勇者が死んでしまった後の世界で   作:のりしー

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転生から今までの記憶2

あの後、僕はラダトームに移動した。

誰とも会いたくない…誰も僕を知らないところで引きこもりたかった。

お金は沢山あったから、ラダトームの宿屋で引きこもった。

 

、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、

 

…それから、一ヶ月が経った。

僕は、まだ宿屋で引きこもっていた。

誰とも会いたくなかった。

 

もう、僕は勇者じゃない。

勇者の役割は、あの人に取られてしまった。

 

どうせ、このアレフガルドも、あの人が勇者として救ってしまうんだろう。

もう、何もしらない…したくない…

 

、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、

 

それから、更に一ヶ月経った。

アレフガルドは、まだ救われていない。

 

…そこで、僕はふと思った。

 

この、この世界なら…

 

このアレフガルドなら…

 

僕はまだ、勇者でいられるんじゃないか、って。

 

、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、

 

それから、準備してラダトームのお城に行った。

ゲーム通りに僕は国王の元に案内される。

 

そして、王様の話を聞いて確信した。

まだ、間に合う…

 

まだ、間に合うんだ…

 

この世界を、僕が救えばいい。

 

ゲームでは、ゾーマを倒せば上の世界と下の世界は行き来出来なくなる。

 

ならば、あの大魔道士がこの世界に来る前に、僕がゾーマを倒してしまえばいい!

 

ラーミアを復活させるオーブは僕が持っている。

大魔道士は、バラモスを倒せない。

ならば、地下には来れない!

 

僕は、ここではまだ勇者でいられる!

この世界の勇者は僕だけになる!

 

、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、

 

そしてアレフガルドでの旅を始めた。

ギガデインが使えるうちはギガデインでザコを倒して、MPが切れたら逃げればいい。

ボスはずっと攻撃だけしてても倒せる。

 

1人旅だけど、元々そんな人と話すのは得意じゃなかったから、これはこれで楽だった。

 

そして必要なアイテムを集めてゾーマのところまで辿り着いた。

 

、、、、、、、、、、、、、、、、、、、

 

ひかりのたまはないけど、レベル99まで上がった僕なら行けると思う。レベルは1人で旅していると勝手に上がっていた。

 

ゾーマとの戦いが始まる!

厳しい戦いだが、最後に僕が勝つのは決まっている。

 

見事だ 勇者アルスよ

 

戦闘中にゾーマが話しかけてくる。

 

1人でこのアレフガルドの地を旅し。

我が配下を 倒したその力 実に見事である。

 

 

だが 勇者よ 

何故 1人なのに そこまで

お前は 頑張るのだ?

辛くは ないのか?

勇者だからといって 何故そこまでするのだ?

 

 

何故頑張るかって?

決まってる、それは僕が勇者だからだ。

あの体の芯から痺れるような歓声。

僕のことを好きになる人々。

それを取り戻したくて何が悪い!

 

 

…ほう… …そうか、そうか…

ならば勇者よ この我 大魔王ゾーマが

貴様が本当に欲しいものを 与えてやろう

 

そして、ゾーマが僕に告げる。

 

我が手を取れ 勇者アルスよ

この大魔王ゾーマの 部下になるのだ

もし 部下に なるのならば

世界の半分を お前にやろう

 

お前は 大魔王の勇者

そう 闇の勇者となって

世界の半分を 支配するのだ!

 

え…何を、言って…

闇の、勇者?

世界の、半分を、僕にくれる?

でも、僕は、勇者…

勇者として転生して…

 

ほう お前は 転生者というのか

詳しくは わからない

わからないが つまりここはお前にとって

夢のような かりそめの世界なのだろう

 

ならば なにゆえもがき 苦しむのだ

欲望に身を任せ 振舞ってもよいのではないか?

 

でも…そんな…欲望に任せてだなんて…

 

勇者よ お前は 女は抱いたことはあるか?

 

「だ、抱くって!」

思わず声が跳ねてしまう

 

抱けばいい

抱けばいいではないか

 

何を我慢することがある

お前のような勇者が 興味をもつのは当然のことだ

 

抱け 組み敷け そして犯すがよい

強きお前には その資格があるのだから

 

でも…そんな…酷いこと…

 

何 気にしなくてもよいのだ

ここは お前にとって かりそめの世界なのだろう

ならば良いではないか

 

我が配下となれ 勇者よ

1人でこの ゾーマの元に辿り着いた勇者よ

お前には 世界の半分が相応しい

我が部下となり 世界の半分を支配するのだ

 

 

でも…でも…

 

勇者よ お前には

憎いと思う人間はいるのか?

 

そうか いるのだな

ならば まずは試しにその者だけを

殺してみるといい

 

そうすれば 人を殺すなんて

なんて簡単なことだろうと わかるだろう

 

………

 

なに 殺してみて やはり辛いならば

それでやめればいいのだ

 

どうせここは お前には 夢の世界

人1人殺すことなど どうということもないだろう?

 

 

憎い男…

いる…

 

大魔道士マトリフ

 

僕の勇者の場所を取ったヤツ。

ミオとアリシアとレナを盗ったヤツ!

 

許せない…許せない!

 

さあ 行くのだ 我が勇者よ

ちょうど今、奴らが我が城に攻め込んで来たようだ

迎え撃ち 憎い人間を殺すのだ

 

殺す!

殺す!

大魔道士マトリフを殺す!

 

そして僕はゾーマに背を向け、いけにえの祭壇に向け歩き出した。

 

 

少し 待つのだ 我が勇者よ

お前には これを渡しておこう

 

背後からゾーマの声がかかり、足を止める。

そしてゾーマから2つのアイテムを受け取った。

「なにこれ…めざましリングが2つ?」

 

奴らは 状態異常攻撃を

実に巧みに 操る

 

「そうなんだ。でもこれ2つ持ってるから大丈夫だよ」

 

そうか 流石は我が勇者だ

だが 気をつけるのだぞ

 

アクセサリーは 持ち物で持っているだけでは

効果がないのだ

 

アクセサリーは 装備しないと効果がない

 

忘れずに ちゃんと装備してから

奴らとの戦いに向かうのだぞ

 

まるで最初の街の村人みたいな事を言うな、と思った。

 

 

 

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