焼き入れてやるから来い   作:記憶破損

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グリッド到着 カーラに出会う前まで


グリッド到着~

 

 疲れた…スウィンバーンめ、ただ通りたいだけなのに邪魔をするから!・・・流石に周りをMTで囲まれだしたら攻撃してしまったが、やっぱキツイなAC戦。

別に相手を倒すことに何も感じないが、単純に相手のAPを削る作業が面倒だ。バルスアーマーも展開するし更に面倒、というか萎えたからスルーして来ちゃったよ。それに現実とゲーム多少違えどAP量等は同じなはず、自分のACのAPもゲームと同じ12000程度表示されている。流石に爆風など少しかすっていたようだ、500程度のダメージを負っていた。問題ない範囲だが、現実になってAP管理は大事な要素である。

 

 現実になってAPとは実質、俺自身の命と同等な意味だ。ACの限界耐久値であるが、ACが動かなくなるとは死に直結する。でも俺はAPが減っても嫌だな程度の感覚しか覚えない、ゲーム感覚が抜けない・・・今現在もゲーム画面の延長上のような感覚で動かしている為であろうが、自分の命も遊び半分で賭けて戦える。それが良いのか悪いのかは知らんが、リトライは現実でないのは理解しているつもりだ。脱出システムも現実になって自分のACにあるのを確認したが…独立傭兵の俺が逃げる場所ないじゃん?なので実質ACが落ちる時、俺も死ぬ。そこら辺の覚悟はもうある。

 

 初のAC戦をしてわかったこと…うん、苦行!わかってたけどさ!パーツ破壊からのコックピットに火炎放射とかラッキーパンチも現実なら起こりえると理解しているが、ラッキーがなければAPを削り切らないといけないわけだ。スウィンバーンのACはAP約10000程だ、ACの蹴り威力は機体総重量によって変わる。俺のACなら約500程度のダメージだ。そこに毎秒70×2の火炎放射をプラスしてどれぐらい倒すのに時間がかかるか?相手が動かないにしてもブースト等の動作を含めて下手すれば1分以上はかかるのだ。勿論、相手も動くし反撃もしてくるわけで…動き自体はゲーム同様そこまでではなかったからどうとでもなったが、本気で倒そうと思うと面倒の一言だ。まあ、それを言ったら他のACもそうなのだが…スウィンバーンの場合は更にパルスアーマー持ちなので展開されると火炎放射を一定時間防がれる。つまり時間がかかる、ゲーム感覚の俺が悪いんだろうが、とても面倒だ。俺は面倒が嫌いなんだ。

 

 …ゲームと同じ仕様だと、スウィンバーンは実はチート持ちだったりする。体力を一定削ると命乞いをしながらパルスアーマーを使うのだが、通常の戦闘中でもパルスアーマーを使用する。アーマーが解けた直後に体力を削ると何故か命乞いの際再度パルスアーマーを展開してくるのだ。本来アーマー系には発動後のインターバルが存在するが、それを無視して展開する。実はバルテウスなど一部の機体以外だと再インターバル無視して展開するのはスウィンバーンのみだったりする。ま、だからなんだと言われればそれまでだが。あの戦闘時に連続でパルスアーマーを展開する可能性があったという、NESTで偶にマッチングしたガチのチート使用者みたいな事をされる可能性が頭をよぎった、ただそれだけだ。そういったことも思い出したりして萎えが加速したとも言える。

 

 スウィンバーンの武装自体は微妙なアセンなので、本気で戦おうと思えば倒せる…相手を捕獲する事を考え~と設定上あったが、スタンバトンぐらいしかスタン系がない。他はミサイルという無難装備、まったく捕獲する気配が見えない。両腕スタンガンぐらい装備してみろよ、それにプラスしてヨーヨーを持つだけでガチアセンの出来上がりなのに…いや本当にスタンガンはガチで強いDPS出せるし、連続で当てればスタン状態で動きも止めれる。唯一スタッガーが狙いずらい点が弱みだが、それ以外は欠点が特にない強武器だ。これを装備してたらそれだけでアリーナランク7段ぐらい上にいたと思う。実際NESTのSランク上位でスタンガン持ちがいるレベルだ。まあ、Sランクにも4脚使いが上位にいるが…戦い方がもう対戦というより作業になってるけどね。

 

 

 

 

「太い、太い、太い、太いわ〜」

 

 まあそんなことよりやっと着いた…グリッドだ。多くの巨大建造物が立ち並ぶ摩天楼の如く、俺のACがちっぽけな存在に見える。現実に見るとその大きさに圧倒される感覚、東京に出てビル街に初めて行った時のような懐かしい感覚を覚えた。

 

 西南方向に直線で向かった為、ベリウス砂漠方面には出ず直接グリッドのあるアイビスの火以前の旧建設区画へ来れた。カーラからのマップ情報がなければ迷っていた自信があるほど、多重構造グリッドは迷路である。グリッドは他のグリッドを繋げ耐久を確保している構造上、破損していなければグリッド間の通路は繋がっている。大半は倒壊などして使えないが、使える通路は未だにドーザーやRadでさえ使用しているようだ。

 

『なんだぁこいつッ!グあぁぁ!?』

 

 道中にいたドーザーMTは蹴り飛ばした。仕方ないんだ、いきなりミサイルぶっ放そうとする頭がミサイルカーニバルな奴ばかりだし…そして思った通り、グリッド周辺のMTはRad製になっている。BAWS製も中にはいたが、比率ではRad製が大半だった。まあ、それはいいんだがミサイルを撃つな!修繕もしてない建物内でなんでミサイル打てるんだお前ら!だからコーラルキメテル奴は困る!避けたミサイルが当たった個所を中心に嫌な音が響いたり、現実になって崩壊の兆しが見え隠れしてて精神に悪い…。

 

 …それと残念なお知らせがある。スウィンバーンから連戦のせいで火炎放射の燃料が半分を切った、まだあるが一応遠距離武器が使えないのは困る。補給地点・・・ウォルターよ、面識のない俺にも補給をくれ。ここには金をむしり取る傭兵支援システムしかいないんだ…

 

 いっそ相手から奪うかと思ったりもしたが…ACパーツは商品なわけで、製造コードや型番もあるわけだ。奪ったバーツを使用してたら勿論犯人だとすぐわかる。ジャンク品とか扱ってる場所、Radもそうだがリサイクルパーツを売ってる奴らはそういった認証コードを改ざんあるいは上書きができる。そういった技術がないと盗品は危険性が高いのだ。盗人となれば当然信用は低下するだろうし、奪った相手か類敵に狙われやすくなる・・・購入するしかない。いつになるかわからんがな!

 

 最終手段でルビコン神拳もあるが…現実になって武器を手放すは勇気がいる。補給問題が第一だが、殴り合いで全敵相手するのは流石に現実的じゃない。相手からしてもじょ、冗談じゃ状態だ、火炎放射も大概だが…蹴りも整備しないでやりすぎればACといえど破損するのが現実だ。アサルトアーマーも同様、ENを高めてパルスを察生させるとかジェネレータ負荷が・・・整備するのも金が必要、つまり金、何をするにしてもCORMが必要だ。現実は非情である、まあ戦闘中に破損リスクなんて考えていないがな…金、金か…。

 

「硬くなってんぜ。溜まってんなあおい…ないです」

 

 ・・・垂直カタパルト前まで来たが動く気配がない。あと少しでグリッド086なのに上に行けない、ブーストで飛べなくはないが…ハッキングしないと動かない類の物多いんだよね、エアちゃんの有能性を実感するこの頃。ハッキング系の依頼全般俺はできないので、情報戦が論外です。オワコンですわ…飛ぶか。

 

 適当に乗れそうな場所で休憩を挟みつつ、ブーストを駆使してグリッド086に近づいていく…Radが修繕しているとすぐわかるぐらいには、他のグリッドと違い土台の安定感が違っていた。何より足場であるパイプ等がしっかり繋がって稼働しているのが目に映る。ゲームと同様にMTが多数設置されていたが攻撃されず佇んでいる…攻撃されないなら壊す必要がない、それに元々ドーザー対策の無人MTと知ってるので意味のない破壊をする必要がない。何より今回は依頼で来ているので・・・先方のMTを無暗に破壊したら賠償請求される可能性がある。借金だけはしたくない!ノーザークみたいに踏み倒すぐらいしかできんぞ今の俺!

 

『受け取らないのかいビジター』

「フぁ!?」

 

 そのまま先に進もうと機体を動かしているとカーラから通信が来た、突然だったため機体を止める。受け取らないとは?と意味が分からなかったが、カーラは話を続けた。いや、そもそも俺は通信を受ける設定に…はい、カーラだからね、オールマインドにできてカーラにハッキングできないはずがないか。

 

『まあいいさ、依頼通り来たようだね。依頼中にアーキバスに喧嘩売るなんて笑えるじゃないか』

「先輩!?何してんすか!止めて下さいよホントに!」

『先輩ね…あんたみたいな後輩はいないはずだが、いいよ。先輩として歓迎しようじゃないか、私のところまで早く来な後輩』

 

 これがRad流ですか…それと別に俺も後輩じゃないので。

 

 

 

 

 


 

 

 そいつは依頼通りにやって来た。道中も観察していたが、アーキバスの人攫い連中を懲らしめるとは偽善と捉えるか否か…一部の解放戦線の間で奴の友軍識別コードを発行されてまだ新しい。解放戦線と繋がりなんて調べてもデータ上はなかったが、近くに拠点がある時点で繋がってると見て考えた方がいい。

 

「チャティ、バレてるようだね」

『すまない、ボス…痕跡は残していなかった、ビジターも調べる様子は見られなかった』

「へぇ…先輩呼びといい、私の後輩ってのもあながち間違いじゃないのかもね、調べておくか」

『穴…がち』

「どうしたチャティ?」

『いや…なんでもない…です』

「ん?まあいいさ、引き続きビジターのところで情報を集めてくれ。笑える奴ならより歓迎してやるさ」

『笑える…笑っちゃいます…よ』

「…どうしたんだい、さっきから」

『ビジターの言語を解析していたが…我々の言語表現とは異なる発音で表現している。言語プログラムの再調整で翻訳している』

「それは…強化手術の際の後遺症…」

『いや違う…言語自体の意味は存在した言葉を発している。ただ、その場に適した言葉を発せていない。日常的に発音を繰り返し、確かめている様子も確認した』

「学がないとも違うか…いいさ、どっちにしろ調べておくさ。引き続き監視を続けな」

『そうだよ、ボス』

 

 カーラは依頼を出した際のメッセージデータ内にチャティ・スティック、己が生み出したシステム担当を忍ばせていた。相手側がプログラムに違和感を持てばよし、持たなくてもよし、相応の相手として対応するだけだった。だがその答えは回答しない…相手側がアクションを起こさず、ただ淡々と任務をこなす様子を写すのみ、傭兵支援システムから法外な請求を食らいながら受け入れている謎の傭兵。調べれば調べるほどわからない相手とわかるだけだった。

 

 HAL826…旧友であるウォルターのACパーツを持っているとミシガンから連絡を受け、すぐに調べたが…わからなかった。正確には独立傭兵ノーネームについては理解した、そこらにいるドーザー連中よりはマシな面白くないただの傭兵。過去に受けた依頼データを探っても、特変のない行動・技量。安い金で有利な側について二束三文な生活をして暮らす、行き場のない連中の中でもAC適正があったという運が良かっただけの存在のはず…だった。

 

 最近になって独立傭兵ノーネームは別人のような成果を叩き出している。惑星封鎖機構基地戦力の排除、解放戦線からの信頼獲得、アーキバスのヴェスパー部隊員との戦闘…文字通り別人が成り代わっていると考え調べても、ライセンスに細工した後もない。これはチャティにも支援システム内のデータ上で調べても同様。つまり本人の可能性が高い、またはこちらのよりシステムに対する理解が高いか…どっちにしても経歴は信用できないと結論付けた。垂直カタパルトに仕掛けていたのも感づいたのはお見事、傭兵支援システムの対応も、信用できない相手だから行っていると考えると笑えてくる。

 

「ビジター…あんたは何なんだ」

 

 自然と口が上がる。これでも長く生きていたが、ここまで理解できない輩は初めてだった。

 

「楽しそうですね。カーラ」

 

 モニター越しに起動させたMTを蹴散らすビジターを見ていると、荒くれ者の仲間とは思えないドーザーが近づいてきた。

 

「ブルートゥ、丁度いい。新しい客を出迎えてくれないかい?」 

「おや、カーラのご友人でしたか…でしたら、盛大に歓迎しましょう」

「やけに気合が入ってるね。何かビジターにされたかい」

「ご友人の活躍を見て、私のミルクトゥースも踊りたいようです」

「そうかい、なら盛大に歓迎してやりな」

 

 私らRaDは 来る者は拒まないのがモットーだ。

 

 

 

 

 

 

 

 そいつは突然やってきた。4脚のACはこの辺では見ない、つまり敵だ!

 

「ここが誰のシマだか分かってんのか?」

 

 俺たちのシマでドンパチ音が鳴り響いたと思った時、またドーザーが暴れに来たかと俺のマッドスタンプに乗って現場に向かった。無敵の俺と戦うなんて運がない奴だ。

 

 そいつのACに通信を入れた直後、俺の方に向かってブーストで飛んできた。マッドスタンプの左腕のチェーンソーを溜める。甲高い音を立てながら回転が早まる刃に自らの期待も高まっていく、これで殴れば相手は死ぬと。今までもこれで落としてきたはずだ、俺は生き残ってるのだから勝っている。ならこれで倒しているのだ。つまり無敵な俺はこれで勝ってる!

 

「ん!?当たらねえだと!なんで当たらねぇ!?っグぼぁ!?」

『おっ大丈夫か大丈夫か バッチェ冷えてますよ』

 

 直撃コースだと左腕を前に出した時には俺の上に敵がいて、見えなくなった。そして突然後ろから衝撃を受けたのだ。

 

「な、なんだ!?」

『先輩何してんすかまずいですよ!』

 

 後ろを振り向くと敵がいた!すぐに右腕のショットガンを放とうとすると、横に避けられた。敵は武器を持っているが使わず、こっちの様子を見ているだけだった。

 

『暴れんなよ…暴れんなよ…』

「なめんじゃねぇ!」

 

 もう一度チェーンソーを溜めて切り裂こうとすると、敵はまた俺の上を高速で飛んでいく!ロックオンが切れたが、いる場所はわかっている俺の後ろだ!そう思い、後ろに機体をすぐに回すようにチェーンソーも振り抜く・・・だが敵がいなかった。

 

『銀の龍の背に乗って~』

「うお!?」

 

 敵は上にいた。4脚を広げ滑空していたのだ、何故か俺の上で高速で機体を回しながら…凄い動きを目の当たりして硬直してしまう。自らのACには当たらない絶妙な位置加減、それにある意味神秘的光景に、コーラルをキメたラミーといえど現実を拒む状況だった。

 

「新しいご友人!さあ、楽しみましょう!」

『な、何故生きている!?この男は凶悪な精神犯罪者ではないのか』

「うおぃい!?俺に火を当てんじゃねぇぞブルートゥ!」

 

 俺が敵と戦っている間に同じRad所属のブルートゥが加勢に来た。だが敵は避けて、俺に火炎放射を直撃させてきたのはムカつく!

 

『待て!待ってくれ、石井くん!』

「石井って誰だ!」

「踊りましょうご友人!」

『溺れる!溺れる!』

「俺を無視してんじゃねぇ!」

 

 ブルートゥの火炎と合わせて攻撃していくと、奴も避けるのに限界が来たのかブーストを吹かし飛んできた!今度こそ当てるっなに!?俺をまた無視しやがったァぁぁ!

 

「どこに行くんですかご友人!」

「火で前が見えねぇだろうが!?」

 

 奴は俺たちを無視してボスのいるグリッドまで飛んでいく!

 

「ま、待ちやがれェぇぇ!」

「フラれてしまいましたか…ミルクトゥースも悲しんでいる…相手にもされないとは…不憫だ」

「追うぞ!ボスが」

 

 続きの言葉を発する前に…ボスの声がグリッドに響いた。

 

 

 

『もういい、ビジターはもう遊ぶ気が無いようだ。つまらないねぇ』

 

 

 同時に敵の友軍コードを送られた…。

 

「な、納得できねぇ!」

 

 その後…怒るラミーは大量のコーラルをキメて、今日のことは全部忘れたのだった。

 

 





 …なんでこんなに評価されてるのか、コレガワカラナイ。
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