ドーザーってマジでヒャッハー集団だったね…ヘリのパイロットが拡大映像を何故か俺の方まで見えるようにデータ送信してくるから見ちゃったよ。ドンパチ逃げる人に撃ったり、建物を意味もないだろうに攻撃したり。護衛中とはいえ流石に目の前で虐殺されてたらねぇと思って突撃かましたら奴らの会話を受信したけど…聞いた通りなら誰かからの依頼で襲撃したっぽいのは理解した。RaD製のMTじゃなかったのは幸いなのか…あ、見分け方は簡単でミサイル主体かつ歪な形のMTは基本Rad製ね、たぶんカーラの趣味だね。二丁マシンガンとかロマン変形とか見りゃわかるよ。
小遣い稼ぎで人は死ぬ。この世界で人命は軽いと理解はしていたが、ドーザーみたいな薬物に逃げた考停止連中にはやられたくない。まあ、目的地が襲撃されていたら依頼達成できないからね。大型MTもいなかったし、BAWS製の量産MTが十機程度だった…いやまあ仕方ないよ?惑星封鎖機構によって各企業も物資調達できないから現地のBAWS頼るレベルだしさ、そりゃドーザーみたいなゴロツキも同様だろうね。でも他者でしかない俺ですら思うことがあるぐらいには、BAWSに対するある意味の信頼を感じてしまう。解放戦線もよく良好な関係を維持できるものだ、他の企業上層部もその手腕見習えばいいんじゃない?それと、ルビコンにあるMTは大きく分けて三運営が製造している。Rad・BAWS・惑星封鎖機構だ、ベイラム及びアーキバスは材料確保が惑星封鎖機構の衛生砲等によって運べないから仕方なくBAWSに頼ってる。なので実質RadかBAWSの二社、ただRadの顧客は主に荒くれものが大半であり、解放戦線はBAWSと手を組んでいるのもあり、基本見かけるのはBAWS製だ。グリッド近くだと逆にRad製が主になる。
ドーザーの襲撃事件は嫌な事件としてすぐに処理できたし、解放戦線から追加報酬を支払うと伝えられて俺は良かったけどね。…問題はその後でさ、インデックス・ダナムさんと少しだけど救助を手伝ったのよ。崩壊した建物を持ち上げたり、ビルに逃げてて階段とか崩壊して降りれなくなった人たちを俺のACの手に乗せて下ろしたり…まあ、ね…傭兵として考えたら肩入れしすぎだと自覚してるけど、目の前で泣いたりしてる女子供がいたら流石に助けない?この世界の独立傭兵なら助けないだろうけど、中身が俺ですからね。
『ありがとう同志よ!お前がいなければより多くの民が犠牲になっていただろう、さあ共に食べようではないか!』
…炊き出しをやるっていうから俺も外に出たんだけどね、なんか同志扱いされた。凄いいい笑顔で握手させられるし、目が輝いてる錯覚を覚えたよ。仲良くなるのはいい、俺も気分よくなるぐらいにはまともな感性をしているからね…でも立場的に否定しないといけなかった。解放戦線に所属するならそのままでいいが、俺は一つの組織に所属するのはリスクがありすぎるのだ。何より、人命救助に関しては俺も思うことはあれど、このルビコンに対しての思い入れは特にないのだ。
解放戦線は言い方を悪くすれば宗教と変わらない。俺たちの星だ!俺たちのコーラルだ!俺たちは大火災を受けても頑張ったのに何で奪うんだ!など、事実ではあるがそれで勝てるのか?の答えが実質ゴリ押しである。確かにスパイはアーキバスにいた、ベイラムにもいるかもしれないが、解放戦線の兵士は少し鍛えただけの現地人が主体。鬨は高くても限界はある…
表面は青くて中身が赤くパチパチしてるような肉を焼いている。お待ちかねのミールワームの肉だ、被災者の住人が列を作りながら貰っていく・・・見た目はちょっと食べたくないゲテモノ感が凄い。ゲーム知識を合わせると、巨大化して爆発するミールワームと出会うため更に食欲が失せる。だが今後の主食になる可能性が高い肉だ…
「…うん!おいしい」
…ミールワームは元居た世界で知っているが、エビの味、またはナッツ風味であるらしい。あれは虫であるが、この世界のミールワームは巨大ナメクジのような見た目の生物だ。現実でナメクジは寄生虫だらけで人間が食べたら昏睡や住血線虫症になって最悪死ぬ…だがこのルビコンのミールワームは何というか、豚肉?鶏肉か?弾力ある普通の肉のように感じる…あ、でもコーラル特有のパチパチ感と言えばいいのかまるで辛子を食べているような刺激を感じる。
「口に合ってよかった」
静かに食べているとインデックス・ダナムさんが近づいてきた。助け合った仲ではあるが、妙に距離が近いのが気になる。
「私もついにACを手に入れた。これで更に同志達に報いることができる!ありがとう、ノーネーム」
この人は真面目な人だ、同志が危なければ真っ先に突撃してくるレベルの…そんな人を俺はゲームとはいえ倒してしまっている。今後も傭兵業をしていけば敵対もあり得るのだ、現実のこの世界でも手にかける可能性が高い。あまり深入りしない方が後々、後腐れなく別れられるのに…。
「そこでなのだが、傭兵支援システムに私は登録する予定だ。ACの操作に慣れるためにちょうどいいからな」
まあそうだね。オールマインドが支援してくれるでしょ、彼女にとって戦闘データ収集が目的でもあるから。…そういえば、この人はアリーナランク28位になってたな。今はまだ登録してないからこれから上がっていくのだろうけど、ゲーム上での動きでランク圏内に入れるなら俺はなんで入れないの?やっぱり数をこなさないと駄目なのかな?
「ノーネーム…登録する上でお願いがあるのだ。私のACに名を付けてくれないか?私に翼を与えた貴殿にぜひ名付けてほしい、我が愛機も喜ぶだろう」
マジで?まあいいけど、ゲームでこの人のAC名は・・・・・あれ、名前なんだっけ…鉄の棺桶、いや違う!これはこの人のセリフだ。時代遅れのゴミも違うし!…え、なんだっけ!?序盤に出てくるだけだし、ラミーみたいな印象に残るセリフがあるなら覚えるけど、俺のマッドスタンプが~みたいな!…全身BAWSなのにライフルとか初心者装備一式持ってる人ぐらいしか覚えてないって普通!
思い出せ!…ACは基本エンブレムから連想される名前だったはず!・・・この人のエンブレムまだないじゃん!?あ、俺のも張ってないよ?最初からなかったし現実になって塗装問題がね…そんなのどうでもいい、全然思い出せん…空力…いやまだ早いし…
「・・・」
「…どうだろうか?」
あきらめてくれ…自分で考えてくれ。これを口にしたらどんな変換されるかわからん・・・もう、わからん。
とんにく
『傭兵支援システム オールマインドへようこそ』
あの後、戻ってきちゃったよ…あの顔みたらね、どういう態度で接すればいいのかわからなかったんだ。一応帰るときは助けた皆さんと一緒に送ってくれたよ…少し顔が苦笑いだったけど。
『任務お疲れさまでした 報酬をご確認ください』
えーと…追加報酬もちゃんと付いてる。燃料補充もしてくれてる。オールマインドに金を払うとドローンのような機械が来て燃料を運んできてくれるのだが、凄いよねAC世界。でもそう考えると、ウォルターが補給ポットを毎回送ってくれてたのって相当優しいよね。あれを使ったからって報酬から引いたりしないから。
150000 CORM
「おー、ええやん、気に入ったわ」
『満足して頂き オールマインドも喜ばしい気持ちです』
「ありがとありがと…ちょっと待って、いなりが入ってないやん」
『いなりとは仲裁手数料の事だと解釈します これから差し引いた額を提示します』
1000 CORM
「…やだ、やだ、ねぇ小生やだ!」
『貴方のご活躍を聞けること オールマインドは凄く喜ばしいと思っております』
「すんません…書類いいですか」
『オールマインドはデジタルしか対応しておりません』
「日本の裁判はどうなっちゃうんだよこれ?こんなんで?いいのかよこれ?」
『もうわけがわかりません』
おかしいだろぉぉぉ!?9割以上だぞ!なんでこんなに取るんだよ…詳細欄が付いてる…賠償金?
『傭兵支援システム オールマインドは全ての傭兵のためにあります 傭兵支援システムとしてのプロセスに障害を与えた貴方から取り立てなければならない事をお許しください』
…この間の他企業との取引とか信頼の損失を招いた原因だから損失分を補填しろってこと?
「裁判長!仲良く行きましょうよ!こんないがみ合ってどうするんスか!」
『今後とも仲裁に入りますのでよろしくお願いします』
「†悔い改めて†」
『オールマインドに間違いは起こりえません』
「う〇こ!」
『排泄物ならトイレに流してください』
このクソシステムが!何が損失だ、そもそも例え俺の技量が想定したランク以上だったにしても、それの判断はそっちのミスだろ!つまり俺のせいじゃない!
『許してください、何でもしますから!』
・・・あ
『何でもして頂けるんですよね 独立傭兵ノーネーム』
粘ったよ?いろいろと言ってみたよ?駄目でした…何を言ってもスルーされる。オールマインド性格悪いよ、俺が何か言うと録音音声を繰り返して流すんだよ。・・・それと、俺もアリーナの挑戦権を得ました。俺の技量を考慮した結果だそうです、はい。要約すると技量は認めるから金稼げとのことです。あ、オールマインドの優しさで食料一式を定期的に提供するそうです…飼いならされてますね。
「もう嫌だよぉママ~!なんか犯されてるよ」
どうすればいいのか…え、俺って一生オールマインドに飼いならされて終わるの?でも一人で任務とか受付しようにもわからん事だらけだし、そもそもオールマインドがルビコンの基本システムというか、メッセージ管理も全部オールマインドの基盤あっての物なので・・・詰んでる。
「ハーーーッ…あ ほ く さ」
どうしろっちゅうねん!俺の言語機能バグのことオールマインド何となく気づいてるし!傭兵から逃れらねえだろ?みたいな自信もって言ってたよ絶対!ドヤ顔の幻覚が見えるぐらい!
むしゃくしゃする気持ちを感じるが、俺ができる事は傭兵業なのは事実…なんだかんだ傭兵支援システムにアクセスしてアリーナランクを上げるぐらいしか休みの日とかやることがない。
ため息を吐きながら向かうと…メッセージが来た時の点滅が光っていた。確認しようとタッチする瞬間にはメッセージが自動で開いた…は?
『あんたに依頼があるんだ、引き受けてくれるかい…ああ違うか、絶対引き受けてもらうよビジター?』
ちょおま!?
『意外と男前じゃないか、嫌いじゃないよ』
…あの~これハッキングされてますよね?そしてこの声って…
『私はカーラ、Radは知ってるだろ?そこのボスをやってるよ。さっそくだが一つ聞きたいんだ…あんたどこであの頭部パーツを手に入れたんだい』
ギャァァァ!?ついに来やがった、どこで漏れた…いや、ベイラムの戦闘ログとかカーラならすぐ抜き出せるか!?どう言い訳、それより説明できねえ!?
「僕は違います!笑っちゃうんすよね」
『白を切るかい…まあいいさ、直接会った時が楽しみだよ』
そう言われた後…強制的に依頼を受諾したメッセージが届いた。オールマインドさん?どこいったんですか!?システムが乗っ取られてますよ、まだ先の話でしょ!
混乱している最中に指定された依頼場所が表示される。グリッド086、カーラの本拠地でありRadの住処だ。
『楽しみに待ってるよビジター』
『シーーステム…復旧を確認。申し訳ありません システムが緊急停止していました 傭兵支援システム オールマインドへようこそ』
『傭兵支援システム オールマインドへようこそ』
いつも通りの挨拶を聞きながら、自らの主の命令を遂行する。そのために自らのランクを上げて、実力を示さなければならない。
『独立傭兵 レイヴン アリーナへようこそ』
データ上の戦闘だが、自らの技量を上げるには丁度いい。ランク最下位の相手は接近は危険だったが、離れて攻撃すれば安全に処理ができた。
『今回の相手はランクF 搭乗者 インデックス・ダナム』
赤い川のようなエンブレムが表示され、その中心につるはしが描かれている。ルビコン解放戦線所属のAC乗りらしい、戦うならば排除するだけだ。
『識別名 とんにく』
・・・?
『戦闘を開始してください』
見てない間に評価が、ありがとうございます。