恥の多い生涯を送ってきました。
人間というか、転生者失格です…
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さて状況を整理しよう。
勇者は、生きている可能性は、ある。
これは原作知識があれば当然。
勇者の父オルテガも同じくネクロゴンド火口に落ちた。
そしてアレフガルドに辿り着くのである。
勇者であるアルスが簡単に死ぬとは思えない。
オルテガと同じく生きてアレフガルドに辿り着いている可能性は高いと思う。
ただ、アレフガルドに辿り着いたオルテガは酷い大ケガを負っていたようだ、そらそうなんだが。
アルスも同じだとしたら、すぐに治療を受けて戻ってこれるか分からない。
ポイント1は、キーアイテムを多く抱えたアルスが戻るまで、人類総力を上げ防御に徹するかどうか?だろう。
勇者が生きて戻ればそれ以上のことはない。ルーラもあるし。
こういう事があった以上、今度は俺も力を貸す。
ポイント2だが、勇者がキーアイテム抱えて死亡。回収も不可というパターンである。
これは最悪である。
まずオーブがどうやっても集まらない。
ラーミアが復活しないのだ。
バラモス城への侵攻。やまびこのぼうしの回収。その後竜の女王に会っての光の玉の受領。
ラーミアがいないだけで、全部詰む。
最悪の予想も言えば、他のナンバリング作にも影響がある。
…まあ、最悪最後は気にしなくてもいい。
今までの人生を振り返る。
「色々と選択肢失敗したなー…」
こんなことならもっと色々出来ただろうに。
一番痛いのは遊び人レベル45まで引っ張ったことだろう。
あれに費やした4年が、デカい。
レベル20まであげたらさっさと賢者になれば良かったのだ。
そして呪文を全て習得し、戦士か武道家になれば良かった。
これはメラではない、メラゾーマだとかもあまり時間をかけるべきではなかった。
合体呪文もロマン優先でやるべきでは無かった。
わかってるんだ、本当は。
最初に作るべき原作にない呪文。
それはトベルーラだって。
早めにトベルーラさえ作れば、なんならはやぶさの剣を地上で手に入れられる可能性すらあった。
本編開始前に早めにジパングに行き、嫁と逃げる前のマイラの鍛冶屋から買うだけなんだから。
ヒュプノスハントを覚え無かったのもデカい。
多分今作に今後もアップデートがないとすれば、安全性を確保しつつ最大火力を出せる最高の戦術がラリホーはやぶさヒュプノスハントである。
賢者のあとに物理職でレベリングし、トベルーラではやぶさの剣があれば、多分バラモスのソロ攻略すら可能だっただろう。
ラーミア使わず単独でバラモス城に行けばいい。
後は城の奥でふんぞり返るカバをラリホーで眠らせヒュプノスするだけである。
わかっているんだ本当に。
この事態は、俺の甘さが招いたことだって事は。
「…どうしたの?大丈夫、マトリフ?」
心配そうにこちらを見つめるミオ。
そうだ、別にソロ攻略にこだわる必要もなかった。
ただあの日。この子を助けたその時。
俺もアリアハンに一緒に行けば良かったのだ。
そして世界を一緒に救うのだ。
フローラ、ビアンカ、ゼシカ、レックス、タバサの顔が思い浮かぶ。
あの幸せな空間。それと引き換えにか?
引き換えに世界を救うのか?
…なんてことだ。
ああオルテガよ、貴方は本当に勇者だったんだな。
生まれたばかりの子と、家族を置いたまま何故貴方は世界を救うために旅立ったのか。旅立てたのか。
俺はこんなにも弱い。
皆を残して、バラモスを倒しゾーマを倒し、一人アレフガルドに残される。
それを考えると震えてしまうほど怖い。
「だ、大丈夫?おにーさん?」
実際に身体も震えていたのか?
少女3人が心配そうにこちらを見ていた。
「…ああ、大丈夫だ。すまない…」
「で、ですけれど」
「大丈夫。大丈夫なんだ」
そう、俺は大丈夫でなければならない。
この絶望的な状況で、俺は最悪を想定し立ち回る必要がある。
勇者が戻らない最悪の状況でも、バラモスを打倒し、ゾーマも倒す。
そしてロマリアの、あの家に帰るのだ絶対に。
優しかった祖父と暮らし、今も大切な家族達が暮らすあの家に。
大丈夫。
大丈夫だ。
俺は、大丈夫でなければいけない。
もうこの状況は、今までとこれからの俺の全てを注がなければ、何も解決出来ない。
皆を守る事は出来ないのだから。
言葉に出さず。そう心の中で決意する。
大切な事は声に出しては駄目なんだ。
やると決めた。
心で決めた。
ならば、後はやる為に全てを費やすだけなのだから。