます!」

『…独立傭兵 ノーネーム 貴方の近くに敵影は見られません』

「あのさぁ…じゃあ俺、ギャラもらって帰るから」

『ギャラ 依頼を受けたいという意思表示でしょうか』

「おう早くしろよ」

『承知いたしました 今現在 受諾できる依頼をピックアップします』

 

 よっしゃー!行けたァぁぁ!情報は無理だけど、生活だけなら何とかいけるかも…あ、食料とか生活どうすんだよ・・・来るんじゃなかったこんな星っていうかなんで俺来たの!来るにしてもこのクソ変換バグを何とかしてくれ!

 

『ベイラムによる傭兵に向けた依頼があります。惑星封鎖機構の基地を襲撃、敵拠点のMT 燃料タンクの破壊 データ収集 による追加報酬があります。残念ながら今現在 貴方のお受けできる依頼は一件だけです』

 

 あ、やっぱりここルビコン3なのね。ある意味よかった、木星とか火星とか知識が役立たない場合はどうしようとか少し考えてたけど。でも惑星封鎖機構か…生き残るには依頼を受け続けるしかないか。ランク圏外の時点でえり好みできないだろうし。作中でも残骸ACが多くあったが、どいつも武器が見たところ一つ、二つだった。一応ランク圏内のインビンシブル・ラミーがあれだったし、傭兵稼業って世知辛いんだろうなって想像は容易い。

 

 …俺はいいんだけどさ…でもオールマインドさん…ランク圏外の傭兵って実力は下手したらそこらのMTに囲まれたらやられるレベルだよね?なんで複数のMT、それよりも惑星封鎖機構って宇宙政府軍とか確かAC世界では珍しいガチの政府所属の軍隊だったはずだ。そこの基地に襲撃ってお前…もしかして遠回しに排除しようとしてません?まあ今はいいか…。

 

「いいゾ~これ」

『承知いたしました 依頼を受諾を確認 オールマインドからベイラムに送信できますが』

「あぁ^~いいっすねぇ^~」

『承知いたしました 貴方の帰還を願っています』

「本当ぉ?」

 

 あ、最後の言葉には無反応で切られた…。これからどうすればいいのかと思っていたら、メッセージが届いた。ベイラムからの依頼内容についてだ。内容を確認すると、この依頼は出されてそれなりに時間が経っているようだ、ようするに依頼を受ける傭兵がほぼいない、または受けた後ルビコンの大地に帰ったかのどっちかだろう。

 

『これはベイラム系列大豊より各傭兵向けの依頼だ。惑星封鎖機構の新たな前線基地を襲撃、可能なら制圧を頼みたい。現在、ベイラムのレッドガン部隊所属 G7ハークラー が先行して任務に出撃している。ベイラムMT部隊も先行しているが戦場は著しくない。各員の健闘を期待する!以上、なお このメッセージは自動音声であり、戦場の様子は常に変化している!常に気を引き締めて当たってくれ!』

 

 でしょうね…さすがベイラム、基地襲撃なのにロクな戦術がないぞ。しかも実質AC単機にMTだけとか無謀すぎる。それにしてもいい情報だ、G7ハークラー 彼は621のライセンス取得チュートリアルで発見されている人物だ。V.Ⅶスウィンバーンとかよりも高いアリーナランクの実力者であり、汚染市街でやられていたことから、今回の戦闘ではやられないだろう。まあ、ベイラムの上層部的に実力あるから酷使されて結果MIAになったんだけども…。上層部が悪いよ、上層部が。

 

 そうか、企業所属っていう手があるか…でもロクな企業ないけどね。

 

「じゃけんとっとと王道を征くアーイキソ」

 

 仕事を受けたからには行くしかない。任務はいいけど、普段の生活はどうしよ、オールマインドで食料注文できるか?・・・ええいままよ!襲撃すればなんか出てくるだろ!それより俺、現物のACを操作できるのか?ぶっつけ本番だちくしょう!

 

 

 


 

 

 

 ルビコンの大地は揺れ、多くの者たちがその大地を汚していく。戦場は敵味方問わず、大型のミサイルからレーザー兵器まで飛び交う地獄と化していた。補給も来ない、前の補給は三日ほど前だったが、満足のいく量も質も足りない状況だった。前線の部隊は既に半壊、後方に待機させていたMTも前に出さざる得ない。

 

「クソっ!何が増援を送るだ!ここで傭兵一人来て何が変わるってんだ!」

『G7!戦場でお喋りとは随分と余裕だな!敵だらけの戦場でピクニックが趣味になったか!』

「うるせぇ!こっちは常に命がけだ!」

『…ッこちらに向かっている傭兵はランク圏外のひよっこだ!そいつが臆病風にならんように後ろで見守ってやれ、帰るまでが遠足だ!』

「っそうかよ!せいぜいコキ使ってやるさ!」

 

 わかっていたことだ。前線は既に崩壊、本社からの増援は期待できない状況だ…他の部隊員からの増援は期待できない。それでも襲撃依頼を出している理由は簡単、捨て駒、現在の自分自身の同胞作り、それより最悪だ…暗黙に依頼を受けた馬鹿を囮にして生き残れと言われたのだ。これには隊長も隠そうとしない苛立ちを覚えたようだが、もうそんな事を気にしている余裕がない。

 

 惑星封鎖機構の技術力には手を焼く、いや機体も何度も焼かれたが、最近固定レーザー砲が基地に設置されてから更に戦場は酷いものだ。最初の襲撃時点では数による有利性を維持したが、大型武装ヘリが登場、それから惑星封鎖機構の大型MTが導入されてから戦場がひっくり返されていった。

 

 今ではただやられる為に前に出されると、脱走兵も出始めた。やりたくもない同胞を手にかける外道…言い訳はいい、地獄に出している立場だ。

 

『企業の犬どもが!我々惑星封鎖機構に歯向かう愚か者はここで落とさせてもらう!』

「しまっ!?」

 

 戦場で奇跡なんて起こらない。前にいたMTがやられ、その爆風で視界を失った。視界が晴れた時には前方に大型MTがこちらにマシンガンを放つ動作の直前だった。

 

 

 

『頭にきますよ!!』

 

 

『グあっなんだ火炎放射だと!?視界が』

「ッオラ!」

『っグァァァ!』

 

 大型MTの頭上から突如、滝のように火炎が降りかかった。動きが止まったスキを逃さず、片腕の残弾が少ないバズーカをお見舞いさせる。その衝撃でスタッガーになったらしく、大きく体勢が崩れチャンスが突然やってきた。だがそのチャンスは…。

 

 

『あーソレいいよ』

 

 

 火炎を放ちつつMTに突撃する四脚ACの蹴りによって無駄になった。

 

 

『ガァァァ!こ、コード5っあ熱いあツアアアァあァぁぁア!?』

 

 

 惑星封鎖機構のMTも継続して熱せられAPの限界が来ていたであろうが、どうやらコックピットに火が届いていたようだ。予想よりも早く爆発した、何かしらに引火したんだろうが…エグイやり方だ…自分がやったことだが、先ほど当てたバズーカで装甲の一部を破壊できていたようだ。そこに四脚の蹴りでコックピット付近に亀裂でも入ったのだろう、ラッキーパンチと言えばそれまでだが、最後に見る光景は地獄の業火とは笑えない。

 

『これもうわかんねぇな』

 

 先ほどの光景を作った存在は何も感じないかのように平然としていた。

 

『G7!生きているなら戦場で動きを止めるな!』

「ッわかってる!おいそこのAC、お前が俺たちが雇った奴でいいんだな!」

 

 最初に話しかけた内容は確認だった。先ほどの動き、下手な傭兵と比べるまでもない見事な動きだった。これがランク圏外?詐欺もいいところだ、武装が両腕火炎放射という点が気になるが…そこまで指摘するほどお人好しじゃない。

 

 

『お ま た せ』

 

 

 そいつは名乗りもしないで、そのままブーストを吹かし前線へ先ほどと同様に火炎地獄を作り始めた。四脚の特性を活かし上空でただ放っているのではない、相手の動きを予測しながら炎を放ち直撃を作り出す。時にタイミングを変え、相手の視界を火で奪ったタイミングで突撃し蹴りつける。その動作一つ一つ、まるで熟練のACパイロットの動きそのものだった。なんでそれで火炎放射という、お世辞にも言えない使いずらい武装を両腕にしているのかわからないが、使い慣れた動きから相応の思いれがあるのだろうと予想がついた。

 

 奴が来てから戦場が変わった…数分だ、たった数分で敵MTが炎に溶けていく。まるで夢でも見ているかのような現実に戦場というのを忘れ唖然としてしまう。それでも自らの役目は果たす、当初は逃げだったのを攻めに変えただけだ。炎で炙られた連中は穴を突くように柔らかくなっていた、硬い装甲で苦戦していた大型MTも残りのバズーカ弾数で処理できるほどにまで…。それからはもう、どちらが残党狩りの立場だったかわからない程、愉快な戦場の始まりだった。

 

 こちら側のMTの攻撃でも、装甲とAPを削られた敵機体は比較的容易に対処できるほど脆く崩れ去っていく。

 

『イケる…俺たちはイケるぞ!あのACに続けば、俺たちは勝てる!』

 

 どこの隊員が通信で言ったのかは問わない。俺もあのAC乗りに見入ってしまっていたからだ。丁度、奴を見た時…固定レーザー砲の攻撃をブーストで突撃しながらステップを重ね避けつつ、火炎を押し付ける流れを見た。

 

『どうやら当たりを引いたようだなG7…』

 

 隊長も奴の動きに見入っているようだ。まあ当然だ、あの動きを観察したが…下手すれば隊長よりも…

 

「隊員の空きはどうです、隊長?」

『愉快な遠足に早変わりさせた奴を考えるのはいいが、帰るまでが遠足だと伝えたはずだぞG7!』

「っわかってるっつの!俺たちがベイラム勲章を貰う準備でもしときやがれ!」

 

 もう奴が来る前の顔はない。今は新たな流れに乗る、一人の狩人となっていた。

 

 

「来たかッ!?ははアイツめ!俺も混ぜやがれ!」

『貴様が!っ前がッグぁ!?下からクソッ!?動きが、せ、制御不能!?』

 

 

 惑星封鎖機構の大型武装ヘリが戦場に登場した。だが変わらない、視界いっぱいを炎で覆われ、その隙に他の者たちが追撃に入る。わずかな時間で本能で最適解を理解したベイラムのAC・MT乗りの行動は早かった。火炎を放つ傭兵は恐れを知らず、前へ前へと業火を放ち続けるのだ。ならば続け、その火種を広げるのが自分たちの役割だと。

 

 大型武装ヘリもただの的ではない、すぐさま回避しようと機体を動かす。だが無駄である、その回避した先にも火炎が置いてあるのだから。

 

 

『はっきりわかんだね』

『くっコードッ通信が熱で!?ッックソォぉぉぉ!』

『クソですがなにか?』

 

 大きな爆発と共にヘリが愉快な音を立てて地上に落ちていく。その光景を目にした者たちは…いや、この戦場にいる生き残った者達はただ叫んだ。

 

「はは!やったぞ!俺たちはッ俺たちはやったんだぁぁぁ!」

 

 

 その日、一つの基地をベイラムが落とした。そしてこの戦いを切っ掛けに多くの者が知ることになる 無名だったとある独立傭兵の存在を。相対した者たちはその存在を恐れるだろう、自らの最後が業火の中なんて誰も望まないのだから。

 

 

 





 
 アセン

 両腕武装 火炎放射(固定)
 肩 なし

 腕  EL-TA-10 FIRMEZA
 コア CC-3000 WRECKER
 足  LG-033M VERRILL


 なんで書いたのか、これがわからない そして続くかもわからない。それと僕はノンケです。ホモじゃありません。

 火炎放射で炙りながら他の攻撃を当てるとスタッガーの蓄積値が約、1.5倍ほど増えているようですね。少し当てて大型バズ一発で大半の機体はスタッガーします。ただ強いけど、対人でまず上澄みに火炎からのバズを当てるところから辛い現実である。
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