勇者が死んでしまった後の世界で   作:のりしー

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天に翔ける

『大魔王からは逃げられない』

 

ネタをダイ大が綺麗に消化したネタだ。

あり得るのこれ?とハーゴンに聞くと。

 

「あります」

 

断言する。

 

自分の周囲の空間を結界で包み、その空間内で消費された魔力を吸収する呪法があります。

 

「私が使えるくらいの便利な呪法です。大魔王ゾーマであれば間違いなく使えるでしょう」

 

そういえばもしかするとだけど、貴方も魔王カテゴリーですもんね…

同じ呪法使えても不思議ではないのか。 

 

「その結界内ではルーラとその系統の術は使えないでしょう。私達の考えた策を実行するなら、この呪法を破る必要があります」

 

 

そう言われ、思い当たる所があった俺は、この人生で初めて、俺以外の人間にメドローアを見せた。

 

ハーゴンは、これなら問題なく結界と呪法を破れると言った。

 

、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、

 

メドローアが、宙を駆ける。

全てを滅ぼす極光。

 

上空に向けて放ったメドローアが、ゾーマの呪法を破壊した!

 

ぬう……

 

テストでハーゴンの張った呪法はメドローアで破壊出来た。

原作でも、死神の張った呪法をメドローアは突破している!

 

 

一瞬だけど

その一瞬があれば、十分なのだ。

 

俺とハーゴンが詰めたプランを実行するには

 

 

、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、

 

結論から言うと、ゾーマを倒してから100%の確率で地上に戻る手段は発見出来なかった。

 

「メドローアでゾーマの呪法を破壊して、倒してからすぐルーラで地上はどうだろう?」

 

多分当然の問いだと思う。

 

「結局、それですら100%の確率にはならないでしょう。ゾーマの大魔力でギアガの大穴が維持されているのなら、その安定性が何処で崩れるか予想出来ません」

 

 

ゾーマが死ぬと、ギアガの大穴が閉じる。

 

ゾーマは死ぬ間際に、その魔力を回収しないのか?

どの程度ダメージを受けたら、その魔力を回収するのか?

最後の勝負を仕掛けるために?もしくは回復のために?

ダメージが積もると、その魔力を回収するのでは?

 

何にしろ、ギアガの大穴は維持に魔力が必要なのだろう。

ゾーマ死後、ギアガの大穴が閉じるのが証拠だ。

魔力の供給は必要なのだろう。

ならば、どのタイミングかわからないが、一定のタイミングからギアガの大穴は不安定になっているのでは?

 

「不安定な時空をルーラで移動する。結果、何処に飛ぶかわかりません。この世界であればともかく、全く未知の異世界に飛ぶ可能性もある」

 

そうしてハーゴンは教えてくれた

 

 

『キメラの翼バグ』

 

俺の知らないバグだ

 

「魔力の不安定なエリアを挟み、キメラの翼もしくはルーラ等を使うと、本来の行き先とは違う別の何処かの世界に転移する可能性があると聞いたことがあります」

 

ただ、それを体験したものは他の世界に行ってしまうため、検証不可能なのですが…

 

故に、バグなのです。

 

ハーゴンはそう言った。ただ俺としては納得する。

マイラの鍛冶屋他、他にも何故かこちらに転移した人達。

もしかするとアレフガルド以外の世界に転移した人もいるのかもしれない。検証出来ない人達が。

 

 

「そうすると、つまり」

「ゾーマを倒してから、地上に移動するべきではない」

 

ならば…

 

『ゾーマごと地上に移動し、地上でゾーマを倒す』

それが最終的な結論だった。

 

、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、

 

最終的な結論はそうなった。

 

俺のメドローアから目を逸らせない大魔王。  

 

それはそうだろう。見る目があればあるほど、これはヤバいと実感する。メドローアはそういう呪文だ。

 

無視など、出来るわけがない。

 

俺と、俺の放ったメドローアに意識を集中するゾーマ。

 

…この一瞬が、欲しかったタイミングだ。

 

アリシアが、走る。

 

、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、

 

「えー!マジで!私!私がやんのそれ!?」

責任重大過ぎるよう…

 

俺はメドローアを使って呪法を破らなければいけない。  

だから、これは他の人にお願いする必要があった。

 

ルーラ系統のため、魔法使い職だけが習得出来る呪文。

地上帰還の切り札。

 

俺はそれを、アリシアにお願いした。

検証は俺とハーゴンで行っている。

ギアガの大穴があれば確実に成功するまで仕上げた呪文。 

 

バラモス城の装置の再現。

その呪文。

 

「んーでも、こーいうのってマー君がいつもやんじゃん!私でいいの?」

「アリシアが信頼できるから頼むんだよ。誰にでも頼むわけじゃない」

 

誰でも扱えるレベルには落とし込んだ。

誰でも扱えるなら、一番信頼できる人がいい。

 

「…マー君それ口説いてる?」

「口説いてるさ。それなりのシチュエーションを用意しろって言ってただろ」

 

うー…っと、アリシアは顔を赤くしてしばらくじっとしていたが…

 

「…ま、惚れた弱みだから仕方ないか!」

いえーい!

 

親指と、人差し指を交差しこちらに向ける。

最近よく見る、ハートのアレ。

 

「でもパンツの前にチューからね!」

「…せめて、そー言う話は私達のいないところでしてくれませんこと…」

「…てかゾーマ倒してからにしようよう…」

 

、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、

 

アリシアがこの場の全員を効果範囲におさめる場所に立つ。 

その手には宝珠。 

 

バラモス城にあった装置。 

2つのうちの1つ。  

 

お互いを呼び合う魔石。

 

アリシアが、呪文を唱えた。

 

「トールーラ!」

 

AからBへ

A to B

 

シンプルでいいんだこんなのは。

 

AはBに惹かれあう。

お互いを対と定め、対の相手の場所に移動する呪文。

 

バラモス城の装置を解析し、俺とハーゴンの2人で実現レベルまで整えた呪文。

 

1から作るのは無理だ。 

でも魔力構成を解析し、キーとなるAとBの宝珠は特定し、持ち運び出来るようにした。

 

後は効果範囲だけ確認し、状況を詰めて唱えればいい。

人間だろうがモンスターだろうが、はたまた大魔王だろうが。  

 

効果範囲内の全ての存在

それを捕まえ、俺達は地上に向かった。

 

 

色々もったいぶったけど、まあこんなもんだ。

 

地下でゾーマを倒してから地上に上がるのが危険なら。 

ゾーマと一緒に地上に上がればいい。

 

まさか自分も一緒に異世界飛ぶのは嫌だろう?

それが嫌なら、一緒に地上まで付き合ってくれるだろ?

 

 

 

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