俺の作るジュースが美味しい   作:とうもろこしヘッド

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誇り✖️と✖️覚悟

 

 二次試験の最初は作戦通り、ただ俺の作った美味い水を試験官に渡すだけだった。

 

 キルアもクラピカもレオリオもあのヒソカでさえ、みんな俺の人生の誇りを掛けた水が地面に落ちるとは考えてはいなかっただろう。俺が地面に水が落ちた時に考えていたことは驚愕と言う感情だ。

 

 後ろを振り返ってあの371番を見た時、一発ぶん殴ってやろうとした。でも、それじゃあ生ぬるいと思った。やり返してやる口実が必要だった。

 

だが!

 

 この試験簡単に言えば点取りゲーム、俺の狙うべき相手が371番!もうこれは必然、運命ではないだろうか。アイツのナンバープレートを取れるならば俺は悪魔にだってなってやろう。

 

 俺は371番に的を絞り、他の受験生は狙わず見つけたとしても絶で気配を絶ち逃げることに専念した。

 

 2日目になっても中々371番を見つけることが出来ず彷徨っていると、ヒソカを見つけて直ぐに姿を隠した。(あぶない、あぶない、危うくヒソカに見つかるとこだった、咄嗟に絶を行い気配を断つ事で周囲に紛れることが

 

「さぁ、出てきなよ❤︎いるんだろ?」

 

何!?気づかれた!

 

「いるんだろ、こないならこっちから行こうかな♣︎」

 

クソッ、今から逃げるか!でもこの距離からじゃもう逃げれない、何か手はないか、何か手はないのか!

 

 ガサッ

 

 うん?何だ371番じゃないか…371番!!!

 

草陰から姿を表したのは俺がずっと探していた相手だった。

 

 ゆっくりとヒソカに近づくゴズ(371番)に対し、漸く見つけることが出来たジョセフは怒りや驚愕の感情が湧くよりも不思議な違和感が僅かながら先行し、ただ真っ直ぐにゴズの言動を監視し事の成り行きを見守っていた。

 

 二人が少し言葉を交わすと戦闘が始まり、武術経験が浅いジョセフでも分かるほどの磨かれた戦闘技術に目が離せないでいた。ゴズの動きには長年培ったであろう槍術だけでなく見ていて凄みがある何かをジョセフは感じ取っていた。

 

 「なぜ反撃してこない!」

 

 「その好血蝶の数を見るに既に誰かから致命傷を受けたんだろ♠︎このまま避け続けたら君は勝手に死ぬ❤︎攻撃する意味が無いね♦︎」

 

 「私は戦わなければいけない、ビアンの戦士の誇りに掛けて!」

 

 「何それ?」

 

 「我らが傭兵ビアンの戦士、戦あるとこには必ず駆けつけ一騎当千、敵を切り裂くのが役目、私はこの試験に参加したときから感じていたのだ、貴様と一戦交えたいと。せめてこの命が尽きる前にこの想いは果たしておきたい、戦ってくれ!」

 

 その発言にはゴズの戦士としての最後の頼みであることが雰囲気からして読み取れた。武人としての矜持が死に行く間際でも消えることが無く、ひたすらに努力してきた人生が見えた気がした。

 

 「僕さぁ、死人には興味無いんだよね♦︎君もう目が死んでるよ❤︎バイバイ♣︎」

 

おいヒソカ、それはねーだろ俺はバカだけどよ。それはしちゃいけねーってのは分かるぞ。確かに371番はムカつく野郎だ、だけどな覚悟を決めた漢の願いを踏み躙るってのはな、俺は許せない。奴は誇りを掛けて戦ってんだぞ、もっとこうあるだろ誠意ってのがよ!

 

 「ヒソカーー!!コラァ!、そこを変われよこのクソガァ!俺がそいつと戦うから邪魔すんじゃねーぞ!分かったか!。」

 

 ヒソカの前に姿を現すのは癪に障るが関係ねぇ!今はただぁコイツの精神に則り戦り合うだけだ!

 

 「おい!371番、全身全霊を掛けて俺と勝負しろ!ノーとは言わせねぇ!」

 

 俺の急な登場に対し最初は状況が把握出来ていなかったゴズだったが、俺のオーラに当てられてか槍を力強く持ち直した。

 

「ヒソカの他にもこんな覇気を放つ少年がいたとは、最後に手合わせ願おう。」

 

 ヒソカの方に視線を向けると笑いながら手を差し出し譲るジェスチャーをしてきた。(いけすかねー野郎だ)

 

 「来いやー!」

 

 ゴズが走り始めて心源流の構えをとったジョセフは同時に念操作の基本である「纏」を解除した。

 

「纏」を解除した理由にあっては念を解いた本人すら分からず無意識に行っていたとしか言えない。念での死闘ではなく純粋な格闘で戦いたいと言うジョセフの思いから自然とこのような行動をとったとも取れる。

 

 向かい合い槍での攻撃に最小限の動きで避けこちらも攻撃を繰り出す。

 

 天空闘技場で戦闘経験を積み戦ってきた相手よりゴズの攻撃は1発1発がとても重く今まで相手にしてきた者たちとは確実な違いが感じ取れた。

 

ゴズにとっての最後の戦い死の間際に念が覚醒する。

 

 槍の薙ぎ払いに対して、回避に専念していたジョセフはバランスをくじき避けられないと悟り防御の姿勢に入る、腕を体の横で固め最大限受けれるよう構えた。

 

 

           

 

 

 腕に槍の衝撃が来る直前にジョセフは急速に集められるだけのオーラを腕に纏わせた。

 

 槍による横の薙ぎ払い、この攻撃に纏っていたオーラをジョセフは見逃さなかった。

 

 槍が腕に来る直前に気づいたことから常人の念能力者ならば念を纏うのが遅れ死に至る程のダメージを受けていたのに対し、ジョセフは素早く腕にオーラを込めた。

 

 ジュースを作っているジョセフは身体から腕に掛けてだけの念の操作「流」にあっては達人の域に達していた。

 

 コンマ数秒の間にオーラを腕に一瞬で纏わせたことから普段の防御よりは低いがある程度のダメージを緩和させることに成功した。

 

 しかし武人が放った念を纏った覚悟の一線、これはジョセフの腕が戦闘を続行するには難しい程の威力が篭っていた。

 

 ここでゴズの片膝が地面に付く。緩やかに確実に視界が霞むのを感じた。

 

 朧げに相対していた者に視線を向けると感じることしか出来なかった相手のオーラが可視化できるようになり、ジョセフのオーラを見てゴズは笑みをこぼした。

 

 (この境地に至るまでここまで掛かったか、しかし少年のオーラは澱みなく私との差が明確に分かってしまう。)

 

 「私はビアンの戦士、名前はゴズと言う。」

 

 「心源流拳法のジョゼフ・プリーストリーだ。」

 

「また戦ってくれるかな?」

 

 「………」

 

「そうか…」

 

 (カッコよかったぜ、最後までな)

 

 ゴズが倒れ、確認してみると死んでいた。プレートは少し迷ったが貰うことにした。懐から取り出し持ち上げると軽いプレートにも関わらず落としてしまった。

 

 腕の震えが止まらなかった。

 

 勝ったはずなのに気合いで負けてしまった。臆して引いてしまった。最後の1発、あと少しでも迷っていたら死んでいたのはこっちであった。初めて経験する死が隣り合わせの戦闘に俺は震えが止まらず、腕を抑え付け無理矢理震えを止めた。

 

 感傷に浸る間もなくヒソカがこちらに近づいてきた。

 

 「こいつのプレートは俺が預かる、文句あるか?」

 

 「いーや無いよ♦︎なんで最初から念を使わなかったんだい?」

 

「知らねーよ、こいつを見てたらそうした方が良いと思っただけだ。」

 

 「へー❤︎まぁ良いや、その腕治したら、今度こそやろうよ。本気でね❤︎」

 

「やらねーよ。」

 

 俺はその場から立ち去り、あとの試験を絶で行方をくらまし終了するまでの間、腕の回復に努めた。

 

 第四次試験が終了しスタート地点に戻り、俺を含め10人が最終試験に進む事が出来たが俺は試験官に辞退する事を伝えた。

 

 今まで協力しあっていた仲間には引き止められたがこれでハンター試験に合格する事ができても俺の心が許さない。また1からやり直し再挑戦することに決めた。

 

ーーーーー

 

 

 「10人中6人がルーキー、ほっほっほっ豊作豊作。」

 

 ハンター協会会長のネテロは今年のハンター試験の最終試験通過者の名簿を見て嬉しがっていた。

 

 年によってはルーキーの合格者が全く出ない年もあると言い、逆に今回のような突然ルーキーが大量に排出される年もあると他の試験官に説明した。

 

 ハッハッ

 

 他の試験官からの最終試験は何をするのかという質問に対し一風変わった決闘をして貰うと発言するネテロ。

 

 ハッハッ

 

 「その為の準備として、10人それぞれと話がしたい…、

 

 バタン! 「ネテロ会長!至急お伝えしたいことが!」

 

「なんじゃビーンズノックもせずに?」

 

 「すみません!…じゃなくて!受験生の1人320番ジョセフが最終試験を辞退しました!」

 

 「何!?」

 

 

 

 




ビビりゃ負けるぜ!臆せば死ぬぜ!
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