惑星封鎖機構の基地を襲撃して少し経った。あの時は驚いたよ、ACに乗ってみたらゲーム画面っていえばいいのか?自分の視点が第三者視点になるし、でも前方の画面も見えるしで目が増えたかのように一瞬混乱した。ACもゲーム感覚でコントローラーを動かすような感覚だったので、スムーズに動かせたのは幸いだった…。
『ぎゃぁぁぁ!?火、ひがァぁぁ゛ぁ゛ぁ゛ア…』
…惑星封鎖機構のMTを焼いた時、パイロットから悲鳴が聞こえた。でも俺は何も感じなかった。まるで殺すのを日常として受け入れているかのように…日ごろから殺していたのだろうか?この肉体の人物は傭兵だった、ならば当然大小少なかれ殺しも行うだろう。それとも、強化人間だからだろうか…。
この肉体の人物は強化人間だ。何世代かは不明だが、少なからずラップ巻きじゃない…いや、あれは運ぶためにラップ巻きだったのか?まあいい、621のような旧世代型の強化人間ではないだろうとは思う。少なからず頭をコーラルで焼かれた跡は見れない、あとルビコンで流行ってるヤバい薬というかコーラルを接種していた様子もないから、純粋?な強化人間の独立傭兵だったのだろうと考えた。旧世代だと身体機能は必要最低限まで削ぎ落とされているらしいしね。ラップの下は皮膚なし人間とかもあり得る話だ、実は女の子概念とか様々な憶測はあったが…現実的にAC世界観的に可能性はゼロに近い。メタ的に言えば、フ〇ムが関わってる物語でハッピーエンド的な終わりなんてほぼ無いだろ?つまりそういうことだ。
「う~ん、今日もいい天気」
外は雪景色である。しかも寒い。厚着を見つけたので着込んでも寒いレベルで寒い。しかも…ドックコンテナの外は山の中だった。あの時は唖然としたね、ドックコンテナを改造したのか、俺が最初に寝ていた部屋は増設した部分らしかった。というか、だいぶ増設された跡があり、ここで暮らすために最低限の設備(トイレや発電機)があった。このコンテナはたぶんゲームでウォルターが621をヘリでウォッチポイントに運んでいたような設計で作られたはずだ。これでは運ぶのは無理であろう、最初から住むために準備したと見ていいだろう。
「やめたくなりますよ~部活~」
傭兵になんでなったんだろうね、この元の肉体の人は…俺だったらACを動かせても民間企業に就職して細々と暮らすことを選択してる。まあ、AC世界の企業に就職するのもリスクだらけだけどね…。
これはあくまで推測だが、この歪な生活背景になった原因は主に2つだと思ってる。一つは傭兵で恨みを買いやすいから、二つ目はこの星であるルビコンにまともな建造物がないから。正確に言えばまともな人物じゃない傭兵に手を貸してくれるルビコンの住人がほぼいないからだろう。
一つ目はすぐ思いつくだろう、次の日には敵に味方にフラフラとしてる奴を信用なんてできないし、昨日まで同じ戦場にいた戦友だと思った相手が手のひら返し。恨みを買って当然だ、621はウォルターといった事後処理担当、それに後に心強いサポータであったカーラ、そして相棒であるエア等の存在があったからこそ、あそこまで上手く動けたと言っていい。621自身のAC能力は桁違いであるのは言わずもがなだが、単体だけで見たら戦闘が強いだけでその他アクセスなどの細かい処理はウォルターかエアがいないとロクにできなかった。結局、そういった事柄の対処できる能力あるいは担当がいない独立傭兵は細々と逃げ隠れしながら過ごすしか落ち着ける日々を得られないということだ。
傭兵業何年目かは知らないけど…ランク圏外のおっさんなんて…でも過ごせるだけの設備を整えられてるのは普通に凄いと思う。
二つ目は…まあ当然だけど、現在のルビコン全体で戦争中だ。ルビコン解放戦線とか、原住民のルビコニアン達が傭兵に家とか提供してくれるかっていう問題だ。勿論、同士としてルビコン解放戦線に所属すれば住居ぐらいくれるかもしれないが…普通に考えて独立傭兵してる奴がどこかの所属になるにしても、惑星封鎖機構や他の企業に比べて自警団レベルの連中の仲間になる選択はほぼ無いだろう。実際、惑星封鎖機構は当然相手にならない。企業も普通なら同様な末路であろう…裏からの支援が無ければね。それはいいとして、ルビコニアン達にとって味方じゃないなら死ねが普通の対応だということだ。621が何かと解放戦線からアプローチ受けてたのは、実力を示し続けたからこそだからね。
あと住む場所候補としてグリッドがある。メガストラクチャーの建造物で、主にドーザーのたまり場・・・普通に考えてね?〇斗の拳世界のヒャッハー集団みたいな奴らのアジト付近に拠点作りたいの?安全のあの字すらないし、このおっさん弱かったし。それが無くてもグリッドはアイビスの火以前からの建造物であり、経年劣化等でいつ崩壊するかわからない不安定な地盤なのだ。いくら頑丈でも装備によって数百tとなったACがガコン、ガコン飛んだり跳ねたり繰り返すんだよ?普通に安心できないだろ、だからこそ修繕できたカーラによるRadが勢力を拡大できる基盤にもなっていたのだから…その他ドーザーは単純に考える頭がないだけだけどね。
「腹減ったなぁ」
俺はカロリーバーの袋を開け、大味の砂糖と塩を混ぜた〇ッピーターンみたいな味のバーを食べた。これはこの間のベイラムとの共闘時に貰った物だ。G7 ハークラー その人から直々に箱詰めのレーションなど笑顔で受け取った。
『俺たちが生き残ったのはお前が来たこそだ!礼を言う傭兵』
惑星封鎖機構の大型ヘリを落とした後、残党たちが撤退を開始した。追撃しようか迷ったが、ベイラム側からミッション完了のメッセージが来たので追撃はしなかった。この後どうしようかと思ったら、最初の通信である。
『直接会って礼を言いたい!降りてきてくれるか?』
「…」
『…いやすまない、傭兵であるお前に無理を言ったな』
俺は一瞬降りようかと思ったが…今の俺は独立傭兵、下手な馴れ合いは後に響くのではと冷静に思考を回したのも一つ…もう一つは…
しゃ、喋りたくねぇ!
このクソ変換和訳機能の事である。だがこの時の俺は生活の、特に食糧問題について考えていた。このままコミュニケーションを拒否し続けた場合、もしかしたら飢え死にの可能性も出てくるのだ。真剣に考えた上で答えた。
「見たけりゃ見せてやるよ」
『そうか!ならその顔、ぜひ覚えて帰らせてもらう!』
そして俺のACを着陸させ、彼と出会った。その後ろにはMTに乗っていたであろうベイラム兵士諸君もぞろぞろと並んでいた。
「俺はG7 ハークラー 改めて礼を言う。データ上ではノーネームとあったが、合っているか?」
「そうだよ」
「そうか、独立傭兵ノーネーム!貴殿の働きにより、俺や仲間の今がある!」
そう言った直後、後ろにいた兵士含め敬礼をされた…その部隊としての動作に呆然としてしまう。だって知識ではしょせん、独立傭兵は使い捨てレベルの連中が普通だと思っていたのだ。確かにレッドガン隊員たちは熱い連中だったが、それは621のような特別な存在に対してのみだと思っていた。
「俺は借りは返すと決めている。お前が独立傭兵であっても、助けを呼べば飛んでいくさ」
え、なにこのイケメン…顔は強面の兄ちゃんだけど、中身がイケてる。
「それにしても、ノーネーム あんたはランク圏外らしいが嘘だろ?身分を偽るにしても今回の件といい、何か…あるのか?」
あ、あー…どうすればいいか…うん、ごり押しだ。
「腹減ったなぁ」
「ん?」
「腹減ったなぁ」
「確か食料の備蓄は残ってたはずだが、いるか?」
「ありがとナス」
「ナス?まあいいか…!悪かったな、聞かれたくないことだったんだろ?」
「もう許せるぞオイ!」
「ははは!面白い御仁だ!隊長も時間があればお前と話したかったようだが、今回の件について報告があると今はいない。だがまたいつか会おう!その時は敵でないことを望むがな!」
…とまあ、こんな感じでしたねぇ。そのまま食料貰って皆さんから手を振られながら戻ったと、いい感じに終わった!…となればよかったね…。帰宅までは問題なかったんだよ、自宅はビーコンがあるらしく、画面上にマーカーが表示されて迷わなかった。それでね、オールマインドに報告したわけよ。
『独立傭兵 ノーネーム 貴方の帰還を歓迎します』
まあ最初の挨拶はよかった。
『貴方のような傭兵が生き残り 次に活かす機会に恵まれたことをオールマインドはとても喜んでいます』
なんか棘がある言い方をされながら依頼達成画面である通貨の CORM 確認画面を表示された。そこで表示された額に俺は口を開けて唖然とした…。
1000 CORM
「お前精神状態おかしいよ…」
『オールマインドは傭兵支援システムであり 人類の心による不調は存在いたしません』
いやいやいや!と心の中で突っ込み入れたね!なんで1000だけなの?大型ヘリでしょ、大型MT少なくとも3体、そしてMT多数、さすがに全体の撃破数は覚えてないけどあまりにも少なすぎる!ハッキングは単純に技量がなかったからできなかったけどおかしい!
『今回の任務はオールマインドの仲介手数料が発生します ご確認ください』
なになに…タッチパネルで手数料部分の説明があったので確認すると・・・燃料補充はいいだろ…は?
「こんな…狭い部屋で14万て…ぼったくりやろこれ!」
『部屋とは仲介に関する表現として受け取ります それと14万ではなく 69万9千9百CORMとなります』
「冗談はよしてくれ」
『失礼ながら独立傭兵ノーネーム 貴方のランクに合った任務の斡旋及び仲介 そして 傭兵としての技量を存分に発揮して頂いたことによるオールマインドへの各企業 傭兵等の信頼の損失 ベイラムからの事実確認への対処 アリーナ及び傭兵ランクの適正真偽・・・・・貴方の傭兵としての技量向上に貢献できたことをオールマインドはとても嬉しく思っております』
「すいません許してください!何でもしますから!」
『そうですか では またいずれ』
…まあ、なんだ。1000でもいいよな!マジでオールマインドさんの仲介無いと死活問題だ、それと説明されなかったが俺のランクが上がったらしい。まだランク圏外ではあるが、100位ぐらいだったのが一気に40位ぐらいになったらしい。それでもランク圏外だが異常な上がり方だ。インビンシブル・ラミーが29位だから、このまま任務を受け続ければ一気にランク圏内に行けそうだ!単純にうれしい…でも、上がりすぎたら上がりすぎたで標的にされやすいのが傭兵なんだよね。指定任務とか直接依頼を受ける機会が増えるのはいい、でもランクが上がると危険な依頼も…あれ?最初から危険だったよね、俺だから行けたけど普通は死ぬよね?・・・まあいいか。
「悲しいなぁ…」
これが現実!…まあそうだよね、オールマインドからしたら二重三重に仕事増やしやがって!だよね。たぶん俺が死んでもいいや感覚で適当に任務斡旋したと思ったら技量詐称されてたという。自称人間を管理するAIでありながら手玉に取られた挙句、各勢力からの信頼の損失まで招きやがったクソ野郎になっちまった。ドンマイ!でも俺も被害者だから許してくれ!まあそれはそれとしてだ…。
「お前はもうこっから出れないんだよ!いや~キツイっす」
今はまだ貰った食料あるけど、このままだと備蓄が尽きる。オールマインドから購入できないかと思ったけど…あったよ?一応食料も購入欄にあったんだ。でもね…
『食料一式 15000 CORM 』
か、買えない…金が足りない…
高くねと思ったが、ルビコンの大地状態はアイビスの火から始まり、戦争によって荒れに荒れているのだ。適正なのだろうたぶん。
ルビコンの食糧と言えばミールワームだろう。コーラルを餌に育てた巨大ナメクジのような生物であり、ルビコニアンの主食らしい。大きいので大型犬並み、コーラルを食べまくって以上肥大化する場合もある。養殖している装置などがあることから、どこかに野生のミールワームがいる可能性がある。俺が唯一ルビコンで知ってる食料である。あとはアーキバスの味気ないレーションと泥のようなフィーカであろうか…ろくな食い物がない。
俺はため息を吐きながらオールマインドの端末まで歩いていく。すると点滅して新たなメッセージの通知がきていた、そういえばゲーム上だとCOMで新着メッセージを教えてくれていたが、あれはACと接続していないと聞けない音声機能だった。そりゃそうだと思ったよ、621は基本コックピットと接続しているはずだからね。
『独立傭兵ノーネーム 我々ルビコン解放戦線からの依頼を受けてもらいたい』
おう、解放戦線からか。初期の解放戦線は確か、企業の参入による勢力争いを利用したい連中と外からの侵略者なんていらないと否定する派閥との派閥争いがあったんだっけ?統領であるドルマヤンは既にやる気がなくて、というかセリアというcパルス変異波形を求めながら、コーラルは危険であると人間としての使命を優先しようと考えているが独自、暴走?の類になって老害と見なされている状態のはずだ。
『依頼内容は護衛 BAWSに我々が依頼したACの輸送を頼みたい』
BAWSか、解放戦線だけじゃなくて惑星外企業とも取引してるコウモリ企業だ。ガンダムのアナ〇イムみたいな企業と言えばいいのか、でも比較的解放戦線よりではある企業かな?そこにACかぁ…BAWS製のパーツってクセが強くて、どんなアセンなんだろね。接近戦主体ならBAWS製でもいいと思うけど。
『ACに搭乗するインデックス・ダナムも一緒に同行する予定だ 独立傭兵ノーネーム 貴方の連絡を期待している』
インデックス・ダナム…あーマジですか、本編に搭乗する人物ですか…というと、あの機体かゲームで多重ダム襲撃で出てきた。あれかぁ…あんな機体って言ったら悪いかもしれないけど、でもなぁ。インデックス・ダナム自体が適正がほぼ無いと断言されてるレベルの人物だし、土木建築の方が得意な人物を前線に出すなと言いたいが。人材不足なんだろうね解放戦線。
報酬 50000 CORM
安い…でも妥当なのかもな、ランク外の傭兵レベルだと。
「オールマインド」
『傭兵支援システム オールマインドです 依頼を受諾いたしますか』
「かしこまり!」
『承知いたしました また今回も仲介を取らせていただきます事を予めお伝えいたします』
「ジュージューになるまで焼くからな?」
『独立傭兵ノーネーム 貴方のご活躍を楽しみにしています』
オールマインドさん?まだ怒ってますよね…
「おう、冷えてるか〜?」
あ…
『オールマインドは冷えております 独立傭兵ノーネーム』
BAWS製の腕は近接武器適正最強クラスだ!でもなぜか接近武器を製造してない謎である。まあ、シュナイダーよりマシと考えればいい。