勇者が死んでしまった後の世界で   作:のりしー

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ネクロゴンド総力戦3

対岸に渡ったことで舟を守る必要がなくなった俺は、ようやく守勢から攻勢にシフトすることが出来た。

 

魔力、かくせい…

 

「バギクロス!バギクロス!」

 

ガメゴンロードを避けながら呪文を前方に放つ。

 

上空への対処を他のメンバーに任せ、やっかいなエビルマージを優先的に仕留めていく。

コイツラがいなくなれば戦士もにおうだちを解除して動けるし。強力な遠距離攻撃を封じたい。

 

周囲の牽制を周りのメンバーに任せることで、ここに来てようやく攻勢だけに専念することが出来るようになった俺は呪文の連発を開始した。

 

前方への道を切り開きつつ、エビルマージも仕留めていく。

 

盗賊には、行けると思ったらバラモス城までダッシュで行くよう打ち合わせ済みだ。

 

当然キメラの翼は持たせている。

この総力戦メンバーのみんながキメラの翼をもっている。

 

誰でもいい。

誰でもいいのだ。

 

最低誰か一人でもバラモス城に到達出来れば俺たちの勝ちなのだから。

この場で全てのモンスターを倒す必要はない。

そもそもドラクエはそういうゲームだし。

 

…ただしクソガメ、貴様だけはゆるさん。

絶許である。

落ち着いたらこの世から完全に駆逐してくれる。

 

ジリジリと全員で前方に進みながらチャンスを伺う。

 

俺以外の皆はそろそろ魔力も心許ないことだろう。

 

こちらが城を目指すことは伝わったのだろう。

湖岸の包囲から城への道を塞ぐような陣形に整える魔王軍。

 

 

こちらも側面の警戒から前方への攻勢に集中する。

その間に呪文職メンバーにはアイテムを使い魔力を回復してもらう。

 

対峙する人と魔のそれぞれの総力。

総力戦の最終局面だ。

 

「バギクロス!ベギラゴン!」

 

さあ、最後の仕上げだ!

 

、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、

 

イオナズンが封じられると制圧力が大きく落ちる。

また…あのグループにバギクロス…あそこはベギラゴンで…

 

など考えねばならない思考時間がタイムラグをうみ、俺の呪文行使速度を抑えてしまう。

 

あらためてイシスの戦いは幸運が味方についていたのだと思う。

 

だんだん耐性とか考えるのがめんどくさいなり、最後はバギクロスだけ放つようになる。そこそこ満遍なくダメージ通ってたイメージなので、手数を優先することにした。

 

俺達は魔王軍をジリジリ押し込んでいるが、そこは相手もさるもので決定的な隙をこちらに与えなかったのだ。

 

戦士2人の顔色が良くないですね。

体力の心配はベホマのおかげでないから主にメンタル的なものですよねほんとすまん…

 

あと少しだ…頑張れ…

 

戦士以外の皆も疲労の色が隠せない。

 

まだか…

 

そうしてジリジリと進む俺達…

 

そして、いくらかの時間が過ぎ…

 

『?!?!?!』

 

バラモス城から、光が飛び上がる。

キメラの翼の光が。

 

作戦成功だ。

 

総力戦といった。

 

ここまで来たのは俺達だけではない。

舟に乗っていた兵士達、うち2人は途中で離脱したので残りの12名。

彼らは俺たちを対岸に降ろすと、ほこら側に帰ったと見せかけるため一度その場を離れ、転進し俺達からかなり離れた場所で再度接舷し、密かに上陸していた。

 

そして魔物の群れを大きく迂回しバラモス城に向かったのだ。

 

今、バラモス城から12の光がキメラの翼で舞い上がる!!!

 

「作戦成功だ!俺たちも離脱する!!」

 

それぞれルーラとキメラの翼を使い、この場を離脱した。

 

城に辿り着くのは誰でも良かったのだ。

俺達でも。俺達に魔王軍の注意を引き付けてる間に城に向かう兵士達でも。

 

作戦の最も厄介なところはクリアした。

後は城に乗り込み、バラモスを倒すだけだ。

 

 

 

今回の作戦、MVPは間違いなく戦士2人である。

 

 

 

 

 

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