えー、まずはお詫びを。
不定期とは言いましたが、ここまで期間が空いたことにお詫びを申し上げます。
言い訳としては、ハーメルンの仕様を理解しきっていないポカにより、ちょっとした操作でぼかし部分が読めてしまう事を主人公プロフィール投稿後に知りました。
ただ主人公たち現代サイドからの原作キャラへの説明話まで、このままで行かせていただきます。
まだ解読してない方は自由にして頂いて結構ですが、「???」となっても自己責任でお願いします。
無事プロットは崩壊しました笑。
とりあえずリハビリがてらのお茶濁し回です。
ある意味1番ネタにされてる人にテコ入れが・・・?
※今回も独自理論満載です。現実の運転では交通ルールを守り、ゆっくり安全運転を心掛けましょう。
夏真っ盛りな蒸し暑い夏の夜。茹だるような暑さがまとわりつく。
そんな日ですが、俺は元気です。
色々あってグロッキーになっていた俺だがそれは先日の話。既に復活して*1お出かけの真っ最中なのだ。どっちかというとお使いみたいなもんだけど。
どうせ秋名山だって思うだろ?
ところがどっこい、違うんだなーこれが。
実は現在───妙義に来ております。
え? 何しにって、足のセッティングの洗い出し。
個人的にだが、秋名は高速ステージで勾配がキツいため、ぶっちゃけ車のセッティングとして走り込むにはあんまり向いてない印象がある。
特にヘアピンが急激なRを描いているため、他とのバランスが取れてないとギクシャクしやすい印象がある。
全体のバランスとか、仕上がりを見るならいいかもしれんが・・・足の動きとかトラクションの掛かり方とかの1点のみを洗い出すのは難しく感じた。
なら同じヘアピンが続くものの、Rが緩くて左右に繰り返す妙義に白羽の矢が立ったわけである。目的のコースとある意味で近いしね。
────で、そうしてここに来たわけなんだけど・・・。
「俺の、32・・・」
なんか居るんですけど?? *2
具体的には上りの最終コーナー2つ手前。原作で啓介が後輪を乗り上げた箇所である。
ほんでそこでアリを眺めるような姿勢で佇む中里パイセンが居るのはどうしてですか??
横に止まる32Rのリアフェンダーが凹んでいるのを見て、何となく理由を察した。
とはいえここは公道。当然他のクルマもここを通るのだから、いつまでも通せんぼしていいわけが無い。夜の時間帯に来るなんて走り屋くらいなものだが、クルマが来ると危ないので頂上の駐車場へ誘導する事にした。すぐそこだしね。
オラッ、移動だよあくしろよ。
のそのそと覇気のない動きで32を動かす中里氏を横目に、俺も移動。
今回、
慣れない車だとアクセルを煽りすぎる。あるあるだよね。
✣✣✣✣✣
中里side
「はい、どーぞ」
「ん、悪いな・・・」
「いいえー。 ・・・ところで、今日は走り込みですか? 例の交流戦に向けて?」
「・・・まぁ、な」
確信めいた質問に対しぼやけた返答を返しながら、俺はそのまま黙り込んでしまった。
受け取った缶コーヒーが妙に冷たく感じる。
"秋名のハチロク"が鮮烈なダウンヒルデビューを飾ってから数日。興奮を胸に秘めたまま、俺は
だが走るうちに、段々と余計な思考が俺を蝕んできた。
じわじわと、苛むように。
胸中を支配するよく分からない焦りに振り回され、気付けば俺はまたミスをしてクルマを傷付けてしまった。
・・・
それは疑う余地もない。
前のS13の頃、いくらブレーキングからターンインでじわじわ詰めようとも、こちらを嘲笑うかのような圧倒的な立ち上がり加速を見せつけ、あっさりと突き放されるのを味わった・・・。 それは強く印象に残っている。
あの時も焦りに支配され、呆気なく愛車を潰してしまった。
プゥーー パン!
トルク特性に優れ、ピックアップの良いツインターボを採用した強力なエンジン。
それを地面に余すことなく伝え、圧倒的なスタビリティを生み出す駆動システム。
だがそれを駆る俺はどうなんだ?
GT-Rにふさわしいドライバーと言えるか?
このモンスターを扱い切れているのか?
4WD乗りとして名を挙げれるほどのウデがあるのか?
────赤城の連中に、勝てるのか?
思考が逸れる。
先日の交流戦。結果だけを見れば赤城の完全敗北だった。
プゥーー パン!
上りは地元ですらない走り屋に負け、
下りは旧式も旧式なハチロクに、7秒の差をつけられた。
ギャラリーをしてたヤツらの1部は知った顔で抜かす。
『─────レッドサンズも落ちたもんだ』
『─────赤城最速とは名ばかりじゃないか』
『─────聞いていたほど大したことない』
それを耳にした俺は、思わず心の中で吐き捨てた。
お前らに同じ芸当ができるか? ・・・ 同じレベルのタイムを出せるのか? と。
───なんにも見えてねぇ雑魚どもが。
俺には分かる・・・あの日行われたタイムアタックの本質が。
プゥーー パン!
走り屋と言っても、どこの峠だろうとレベルの幅があるのは当然だ。
走り始めたばかりのヤツ・・・。
がむしゃらに攻めるだけのヤツ・・・。
その程度のレベルのヤツが、正直なところ殆どを占める。
その低次元で調子に乗るような阿呆はウチにも何人か居るがな・・・。
無論、まとまった走りが出来るやつも少なからずは居る。
反面、ごく稀にだが・・・そういった枠に収まらないイレギュラーが存在する。
あのハチロクはその最たる例だろう。
コースを知り尽くしたあの走り・・・走り込みのケタが違う。 文字通り、寝ても覚めても走り込み続けた地元特化のスペシャリストに違いない。*7
でなきゃ路肩の溝を最大限活用するあのスピードコントロールとライン取りは実現しないだろう。相当研究を繰り返したはずだ。*8
あのハチロクは間違いなく・・・乗るクルマ以外の全ての面で、高橋啓介を上回ってやがったんだ。
プゥーー パン!
そう改めて結論を出しながらも、横にいる
・・・というか、何やってるんだ?
「何してんだアンタ」
「え、フーセンガムで遊んでる」
「イラッ ・・・」
悩んでいる隣でこうも呑気にされると、ここまで腹立つもんなのか??
───いや、そりゃ相談もしてないから当然か。
そこで何を考えたのか、俺はその悩みをストレートに打ち明けてみる事にした。
俺はRを乗りこなせているのかと。
これは、ただの偶然とか気まぐれだったのかもしれない。何ならただの八つ当たりに近いものだったろう。
だが、ひとつ言えることがある─────
「あー・・・なるほど。 確かに、正直言えば中里さんはR使いとしては平凡というか、イマイチGT-Rというクルマを良く理解できてないように見えるかな」
「────理解? ・・・どういうことだ?」
「ふーむ・・・んじゃ質問です。 ─────他の車には無い、GT-Rの利点って何?」
─────この時、俺はR使いとしての本当のスタートを切ったんだ。
✣✣✣✣✣
『GT-Rの利点・・・そりゃトラクションだろ』
『んー、違います。 近いけど違う』
『イラッ ・・・旋回性』
『当たらずとも遠からず、かな』
『ピキピキ ・・・圧倒的な安定性!』
『全部掠ってはいるんだよなぁ』
『じゃあ何なんだよ!!』*9
『トラクションがよく掛かり、4WDとしてはかなり高いコーナーでの旋回性能・・・ そして、どの速度域でも落ち着いた挙動を持つ安定性。 ────そしてこれらは、よりアクセルを踏むために必要な要素に他ならない。
まぁつまり、"今現在世界にあるどんな車よりもよりアクセルを長く踏める"という利点になるんです』
『・・・俺の知っている限りなら伝えられるかもしれないです。 少しでも興味があるなら、Rのハンドルを握らせてください』
GT-Rの乗り方。コイツは確かにそう言った。
つまり妙義最速である俺が、R乗りとしてはまだ甘いと言われたようなもの。
普段の俺なら噛み付いたかもしれないが、秋名での走りを見ていたせいか、悔しいという感情も出てこなかった。湧いてきたのは純粋な興味。
そして俺はアイツの助手席に乗り・・・Rの神髄に触れた。
横に吹っ飛ばされるような、強烈な旋回G。
コーナリング中に際限なく鳴き続けるタイヤ。
いつもより高い速度で、後ろへとすっ飛んでいくガードレール。
そして─────まるでFRのような鋭いコーナリングと、4WDらしい圧倒的な立ち上がりを繰り広げる俺の32。
途中の駐車場に止まってるクルマがもうパイロンにしか見えねぇ。*10
自身の限界ドライブよりも数段高い速度域に思わず身が竦む。
そんな中でコイツは、なんてことの無いように話し出した。
「GT-Rの弱点としてよくフロントヘビーや重量バランスの悪さが挙げられるんですけど、悪い点ばかりじゃあないんですよね。 前荷重ってことは後ろを振り易いって事でもあるんで・・・ こんな感じにアクセルで振ってやると」
その言葉と同時に、ターンイン最中の32の向きが急激に変化する。
即座にパワーオーバーだと感じ、思わず身構える。
・・・が、俺の予想に反してあっさりとこのままコーナーをクリアしてしまった。
「不思議そうですね。 ・・・と言っても特別な事はしてないんですよ。ただアクセルで滑り出すと同時に、ステアリングを戻して正中から弱カウンターにするんですよ。 あとは作動したアテーサのおかげで前が引っ張り、スライドしながら加速して抜けていく・・・ クルマ任せで滑らせながら加速できる。 他の車では出来ない、GT-Rだけの特権です。 と言っても、32Rは420を超えてくると、いくらセッティングしてもこれは難しくなっちゃいますけど」
FRで同じ事をするとあっさりスピンしますけどねー、と、付け足すようにこの男は軽く言う。
これは・・・ 本当に峠レベルのテクニックの話なのか? どちらかと言えば、コンマ1秒を争うような・・・それこそレースで発揮されるようなマシンコントロールに聞こえる。 間違いなくRを扱うワザでも
そもそもここまで追い込んだ走りなんて、クルマそのものの限界付近の挙動を知り尽くしてなければ到底無理なハズだ。
だけど峠という限られたステージで、競技レベルまで技術を鍛え上げるようなバカなんざ、俺は見たことも聞いたことも無い。
無論、ここまでやれるのならばコイツもGT-Rで走ったことがあるのだろう。
だが、当然俺のマシンと全く同じ訳ではなかったはずだ。どんなマシンであれ、限界付近で操るにはある程度の習熟が必須なはず。なのにここまで振り回してみせるコイツは・・・。
どういう次元の懐の広さをしてやがる。
もし今、この走りのタイムを取っていれば・・・ 妙義山では見たこともないようなコースレコードが出てしまうだろう。
それを、初めて乗るはずの俺のマシンで。
クルマごとにセッティングやエンジンの出力だって違うはずなのに──────初見で。
夏だと言うのに、ゾッと嫌な汗が吹き出す。
走る際にエアコンは切ってあったはずだが、薄ら寒い"ナニカ"を感じた。
「多分中里さんがスピンしたりするのって、アクセルを戻してステアリングでコントロールしようとしてるからだと思うんですよね。 FRならそれでいいんですけど、コイツは結局4駆・・・踏んで安定させるのは同じです。 タイヤが滑ろうとするのを感じなければ、アテーサは作動しないままとっ散らかります。 アクセル戻すのは悪手なんです。 挙動がFRに戻ってより不安定になりますからね。 スライドを抑えたいなら左足ブレーキで姿勢を整えるのもできますし、やりようは結構あるんです。 あとはもう試行錯誤すれば自分なりのスタイルに仕上がるんじゃないですかね」
「機会があったら、グループAの32の走りを映像とかで見て見ると良いですよ。 みんな踏んでるのがよくわかると思うんで」
その言葉を、俺はどこか遠くに感じていた。
主人公 : 実ははこっちでしれっと手に職つけてた。今回乗ってきた車はそこのデモカー。GT-Rの中でも32はさんざん乗った為に振り回し方をよく知っている。本当はあれこれ教えようとしたが、途中でブレーキが限界になるだろうと思って1本のみの圧縮言語となった。
中里に干渉したのは、「スピードスターズだけだと不公平かな・・・」とかいう思いつきでしかない。つまり考えなしの行動。
乗ってきたデモカーはGDB-Aのタービン交換仕様。筑波アタック用のセッティングに来ていた。
原作キャラのはずの中里にちょっと気安い理由は、散々ネタとかオチ担当になっていたのが印象強いため。あと先日の交流戦での逆恨みがちょっぴり。
中里パイセン : 原作におけるネタ枠キャラ。ある意味原作における1番の被害者かもしれない。
お利口なグリップ走行を信条にした走りだが、シルビアの頃はバリバリのドリフターでダウンヒラーだった。今回の件でRにはRの走らせ方があると知り、一皮剥けようとしている。だがまずはブレーキの強化と太いタイヤホイールの投入をするべきである。
今回の走らせ方はあくまで僕の考えに基づくものなので、実際とは違うものになります。解釈は自由ですが、現実と同じではないのでご理解をお願いします。
じわじわと風呂敷を広げているが、拾えるかコレ・・・?