ガメゴンロードの残りを片付けると、ゲーム通りに光に包まれた。
不思議な光のカーテン。
そして不思議な空間へ。
光が、いた。例の謎の光。
……………
だが、何を言ってるのかはわからない。
勇者にしか聞こえないのかな?
別に意味のある会話ではなかったはずだからいいけどね。
再度また光が俺達をつつむ。
気がつくと、俺達は全員アリアハンにいた。
誰もが何故かバラモス討伐を知っている。精霊の知らせでもあったのかな?祝福と感謝の声に包まれながら、アリアハンの城へ向かう。
謁見の間に上がると、おそらく勇者の家族らしき2人がいたが、俺とは話す事はなにもないのだろう。特に話しかけてもこない。
そらそだね。
「おお マトリフよ!
よくぞ 魔王バラモスを
打ち倒した!
さすが 大魔道士
国中の者が そなたらを
たたえるであろう
さあ みなの者!
祝いの宴じゃ!」
王の前に招かれる俺達
音楽隊がラッパをかまえる…
そして…来たか!
「ベギラゴン!ベギラゴン!」
突如、宙から生まれた氷塊を俺の呪文で迎え撃つ!
ゲームでは何の呪文かわからなかったがヒャダルコくらいだったのか?問題なく全ての氷塊を消滅させる。
玉座の間に、魔が出現する!
あまりにも強大で、暗く深い闇。
闇の力
闇の、おそらくは影
わははははははっ!
よろこびの ひと時を すこし
おどろかせようとしたのだがな。
わが名は ゾーマ。
闇の世界を 支配する者。
この わしがいる限り
やがて この世界も
闇に 閉ざされるであろう。
さあ 苦しみ 悩むがよい。
そなたらの苦しみは
わしのよろこび……
命ある者 すべてを
わが いけにえとし 絶望で
世界を おおいつくしてやろう。
そして影は手を大きく振り回し魔力を発動する
わが名は ゾーマ。
すべてを ほろぼす者。
そなたらが わが いけにえと
なる日を 楽しみに しておるぞ。
…大魔王の、名登場シーン。
本来は、この後高笑いとともにゾーマは去り、終わる
…はず
時に 貴様が 大魔道士を名乗る小僧か
「…あん?」
バラモスとの戦い 実にゆかいな
ものであった
大いに われを 楽しませてくれた
だが このゾーマに 同じ手が
通じるなどとは 思うでないぞ
わははははははっ…………!
そして、去っていく…
去り行く前の、あのセリフ…
本来この場面ではないセリフだ。
それが意味することは…
「ラリホーヒュプノスは対策しとくぜ、ってことか」
何処かでバラモス戦を見ていたのだろう。
大体このアリアハンのイベントだって、何処かで様子を見ていなければあんな絶妙なタイミングでは割り込めない。
いつでもどこでもという訳ではないかもしれない。
制限はあるが、その絶大な魔力をもって千里眼のようなことがゾーマには出来るのかもしれない。
とにかく大魔王にラリホーで眠るカバを見られ、その危険性を認識されたのは間違いないだろう。
そして、めざましリングというアクセサリーがこの世界には存在する。
あの大魔王ゾーマが後生大事にめざましリングを装備しているシーンを考えると笑えてくるが、正直愉快な光景ではない。
…まあいいさ。
『切り札は先に見せるな。見せるならさらに奥の手を持て』
だ。妖狐万歳。
何もこれだけが、俺の切り札って訳でもない。
大体自分1人で完結出来ないようなものを、切り札に入れるわけがないのだ俺が。