アリシアの唱えたトールーラは見事に成功し、俺達はバラモス城のバラモスの間の前に移動した。
当然、大魔王ゾーマもともに。
あらかじめハーゴンと協力し、転移先の施設も改良済みだ。
多人数で転移出来るように。
基本構成を大きくし、大出力に対応出来るようにしただけなので、それほど難しくはなかった。
わはははははははは!
なにやら 地上で 色々と
企んでおるのは 知っていたが
まさか これを狙っていたとはな
だが われとて ただ玉座に座り
待ちぼうけをしていたと 思われるのは心外だな!
そう言うと、ゾーマが魔力を高める!
「「におうだち!!」」
マヒャド?いや、これはまさか!
マヒャデドス!!!!
ゾーマが放った極大氷呪文!
イシスでの情報が伝わっていたのか!!
本来この世界にあるべきでない恐ろしい氷の波が戦士2人を襲う。
あらかじめほのおの盾を両手に。
炎のイヤリングを2つ装備はさせているが!
たしかゾーマは最大3回行動!!!
3連発は流石に不味すぎる!!
だから、ここで詰むしかない!
ハーゴンと練った、大魔王討伐プラン!
「メラゾーマ!マヒャド!」
両手に正と負。相反する2つのエネルギーを生み出す!
ぬう!
ゾーマが、2発目のマヒャデドスを中止する!
マホカンタ!
そう、ゾーマはマホカンタを使えるのだ!
だが、
「いてつく波紋!」
ミオのいてつく波紋がマホカンタ消し飛ばす!
むう…マホカンタ!
「いてつく波紋!」
もう1人の武道家が、さらにそのマホカンタを消し飛ばす!
あの一発でメドローアの特性を見抜き、マホカンタを張ったのは流石大魔王ゾーマ。
だが…詰みだ。
俺がメドローアを準備している以上、それが放たれるまで、ゾーマはマホカンタを張り続けなければならない。
2人の武道家の助けを得て、俺とゾーマは睨み合う!
完全なる膠着状態。
もしこの場にいるのがこのメンバーだけであれば千日手になったことだろう。
だが…
「「「「ビーストモード!!!!」」」」
「やまびこベホマラー!」
「「ベホマラー!!」」
「「マジックバリア!!」」
「「におうだち!!」」
ここには、俺の仲間達がいる!
ゾーマは、俺達を、見ていた。
そして、大魔王は…
ふふふふふ ふははははははは
はーっはっはっはっはっは!
…マホカンタの詠唱を辞めた。
見事…見事だ 人間どもよ
これは 間違いない 詰みだ。
もう どうにもならぬほどに、
完全なる 詰みだ
ここから どうするべきか
考えたが 全くどうして どうにもならぬ
われ 大魔王ゾーマの 敗北である!!
…そう、これは詰みだ。
行動のほぼ全てをマホカンタに費やす必要があるため、ゾーマは他の手段が取れないのだ。
つまりそれは、ゾーマの敗北を意味する。
俺1人では、ゾーマを倒すことは出来なかったかもしれない。
ここまで一緒に来てくれた、仲間達と勝ち取った勝利だ!
見事 見事である 人間どもよ
そして 大魔道士マトリフよ
その恐るべき 大呪文を生み出し
策の上でも われを 完封してみせた
この 大魔王ゾーマが 貴様に
最大限の 賛辞を贈ろう
その言葉に、思わず胸が震えてしまう。
…そら、これはダメだわ。
俺ですらこうなのだ。
キッズ勇者なんぞイチコロだろう。
「…ありがとう、大魔王ゾーマ」
ファミコン時代からの長い付き合いである。
幼さ故の思い出補正があるにしろ、自分にとっては大魔王といえばゾーマなのだ。
それほどカッコいいと憧れた存在。
その大魔王に、こうまで言ってもらえるとは!
「あなたにそう言ってもらえると、本当に、嬉しい」
…思わず、口からそうこぼれる。
本心の言葉だった。
狙ってなどいない。
さあ その 恐るべき大呪文で
われを倒し 世界に平和を もたらすがよい!
そして 語り継ぐのだ!
偉大なる 大魔道士マトリフが
闇の世界の支配者 大魔王ゾーマを倒し
この世界に 平和をもたらしたのだと!
「メドローア!」
そして俺は放った!
メドローア。
あまりにも美しい、消滅の光。
最強の極大消滅呪文!
そして、星色の輝きを放つ巨大な消滅エネルギーがゾーマを飲み込んだ…
最後まで魔の王らしく、悪あがき1つ見せず、ゾーマが消滅していく。
後方にあった城の一部とともに、
ゾーマはこの世界から、完全に消滅した。
「勝った」
…さようなら、偉大なる大魔王ゾーマ。
死の間際まで、威厳に溢れた悪のカリスマ。
あなたのくれた賛辞は、決して忘れる事はないだろう。
ここまでお読み頂きありがとうございます。
次が最終話となります。
1話にしたいのですが、色々書くことが多いため、珍しく長文となります。
最後までお楽しみ頂けると幸いです。