勇者が死んでしまった後の世界で   作:のりしー

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現実とロマンの話

結婚式の3日後。

俺はロマリア城内で王と謁見していた。

 

「よく来てくれたマトリフ」

「は!」

 

今回は王としての立場だ。 

たまにバトルロードで会うときとは雰囲気が当然違い威厳がある。

「実はそちに頼みがあってな」

「何でございましょう?」

「私の個人的な相談役の立場について欲しいのだ」

「相談役…ですか?」

 

思わず聞き返してしまう。

 

相談役ねえ…

 

陛下には、俺が賢者になった事は伝えていない。

当然国でも諜報組織はあるだろうし、知っている可能性もあるが。

確信は無くとも特定は出来るのかもしれない。

そしてルドマン氏は聞かれれば答えねばならない立場だ。

それが娘婿だとしても。

大商会の長なのだし、当然の判断である。

 

そういう経路かもしれないな。

 

「常に登城の義務は無い。余が相談したい時に声をかけるゆえ、その時は相談にのって欲しいのだ」

つまりこれは囲い込みだ。

この世界何十年振りかに誕生した世界一人の賢者。

それを他所に出さずキープしたいのだろう。

 

為政者としては当然の判断だ。

「かしこまりました。不詳の身ではありますが、謹んでお受け致します」

 

断ることは、できない。

この王城に呼んだのだ。流石にそれは王のメンツを潰すことになる。

「よく、言ってくれた。まあ安心しろ。お主の力が必要になることなどそうそうないであろう。普段は今まで通りに生活するとよい」

そう言って軽くウインクする陛下。

 

あ、これは遊び人のときの顔だ。

【為政者としてやらねばならぬが、基本何もしないから安心しろ】

 

そう受け取っていいのだろうか?

多分大丈夫だろう。向こうは最悪俺がルーラで嫁連れてどこにでも逃げれるのを知っている。

 

それにこれはある意味有効活用できる。 

仮に勇者の仲間に誘われても、俺はロマリア王の相談役の立場を使い断ることも出来るだろう。

 

そう考えるとメリットもあるし、ひょっとしたら陛下もそこまで考えてのこの相談役の立場かもしれない。

 

「では下がってよいぞ」

「は!では失礼致します」

 

そう言って王城を出る。

 

さてこの後どうするか?

思ったより早く終わったので時間がある。

レベルも下がってるしレベリングするかな?

 

久々の賢者という呪文職になったのだ。

色々とやりたい事もある。

 

今のはメラゾーマではない、メラだ。

もそうだし、右手と左手で別々の呪文を使えるということは皆大好き合体呪文とかもあるわけで、ロマン枠は尽きることがない。

 

合体呪文もダイ大とロト紋とかあるしね。

 

とりあえず一度家に帰るか。

元々俺の住んでいた家は現在増築中。

結婚したので手狭なのだが、祖父と2人暮らしの時から愛着のある家なので、なんとか増築で住み続けられないかルドマン氏に相談していたのだ。

 

嫁さん2人も結婚前から入り浸っていたし、そこそこ愛着もあるので増築で異論はないとのこと。

費用はレベリングのついでにかなり稼いだ金があるので心配ない。

ルドマン氏推薦の大工職人にお願い出来たので、いい家が出来そうで楽しみである。

現実とロマンと色々帰りながら、嫁さん2人の待つ家に帰るのだった。

 

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