勇者が死んでしまった後の世界で   作:のりしー

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この世界の男連中、みんなアッサラームの事好き過ぎやしないか問題について

ヒュッ!と軽く空気を裂きながらダーツが的に刺さる。

 

3の、ダブル

 

「よっし!俺達の勝ちだ!」

「きゃーサーベルトくんカッコいいー!」

 

喜ぶゼシカの兄と、コンビ戦でチーム組んでたお店の女の子。

先程から始めていた301のゲームに決着がついたようだ。 

勝ったのはサーベルトのチーム。

そして負けたのは…

 

 

「はっはっは!いやお見事です!残念ながら負けてしまいましたなー

…では、大・神・官いっきまーす!!!!」

「出たーハーさんのいつものやつー!!!私もいっきまーす!」

 

…どうやらハーゴンチームが負けたらしい。

コンビ組んでたマルティナちゃんとショットグラスで強い酒を呷る。

 

俺はカウンターで1人大人しく酒を飲みながら思う。

…案外早く染まったな、と。

 

 

ほう、親睦を深める為に食事にですか。いいですな、行きましょう!え?アッサラーム?私は、そういうところが苦手でして…

 

 

はあ、またアッサラームですか…私は、あまりあの街が得意ではないのですが…まあ、皆さんが行くというならお供しますよ。

 

 

あ、この後、アッサラームですか!

…うーん、明日は朝早くの打ち合わせもないですし問題ありませんな、行きましょう!

 

 

マトリフ殿!今月はいつアッサラーム行くのですかな?

 

 

そんなこんなでいつの間にやらアッサラーム漬けになったハーゴンさんです…

俺は『アッサラームは月に2度まで』の鉄の掟を守っている。そうすると大体サーベルトがついてくるから大体他数人交えて飲むのだから皆もうすっかり夜の飲み仲間である。

 

ちなみにハーゴン推しのマルティナちゃんは、今日はいつものバニーコスでなく、小さな竜の羽と尻尾を生やしたドラコスである。

大神官…あんたドラゴン萌えだったのね…

 

 

、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、

 

当初、俺が始めて来た時のアッサラームは、ゲーム通りに基本ベリーダンスだけがウリの街だった。ショーを見れる劇場。劇場の奥には小さなカウンターがあり落ち着いて酒も飲めるような。

 

ベリーダンスも最初は面白かったのだが…まあ、毎回見ると正直飽きもする。

俺はカウンターで酒を飲みながら馴染みになったバーテンと話していた。

前世では酒飲みながら何してたっけ?ダーツとか?

バーテンにこの店ダーツないの?と聞くとなにそれ?との反応。

 

これこれこういうやつだよー。

へー面白そう今度もってきてよ。

 

んでルドマン商会のお抱え職人にダーツ一式作ってもらう。

ボードは流石に電子機器ではない。木製の板にダーツが刺さるようフェルト生地を厚めに張って色付する古典的なもの。

 

完成したそれを持ってアッサラームに行き、暇そうにしていた馴染みのバーテンと酒飲みながらそれで遊ぶ。

おらー貴様のまけじゃーのめのめーとかバーテンと遊んでるのが楽しそうに見えたのか?

  

えーなにそれ楽しそうー!

私達もやらせてー!

 

と今日の仕事を終えたダンサーの子らが遊びに混ざる。

んで皆で遊んだ。

翌日、飲み過ぎた俺は二日酔いだった。結局その日はアッサラームに泊まってしまった。

 

痛む頭を抱えながら食堂で消化が良さそうなスープとか水を貰う。後二日酔いの薬。

 

そこに、俺の事を探していたらしい男性がバーテンと一緒にやってきた。どうも劇場の支配人らしい。

 

「昨日2人でやってたゲーム。正式にもらえないだろうか?」

とのこと。断る理由もないのでお譲りします。もともと店行ったとき遊ぶ様に作ったのだ。

 

支配人は感謝を述べると、これは参考までに聞きたいのだが、と

 

「店の売上が最近落ちている。何か面白いアイデアないかな?」

…ははーん、それでテコいれにダーツを欲しがったのか。

 

なら俺にもメリットありそうなアイデアを出すとしよう。

「お酒を飲む用のカウンターをもっとデカくして、踊りがあんま上手くないけど可愛い子とか、おしゃべりが好きな子をカウンターでバーテンのお手伝い兼接客させるといいと思いますよ。お店暇ならお客さんとダーツで一緒に遊ばせたり」

 

ようはガールズバーである。

 

…この次に劇場に行くとカウンターが3倍の大きさまで伸びていた。ダーツも自分達で作ったのか増えている。そしてそれが全てお客で埋まっていた。

この娯楽の少ない世界だ。ドハマリしたらしい。

 

俺の姿を見ると、支配人は手をモミモミしながら近づいてきた。

 

「素晴らしいアイデアをありがとう!!!おかげで大繁盛だ!!」

 

ところで…もっと面白いアイデアないのかな?  

 

俺はキャバクラやスナック、その料金システムやお酒の場でお酒を賭けてやる簡単なゲームを多数教えた。

他にも、この世界の文明レベルで作れそうなビリヤードなどその他諸々の遊びも。

 

…そして、アッサラームは魔改造された。

 

街に寄る商人達の口コミで「最近アッサラームやべえ!」と噂が広がり新規客多数。

アッサラームに行けば稼げる!と若くて可愛い子も多数集まる。

 

この好循環が上手くいき、街に住む人は増え、その人たち相手を生業とする衣食住関連の人が増え、どんどんアッサラームは拡大していく。

…多分、今は元のゲームの5倍以上の規模となった。

 

 

はっはっは…これぞ現代知識を活かした内政チートですね笑

 

気がつくと俺は、アッサラーム名誉顧問の地位を得ていた。

 

…遊び人転職時、フローラにアッサラームへの就職を疑われたのはこのためである。

 

 

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